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リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】

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2022年9月26日、「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤のリバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)が承認されました。

興和|ニュースリリース

基本情報

製品名 リバゼブ配合錠LD/HD
一般名 ピタバスタチンカルシウム水和物/
エゼチミブ
製品名の由来 本剤はピタバスタチンカルシウム水和物(製剤名:LIVALO)と
エゼチミブ(EZETIMIBE)の合剤であることから命名した。
製造販売 興和(株)
効能・効果 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
用法・用量 通常、成人には1日1回1錠(ピタバスタチンカルシウム/エゼチミブとして2mg/10mg又は4mg/10mg)を食後に経口投与する。
収載時の薬価 LD:87.80円
HD:116.00円
発売日 2022年12月6日(HP

 

リバゼブ配合錠は、HMG-CoA還元酵素阻害薬のリバロ錠(ピタバスタチン)と、ゼチーア錠(エゼチミブ)の配合錠ですね!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
リバロは自社製品のため、製品名に「リバ」と付けたんですかねー。

 

ちなみに、同様の配合錠(HMG-CoA還元酵素阻害薬+エゼチミブ)としては

がありますので、リバゼブ配合錠は3製品目となります。

ロスーゼット配合錠(エゼチミブ/ロスバスタチン)の作用機序【高脂血症】

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アトルバスタチンが配合されている「アトーゼット」、 ロスバスタチンが配合されている「ロスーゼット」、とくれば、ピタバスタチンが配合されているとピターゼットになりそうでしたが、、、ならなかったのですね・・・(笑)

 

今回は高脂血症とリバゼブ(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序についてご紹介します♪

 

高脂血症(脂質異常症)について

高脂血症は、現在では「脂質異常症」と呼ばれている疾患です。

厚生労働省の「平成26年(2014)患者調査の概況」によると、脂質異常症の患者さんの総数は206万2000人と推計されており、その数は年々増加傾向です。

やはり、その理由として食生活の欧米化、運動不足などが関与していると考えられます。

 

このような脂質異常症に関連する生体内の脂質には以下の3つの種類があります。

  1. LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
  2. 中性脂肪(トリグリセライド)
  3. HDLコレステロール(善玉コレステロール)

 

脂質異常症とは、

  • LDLコレステロールもしくは中性脂肪が基準値以上に増えた場合、

または、

  • HDLコレステロールが基準値未満に減った場合、

に診断されます。

 

高脂血症(脂質異常症)の治療

高脂血症(脂質異常症)の治療は、

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

です。

 

高脂血症は多くの場合、食事や運動などの生活習慣が大きく関係しています。

従って、治療の基本は食事療法と運動療法で、長期的に継続する必要があります。

 

食事療法と運動療法で脂質が改善しない場合、もしくは緊急を要する場合(心筋梗塞脳梗塞)には薬物療法が中心です。

 

高トリグリセライド血症に対しては、エパデール(イコサペント酸エチル)が使用されますね。

エパデールEM(イコサペント酸エチル)の作用機序|エパデールとの違い【高脂血症】

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そして、高コレステロール血症の薬物療法では、HMG-CoA還元酵素阻害薬(例:クレストールやリピトールなどのスタチン系薬剤)、抗PCSK9抗体薬のレパーサ(エボロクマブ)などが用いられます。

レパーサ(エボロクマブ)の作用機序と副作用【高脂血症】

続きを見る

 

今回ご紹介するリバゼブ配合錠も高コレステロール血症に使用できますが、「第一選択薬として用いないこと」とされています。

 

エゼチミブの作用機序

生体内におけるLDLコレステロールには、肝臓で合成されるものと小腸から吸収されるものがあります。小腸から吸収されるLDLコレステロールには、「胆汁由来」と「食事由来」の二つが知られています。

 

この小腸からのLDLコレステロール吸収を担っているのが「コレステロールトランスポーター」です。

 

エゼチミブはコレステロールトランスポーターを選択的に阻害することで、小腸からのLDLコレステロールの吸収を阻害し、結果として血中のLDLコレステロールを減少させることができます!

エゼチミブの作用機序:コレステロールトランスポーター阻害

 

ピタバスタチンの作用機序

肝臓で合成されるLDLコレステロールは、アセチル-CoAを元としてHMG-CoAが作られます。

 

このHMG-CoAは「HMG-CoA還元酵素」によってメバロン酸へと変換されます。その後、メバロン酸がコレステロールへと変換され、血中に放出されます。

 

ピタバスタチンはHMG-CoA還元酵素を選択的に阻害することで、肝臓でのLDLコレステロール合成を阻害し、結果として血中のLDLコレステロールを減少させることができます☆

ピタバスタチンの作用機序:HMG-CoA還元酵素阻害

 

リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序

リバゼブ配合錠は、上記のエゼチミブとピタバスタチンを配合した薬剤ですので、

  1. 小腸からのLDLコレステロール吸収阻害
  2. 肝臓でのLDLコレステロール合成阻害

といった作用機序により、血中のLDLコレステロールを減少させる薬剤です♪

リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序

 

リバゼブとアトーゼットとロスーゼットの違い・比較

リバゼブと同様の配合錠(HMG-CoA還元酵素阻害薬+エゼチミブ)としては

があり、スタチン系はいずれもストロングスタチンに分類されています。

 

禁忌や配合量などを簡単にまとめてみましたので、ご参考にしてみてください。

リバゼブとアトーゼットとロスーゼットの違い・比較

 

取り扱い上の注意を見ると、アトーゼットとロスーゼットは「服用直前にPTPシートから取り出す」とありますが、リバゼブは特に記載されていません。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
リバゼブは一包化が可能かもしれませんね!

 

収載時の薬価

収載予定時(2022年11月16日)の薬価は以下の通りです。

  • リバゼブ配合錠LD:87.80円
  • リバゼブ配合錠HD:116.00円

 

算定根拠については以下をご確認ください。

【新薬:薬価収載】16製品(2022年11月16日)

続きを見る

 

まとめ・あとがき

リバゼブ配合錠はこんな薬

  • コレステロールトランスポーターのエゼチミブと、HMG-CoA還元酵素阻害薬のピタバスタチンの配合錠
  • 類薬にはアトーゼット配合錠やロスーゼット配合錠がある

 

臨床ではゼチーア錠(エゼチミブ)とHMG-CoA還元酵素阻害薬はよく併用されることがありますので、両剤を併用して安定している患者さんに対してはよいかもしれませんね。

 

以上、今回はゼチーア錠(エゼチミブ)とリバロ錠(ピタバスタチン)を配合したリバゼブ配合錠をご紹介しました。

 

フィブラート系薬剤の作用機序と薬剤一覧の紹介記事も是非ご覧ください☆

【高脂血症】フィブラート系薬剤の作用機序と薬剤一覧の紹介

続きを見る

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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