PASSMED公式LINEの登録者特典|当サイトに掲載している図表の元データ&学習支援AI 薬科GPTをプレゼント♪
本記事では2022年(2022年1月1日~12月31日)に承認された新薬の
- アクセス数ランキング
- 一覧(新有効成分含有、新配合薬のみ)
をご紹介します。
再生医療等製品を含む。
ちなみに、適応拡大等も含めた全ての承認情報についてはPMDAのHPに載っているので、そちらもご参考にしてみてください。今回の記事では適応拡大については割愛していますので。
PMDA|新医薬品の承認品目一覧>令和4年度>承認品目一覧(新医薬品)
※2024年以降の薬剤師国家試験のヤマ・新薬対策にもお役立て頂けると思います。
-
薬剤師国家試験対策:ランキングから考える新薬のヤマ!
続きを見る
新薬のアクセス数ランキング:2022年1月1日~12月31日
2022年1月1日から12月31日のアクセス数ランキングです(2022年内に承認された新有効成分含有もしくは新配合薬のみ)。
記事の公開時期(承認時期)によって、公開期間が異なりますので、アクセス数はご参考程度に留めていただければと思います^^;
ランキング | アクセス数 | 医薬品名 (一般名) |
承認年月 | 効能・効果(略) | 作用機序 |
1位 | 59,300 | ゾコーバ (エンシトレルビル) |
2022年11月 (緊急承認) |
新型コロナウイルス 感染症 |
3CLプロテアーゼ 阻害薬 |
2位 | 32,300 | レイボー (ラスミジタン) |
2022年1月 | 片頭痛 | 5-HT1F受容体 作動薬 |
3位 | 22,400 | ケレンディア (フィネレノン) |
2022年3月 | 2型糖尿病を 合併するCKD |
MR受容体 遮断薬 |
4位 | 19,900 | パキロビッド (ニルマトレルビル/リトナビル) |
2022年2月 | 新型コロナウイルス 感染症 |
3CLプロテアーゼ 阻害薬 |
5位 | 18,200 | ジスバル (バルベナジン) |
2022年3月 | 遅発性 ジスキネジア |
VMAT2阻害薬 |
6位 | 17,500 | マンジャロ (チルゼパチド) |
2022年9月 | 2型糖尿病 | GIP/GLP-1受容体 作動薬 |
7位 | 15,300 | オンデキサ (アンデキサネット) |
2022年3月 | DOACの中和 | 第Ⅹa因子のおとり |
8位 | 12,700 | カログラ (カロテグラスト) |
2022年3月 | 潰瘍性大腸炎 | インテグリン 阻害薬 |
9位 | 9,000 | エバシェルド (チキサゲビマブ/シルガビマブ) |
2022年8月 | 新型コロナウイルス 感染症 |
抗RBD抗体 |
10位 | 8,500 | リフヌア (ゲーファピキサント) |
2022年1月 | 慢性咳嗽 | P2X3受容体拮抗薬 |
特に注目されたのは、国内初の緊急承認制度を利用して緊急承認されたゾコーバ錠(エンシトレルビル)です。
-
ゾコーバ錠(エンシトレルビル)の作用機序【COVID-19】
続きを見る
作用機序は「3CLプロテアーゼ阻害」ですので、併せて押さえておきましょう!
その他、昨年のCGRP関連抗体薬に引き続き、片頭痛領域もレイボー(ラスミジタン)が登場したため、注目です。
ちなみに、CGRPについては、第106回(2021年)の薬剤師国家試験で出題されているため、チェックしておくとよいでしょう。
-
2021年に承認された新薬一覧のまとめとアクセス数ランキング
続きを見る
では、2022年に承認された順に薬剤一覧を紹介していきます☆
2022年1月20日承認:新薬12製品+再生医療等製品2製品
●メプセヴィ点滴静注液10mg(一般名:ベストロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「ムコ多糖症Ⅶ型」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
ムコ多糖症は、先天的にムコ多糖を分解するβ-グルクロニダーゼが欠損している常染色体劣性遺伝性疾患です。そのため、分解できないムコ多糖が全身に蓄積し、様々な症状を引き起こします。
特にムコ多糖症Ⅶ型では、心血管系・呼吸器系の合併症によって10代または若年期に死亡に至ってしまうことが多いとされています。
●レイボー錠50mg、同錠100mg(一般名:ラスミジタンコハク酸塩)
:「片頭痛」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
レイボー(ラスミジタン)の作用機序・トリプタンとの違い【片頭痛】
続きを見る
国内初の5-HT1F受容体作動薬ですね!
●エヌジェンラ皮下注24mgペン、同皮下注60mgペン(一般名:ソムアトロゴン(遺伝子組換え))
:「骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
長時間作用型ヒト成長ホルモン製剤ですね。1週間に1回の投与で治療効果が期待できます!
●リフヌア錠45mg(一般名:ゲーファピキサントクエン酸塩)
:「難治性の慢性咳嗽」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
リフヌア(ゲーファピキサント)の作用機序【慢性咳嗽】
続きを見る
本効能・効果を有する薬剤は国内初ですね!選択的P2X3受容体拮抗薬という新規作用機序を有しています。
●ラピフォートワイプ2.5%(一般名:グリコピロニウムトシル酸塩水和物)
:「原発性腋窩多汗症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ラピフォートワイプ(グリコピロニウム)の作用機序【腋窩多汗症】
続きを見る
同様の効能・効果と作用機序を有する薬剤としてはエクロックゲル(ソフピロニウム)があります。
-
エクロックゲル(ソフピロニウム)の作用機序・特徴【腋窩多汗症】
続きを見る
●ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同160mgオートインジェクター(一般名:ビメキズマブ(遺伝子組換え)
:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ビンゼレックス皮下注(ビメキズマブ)の作用機序【乾癬】
続きを見る
IL-17Aを阻害する抗体薬には既にコセンティクス(セクキヌマブ)やトルツ(イキセキズマブ)がありますが、ビンゼレックスはより広範囲を阻害できるため、治療効果の向上が期待できます。
●ピヴラッツ点滴静注液150mg(一般名:クラゾセンタンナトリウム)
:「脳動脈瘤によるくも膜下出血術後の脳血管攣縮、及びこれに伴う脳梗塞及び脳虚血症状の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ピヴラッツ(クラゾセンタン)の作用機序【くも膜下出血】
続きを見る
本疾患では初のエンドセリン受容体拮抗薬ですね。
●ウィフガート点滴静注400mg(一般名:エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え))
:「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ヒフデュラ/ウィフガート(エフガルチギモド)の作用機序【重症筋無力症】
続きを見る
FcRnに結合することでIgGのリサイクリングを阻害する作用機序を有しています。
最近ではリサイクリングに作用する薬剤がちょいちょい登場していますね。
-
エンスプリング(サトラリズマブ)の作用機序・リサイクリング抗体の特徴【NMOSD】
続きを見る
●ルマケラス錠120mg(一般名:ソトラシブ)
:「がん化学療法後に増悪したKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ルマケラス(ソトラシブ)の作用機序【KRAS変異陽性の肺がん】
続きを見る
KRASの中でもG12C変異がある場合に使用できますが、まずは二次治療以降からの使用ですね。
●アベクマ点滴静注(一般名:イデカブタジェン ビクルユーセル)
:「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。
-
アベクマ(イデカブタジェン ビクルユーセル)の作用機序【多発性骨髄腫】
続きを見る
多発性骨髄腫では初のCAR-T細胞療法です!
●サクラシー(一般名:ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート)
:「角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。
2022年3月28日承認:新薬12製品
●ミチーガ皮下注用60mgシリンジ(一般名:ネモリズマブ(遺伝子組換え))
:「アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ミチーガ皮下注(ネモリズマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
続きを見る
初の抗IL-31レセプターA(IL-31RA)モノクローナル抗体薬で、アトピー性皮膚炎のそう痒に対しては初の生物学的製剤ですね。
●ケレンディア錠10mg、同錠20mg(一般名:フィネレノン)
:「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ケレンディア(フィネレノン)の作用機序・特徴【糖尿病合併CKD】
続きを見る
ミネラルコルチコイド受容体遮断薬では初の慢性腎臓病(CKD)の適応となりました!
●オンデキサ静注用200mg(一般名:アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え))
:「直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】
続きを見る
DOACの中でもトロンビン阻害薬のプラザキサ(ダビガトラン)については、出血時に中和抗体薬であるプリズバインド(イダルシズマブ)が使用可能でした。
しかし、Xa因子阻害薬(抗Ⅹa薬)については中和薬が存在せず、止血処理に加えて、保険適応外でプロトロンビン複合体製剤や遺伝⼦組換え第Ⅶ因⼦製剤が投与されていました。
●タクザイロ皮下注300mgシリンジ(一般名:ラナデルマブ(遺伝子組換え))
:「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
タクザイロ(ラナデルマブ)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】
続きを見る
●サムタス点滴静注用8mg、同点滴静注用16mg(一般名:トルバプタンリン酸エステルナトリウム)
:「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
サムタス(トルバプタンリン酸エステルNa)の作用機序【心不全】
続きを見る
トルバプタンと言えば・・・そう、サムスカですよね!
サムスカをプロドラッグ化して点滴静注可能にした薬剤とのことです。
●アロカリス点滴静注235mg(一般名:ホスネツピタント塩化物塩酸塩)
:「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
アロカリス(ホスネツピタント)の作用機序・特徴【抗がん剤に伴う悪心・嘔吐】
続きを見る
NK1受容体拮抗薬としてはイメンド(アプレピタント)/プロイメンド(ホスアプレピタント)に次ぐ新薬ですね。
アロカリスは副作用として注射部位反応(注射部位の痛みや紅斑など)が少ないといった特徴が期待されています。
●モノヴァー静注500mg、同静注1000mg(一般名:デルイソマルトース第二鉄)
:「鉄欠乏性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
モノヴァー(デルイソマルトース第二鉄)の作用機序・特徴【鉄乏性貧血】
続きを見る
●ジスバルカプセル40mg(一般名:バルベナジントシル酸塩)
:「遅発性ジスキネジア」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ジスバル(バルベナジン)の作用機序【遅発性ジスキネジア】
続きを見る
VMAT2阻害薬という初の作用機序ですね。
●カログラ錠120mg(一般名:カロテグラストメチル)
:「中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
カログラ(カロテグラスト)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
続きを見る
α4β1インテグリンとα4β7インテグリンを共に阻害するといった新規作用機序を有しています。
作用機序的には生物学的製剤のエンタイビオ(ベドリズマブ)に近いですね。
●バビースモ硝子体内注射液120mg/mL(一般名:ファリシマブ(遺伝子組換え))
:「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」、「糖尿病黄斑浮腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
バビースモ(ファリシマブ)の作用機序:類薬との違い・比較【加齢黄斑変性】
続きを見る
新生血管に関与している「VEGF-A(血管内皮増殖因子A)」と「Ang-2(アンジオポエチン2)」を共に阻害することが可能なバイスペシフィック抗体薬です。
中外製薬は抗体の技術がすごいですねー。同じく中外製薬のバイスペシフィック抗体薬には血友病で使用されているヘムライブラ(エミシズマブ)もあります。
-
ヘムライブラ(エミシズマブ)の作用機序と二重特異性抗体【血友病A】
続きを見る
●セムブリックス錠20mg、同40mg(一般名:アシミニブ塩酸塩)
:「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
セムブリックス(アシミニブ)の作用機序・特徴【CML】
続きを見る
既存のチロシンキナーゼ阻害薬とは別の部位(ABLミリストイルポケット)を阻害する新薬です!
●ゼンフォザイム点滴静注用20mg(一般名:オリプダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症では酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)が欠損しているため、それの補充療法薬です。
致死的な疾患だったのですが、初の治療薬となります!!
2022年6月2日承認:新薬3製品
●ボカブリア水懸筋注400mg、同600mg(一般名:カボテグラビル)
●ボカブリア錠30mg(一般名:カボテグラビルナトリウム)
●リカムビス水懸筋注600mg、同900mg(一般名:リルピビリン)
:「HIV-1感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ボカブリア/リカムビス(カボテグラビル/リルピビリン)の作用機序【HIV】
続きを見る
カボテグラビルはインテグラーゼ阻害薬(INSTI)で、リルピビリンは非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)です。
最初は1か月間(28日間)、ボカブリア錠と経口リルピビリンの1日1回経口投与を行い、その後、ボカブリア水懸筋注とリカムビス水懸筋注による1か月毎または2か月毎の注射による治療を行います。
2022年6月20日承認:新薬6製品
●ダルビアス点滴静注用135mg(一般名:ダリナパルシン)
:「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」をを効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ダルビアス(ダリナパルシン)の作用機序【末梢性T細胞リンパ腫】
続きを見る
新規の有機ヒ素化合物です!
ミトコンドリアに作用することで抗腫瘍効果を発揮すると考えられていますね。
●ジェセリ錠40mg(一般名:ピミテスピブ)
:「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ジェセリ(ピミテスピブ)の作用機序【GIST】
続きを見る
HSP(Heat Shock Protein)90を阻害する初の医薬品ですね。GISTの4次治療として使用が期待されています。
●ジェコビデン筋注(一般名:コロナウイルス(SARSCoV-2)ワクチン(遺伝子組換えアデノウイルスベクター))
:「SARS-CoV-2 による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
コミナティ、ダイチロナ、コスタイベなどの作用機序【新型コロナウイルス】
続きを見る
国内5製品目のコロナウイルスのワクチンです。
他のワクチンは初回免疫時に2回の投与が必要ですが、ジェコビデンは1回の投与で初回免疫が完了します。
●エジャイモ点滴静注1.1g(一般名:スチムリマブ(遺伝子組換え))
:「寒冷凝集素症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
寒冷凝集素症(CAD)の初の治療薬ですね。
古典的補体経路の補体第1成分sサブコンポーネント(C1s)を特異的に阻害することで、古典的補体経路の活性化を抑制します。
●ボックスゾゴ皮下注用(一般名:ボソリチド(遺伝子組換え))
:「骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ボックスゾゴ(ボソリチド)の作用機序・特徴【軟骨無形成症】
続きを見る
●エパデールEMカプセル2g(一般名:イコサペント酸エチル)
:「高脂血症」を効能・効果とする新剤形医薬品。
-
エパデールEM(イコサペント酸エチル)の作用機序|エパデールとの違い【高脂血症】
続きを見る
エパデールに乳化剤を含めて消化管での吸収率を向上させた製剤です!
2022年9月26日承認:新薬14製品+再生医療等製品1製品
●ナノゾラ皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ナノゾラ(オゾラリズマブ)の作用機序・特徴【関節リウマチ】
続きを見る
ナノゾラは国内初の「ナノボディ」に分類されていて、ラクダ科の動物が産生する特殊なタイプの抗体から創薬されました。
●テゼスパイア皮下注210mgシリンジ(一般名:テゼペルマブ(遺伝子組換え))
:「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る) 」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
テゼスパイア(テゼペルマブ)の作用機序:デュピクセント等との違い【気管支喘息】
続きを見る
炎症カスケードの上流で関与している因子を阻害することで、炎症反応を抑制します。
●メンクアッドフィ筋注(一般名:4価髄膜炎菌ワクチン(破傷風トキソイド結合体))
:「髄膜炎菌(血清群A、C、W及びY)による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
既に承認されているメナクトラ筋注の後継品ですが、臨床的な位置付けは同じとのことです。
メナクトラは「ジフテリア毒素結合型ワクチン」ですが、メンクアッドフィは「破傷風トキソイド結合体ワクチン」ですね。
●スぺビゴ点滴静注450mg(一般名:スペソリマブ(遺伝子組換え))
:「膿疱性乾癬における急性症状の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
スペビゴ(スペソリマブ)の作用機序【膿疱性乾癬】
続きを見る
膿疱性乾癬(汎発型)の急性症状は特に致死的になりますが、その症状を抑制する新薬です。
国内初の抗IL-36受容体モノクローナル抗体ですね!
●バクニュバンス水性懸濁性シリンジ(一般名:沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体))
:「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
15種類の肺炎球菌血清型に対応したワクチンです。
●ソーティクツ錠6mg(一般名:デュークラバシチニブ)
:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の作用機序【乾癬】
続きを見る
こちらは国内初の経口TYK2阻害薬ですね!
TYK2はJAKファミリーのため、作用機序的にはJAK阻害薬と似ていますね。
●エザルミア錠50mg、同錠100mg(一般名:バレメトスタットトシル酸塩)
:「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
エザルミア(バレメトスタット)の作用機序【ATL】
続きを見る
別疾患ですが、EZH2阻害薬はタズベリク(タゼメトスタット)が承認・販売されています。
●リバゼブ配合錠LD、同HD(一般名:ピタバスタチンカルシウム水和物/エゼチミブ)
:「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤。
-
リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】
続きを見る
HMG-CoA還元酵素阻害薬のリバロ錠(ピタバスタチン)と、ゼチーア錠(エゼチミブ)の配合錠ですね!
同様の配合剤には、以下があります。
●グラアルファ配合点眼液(一般名:リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩)
:「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症」を効能・効果とする新医療用配合剤。
-
グラアルファ配合点眼液(ブリモニジン/リパスジル)の作用機序【緑内障】
続きを見る
リパスジルはRhoキナーゼ阻害薬(ROCK阻害薬)、ブリモニジンはアドレナリンα2受容体作動薬に分類されていますね。
●マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、同5mgアテオス、同7.5mgアテオス、同10mgアテオス、同12.5mgアテオス、同15mgアテオス(一般名:チルゼパチド)
:「2型糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】
続きを見る
GIPとGLP-1は、共にインクレチン関連ホルモンで、グルコース依存的にインスリン分泌を促進させるといった作用がありますね。
デバイスは「アテオス」なので、トルリシティ皮下注と同じでしょうか。当てて押す!
●コセルゴカプセル10mg、同25mg(一般名:セルメチニブ硫酸塩)
:「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
神経線維腫症1型は難病に指定されていますが、治療選択肢が限られていました。
コセルゴはMEK1/2を阻害することで、腫瘍の増殖を抑えると考えられています。
●アムヴトラ皮下注25mgシリンジ(一般名:ブトリシランナトリウム)
:「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
アムヴトラ皮下注(ブトリシラン)の作用機序【TTR-FAP】
続きを見る
作用機序的には既に承認されているオンパットロ(パチシラン)と同じですね。
オンパットロは3週間毎の点滴静注が必要でしたが、アムヴトラはそれを改良し、3か月毎の皮下注で治療可能です。
●フィンテプラ内用液2.2mg/mL(一般名:フェンフルラミン塩酸塩)
:「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないDravet 症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。
セロトニン5-HT1D/5-HT2A/5-HT2Cの受容体作動薬です。また、シグマ-1受容体にも作用することで、てんかん発作を抑制すると考えられていますね。
●カブリビ注射用10mg(一般名:カプラシズマブ(遺伝子組換え))
:「後天性血栓性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
カブリビ(カプラシズマブ)の作用機序【TTP】
続きを見る
後天性血栓性血小板減少性紫斑病では、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)を切断するADAMTS13の活性が低下しています。
そのため、血中には巨大なVWFが存在するようになり、血小板と相互作用することで血栓を生じます。
カブリビはVWFを標的とする抗VWFナノボディですね!同日承認されたナノゾラ(オゾラリズマブ)もナノボディでしたね。
●カービクティ点滴静注(一般名:シルタカブタゲン オートルユーセル、ヤンセンファーマ)
:「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。
-
カービクティ(シルタカブタゲン オートルユーセル)の作用機序【多発性骨髄腫】
続きを見る
国内5製品目の「CAR-T細胞(キメラ抗原受容体T細胞)療法」ですね。
多発性骨髄腫については、アベクマに次ぐ2製品目です。
2022年11月22日緊急承認:新薬1製品
●ゾコーバ錠125mg(一般名:エンシトレルビル フマル酸)
:「SARS-CoV-2による感染症」をを効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ゾコーバ錠(エンシトレルビル)の作用機序【COVID-19】
続きを見る
2022年12月23日承認:新薬8製品
●ネキソブリッド外用ゲル5g(一般名:パイナップル茎搾汁精製物)
:「深達性II度又はIII度熱傷における壊死組織の除去」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
壊死組織の主要な構成成分であるタンパク質を分解することで、正常組織を傷害せずに壊死組織を選択的に除去することが可能となります。
入院が必要な重症熱傷に対して、塗布してから4時間後に除去するといった使い方です。
●アリドネパッチ27.5mg、同パッチ55mg(一般名:ドネペジル)
:「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
アリドネパッチ(ドネペジル)の作用機序【アルツハイマー型認知症】
続きを見る
ドネペジルでは初の経皮吸収型製剤の登場です!
類薬のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬では、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ(リバスチグミン)の経皮吸収型製剤がありますので、使い分けが気になるところでしょうか。
●ヴィアレブ配合持続皮下注(一般名:ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物)
:「レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤。
-
ヴィアレブ配合持続皮下注(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)の作用機序【パーキンソン病】
続きを見る
手術を必要とすることなく、血中濃度を一定に保ち、効果を持続させることが可能になります。
●タバリス錠100mg、同150mg(一般名:ホスタマチニブナトリウム水和物)
:「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
タバリス(ホスタマチニブ)の作用機序【ITP】
続きを見る
脾臓マクロファージのチロシンキナーゼ(Syk)を選択的に阻害するといった新規作用機序を有している薬剤ですね。
●クレセンバカプセル100mg、同点滴静注用200mg(一般名:イサブコナゾニウム硫酸塩)
:「下記の真菌症の治療:▽アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)▽ムーコル症▽クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
クレセンバ(イサブコナゾニウム)の作用機序【真菌症】
続きを見る
トリアゾール系の新規抗真菌薬ですね!
イサブコナゾニウムはイサブコナゾールのプロドラッグで、体内で速やかにイサブコナゾールに変換されます。
他のトリアゾール系と同様、真菌細胞膜の主構成成分のエルゴステロール生合成を阻害することで抗菌活性を示します。
-
ノクサフィル(ポサコナゾール)の作用機序・特徴【真菌症】
続きを見る
●アドトラーザ皮下注150mgシリンジ(一般名:トラロキヌマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
アドトラーザ皮下注(トラロキヌマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
続きを見る
IL-13はアトピー性皮膚炎以外にも関与しているので、今後の適応拡大も期待したいところです。
●イジュド点滴静注25mg、同点滴静注300mg(一般名:トレメリムマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」および「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
イジュド(トレメリムマブ)の作用機序【肺がん/肝がん】
続きを見る
新規の抗CTLA-4抗体ですね。類薬としてはヤーボイ(イピリムマブ)があります。
イジュドは肺がんと肝細胞がんの一次治療において、イミフィンジ(デュルバルマブ)と併用して使用します。
-
イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
続きを見る
●リブタヨ点滴静注350mg(一般名:セミプリマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
リブタヨ(セミプリマブ)の作用機序【子宮頸がん】
続きを見る
オプジーボ(ニボルマブ)とキイトルーダ(ペムブロリズマブ)に次ぐ、3製品目の抗PD-1抗体薬です!
プラチナ製剤既治療(アバスチンの有無を問わず)の子宮頸がんに対して、単剤で使用されます。
2022年の新薬について所感
以上、2022年に承認された新薬を一覧としてご紹介しました。
2022年は疾患として特筆すべきものはありませんが、2021年からの流れで新型コロナウイルスワクチンや治療薬の特例承認がトピックスでしょうか。
-
エバシェルド筋注セット(チキサゲビマブ/シルガビマブ)の作用機序【COVID-19】
続きを見る
ワクチンについてはこちらの記事でまとめています。
-
コミナティ、ダイチロナ、コスタイベなどの作用機序【新型コロナウイルス】
続きを見る
その他の新規性では
- 国内初の5-HT1F受容体作動薬のレイボー(ラスミジタン)
- P2X3受容体拮抗薬のリフヌア(ゲーファピキサント)
- FcRnに結合するFcフラグメントのウィフガート(エフガルチギモド)
- KRAS阻害薬のルマケラス(ソトラシブ)
- DOAC(抗Ⅹa薬)中和薬のオンデキサ(アンデキサネット)
- VMAT2阻害薬のジスバル(バルベナジン)
- VEGF-A/Ang-2デュアル阻害薬のバビースモ(ファリシマブ)
- HSP阻害薬のジェセリ(ピミテスピブ)
- 抗TSLP抗体薬のテゼスパイア(テゼペルマブ)
- TYK2阻害薬のソーティクツ(デュークラバシチニブ)
- GIP/GLP-1受容体作動薬のマンジャロ(チルゼパチド)
等は注目です!
以上、2022年に承認された新薬・新医療用配合剤などについて、アクセス数ランキングと共にご紹介しました!^^
\ 新薬情報オンラインの運営者が執筆! /
薬剤師におススメの記事
失敗しない薬剤師の転職とは?
数多く存在する薬剤師専門の転職エージェントサイト。
どこに登録したらいいのか悩むことも少なくありません。そんな転職をご検討の薬剤師さんに是非見ていただきたい記事を公開しました。
- 新薬情報オンラインの薬剤師2名が実際に利用・取材!
- 各サイトの特徴等を一覧表で分かりやすく掲載!
- 絶対にハズレのない厳選の3サイトを解説!
上手に活用してあなたの希望・条件に沿った【失敗しない転職】を実現していただけると嬉しいです!
-
薬剤師の転職サイト3選|評判・求人特徴とエージェントの質を比較
続きを見る
日々の情報収集に最適
-
薬剤師の勉強・情報収集に役に立つ無料サイト・ブログ8選