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2021年8月25日、既存の医薬品17製品の効能・効果、用法・用量などの適応拡大が承認されました!
同年7月の第一部会および第二部会で審議・報告されていたものですね。
今回は承認された医薬品の概要を紹介していきます。
適応拡大6製品:審議品目
●フォシーガ錠5mg、同錠10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)
:「慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者は除く」を効能・効果とする新効能医薬品。
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フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】
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●フェントステープ0.5mg、同テープ1mg、同テープ2mg、同テープ4mg、同テープ6mg、同テープ8mg(一般名:フェンタニルクエン酸塩)
:「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)」の効能・効果に対して、小児用量が新たに追加される新効能・新用量医薬品。
強オピオイド鎮痛薬では初の小児用量です!
●ウプトラビ錠0.2mg、同錠0.4mg(一般名:セレキシパグ)
:「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」を効能・効果とする新効能医薬品。
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ウプトラビ(セレキシパグ)の作用機序【肺動脈性高血圧症】
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●ダラキューロ配合皮下注(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
●ベルケイド注射用3mg(一般名:ボルテゾミブ)
:いずれも「全身性ALアミロイドーシス」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ダラキューロ/ダラザレックス(ダラツムマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】
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全身性ALアミロイドーシスに対してはダラキューロ+ベルケイド+デカドロン+エンドキサンの4剤併用療法として使用します。デカドロンとエンドキサンも同日承認されていますね(報告品目)。
●リンヴォック錠7.5mg、同錠15mg、同錠30mg(一般名:ウパダシチニブ水和物)
:「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
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リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/乾癬/アトピー性皮膚炎】
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第二部会では30mg錠の承認も了承されていましたが、現時点では30mg錠は承認されていません。
オルミエントは成人のみでしたが、リンヴォックは12歳以上の小児から使用可能とのこと。アトピー性皮膚炎で3製品目のJAK阻害薬も2021年内には承認見込みですよ~。
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サイバインコ(アブロシチニブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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経口・外用のJAK阻害薬の一覧はこちらにまとめています。
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JAK阻害薬の一覧表(経口7製品)と作用機序のまとめ
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適応拡大11製品:報告品目
●リクシアナ錠15mg、同OD錠15mg(一般名:エドキサバントシル酸塩水和物)
:「非弁膜性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果とする新用量医薬品。
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リクシアナ(エドキサバン)の作用機序と副作用【静脈血栓塞栓症】
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非弁膜症性心房細動(AF)で出血リスクの高い高齢者に対して、1日1回15mgに減量して使用可能となります(通常は体重に応じて1日1回30mg or 60mg)。
これまで高齢のAF患者さんでは、抗凝固療法による出血リスクが高い傾向があります。脳卒中発症リスクが高いにもかかわらず、出血リスクを懸念して、抗凝固療法が実施されていない等の実態があり、今回新たな用量が開発されたとのことです。
ちなみにリクシアナを含む第Xa因子阻害剤のDOACの出血に対する中和薬も2021年内に登場が期待されていますよ~。
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オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】
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●デカドロン錠0.5mg、同錠4mg(一般名:デキサメタゾン)
●注射用エンドキサン100mg、同500mg、同錠50mg(一般名:シクロホスファミド水和物)
:いずれも「全身性ALアミロイドーシス」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●イヌリード注(一般名:イヌリン)
:「糸球体ろ過量の測定による腎機能検査」を効能・効果とする新用量医薬品。
これまでは年齢によらず同じ用法・用量しかありませんでしたが、今回18歳以下に対して侵襲や飲水負荷を軽減したB法が新たに選択肢として追加されています。
●ニトプロ持続静注液6mg、同30mg(一般名:ニトロプルシドナトリウム水和物)
:「急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)、高血圧性緊急症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●キイトルーダ点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」と「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」の効能・効果が追加されます。
MSI-Highの固形がんに対しては2次・3次治療以降に使用できましたが、今後は大腸がんの1次治療から使用可能となります!
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キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【消化器がん/MSI-High固形がん】
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また、PD-L1陽性のトリプルネガティブ乳がんの1次治療として、抗がん剤と併用して使用可能になりました。
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キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/悪性黒色腫】
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それに伴い、以下の2製品が報告品目として乳がんの適応拡大が承認されました。
●カルボプラチン点滴静注液50mg「NK」、同150mg「NK」、同450mg「NK」(一般名:カルボプラチン)
●アブラキサン点滴静注用100mg(一般名:パクリタキセル)
:「乳がん」を効能・効果とする新用量医薬品。
●オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))
●カボメティクス錠20mg(一般名:カボザンチニブリンゴ酸塩)
:「根治切除不能又は転移性の腎細胞がん」を効能・効果とする新用量医薬品。
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カボメティクス(カボザンチニブ)の作用機序【腎細胞/肝細胞がん】
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腎細胞がんの1次治療として上記併用療法が承認!
●ブスルフェクス点滴静注用60mg(一般名:ブスルファン)
:「同種造血幹細胞移植の前治療、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍及び神経芽細胞腫における自家造血幹細胞移植の前治療」を効能・効果とする新用量医薬品。
あとがき
今回の注目はSGLT2阻害薬で初のCKD(慢性腎臓病)の適応を取得したフォシーガ(ダパグリフロジン)でしょう。
糖尿病を皮切りに、慢性心不全、CKDと順次適応拡大されています。
今後も他のSGLT2阻害薬が追随していくため、注目ですね!
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【糖尿病】SGLT2阻害薬の作用機序・副作用と一覧まとめ(単剤と配合剤)
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その他、がん領域では免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダの2つの適応拡大も期待です。
特にMSI-High大腸がんの一次治療はこれまで抗がん剤しか治療選択肢がありませんでしたが、キイトルーダ単剤で効果が期待できます。治療成績の向上も期待できるのではないでしょうか。
腎細胞がんの一次治療におけるオプジーボとカボメティクス併用療法は他の治療(例:オプジーボ+ヤーボイ)との使い分けが検討されれば興味深いですね!
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カボメティクス(カボザンチニブ)の作用機序【腎細胞/肝細胞がん】
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以上、今回は2021年8月25日に適応拡大された17製品(審議品目6製品+報告品目11製品)について概要をご紹介しました!
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