PASSMED公式LINEの登録者特典|当サイトに掲載している図表の元データ&学習支援AI 薬科GPTをプレゼント♪
2022年9月26日、厚労省は新薬・再生医療等製品として15製品を承認しました!その他、既存薬の適応拡大等が10製品、バイオシミラーが1製品承認されていますね。
今回は簡単にご紹介していきます。
再生医療等製品:1製品
●カービクティ点滴静注(一般名:シルタカブタゲン オートルユーセル、ヤンセンファーマ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。
-
カービクティ(シルタカブタゲン オートルユーセル)の作用機序【多発性骨髄腫】
続きを見る
国内5製品目の「CAR-T細胞(キメラ抗原受容体T細胞)療法」ですね。
新薬:14製品
●ナノゾラ皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ナノゾラ(オゾラリズマブ)の作用機序・特徴【関節リウマチ】
続きを見る
ナノゾラは国内初の「ナノボディ」に分類されていて、ラクダ科の動物が産生する特殊なタイプの抗体から創薬されました。
●テゼスパイア皮下注210mgシリンジ(一般名:テゼペルマブ(遺伝子組換え))
:「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る) 」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
テゼスパイア(テゼペルマブ)の作用機序:デュピクセント等との違い【気管支喘息】
続きを見る
炎症カスケードの上流で関与している因子を阻害することで、炎症反応を抑制します。
●メンクアッドフィ筋注(一般名:4価髄膜炎菌ワクチン(破傷風トキソイド結合体))
:「髄膜炎菌(血清群A、C、W及びY)による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
既に承認されているメナクトラ筋注の後継品ですが、臨床的な位置付けは同じとのことです。
メナクトラは「ジフテリア毒素結合型ワクチン」ですが、メンクアッドフィは「破傷風トキソイド結合体ワクチン」ですね。
●スぺビゴ点滴静注450mg(一般名:スペソリマブ(遺伝子組換え))
:「膿疱性乾癬における急性症状の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
スペビゴ(スペソリマブ)の作用機序【膿疱性乾癬】
続きを見る
膿疱性乾癬(汎発型)の急性症状は特に致死的になりますが、その症状を抑制する新薬です。
国内初の抗IL-36受容体モノクローナル抗体ですね!
●バクニュバンス水性懸濁性シリンジ(一般名:沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体))
:「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
15種類の肺炎球菌血清型に対応したワクチンです。
●ソーティクツ錠6mg(一般名:デュークラバシチニブ)
:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の作用機序【乾癬】
続きを見る
こちらは国内初の経口TYK2阻害薬ですね!
TYK2はJAKファミリーのため、作用機序的にはJAK阻害薬と似ていますね。
●エザルミア錠50mg、同錠100mg(一般名:バレメトスタットトシル酸塩)
:「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
エザルミア(バレメトスタット)の作用機序【ATL】
続きを見る
別疾患ですが、EZH2阻害薬はタズベリク(タゼメトスタット)が承認・販売されています。
●リバゼブ配合錠LD、同HD(一般名:ピタバスタチンカルシウム水和物/エゼチミブ)
:「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤。
-
リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】
続きを見る
HMG-CoA還元酵素阻害薬のリバロ錠(ピタバスタチン)と、ゼチーア錠(エゼチミブ)の配合錠ですね!
同様の配合剤には、以下があります。
●グラアルファ配合点眼液(一般名:リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩)
:「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症」を効能・効果とする新医療用配合剤。
-
グラアルファ配合点眼液(ブリモニジン/リパスジル)の作用機序【緑内障】
続きを見る
リパスジルはRhoキナーゼ阻害薬(ROCK阻害薬)、ブリモニジンはアドレナリンα2受容体作動薬に分類されていますね。
●マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、同5mgアテオス、同7.5mgアテオス、同10mgアテオス、同12.5mgアテオス、同15mgアテオス(一般名:チルゼパチド)
:「2型糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】
続きを見る
GIPとGLP-1は、共にインクレチン関連ホルモンで、グルコース依存的にインスリン分泌を促進させるといった作用がありますね。
デバイスは「アテオス」なので、トルリシティ皮下注と同じでしょうか。当てて押す!
●コセルゴカプセル10mg、同25mg(一般名:セルメチニブ硫酸塩)
:「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
神経線維腫症1型は難病に指定されていますが、治療選択肢が限られていました。
コセルゴはMEK1/2を阻害することで、腫瘍の増殖を抑えると考えられています。
●アムヴトラ皮下注25mgシリンジ(一般名:ブトリシランナトリウム)
:「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
アムヴトラ皮下注(ブトリシラン)の作用機序【TTR-FAP】
続きを見る
作用機序的には既に承認されているオンパットロ(パチシラン)と同じですね。
オンパットロは3週間毎の点滴静注が必要でしたが、アムヴトラはそれを改良し、3か月毎の皮下注で治療可能です。
●フィンテプラ内用液2.2mg/mL(一般名:フェンフルラミン塩酸塩)
:「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないDravet 症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。
セロトニン5-HT1D/5-HT2A/5-HT2Cの受容体作動薬です。また、シグマ-1受容体にも作用することで、てんかん発作を抑制すると考えられていますね。
●カブリビ注射用10mg(一般名:カプラシズマブ(遺伝子組換え))
:「後天性血栓性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
カブリビ(カプラシズマブ)の作用機序【TTP】
続きを見る
後天性血栓性血小板減少性紫斑病では、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)を切断するADAMTS13の活性が低下しています。
そのため、血中には巨大なVWFが存在するようになり、血小板と相互作用することで血栓を生じます。
カブリビはVWFを標的とする抗VWFナノボディですね!同日承認されたナノゾラ(オゾラリズマブ)もナノボディでしたね。
適応拡大等:10製品
●ベリナート皮下注用2000(一般名:人C1-インアクチベーター)
:「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
-
ベリナート(ヒトC1-インアクチベーター)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】
続きを見る
ベリナートは既に静注用が承認されていますが、それに皮下注製剤ですね。
●スキリージ点滴静注600mg、同皮下注360mgオートドーザー(一般名:リサンキズマブ(遺伝子組換え))
:点滴静注製剤 ⇒ 「中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
:皮下注製剤 ⇒ 「中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
-
スキリージ皮下注(リサンキズマブ)の作用機序と特徴【乾癬/クローン病】
続きを見る
これまでは皮下注製剤のみでしたが、今回、新たに点滴静注製剤と皮下注オートドーザーが追加されましたね。
●アイリーア硝子体内注射液40mg/mL(一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え))
:「未熟児網膜症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
-
アイリーア(アフリベルセプト)の作用機序【加齢黄斑変性】
続きを見る
●リンヴォック錠7.5mg、同15mg、同30mg、同錠45mg(一般名:ウパダシチニブ水和物)
:7.5mg~30mg錠 ⇒ 「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
:45mg錠 ⇒ 「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
-
リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/乾癬/アトピー性皮膚炎】
続きを見る
既に潰瘍性大腸炎に使用できるJAK阻害薬としては、
がありますね。
JAK阻害薬の効能・効果一覧については以下でまとめています。
-
JAK阻害薬の一覧表(経口7製品)と作用機序のまとめ
続きを見る
●トビエース錠4mg、同8mg(一般名:フェソテロジンフマル酸塩)
:「神経因性膀胱における排尿管理」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量医薬品。
●メトジェクト皮下注7.5mgシリンジ0.15mL、同10mgシリンジ0.20mL、同12.5mgシリンジ0.25mL、同15mgシリンジ0.30mL(一般名:メトトレキサート)
:「関節リウマチ」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
メトトレキサート(MTX)として国内初の皮下注製剤ですね!
●アービタックス注射液100mg(一般名:セツキシマブ(遺伝子組換え))
:「RAS 遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん及び頭頸部がん」に係る用法・用量を追加する新用量医薬品。
これまでは1週間間隔のみでしたが、併用するFOLFOXやFOLFIRIは2週間間隔のため、通院回数が煩わしいという問題がありました。
●キイトルーダ点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「進行又は再発の子宮頸がん」を効能・効果とする新効能医薬品、
「ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術前・術後薬物療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
-
キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/悪性黒色腫/子宮体がん】
続きを見る
●カルボプラチン点滴静注液50mg「NK」、同150mg「NK」、同450mg「NK」(一般名:カルボプラチン)
:「乳がん」を対象疾患とする新用量医薬品。
前述のキイトルーダのトリプルネガティブ乳がんの術前・術後薬物療法と併用するための新用量です。
●パクリタキセル注30mg/5mL「NK」、同注100mg/16.7mL「NK」(一般名:パクリタキセル)
:「進行又は再発の子宮頸がん」を対象疾患とする新用量医薬品。
前述のキイトルーダの子宮頸がんに対する適応拡大に合わせ、キイトルーダと併用するための新用量です。
バイオシミラー:1製品
●ベバシズマブBS点滴静注100mg「CTNK」、同400mg「CTNK」(一般名:ベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続4])
:「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん、扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、手術不能又は再発乳がん」を効能・効果とするバイオ後続品。
-
アバスチン(ベバシズマブ)の作用機序とバイオシミラー【大腸がん】
続きを見る
既にベバシズマブBSはファイザー、第一三共、日医工がありますので、4製品目となりましたね。
あとがき
今回、最も注目しているのは、国内初のGIP/GLP-1受容体作動薬のマンジャロ皮下注です。
-
マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】
続きを見る
その他、面白い構造を有する新薬として、「ナノボディ製剤」が2製品一気に登場しました。
今後、様々な領域にも応用が期待されているため、理解しておいて損はありませんね。
また、新規作用機序を有するテゼスパイア(テゼペルマブ)、スペビゴ(スペソリマブ)、ソーティクツ(デュークラバシチニブ)も期待大です!
以上、今回は2022年9月26日に承認された新薬や適応拡大等について概要をご紹介しました!
\ 新薬情報オンラインの運営者が執筆! /
薬剤師におススメの記事
失敗しない薬剤師の転職とは?
数多く存在する薬剤師専門の転職エージェントサイト。
どこに登録したらいいのか悩むことも少なくありません。そんな転職をご検討の薬剤師さんに是非見ていただきたい記事を公開しました。
- 新薬情報オンラインの薬剤師2名が実際に利用・取材!
- 各サイトの特徴等を一覧表で分かりやすく掲載!
- 絶対にハズレのない厳選の3サイトを解説!
上手に活用してあなたの希望・条件に沿った【失敗しない転職】を実現していただけると嬉しいです!
-
薬剤師の転職サイト3選|評判・求人特徴とエージェントの質を比較
続きを見る
日々の情報収集に最適
-
薬剤師の勉強・情報収集に役に立つ無料サイト・ブログ8選