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2019年3月26日、「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤のロスーゼット配合錠LD、同HD(一般名:エゼチミブ/ロスバスタチンカルシウム)が承認されました。
基本情報
製品名 | ロスーゼット配合錠 |
一般名 | エゼチミブ/ロスバスタチンカルシウム |
製品名の由来 | 配合成分の一般名である、ロスバスタチン(Rosuvastatin)及びエゼチミブ(Ezetimibe)から命名した。 |
製薬会社 | 製造販売元:オルガノン(株) 販売元:バイエル薬品(株) |
効能・効果 | 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症 |
用法・用量 | 成人には1日1回1錠を食後に経口投与する。 |
収載時の薬価 | LD 1錠:177.00円(1日薬価:177.00円) HD 1錠:177.00円 |
ロスーゼット配合錠はゼチーア錠(一般名:エゼチミブ)と、HMG-CoA還元酵素阻害薬のクレストール錠(一般名:ロスバスタチン)の配合錠です。
同様の配合錠(エゼチミブ+HMG-CoA還元酵素阻害薬)としてはアトーゼット配合錠(エゼチミブ+アトルバスタチン)が2017年に承認されていますので、ロスーゼット配合錠は2製品目の登場ですね!
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アトーゼット(エゼチミブ/アトルバスタチン)の作用機序【高脂血症】
続きを見る
ロスバスタチンが配合されている「ロスーゼット」
ですね。
本日は高脂血症とロスーゼット(エゼチミブ、ロスバスタチン)の作用機序についてご紹介いたします♪
高脂血症(脂質異常症)について
高脂血症は、現在では「脂質異常症」と呼ばれている疾患です。
厚生労働省の「平成26年(2014)患者調査の概況」によると、脂質異常症の患者さんの総数は206万2000人と推計されており、その数は年々増加傾向です。
やはり、その理由として食生活の欧米化、運動不足などが関与していると考えられます。
このような脂質異常症に関連する生体内の脂質には以下の3つの種類があります。
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
- 中性脂肪(トリグリセライド)
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)
脂質異常症とは、
- LDLコレステロールもしくは中性脂肪が基準値以上に増えた場合、
または、
- HDLコレステロールが基準値未満に減った場合、
に診断されます。
高脂血症(脂質異常症)の治療
高脂血症(脂質異常症)の治療は、
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
です。
高脂血症は多くの場合、食事や運動などの生活習慣が大きく関係しています。
従って、治療の基本は食事療法と運動療法で、長期的に継続する必要があります。
食事療法と運動療法で脂質が改善しない場合、もしくは緊急を要する場合(心筋梗塞、脳梗塞)には薬物療法を行います。
エゼチミブの作用機序
生体内におけるLDLコレステロールには、肝臓で合成されるものと小腸から吸収されるものがあります。
小腸から吸収されるLDLコレステロールには、「胆汁由来」と「食事由来」の二つが知られています。
この小腸からのLDLコレステロール吸収を担っているのが「コレステロールトランスポーター」です。
エゼチミブはコレステロールトランスポーターを選択的に阻害することで、小腸からのLDLコレステロールの吸収を阻害し、結果として血中のLDLコレステロールを減少させることができます!
ロスバスタチンの作用機序
肝臓で合成されるLDLコレステロールは、アセチル-CoAを元としてHMG-CoAが作られます。
このHMG-CoAは「HMG-CoA還元酵素」によってメバロン酸へと変換されます。
その後、メバロン酸がコレステロールへと変換され、血中に放出されます。
ロスバスタチンはHMG-CoA還元酵素を選択的に阻害することで、肝臓でのLDLコレステロール合成を阻害し、結果として血中のLDLコレステロールを減少させることができます☆
ロスーゼット配合錠(一般名:エゼチミブ/ロスバスタチン)の作用機序
ロスーゼット配合錠は、上記のエゼチミブとロスバスタチンを配合した薬剤ですので、
- 小腸からのLDLコレステロール吸収阻害
- 肝臓でのLDLコレステロール合成阻害
といった作用機序により、血中のLDLコレステロールを減少させる薬剤です♪
アトーゼット配合錠とロスーゼット配合錠の違い・比較
アトルバスタチンとロスバスタチンは共にストロングスタチンに分類されていますので、治療効果はさほど変わらないと考えられます。
ざっと一覧表でまとめてみましたが、禁忌(併用禁忌薬)に違いがありますね。
製品名 | アトーゼット配合錠 | ロスーゼット配合錠 |
一般名 | エゼチミブ/アトルバスタチン | エゼチミブ/ロスバスタチン |
販売年 | 2018年 | 2019年 |
用法 | 1日1回1錠 食後 |
1日1回1錠 食後 |
禁忌 | ○過敏症の既往歴 ○重篤な肝機能障 ○肝機能が低下していると考えられる急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸などの患者 ○妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、授乳婦 ○テラプレビル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、グレカプレビル・ピブレンタスビルを投与中の患者 |
○過敏症の既往歴 ○重篤な肝機能障 ○肝機能が低下していると考えられる急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸などの患者 ○妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、授乳婦 ○シクロスポリンを投与中の患者 |
2022年にはリバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)も登場しました。以下で比較しています。
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リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】
続きを見る
薬価
収載時(2019年5月22日)の薬価は以下の通りです。
- ロスーゼット配合錠LD 1錠:177.00円(1日薬価:177.00円)
- ロスーゼット配合錠HD 1錠:177.00円
算定方式等については以下の記事をご確認ください。
>>【新薬:薬価収載】11製品+再生医療等製品(2019年5月22日)
まとめ・あとがき
ロスーゼット配合錠はこんな薬
- コレステロールトランスポーターのエゼチミブと、HMG-CoA還元酵素阻害薬のロスバスタチンの配合錠
- 類薬にはアトーゼット配合錠がある
臨床ではゼチーア錠(一般名:エゼチミブ)とHMG-CoA還元酵素阻害薬はよく併用されることがありますので、両剤を併用して安定している患者さんに対してはよいかもしれませんね。
以上、今回はゼチーア錠(一般名:エゼチミブ)とクレストール錠(一般名:ロスバスタチン)を配合したロスーゼット配合錠をご紹介しました。
2022年にはリバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)も登場しました。
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リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】
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フィブラート系薬剤の作用機序と薬剤一覧の紹介記事も是非ご覧ください☆
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