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2025年11月27日、厚労省の薬事審議会・医薬品第二部会にて「ドライアイ」を対象疾患とするアバレプト懸濁性点眼液(モツギバトレプ)の承認可否が審議される予定です!
千寿製薬|申請のニュースリリース
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
| 製品名 | アバレプト懸濁性点眼液0.3% |
| 一般名 | モツギバトレプ(開発コード:SJP-0132) |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | 千寿製薬(株) |
| 効能・効果 | ドライアイ? |
| 用法・用量 | |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
アバレプトは、国内初のTRPV1拮抗薬に分類されていますね!
今回は「ドライアイ」の解説と共に、アバレプト(モツギバトレプ)の作用機序について解説していきます。
ドライアイとは
皆さんもスマートフォンやパソコン画面を長時間見ている際、「目がしょぼしょぼする」、「目がボンヤリと霞む」、「目の奥がチクチクする」といった症状を経験されたことがあるかもしれません。
ドライアイとは「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義1)されていて、その数は2,200万人(ドライアイ研究会による)ともいわれています。
近年は高齢化、エアコンの使用、電子機器の使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイ患者さんは年々増えているようですね…。
主な症状
ドライアイの症状は「目が乾く」だけではありません。
以下のような様々な症状がドライアイに起因するものだと考えられています。

参天製薬|ドライアイとは
また、放置してしまうと、さらに進行して視力低下や痛み、角膜上皮剥離などを引き起こす可能性もあるため、早めの受診・治療が望ましいとされています。
原因
通常、眼の表面は、1枚の膜のような涙液膜によって保護されています。
涙液膜は、表面の油層と、ムチンなどのタンパク質を含んだ涙液層(水層)から構成されています。
ドライアイでは、高齢化、エアコンの使用、電子機器の使用、コンタクトレンズ装用者の増加、夜更かし、花粉症、など様々な原因や外部刺激によって、涙液層が不安定となり、涙液膜が崩れている状態です。
つまり、涙液膜で保護されることなく、外部からの刺激がダイレクトに角結膜上皮細胞に届いてしまうため、充血、灼熱感、掻痒感、疼痛などの症状を呈すると考えられています。
ここで関与しているのが、「TRPV1(トリップブイワン)」と呼ばれる受容体です。

元々、生体内にはTRPV1がいろんな部位に存在していて、温度と触覚に関与する受容体(TRP)の一種です。
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日本科学未来館|科学コミュニケーターと楽しむノーベル賞2021 生理学・医学賞 身体の"当たり前"を突き止めた「温度と触覚の受容体の発見」
他の受容体については割愛しますが、TRPV1は辛み成分であるカプサイシンなどが作用する受容体で、43度以上の熱(温度)などによっても反応することが知られています。
辛い食べ物や熱い飲み物を飲んだ時に、「痛い!」「熱っ!」と感じるのはTRPV1による刺激作用というわけですね。
眼の角結膜上皮細胞にもTRPV1が多数存在していて、ドライアイによって涙液膜で保護されていない状態では、外部からの刺激が直接TRPV1を刺激することで、各主症状を引き起こすと考えられていますよ。2)
治療
油層・涙液層(水層)・角結膜上皮細胞(上皮)のどこをターゲットとするかによって、下図のような治療法があります。3)

よく使用されているのは、いずれのターゲットにも効果が期待されているジクアス点眼液(ジクアホソルナトリウム)でしょうかね。涙液層に存在しているムチンの合成促進や、涙液の分泌促進作用などによるものですね。
アバレプト(モツギバトレプ)の作用機序:TRPV1拮抗薬
アバレプトは、TRPV1を選択的に遮断するTRPV1拮抗薬です!
TRPV1が遮断されることで、外部からの刺激が伝わらず、ドライアイに伴う各主症状の緩和が期待されていますよ。

エビデンス紹介
現時点では未公表です。
参考までに、国内の第Ⅱ相試験4)が学会で発表されていて、プラセボと比較してアバレプト群でドライアイの徴候と症状を改善したと報告されていました。
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
副作用
正式承認後に更新予定です。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
アバレプトはこんな薬
- 国内初のTRPV1拮抗薬
- TRPV1を遮断することで、ドライアイに伴う各主症状の緩和が期待
ドライアイの患者さんは年々増加傾向にあり、今後も増加する見込みとされています。
治療選択肢はいくつかあるものの、効果不十分な場合もあるため、新たな治療選択肢が望まれていました。
以上、今回は「ドライアイ」の解説と共に、アバレプト(モツギバトレプ)の作用機序について解説しました!
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