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2024年6月24日、厚労省は新薬(新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤)として11製品を承認しました。
その他、既存薬の適応拡大等が14製品が承認されていますね。
新薬:11製品
●①ブリィビアクト錠25mg②同錠50mg③同静注25mg(一般名:ブリーバラセタム)
:「①②てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)③一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するブリーバラセタム経口製剤の代替療法:てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ブリィビアクト(ブリーバラセタム)の作用機序・イーケプラとの違い【てんかん】
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イーケプラ(一般名:レベチラセタム)と同じく、シナプス小胞タンパク2A(SV2A)に結合することでグルタミン酸の放出を抑制するといった作用機序を有しています。
●ファビハルタカプセル200mg(一般名:イプタコパン塩酸塩水和物)
:「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ファビハルタ(イプタコパン)の作用機序・特徴【PNH】
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発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療では、
といった抗補体C5抗体薬が基本です。
補体D因子を阻害する類薬のボイデヤ錠(ダニコパン)は、上記補体C5阻害薬と併用で使用しますが、ファビハルタは単剤で効果が期待されていますよ。
●ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg(一般名:ピルトブルチニブ)
:「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ジャイパーカ(ピルトブルチニブ)の作用機序【MCL】
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新規のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤ですね。
同適応症に使用するBTK阻害薬としては、既にイムブルビカ(イブルチニブ)が一次治療として使用可能ですが、その後の選択肢は限られていました。
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イムブルビカ(イブルチニブ)の作用機序と副作用【CLL】
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●オムジャラ錠100mg、同錠150mg、同錠200mg(一般名:モメロチニブ塩酸塩水和物)
:「骨髄線維症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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オムジャラ(モメロチニブ)の作用機序【骨髄線維症】
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JAK1/2だけでなく、アクチビンA受容体1型(ACVR1)阻害作用も有する新薬です!
●ハイイータン錠 50mg(一般名:グマロンチニブ水和物)
:「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ハイイータン(グマロンチニブ)の作用機序【MET陽性肺がん】
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テプミトコ(テポチニブ)やタブレクタ(カプマチニブ)に次いで3製品目のMET阻害薬ですね。
●リブテンシティ錠200mg(一般名:マリバビル)
:「臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
国内初の経口投与可能なpUL97キナーゼ阻害薬です。
●アウィクリ注フレックスタッチ総量300単位、同注フレックスタッチ総量700単位(一般名:インスリン イコデク(遺伝子組換え)
:「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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アウィクリ注(インスリン イコデク)の作用機序・特徴【糖尿病】
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既存の基礎インスリン製剤は、1日1回(または2回)の投与が必要でしたが、アウィクリは週に1回の投与で治療可能な国内初の基礎インスリン製剤です!
●ザビセフタ配合点滴静注用(一般名:アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物)
:「本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌による敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。
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ザビセフタ配合点滴静注(セフタジジム/アビバクタム)の作用機序【細菌感染】
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既存の第三世代セフェム系抗生物質のザビセフタ(製品名:モダシン静注用)に、新規のβ-ラクタマーゼ阻害薬のアビバクタムを配合した注射剤ですね。
●コブゴーズ筋注(一般名:組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン)
:「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●タイフィム ブイアイ注シリンジ(一般名:精製Vi多糖体腸チフスワクチン)
:「腸チフスの予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●ブイタマークリーム1%(一般名:タピナロフ)
:「アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ブイタマー(タピナロフ)の作用機序【アトピー性皮膚炎/乾癬】
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国内初のアリル炭化水素受容体(AhR:Arylhydrocarbon Receptor)のモジュレーターです。
アトピー性皮膚炎は12歳以上の小児・成人、尋常性乾癬は成人に対して使用できます。
適応拡大等:14製品
●ネキシウムカプセル10mg、同カプセル20mg、同懸濁用顆粒分包10mg、同懸濁用顆粒分包20mg(一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物)
:「逆流性食道炎、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
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ネキシウム(エソメプラゾール)の作用機序と副作用【胃潰瘍・十二指腸潰瘍】
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●セルセプトカプセル250、同懸濁用散31.8%(一般名:ミコフェノール酸モフェチル)
:「全身性強皮症に伴う間質性肺疾患」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●タルグレチンカプセル75mg(一般名:ベキサロテン)
:「皮膚病変を有する成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果とする新効能医薬品。再
これまでは、「皮膚T細胞性リンパ腫」に使用されていましたが、「成人T細胞白血病リンパ腫」にも適用拡大されました。
●レットヴィモカプセル40mg、同カプセル80mg(一般名:セルペルカチニブ)
:「RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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レットヴィモ(セルペルカチニブ)の作用機序【RET陽性の肺がん/甲状腺がん】
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RET融合遺伝子陽性の固形腫瘍に対する初の臓器横断的な承認ですね。
それに伴い、既適応症の「RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」と「RET融合遺伝子陽性の根治切除不能な甲状腺がん」は削除されて、「RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍」にまとめられました。
類薬でも、既に臓器横断的な使用が承認されていますので、併せてご確認くださいませ♪
- MSI-High固形がん:キイトルーダ(ペムブロリズマブ)
- BRAF遺伝子変異の固形がん:タフィンラー(ダブラフェニブ)とメキニスト(トラメチニブ)
- NTRK陽性の固形がん:ロズリートレク(エヌトレクチニブ)、ヴァイトラックビ(ラロトレクチニブ)
●エザルミア錠50mg、同錠100mg(一般名:バレメトスタットトシル酸塩)
:「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能医薬品。
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エザルミア(バレメトスタット)の作用機序【ATL】
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これまでは「成人T細胞白血病リンパ腫」に対して使用されていましたが、「末梢性T 細胞リンパ腫」に対しても適応拡大されましたね。
●アビガン錠200 mg(一般名:ファビピラビル)
:「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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アビガン(ファビピラビル)の作用機序【SFTSウイルス感染症】
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国内初のSFTSウイルス感染症治療薬ですね。
抗インフルエンザ薬として承認された際には「厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売を行わないこと」といった承認条件がありましたが、SFTSには適用しないとのこと。
また、流通管理については、以下が了承されています。
- 原則として入院管理下のみで投与する
- 原則として患者が発生した後に納入する
- 研修を受けて登録された医師のみ処方を可能とする
●ボトックス注用50単位、同注用100単位(A型ボツリヌス毒素)
:「上肢及び下肢痙縮」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量医薬品。
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ボトックス(A型ボツリヌス毒素)の作用機序と副作用【痙攣性発声障害】
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●アフリベルセプトBS硝子体内注射液40mg/mL「GRP」(一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え)[アフリベルセプト後続1])
:網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管及び糖尿病黄斑浮腫を効能・効果とするバイオ後続品(バイオシミラー)
先発品アイリーアのバイオシミラーですね!
実は、アイリーアのバイオセイム(バイオ医薬品のAG)は、バイエルホールディング100%子会社のバイエルライフサイエンス株式会社(旧、バイエル薬品販売株式会社)が2022年2月15日に承認を取得しています。
しかしその後、薬価収載はされていませんので、まだ市場には登場してきていません。
今回、グローバルレギュラトリーパートナーズ社からアイリーアのバイオシミラーが登場予定です!
これを受けて、アイリーアのバイオセイムに動きがあるのかどうか、気になるところです。
ただし、先発品アイリーアには現在6つの適応症がありますが、今回報告されたバイオシミラーの適応症は3つです。
効能・効果 | アイリーア | アフリベルセプトBS |
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 | 〇 | × |
網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 | 〇 | 〇 |
病的近視における脈絡膜新生血管 | 〇 | 〇 |
糖尿病黄斑浮腫 | 〇 | 〇 |
血管新生緑内障 | 〇 | × |
未熟児網膜症 | 〇 | × |
また、2024年1月18日にはアイリーアの高用量製剤が承認されています。
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アイリーア(アフリベルセプト)の作用機序【加齢黄斑変性】
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●①トルリシティ皮下注0.75mgアテオス②同皮下注1.5mgアテオス(一般名:デュラグルチド(遺伝子組換え))
:「2型糖尿病」を効能・効果とする①新用量医薬品②新用量・剤形追加に係る医薬品。
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トルリシティ(デュラグルチド)の作用機序【糖尿病】
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現在は、0.75mgの週1回投与ですが、今回、「患者の状態に応じて1.5mgを週に1回投与に増量できる」という用法・用量が追加されます。
GLP-1受容体作動薬については、以下の記事で一覧表をまとめています。
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マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】
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●①スキリージ点滴静注600mg②同皮下注360mgオートドーザー③同皮下注180mgオートドーザー(リサンキズマブ(遺伝子組換え))
:「①中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)②③中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする①②新効能・新用量医薬品③新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
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スキリージ皮下注(リサンキズマブ)の作用機序と特徴【乾癬/クローン病】
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スキリージは、乾癬・掌蹠膿疱症・クローン病に対して適応を有していましたが、今後は潰瘍性大腸炎にも使用可能となりました。
乾癬で使用する生物学的製剤は以下でまとめています。
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【乾癬】生物学的製剤の一覧と作用機序/特徴のまとめ
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潰瘍性大腸炎では、スキリージと同様の作用機序(IL-23のp19サブユニット阻害)を有するオンボー(ミリキズマブ)が承認されていますので、以下の記事もご参照ください。
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オンボー(ミリキズマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
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●ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
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ベンリスタ(ベリムマブ)の作用機序【エリテマトーデス】
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これまでの小児用量は点滴静注用のみでしたが、オートインジェクター製剤も小児に対して使用可能となります。
●パラプラチン注射液50mg、同注射液150mg、同注射液450mg(一般名:カルボプラチン)
:「子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
公知申請のもので、既に事前評価済のため、保険償還可能でしたが、今回、正式に承認されました。
●アレモ皮下注15mg、同皮下注60mg、同皮下注150mg、同皮下注300mg(一般名:コンシズマブ(遺伝子組換え))
:「血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新効能医薬品。
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アレモ皮下注(コンシズマブ)の作用機序・特徴【血友病】
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現在は、インヒビター保有の血友病AとBに対して使用されていますが、今後はインヒビター非保有に対しても使用可能となりました。
それに伴い、現在の効能・効果の「血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者における出血傾向の抑制」から「血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する」が削除されています。
●①小児用レルベア50エリプタ14吸入用、同50エリプタ30吸入用、②レルベア100エリプタ14吸入用、同100エリプタ30吸入用(一般名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロールトリフェニル酢酸塩)
:「気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」を効能・効果とし、小児用量を追加する①新医療用配合剤、②新用量医薬品。
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レルベアエリプタ(ビランテロール/フルチカゾン)の作用機序【COPD】
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これまで、気管支喘息については「成人」のみでしたが、今回小児用量が追加されました。
現在、気管支喘息に使用するLABA/ICSの配合剤は以下が承認されています。
- レルベア エリプタ(ビランテロール/フルチカゾン):小児適応あり
- シムビコート タービュヘイラー(ホルモテロール/ブデソニド):成人のみ
- アドエア ディスカス(サルメテロール/フルチカゾン):小児適応あり
- フルティフォーム エアゾール(ホルモテロール/フルチカゾン):小児適応あり
アドエアとフルティフォームは既に小児適応がありましたが、レルベアも追加されましたね。
あとがき
今回は2024年4月~5月の薬食審・医薬品第一/第二部会で承認了承されていた審議品目や報告品目が一気に承認されました。
今回はの注目は、初の週1回投与のインスリン製剤、アウィクリ注(一般名:インスリン イコデク)です!
その他、乾癬では久しぶりの外用薬であるブイタマークリーム(一般名:タピナロフ)も期待できるのではないでしょうか。アトピー性皮膚炎では12歳以上の小児から使用可能です。
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ブイタマー(タピナロフ)の作用機序【アトピー性皮膚炎/乾癬】
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また、新有効成分含有医薬品としては、オムジャラ錠(モメロチニブ)や、ザビセフタ配合点滴静注用(アビバクタム/セフタジジム)なども注目です。
以上、今回は2024年6月24日に承認された新薬について概要をご紹介しました!
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