新薬承認・薬価収載

【新薬:薬価収載】16製品(2022年11月16日)

2022年11月16日、新薬16製品が薬価収載されました!

 

前々回から見送られていたモノヴァー(デルイソマルトース第二鉄)は、今回も見送りです。同様に見送られていたメグルダーゼ静注用(グルカルピダーゼ)もまだ議題に挙がっていません。

モノヴァー(デルイソマルトース第二鉄)の作用機序・特徴【鉄乏性貧血】

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本来であればこのタイミングで薬価収載されるはずのマンジャロ(チルゼパチド)も議題に挙がっていませんね。大型化が予想される製品だけに動向が気になるところです。

マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】

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木元 貴祥
今回は薬価収載の新薬一覧とその算定根拠について紹介していきます!

 

2022年11月16日:薬価収載の16製品

2022年11月16日に薬価収載された新薬一覧は以下の通りです。

製品名
(一般名)
規格 薬価 効能・効果
(簡略)
フィンテプラ
(フェンフルラミン)
0.22%1mL 1,407.60円 Dravet症候群
リバゼブ配合錠
(ピタバスタチン/エゼチミブ)
LD錠
HD錠
87.80円
116.00円
高脂血症
ソーティクツ
(デュークラバシチニブ)
6mg1錠 2,770.90円 乾癬
リンヴォック
(ウパダシチニブ)
45mg1錠 9,677.60円 潰瘍性大腸炎
エザルミア
(バレメトスタット)
50mg1錠
100mg1錠
6,267.70円
12,017.00円
成人T細胞
白血病リンパ腫
コセルゴ
(セルメチニブ)
10mg1カプセル
25mg1カプセル
12,622.80円
30,257.80円
神経線維腫症
アムヴトラ
(ブトリシラン)
25mg0.5mL1筒 7,810,923円 TTR-FAP
テゼスパイア
(テゼペルマブ)
210mg1.91mL1筒 176,253円 気管支喘息
オスタバロ
(アバロパラチド)
1.5mg0.75mL1筒 16,128円 骨粗鬆症
カブリビ
(カプラシズマブ)
10mg1瓶 515,532円 TTP
スキリージ
(リサンキズマブ)
点滴静注600mg10mL1瓶
皮下注360mgオートドーザー
192,321円
508,169円
クローン病
スペビゴ
(スペソリマブ)
450mg7.5mL1瓶 963,821円 膿疱性乾癬
ナノゾラ
(オゾラリズマブ)
30mg0.375mL1筒 112,476円 関節リウマチ
メンクアッドフィ
(4価髄膜炎菌ワクチン)
0.5mL1瓶 20,194円 髄膜炎菌感染症予防
ベリナート
(C1-インアクチベーター )
2,000国際単位1瓶 214,788円 遺伝性血管性浮腫
グラアルファ配合点眼液
(リパスジル/ブリモニジン)
1mL 515.00円 緑内障

 

薬価の算定方法

各薬剤の薬価算定方法は2022年11月9日の中医協総会の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。

 

フィンテプラ:類似薬効比較方式(Ⅰ) (ディアコミット)【加算あり】

フィンテプラは同じくDravet症候群に使用されるディアコミット(スチリペントール)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、有用性加算(Ⅰ)(A=35%)市場性加算(Ⅰ)(A=10%)が加算されていますね!加算前の薬価は1mLで485.40円でしたが、加算(×1.45)されて703.80円とされています。

その後、外国平均価格調整が行われて以下の薬価に決定しました。

 

  • ディアコミットドライシロップ分包250mg:527.40円(1日薬価:5,274円)
  • フィンテプラ内用液2.2mg/mL:1,407.60円(1日薬価:15,295.00円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序と有用性が示されているためですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤はセロトニン受容体アゴニスト作用を有する新規作用機序医薬品であり、臨床上の有用性が評価されている。また、臨床試験において、既存治療で十分な効果が認められない患者を対象に、プラセボ群(既存治療のみ)に対する本剤群(既存治療+本剤)の優越性が検証され、安全性は許容可能と判断されている。以上より、有用性加算(Ⅰ)(A=35%)を適用することが適当と判断した。
  • 市場性加算:本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。

 

ピーク時の予測販売金額は30億円です。

 

リバゼブ配合錠:新医療用配合剤の特例

リバゼブは自社のリバロ錠(ピタバスタチン)と、他社のゼチーア錠(エゼチミブ)の配合剤です。

そのため、「自社品の薬価×0.8+他社品の最低薬価」により算定されました。算定方式は新医療用配合剤の特例です。

 

また、リバロ錠2mg及び同錠4mgの規格間比0.8498を用い、最終的には以下の薬価に決定しました。

  • リバゼブ配合錠LD:87.80円
  • リバゼブ配合錠HD:116.00円

 

ピーク時の予測販売金額は43億円です。

 

作用機序と他製品との違いについては以下の記事で解説しています。

リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】

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なお、リバゼブは例外的に「14日ルールの処方日数制限を設けないこと」が了承されました。

 

ソーティクツ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(オテズラ)【加算あり】

ソーティクツは同じく乾癬に使用するオテズラ(アプレミラスト)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

木元 貴祥
作用機序的には経口JAK阻害薬の方が近そうですが、JAK阻害薬の薬価は高いからですかねぇ・・・。

 

また、有用性加算(Ⅰ)(A=40%)が加算されていますね!加算前の薬価は1錠1,979.20円でしたが、加算(×1.4)されて2,770.90円とされています。

  • オテズラ錠30mg:989.60円(1日薬価:1,979.20円)
  • ソーティクツ錠6mg:2,770.90円(1日薬価:2,770.90円)

 

なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序と有用性が示されているためですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤はTYK2阻害作用を有する新規作用機序医薬品であり、ランダム化比較試験において、比較薬に対し有意な改善を示したことから、有用性加算(Ⅰ)(A=40%)を適用することが適当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は225億円です。

 

作用機序とエビデンスについては以下で解説しています。

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の作用機序【乾癬】

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リンヴォック錠45mg:規格間調整

リンヴォックは既に7.5mg/15mg/30mg錠が承認されているため、規格間調整によって薬価算定されました。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

  • リンヴォック錠45mg:9,677.60円(1日薬価:9,677.60円)

 

ピーク時の予測販売金額は19億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています。

リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/乾癬/アトピー性皮膚炎】

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エザルミア:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ハイヤスタ)【加算あり】

エザルミアは同じく末梢性T細胞リンパ腫に使用するハイヤスタ(ツシジノスタット)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)が加算されていますね!加算前の薬価は100mg錠で11,444.80円でしたが、加算(×1.05)されて12,017.00円とされています。

 

  • ハイヤスタ錠10mg:20,028.40円(1日薬価:22,889.60円)
  • エザルミア錠50mg:6,267.70円
  • エザルミア錠100mg:12,017.00円(1日薬価:24,034.00円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序かつ臨床試験でしっかりと効果が示されたからですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤はEZH1/2阻害作用を有する新規作用機序医薬品であり、主要評価項目として、一定の奏功率を示している等の臨床上の有用性が一定程度評価されていると考えられることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した

 

ピーク時の予測販売金額は5.5億円です。

 

作用機序やエビデンスについては以下の記事で解説しています。

エザルミア(バレメトスタット)の作用機序【ATL】

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コセルゴ:類似薬効比較方式(Ⅰ) (メクトビ)【加算あり】

コセルゴは同じくMEK阻害薬のメクトビ(ビニメチニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)小児加算(A=10%)が加算されていますね!加算前の薬価は10mg1カプセルで10,519.00円でしたが、加算(×1.2)されて12,622.80円とされています。

 

  • メクトビ錠15mg:4,926.40円(1日薬価:29,558.40円)
  • コセルゴカプセル10mg:12,622.80円(1日薬価:70,940.10円)
  • コセルゴカプセル25mg:30,257.80円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下とされています。新規の治療選択肢のためですね。

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤は神経線維腫症Ⅰ型における叢状神経線維腫のうち、手術不能なものを対象疾患としており、当該疾患の治療法が確立していないこと等から、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した。
  • 小児加算:本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。日本人の試験組み入れ数、観察期間等を踏まえ、加算率は10%が妥当である。

 

ピーク時の予測販売金額は57億円です。

 

なお、コセルゴは例外的に「処方日数を14日ではなく28日として取り扱うこと」が了承されています。

 

アムヴトラ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(オンパットロ)【加算あり】

アムヴトラは同疾患に使用する同作用機序のオンパットロ(パチシラン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)が加算されていますね!加算前の薬価は25mgシリンジで7,438,974円でしたが、加算(×1.05)されて7,810,923円とされています。

 

  • オンパットロ点滴静注2mg/mL:1,004,358円(1日薬価:81,523円)
  • アムヴトラ皮下注25mgシリンジ:7,810,923円(1日薬価:85,599円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下とされています。オンパットロと比較して投与間隔が延長(3か月毎の投与)しているためですね。

 

加算の根拠

  • 有用性加算:比較薬パチシランの投与間隔は3週間に1回の70分以上かけて投与する点滴静注であるのに対し、本剤の投与間隔は3か月に1回の皮下注射であることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。

 

ちなみに、当初算定案に対しては以下の不服申し立てがありました。回答は矢印の通りで、一つ目の不服は通っていましたね。

  • 本薬の用法は3か月に1回皮下投与であることから、本薬の一日通常最大単位数量の算出に用いる日数は、1か月を30日として算出した日数 90日ではなく、1年(12か月)あたりの1か月平均日数から算出した日数 365日/12か月×3か月=91.25日が適当。
    →本薬の用法を踏まえ、本薬の一日通常最大単位数量の算出には91.25日が適当と判断する。
  • 比較薬(オンパットロ点滴静注2mg/mL)の一日通常最大単位数量の算出に用いる体重は、「50kg」ではなく、比較薬で市販後に実施中の、本薬と同じ患者を対象とした特定使用成績調査の患者集団における体重の中央値「53.47kg」が適当。
    →本薬の投与対象疾患は、標準体重と比較して患者体重が増加するとの疾患特性はないため、当初案通りとする。

 

ピーク時の予測販売金額は117億円です。

 

作用機序とエビデンスについては以下の記事で解説しています。

アムヴトラ皮下注(ブトリシラン)の作用機序【TTR-FAP】

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テゼスパイア:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ヌーカラ)【加算あり】

テゼスパイアは同じく気管支喘息に使用する生物学低製剤のヌーカラ(メポリズマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)小児加算(A=5%)が加算されていますね!加算前の薬価は1シリンジで159,880円でしたが、加算(×1.15)されて175,868円とされています。

その後、キット特徴部分の原材料費が考慮されて、以下の薬価に決定しました。

 

  • ヌーカラ皮下注100mg:159,891円(1日薬価:5,710円)
  • テゼスパイア皮下注210mgシリンジ:176,253円(1日薬価:6,295円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下とされています。新規作用機序と有用性が示されているためですね。

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤は新規作用機序であるTSLP阻害作用を有していること、臨床試験において非2型炎症患者に対しても効果が認められ、比較薬で注意喚起がなされている非2型炎症性患者に対して本剤は注意喚起はなされていないことから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
  • 小児加算:本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。日本人の試験組み入れ数等を踏まえ、加算率は5%が妥当である。

 

ピーク時の予測販売金額は145億円です。

 

作用機序とエビデンスについては以下で解説しています。

テゼスパイア(テゼペルマブ)の作用機序:デュピクセント等との違い【気管支喘息】

続きを見る

 

オスタバロ:類似薬効比較方式(Ⅰ) (フォルテオ)

オスタバロは同じく骨粗鬆症に使用し、作用機序も同様のフォルテオ(テリパラチド)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • フォルテオ皮下注キット600μg:32,253円(1日薬価:1,152円)
  • オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg:16,128円(1日薬価:1,152円)

 

ピーク時の予測販売金額は207億円です。

 

作用機序については、類薬のフォルテオやテリボンと共に、以下の記事で解説しています。

【骨粗鬆症】PTH製剤一覧:オスタバロ・テリボン・フォルテオ

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ちなみに、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加が了承されているため、新発売と同時に在宅自己注射が可能になると思われます。

 

カブリビ:原価計算方式【加算あり】

カブリビは後天性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)に使用する初の作用機序を有する薬剤で、類薬がないため原価計算方式で算定されました。

 

また、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)市場加算(Ⅰ)(A=10%)の対象でしたが、原価の開示度が50%を下回ったため加算係数がゼロに。

外国平均価格調整のみ行われ、以下の薬価に決定です。

 

  •  カブリビ注射用10mg:515,532円

 

ちなみに、原価の開示度50%未満で加算ゼロとなるのは、2022年度診療報酬改定で導入され、これまでに2022年4月薬価収載同年5月薬価収載同年8月薬価収載でも対象新薬がありましたが、全て加算係数はゼロです。取らせる気、無いですよね・・・。

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下とされています。

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤は、vWFのA1ドメインに特異的に結合し、vWFと血小板の結合を阻害することで、血栓形成を抑制する作用を有する新規作用機序の薬剤であることから、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した。
  • 市場性加算:本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。

 

ピーク時の予測販売金額は63億円です。

 

作用機序やエビデンスについては以下の記事で解説しています。

カブリビ(カプラシズマブ)の作用機序【TTP】

続きを見る

 

スキリージ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ステラーラ)

スキリージは既に乾癬治療薬として75mgシリンジ0.83mL/150mgシリンジ0.83mL/150mgペン1mLが承認されていますが、今回、クローン病に対して「皮下注360mgオートドーザー」と「点滴静注600mg」が追加されました。

組成及び投与形態が同一で効能及び効果が異なる既収載品がある新薬の薬価算定の特例ということで、ステラーラ(ウステキヌマブ)との類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定されています。

 

木元 貴祥
ステラーラも皮下注製剤と点滴静注製剤がありますからね~!

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

 

  • スキリージ点滴静注600mg:192,321円(1日薬価:6,869円
  • スキリージ皮下注360mgオートドーザー:508,169円(1日薬価:9,074円

 

ピーク時の予測販売金額は、点滴静注製剤が15億円、皮下注オートドーザー製剤が324億円です。

 

疾患解説と作用機序については以下の記事で解説しています。

スキリージ皮下注(リサンキズマブ)の作用機序と特徴【乾癬/クローン病】

続きを見る

 

スペビゴ:原価計算方式【加算あり】

スペビゴは「膿疱性乾癬における急性症状の改善」を効能・効果とする新規作用機序の新薬ですが、類薬がないため原価計算方式で算定されました。

 

また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)の対象でしたが、原価の開示度が50%を下回ったため加算係数はゼロです…。

 

  •  スペビゴ点滴静注450mg:963,821円

 

ピーク時の予測販売金額は32億円です。

 

作用機序とエビデンスについてか以下で解説しています。

スペビゴ(スペソリマブ)の作用機序【膿疱性乾癬】

続きを見る

 

ナノゾラ:類似薬効比較方式(Ⅱ) (シムジア)

ナノゾラは国内初のナノボディ製剤ですが、作用機序的には抗TNFα抗体製剤と同様のため、過去10年間に薬価収載された薬理作用類似薬(シムジア)の最低1日薬価(4,017円)に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅱ)です。

 

特に加算は無く、以下の薬価に決定しています。

  • ナノゾラ皮下注30mgシリンジ:112,476円

 

ピーク時の予測販売金額は32億円です。

 

作用機序やエビデンスについては以下の記事で解説しています。

ソリクア配合注(インスリングラルギン/リキシセナチド)の作用機序【糖尿病】

続きを見る

 

メンクアッドフィ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(メナクトラ)

メンクアッドフィは同じく髄膜炎菌感染症の予防に使用するメナクトラの1日薬価に合わせて算定されました!

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

メナクトラは「ジフテリア毒素結合型ワクチン」ですが、メンクアッドフィは「破傷風トキソイド結合体ワクチン」ですね。

 

特に加算は無く、以下の薬価に決定しています。

 

  • メンクアッドフィ筋注:20,194円

 

ピーク時の予測販売金額は0.06億円です。

 

ベリナート皮下注用2000:類似薬効比較方式(Ⅰ)(タクザイロ)

ベリナートは既に静注用500製剤が承認されていますが、今回、皮下注製剤が追加されました。

組成及び投与形態が同一で効能及び効果が異なる既収載品がある新薬の薬価算定の特例ということで、タクザイロ(ラナデルマブ)との類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定されています。

 

  • タクザイロ皮下注300mgシリンジ:1,288,729円(1日薬価:92,052円)
  • ベリナート皮下注用2000: 214,788円(1日薬価:92,052円)

 

ピーク時の予測販売金額は50億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています。

ベリナート(ヒトC1-インアクチベーター)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】

続きを見る

 

グラアルファ配合点眼液:新医療用配合剤の特例

グラアルファは自社のグラナテック(リパスジル)と、他社のアイファガン(ブリモニジン)の配合点眼液です。

そのため、「自社品の薬価×0.8+他社品の最低薬価」により算定されました。算定方式は新医療用配合剤の特例です。

 

特に加算は無く、以下の薬価に決定しています。

 

  •  グラアルファ配合点眼液1mL:515.00円

 

ピーク時の予測販売金額は81億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています。

グラアルファ配合点眼液(ブリモニジン/リパスジル)の作用機序【緑内障】

続きを見る

 

なお、グラアルファは例外的に「14日ルールの処方日数制限を設けないこと」が了承されました。

 

費用対効果評価:ポライビー

その他、当日の中医協総会ではポライビー点滴静注(ポラツズマブ ベドチン)の費用対効果評価案も了承されていました。

 

再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療・3次治療において評価され、費用対効果が認められたことから、薬価は据え置きとなっていますね。

ポライビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序・特徴【DLBCL】

続きを見る

 

あとがき

今回は16製品中8製品が加算品目でしたね!

ただ、原価計算方式で算定された新薬はいずれも原価開示度が低いため、加算はゼロにされています。

 

木元 貴祥
原価計算方式で加算が取れる新薬、出てこないかもですねー。。

 

今回は議題に挙がりませんでしたが、大型化が予想される糖尿病治療薬のマンジャロ(チルゼパチド)は次回以降に持ち越し期待です!国内初のGIP/GLP-1受容体作動薬のため、期待大ですね。

マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】

続きを見る

 

ミクスオンラインによれば、「製造ラインを増強した上で、2023年中の収載を目指す」とのことでした。薬価の折り合いが付かなかったわけではなさそうですね。

ミクスオンライン|日本イーライリリー 2型糖尿病薬・マンジャロの薬価収載「23年中を目指す」 製造ラインを増強中

 

以上、今回は2022年11月16日に薬価収載された新薬16製品についてご紹介しました!

 

 

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木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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