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2024年9月24日、リンヴォック(ウパダシチニブ)の「アトピー性皮膚炎」に対して、小児の用法・用量(30mg)を追加するが承認されました。
これまで、小児に対しては1日1回15mgの投与となっていましたが、今後は30mgも選択肢となります。
アッヴィ|ニュースリリース
基本情報
製品名 | リンヴォック錠 ①7.5mg/②15mg/③30mg/④45mg |
一般名 | ウパダシチニブ |
製品名の由来 | 特になし |
製造販売 | アッヴィ合同会社 |
効能・効果 | 既存治療で効果不十分な下記疾患 ●関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) ●関節症性乾癬 ●X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎 ●強直性脊椎炎 ●アトピー性皮膚炎 ●中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る) ●中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る) |
用法・用量 | 1日1回経口投与(詳細は記事内) |
収載時の薬価 | 7.5mg:2,550.90円 15mg:4,972.80円 30mg:7,459.40円 45mg:9,677.60円 |
リンヴォックは2020年1月23日に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能・効果として承認されたJAK阻害薬で、その後は以下の適応拡大が行われました。
- 2021年5月27日:関節症性乾癬
- 2021年8月25日:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
- 2022年5月26日:既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎
- 2022年9月26日:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法
- 2023年2月24日:X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
- 2023年6月26日:クローン病
-
JAK阻害薬の一覧表(経口7製品)と作用機序のまとめ
続きを見る
関節リウマチに使用するJAK阻害薬としては以下に次いで4製品目ですが、乾癬と強直性脊椎炎の適応はJAK阻害薬で初ですね!アトピー性皮膚炎はオルミエントに次いで2製品目です。
今回は関節リウマチ・乾癬・アトピー性皮膚炎・潰瘍性大腸炎とリンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序とエビデンスについてご紹介します☆
体軸性脊椎関節炎については、生物学的製剤のトルツ(イキセキズマブ)の記事をご参照ください。
-
トルツ(イキセキズマブ)の作用機序【乾癬・強直性脊椎炎】
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関節リウマチとは
一般に、骨や関節、筋肉などが全身的な炎症を伴って侵される病気を総称して「リウマチ性疾患」といいます。
このうち、関節に炎症が続いて、関節が徐々に破壊され、やがて機能障害を起こす疾患のことを「関節リウマチ」と呼んでいます。
関節リウマチの特徴的な症状は「関節の腫れ」で、最も発現しやすい部位は、手首や手足の指の関節です。
また、関節リウマチの症状は「対称性」といって、左右両側の関節に発現することが多いのが特徴です。
全身症状としては、貧血症状、倦怠感(体がだるい)、微熱等があり、これが現れると症状が悪化していくと言われています。1)
関節リウマチの原因
関節リウマチの明確な発症原因は不明確ですが、
- 遺伝的素因
- 環境要因(ストレス、食生活、肥満等)
などによって、免疫機能が異常になることで発症すると考えられています。
免疫系が異常に活動する結果として、関節滑膜組織にリンパ球、マクロファージなどの白血球がでてきます。
このリンパ球やマクロファージが産生するサイトカイン(TNFα、IL-6など)と呼ばれる物質の作用により関節内に炎症反応が引き起こされると考えられています。
特に、IL-6は関節リウマチ患者の血清中および滑液中に最も多く認められるサイトカインで、IL-6のレベルは疾患活動性および関節破壊と相関すると言われています。
関節リウマチの治療
治療には通常、痛みを抑えるNSAIDsや炎症を抑えるステロイド、抗リウマチ薬(DMARD:“ディーマード”と読みます)が使用されます。2)
これらの薬剤を使用しても進行が抑えられない場合、生物化学的製剤や今回ご紹介するリンヴォックが使用されます。
生物学的製剤は細胞の外で作用するのに対し、リンヴォックは細胞の中(細胞内)で作用する薬剤です。
生物学的製剤についてはまとめ記事をご参考ください。
-
【関節リウマチ】生物学的製剤の作用機序・副作用・特徴のまとめ
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皮膚のターンオーバーと乾癬
通常、皮膚は外からの刺激・乾燥等を防御したり、細菌・ウイルスの侵入を防ぐといった免疫機能を司っています。
構造としては、表面から順に、
- 表皮
- 真皮
- 皮下組織
の3層に分かれています。
また、表皮はさらに
- 角質層
- 顆粒層
- 有棘層
- 基底層
の4層から構成されています。
皮膚はその機能を保つため、基底層で常に新しい細胞が作られています。
基底層で新しくできた細胞は徐々に角層へと押し上げられ、最終的には垢となって剥がれ落ちます。
このような皮膚の細胞サイクルを「ターンオーバー(分化)」と呼び、通常、約28~40日サイクルで繰り返されています。
乾癬の患者さんでは、慢性の炎症を伴う何らかの原因で上記のターンオーバーのサイクルが4~5日と極端に短くなっています。
そのため、皮膚が盛り上がったような状態(“肥厚”と呼びます)になり、赤い発疹(“紅斑”と呼びます)を伴うことを特徴とします。
また、皮膚の一部がかさかさになって剥げ落ちる(“落屑”と呼びます)こともあります。
乾癬の分類
乾癬は5つの種類に分類されていますが、約9割は「尋常性乾癬」です
- 尋常性乾癬
- 関節症性乾癬
- 滴状乾癬
- 乾癬性紅皮症
- 膿疱性乾癬
乾癬性紅皮症や膿疱性乾癬は非常に稀ですが、発症すると症状が厳しいため、重症になることが多いです。
乾癬の原因
明確な原因は不明確ですが、
- 遺伝的素因
- 環境要因(ストレス、食生活、肥満等)
などによって、免疫機能が異常になることで発症すると考えられています。
何らかの原因によって、マクロファージ等が産生する炎症性サイトカイン(IL-12、IL-23、TNFα)等によって炎症が引き起こされ、乾癬の症状が発現します。
IL-23はヘルパーT細胞の一種であるTh17を活性化し、Th17が産生する「IL-17A」も乾癬の発症と維持に重要であると考えられています。
乾癬の重症度と治療
乾癬の重症度は皮膚の症状や状態、患者さんが感じる不便さ、等を指標に「軽症」、「中等症」、「重症」の3つに分けられています。
重症度に応じて、以下の4つの治療が単独もしくは組み合わせて行われますが、中心となるのは外用療法です。
- 外用療法(塗り薬)
- 光線療法(紫外線照射)
- 内服療法(経口薬)
- 生物学的製剤治療(注射薬)
外用療法(塗り薬)には、ステロイド外用薬や活性型ビタミンD3外用薬が用いられます。
内服療法(経口薬)には、チガソン(一般名:エトレチナート)等のビタミンA誘導体の他、免疫抑制薬やPDE4阻害薬のオテズラ(一般名:アプレミラスト)が重症度に応じて使用されます。
-
オテズラ(アプレミラスト)の作用機序【乾癬/ベーチェット病】
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そして生物学的製剤治療(抗体薬)は基本的には、以下のような患者さんにしか使用することができません。3)
- 外用療法、光線療法、内服療法で改善しない患者さん
- 乾癬性関節炎で痛みが激しい患者さん
- 乾癬性紅皮症や膿疱性乾癬等の重症な患者さん
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは、もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う疾患です。
主な症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか治らなく、慢性的であるのとが特徴です。
具体的には、赤みがある、じゅくじゅくして引っかくと液体が出てくる、ささくれだって皮がむける、長引くとごわごわ硬くなって盛り上がる、などがあります。
部位としては、おでこ、目のまわり、口のまわり、耳のまわり、首、わき、手足の関節の内側などに出やすいとされており、左右対称に発現することもあります。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎は、皮膚症状の状態によって、軽微、軽症、中等症、重症の4段階に分けられており、それぞれによって治療法が異なります。
治療の基本は以下の3つがありますが、最も中心となるのは薬物療法です。4)
- 薬物療法:ステロイド外用薬を中心とした治療
- スキンケア:日頃から皮膚を清潔に保ち、保湿状態を保つ
- 原因・悪化因子の除去:炎症の原因となる物質・因子を取り除く
ステロイド外用薬は「最強」「とても強い」「強い」「弱め(ミディアム)」「弱い」という5段階がありますが、アトピー性皮膚炎の重症度に応じて、それぞれ使い分けられています。
その他には、かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服したりもします。
このような治療を行っても改善が認められないこともしばしばあり、ステロイド薬の内服や免疫抑制薬(シクロスポリン)の内服が行われることもあります。
しかしながら、シクロスポリンには腎臓への悪影響などが懸念されており、長期間使用するのが難しいといった問題点も指摘されていました。
最近では新規JAK阻害薬による外用薬コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)も使用可能となりました。
-
コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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今回ご紹介するオルミエントは、ステロイド外用薬等で改善が認められなかった(効果不十分な)アトピー性皮膚炎に使用できる薬剤です!位置づけとしてデュピクセント皮下注(デュピルマブ)と同じですね。
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デュピクセント(デュピルマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎/気管支喘息/副鼻腔炎】
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潰瘍性大腸炎と治療
潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患(炎症を伴う腸疾患)の1つであり、大腸の粘膜に炎症が起き、ただれたり、潰瘍が発生する疾患です。
好発年齢は10歳代後半~30代前半で、比較的若年者にみられます。
主な自覚症状としては、粘血便、下痢、腹痛などの症状が持続的かつ反復的にみられ、症状が悪化すると体重減少や発熱など、全身の症状が起こることもあるようです。
特に初期症状としては粘血便が多いとされています。
潰瘍性大腸炎の多くは、寛解(症状が落ち着いている状態)と再燃(症状が悪化している状態)を繰り返します。
長い経過のなかでは、徐々に病気が進行し、重大な合併症を引き起こすこともあり、さらに、長期間罹患していると、大腸がんの発現率も高くなると言われています!!
また、初期に行う主な薬物療法は以下の薬剤があり、重症度によって適宜併用して用います。3)
- 5-ASA製剤:メサラジン、サラゾスルファピリジン
- 副腎皮質ホルモン:ブレドニゾロン、ブデソニド
- 免疫調整薬:アザチオプリン、6-メルカプトプリン
初期治療を使用しても症状が改善しない場合、「難治」とされ、以下のような生物学的製剤(抗TNFα抗体製剤)の使用が検討されます。
- レミケード点滴静注(一般名:インフリキシマブ)
- ヒュミラ皮下注(一般名:アダリムマブ)
- シンポニー皮下注(一般名:ゴリムマブ)
最近では新規の作用機序(α4β7インテグリン阻害)を有する生物学的製剤のエンタイビオ(ベドリズマブ)も登場してきました。
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エンタイビオ(ベドリズマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎/クローン病】
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既に、類薬の経口JAK阻害薬であるジセレカ(フィルゴチニブ)は潰瘍性大腸炎に使用可能です。
リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序
炎症性サイトカインであるTNFαやIL-6、IL-2等が炎症を引き起こす際、それらが各受容体に結合して刺激が核に伝えられます。
各受容体には「ヤヌスキナーゼ(JAK:“ジャック”)」と呼ばれるタンパク質が付随していて、JAKを介してシグナルが核へと届けられます。
核内に刺激が到達すると、炎症反応が引き起こされ、関節リウマチや乾癬が進行してしまいます。
JAKにはJAK1~3までありますが、特にTNFαやIL-6の作用する受容体はJAK-1が関与していることが知られています。
リンヴォックはJAKの中でもJAK1を選択的に阻害する薬剤です。
JAK1を阻害することで、TNFαやIL-6による刺激が核に伝わるのを遮断して炎症を抑え、関節リウマチや乾癬の進行を抑制すると考えられています。
関節リウマチのエビデンス紹介:SELECT試験
関節リウマチの根拠となった臨床試験にはいくつかの第Ⅲ相臨床試験があります。
- SELECT-NEXT試験(国際共同)5):DMARDsで効果不十分な関節リウマチ患者さんに対するリンヴォックとプラセボの比較試験(DMARDs併用)
- SELECT-BEYOND試験(国際共同)6):DMARDsで効果不十分な中等度~重度の関節リウマチ患者さんに対するリンヴォックとプラセボの比較試験(DMARDs併用もしくは非併用)
- SELECT-MONOTHERAPY試験(国際共同で日本を含む)7):メトトレキサート(MTX)で効果不十分な関節リウマチ患者さんに対するリンヴォックとMTX継続群の比較試験(単剤)
今回は代表例としてSELECT-MONOTHERAPY試験をご紹介します。本試験はMTXで効果不十分な関節リウマチ患者さんに対して、リンヴォック15mg群または30mg群とMTX継続群を直接比較する第Ⅲ相臨床試験です。
主要評価項目は投与14週時点の「ACR20%改善率*」および「DAS28-CRP≦3.2の達成率†」でした。
MTX継続群 | リンヴォック 15mg群 |
リンヴォック 30mg群 |
|
投与14週時点の ACR20%改善率 |
41% | 68% | 71% |
- | MTX継続群と リンヴォック両用量群の差:p<0.0001 |
||
投与14週時点の DAS28-CRP≦3.2の達成率 |
19% | 45% | 53% |
- | MTX継続群と リンヴォック両用量群の差:p<0.0001 |
||
何らかの有害事象 | 47% | 47% | 49% |
*米国リウマチ学会の関節リウマチの診断基準で、20%以上改善した割合
†DAS(Disease Activity Score)-CRP:疾患活動性の指標で、28関節の腫れ具合とC反応性蛋白(CRP)値を用いて計算される
MTXで効果不十分な場合、JAK阻害薬は他のDMARDsと併用されることが多いと思いますが、何等かの理由で単剤で使用することもあるため参考になる試験だと思います。
乾癬のエビデンス紹介:SELECT-PsA1/2試験
乾癬のエビデンスは以下の2つの臨床試験です(いずれも関節症性乾癬を対象)。
- SELECT-PsA1:1種類以上の非生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(non-bDMARDs)で効果不十分な患者さんを対象にプラセボとリンヴォック(15mg or 30mg)とヒュミラ(アダリムマブ)を比較8)
- SELECT-PsA2:1種類以上の生物学的製剤で効果不十分な患者さんを対象にプラセボとリンヴォック(15mg or 30mg)を比較9)
代表としてSELECT-PsA1試験をご紹介します。本試験の主要評価項目は「12週時点ACR20改善率」におけるプラセボに対するリンヴォックの優越性とされ、結果は以下の通りでした。またヒュミラとリンヴォックの比較は副次評価項目とされています。
試験群 | プラセボ | リンヴォック 15mg |
リンヴォック 30mg |
ヒュミラ |
12週時点ACR20改善率 | 36.2% | 70.6% | 78.5% | 65.0% |
プラセボ vs. リンヴォック: p<0.0001 |
- | |||
- | リンヴォック vs. ヒュミラ: 15mg/30mg共に非劣性が確認 30mgのみ優越性が確認 |
プラセボに対して効果が認められているだけでなく、30mg群ではヒュミラに対して優越性はすごい!!
用法・用量
<関節リウマチ>
通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与します。(7.5mgを1日1回とすることも可)
<関節症性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎>
通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与します。
<アトピー性皮膚炎>
通常、成人及び12歳以上かつ体重30kg以上の小児にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与します。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができます。
<潰瘍性大腸炎>
導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして45mg を1 日1 回8 週間経口投与します。なお、効果不十分な場合はさらに8 週間投与することができます。
維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15 mg を1 日1 回経口投与します。なお、患者の状態に応じて30 mg を1 日1 回投与することができます。
<クローン病>
導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして45mgを1日1回12週間経口投与します。
維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与します。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することも可能です。
副作用
重大な副作用として、
- 感染症
- 消化管穿孔(頻度不明)
- 好中球減少(1.4%)、リンパ球減少(0.8%)、ヘモグロビン減少(貧血:0.7%)
- 肝機能障害
- 間質性肺炎(頻度不明)
- 静脈血栓塞栓症(頻度不明)
が挙げられています。
JAK阻害薬では稀に結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染などの重篤な感染症が発現する可能性もあるため、特に注意が必要です。
他のJAK阻害薬一覧
関節リウマチや他疾患に使用するJAK阻害薬を以下の記事で比較・一覧表を作成していますので、是非ご参考くださいませ。
- ゼルヤンツ(一般名:トファシチニブ)
- オルミエント(一般名:バリシチニブ)
- スマイラフ(一般名:ペフィシチニブ)
- リンヴォック(一般名:ウパダシチニブ)
- ジセレカ(一般名:フィルゴチニブ)
- サイバインコ(一般名:アブロシチニブ)
- コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)
- リットフーロカプセル(リトレシチニブ)
-
JAK阻害薬の一覧表(経口7製品)と作用機序のまとめ
続きを見る
収載時の薬価
収載時(2020年4月22日)の薬価は以下の通りです。
- リンヴォック錠7.5mg:2,550.90円
- リンヴォック錠15mg:4,972.80円
7.5mgと15mgの算定根拠については以下の記事をご確認ください。
-
【新薬:薬価収載】8製品(2020年4月22日)
続きを見る
30mgは2021年11月25日に薬価収載されました。
- リンヴォック錠30mg:7,459.40円
30mgの算定根拠については以下の記事をご確認ください。
-
【新薬:薬価収載】12製品+再生医療等製品(2021年11月25日)
続きを見る
45mgは2022年11月16日に薬価収載されました。
- リンヴォック錠45mg:9,677.60円
45mgの算定根拠については以下の記事で解説しています。
-
【新薬:薬価収載】16製品(2022年11月16日)
続きを見る
まとめ
リンヴォックはこんな薬
- JAK1を選択的に阻害するJAK阻害薬
- 1日1回の経口投与
- 類薬にはゼルヤンツ、オルミエント、スマイラフがある
- 重篤な感染症には注意が必要
DMARDsで効果不十分な関節リウマチではこれらJAK阻害薬もしくは生物学的製剤の使用が検討されますが、優先順位等は明確に定められていません。
今後は生物学的製剤を含め、JAK阻害薬同士の使い分け等も検討されれば興味深いと感じますね。
乾癬では初のJAK阻害薬のため、今後も期待できると思います!
以上、今回は関節リウマチ・乾癬・アトピー性皮膚炎・潰瘍性大腸炎に使用するJAK阻害薬のリンヴォック(ウパダシチニブ)についてご紹介しました!
生物学的製剤のまとめ記事も是非ご覧ください。
-
【関節リウマチ】生物学的製剤の作用機序・副作用・特徴のまとめ
続きを見る
アトピー性皮膚炎では外用薬(塗り薬)のJAK阻害薬が2020年に承認されていますので、ご確認ください。
-
コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
続きを見る
引用文献・資料等
- 日本整形外科学会|関節リウマチ
- 日本リウマチ学会|関節リウマチ診療ガイドライン2024
- 日本皮膚科学会:乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)
- アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021年版
- SELECT-NEXT試験:Lancet. 2018 Jun 23;391(10139):2503-2512.
- SELECT-BEYOND試験:Lancet. 2018 Jun 23;391(10139):2513-2524.
- SELECT-MONOTHERAPY試験:Lancet. 2019 Jun 8;393(10188):2303-2311.
- SELECT-PsA1試験:N Engl J Med 2021; 384:1227-1239
- SELECT-PsA2試験:Ann Rheum Dis. 2020 Dec 3;80(3):312-320.
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