新薬承認・薬価収載

【新薬:薬価収載】12製品+再生医療等製品(2021年11月25日)

2021年11月25日、新薬12製品および再生医療等製品のアロフィセル(ダルバドストロセル)が薬価収載されました。

 

木元 貴祥
新薬12製品のうち、3製品は既製品の規格・剤形追加です。

 

前々々回から見送りのソグルーヤ皮下注(ソマプシタン)はようやく収載されます!が、同様に見送り状態のオスタバロ皮下注カートリッジ(アバロパラチド酢酸塩)は今回も見送りですね。

【骨粗鬆症】PTH製剤一覧:オスタバロ・テリボン・フォルテオ

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また、本来であればこのタイミングで収載される予定だった以下の3製品も見送りでした。

 

今回は薬価収載された新薬一覧とその算定根拠についてご紹介します。

 

その他、抗真菌薬のノクサフィル(ポサコナゾール)は費用対効果評価による薬価引き下げが了承され、2022年2月1日から薬価が下がります。

 

2021年11月25日:薬価収載の12製品

2021年11月25日に薬価収載された新薬一覧は以下の通りです。

製品名
(一般名)
規格薬価効能・効果
(簡略)
アジルバ顆粒1%
(アジルサルタン)
1%1g73.60円高血圧症
ビンマックカプセル
(タファミジス)
61mg1カプセル155,464.00円ATTR-CM
エフメノカプセル
(プロゲステロン)
100mg1カプセル229.70円更年期障害及び
卵巣欠落症状
リンヴォック錠
(ウパダシチニブ)
30mg1錠7,459.40円アトピー性皮膚炎
レットヴィモカプセル
(セルペルカチニブ)
40mg1カプセル
80mg1カプセル
3,680.00円
6,984.50円
RET陽性の肺がん
サイバインコ錠
(アブロシチニブ)
50mg1錠
100mg1錠
200mg1錠
2,678.40円
5,221.40円
7,832.30円
アトピー性皮膚炎
ソグルーヤ皮下注
(ソマプシタン)
5mg1.5mL1キット
10mg1.5mL1キット
26,107円
52,214円
成長ホルモン分泌不全症
ネクスビアザイム点滴静注用
(アバルグルコシダーゼ)
100mg1瓶196,940円ポンペ病
サフネロー点滴静注
(アニフロルマブ)
300mg2mL1瓶96,068円エリテマトーデス
コセンティクス皮下注
(セクキヌマブ)
75mg0.5mL1筒40,144円乾癬
パドセブ点滴静注用
(エンホルツマブベドチン)
30mg1瓶99,609円尿路上皮がん
ライアットMIBG-I131静注
131I)
1.85GBq5mL1瓶1,072,505円褐色細胞腫・
パラガングリオーマ

 

薬価の算定方法

各薬剤の薬価算定方法は2021年11月17日の中医協総会の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。

 

アジルバ顆粒:類似薬効比較方式(Ⅰ)(アジルバ錠)【加算あり】

アジルバ顆粒は既に販売されているアジルバ錠20mgの1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

元々の薬価は1g70.10円でしたが、小児加算(A=5%)の対象のため、1.05倍の以下の薬価に決定しました。

  • アジルバ顆粒1%1g:73.60円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。小児で臨床試験を行って有効性が認められたからですね!

 

加算の根拠

  • 小児加算:本剤は国内における小児効能に係る臨床試験を実施していること、小児に対する臨床使用上適切な製剤があること、小児に係る用法及び用量が明示されていること、本剤の比較薬が小児加算の適用を受けていないことから、小児加算(A=5%)を適用することが適当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は2.5億円です。

 

作用機序についてはARBの記事で解説しています☆

【高血圧】ARB(アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬)の作用機序と薬剤一覧の紹介

続きを見る

 

ビンマック:類似薬効比較方式(Ⅰ) (ビンダケル)

ビンマックは同様の効能・効果と有効成分を有するビンダケル(タファミジスメグルミン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

  • ビンダケルカプセル20mg:38,866.00円(1日薬価:155,464.00円)
  • ビンマックカプセル61mg:155,464.00円(1日薬価:155,464.00円)

 

ピーク時の予測販売金額は524億円です。

 

木元 貴祥
500億円超えはすごい!!!ビンダケルがマックス入っていますからね~。

 

作用機序や特徴については以下の記事で解説しています。

ビンマック(タファミジス)の作用機序:ビンダケルとの違い【ATTR-CM】

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エフメノ:原価計算方式

エフメノと同様の効能・効果を有する既収載品はないことから、新薬算定最類似薬はないと判断されています。

従って、算定方式は原価計算方式です。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

  • エフメノカプセル100mg:229.70円

 

ピーク時の予測販売金額は12億円です。

 

リンヴォック:規格間調整

リンヴォック錠30mgは既に販売されている15mg錠との規格間調整で算定されています。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

  • リンヴォック錠30mg:7,459.40円

 

ピーク時の予測販売金額は103億円です。

 

作用機序について以下の記事をご覧ください♪

リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/乾癬/アトピー性皮膚炎】

続きを見る

 

レットヴィモ:類似薬効比較方式(Ⅰ) (ザーコリ)【加算あり】

レットヴィモはRET陽性の非小細胞肺がんに使用するRET阻害薬ですが、ALK・ROS1陽性の非小細胞肺がんに使用するザーコリ(クリゾチニブ)の1日薬価に合わせて算出されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

加算としては、

  • 有用性加算(Ⅱ)(A=5%)
  • 市場性加算(Ⅰ)(A=10%)

の対象とされています。加算前の薬価は80mg1カプセル6,073.50円でしたが、1.15倍されて以下の薬価に決定されました。

 

  • ザーコリカプセル250mg:12,146.90円(1日薬価:24,293.80円)
  • レットヴィモカプセル40mg:3,680.00円
  • レットヴィモカプセル80mg:6,984.50円(1日薬価:27,938.00円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序である点と希少疾病の点ですね。

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅱ):本剤はRETチロシンキナーゼに対する選択的な阻害作用を有する新規作用機序医薬品であり、臨床上の有用性が一定程度評価されていると考えられることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
  • 市場性加算(Ⅰ):比較薬は原価計算方式で算定されているが、過去に市場実勢価格を反映した薬価改定を受けていること、また、本剤が希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)を適用する。

 

ピーク時の予測販売金額は156億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています♪

レットヴィモ(セルペルカチニブ)の作用機序【RET陽性の肺がん】

続きを見る

 

サイバインコ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(リンヴォック)【加算あり】

サイバインコは同じくアトピー性皮膚炎に使用するJAK阻害薬リンヴォック(ウパダシチニブ)の1日薬価に合わせて算出されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

小児加算(A=5%)が適用となり、以下の薬価に決定されています。

  • リンヴォック錠15mg :4,972.80円(1日薬価:4,972.80)
  • サイバインコ錠50mg:2,678.40円
  • サイバインコ 錠100mg:5,221.40円(1日薬価:5,221.40円)
  • サイバインコ錠200mg:7,832.30円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。小児で効果が認められているからですね。

 

加算の根拠

  • 小児加算:本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。日本人の試験組み入れ数等を踏まえ、加算率は5%が妥当である。

 

ピーク時の予測販売金額は166億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています♪

サイバインコ(アブロシチニブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】

続きを見る

 

これまでに承認・販売されているJAK阻害薬の一覧については以下の記事でまとめていますので、併せてご覧くださいませ~。

JAK阻害薬の一覧表(経口6製品・外用1製品)と作用機序のまとめ

続きを見る

 

ソグルーヤ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ソマトロピン製剤)

ソグルーヤは他のソマトロピン製剤の平均投与量等を参考に算出されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しました。

  • ソグルーヤ皮下注5mg:26,107円
  • ソグルーヤ皮下注10mg:52,214円

 

ピーク時の予測販売金額は47億円です。

 

ネクスビアザイム:類似薬効比較方式(Ⅰ)

ネクスビアザイムは同じくポンペ病に使用する酸性α-グルコシダーゼ作用薬のマイオザイム(アルグルコシダーゼ)の1日薬価に合わせて算出されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

特に加算はなく以下の薬価に決定しています。

  • マイオザイム点滴静注用50.mg:98,470円(1日薬価:140,671円)
  • ネクスビアザイム点滴静注用100mg:196,940円(1日薬価:140,671円)

 

ピーク時の予測販売金額は30億円です。

 

サフネロー:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ベンリスタ)

サフネローは同じく全身性エリテマトーデスに使用するベンリスタ(ベリムマブ)の1日薬価に合わせてに算出されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

  • ベンリスタ点滴静注用400mg:54,609円(1日薬価:3,431円)
  • サフネロー点滴静注300mg:96,068円(1日薬価:3,431円)

 

ピーク時の予測販売金額は45億円です。

 

作用機序については以下の記事をご覧ください。

サフネロー(アニフロルマブ)の作用機序【エリテマトーデス】

続きを見る

 

コセンティクス75mg:規格間調整【加算あり】

コセンティクス75mgシリンジは既に販売されている150mg製剤(シリンジ・ペン)との規格間調整で算定されました。

 

元々の薬価は40,135円でしたが、小児加算(A=5%)の対象のため、1.05倍の以下の薬価に決定しました。

  • コセンティクス皮下注75mgシリンジ:40,144円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。小児で臨床試験を行って有効性が認められたからですね!

 

加算の根拠

  • 小児加算:本剤は日本国内における小児効能に係る臨床試験を実施したこと、小児に対する臨床使用上適切な製剤及び用法・用量を開発したこと、本剤の比較薬が小児加算の適用を受けていないこと等から、小児加算(A=5%)を適用することが適当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は1.3億円です(75mg製剤投与による)。

 

作用機序については以下の記事で解説しています。

コセンティクス(セクキヌマブ)の作用機序【乾癬/強直性脊椎炎】

続きを見る

 

パドセブ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(カドサイラ)【加算あり】

パドセブは他疾患で使用されているADCCのカドサイラ(トラスツズマブ エムタンシン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

元々の薬価は30mg1瓶90,554円でしたが、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)の対象のため、1.1倍の以下の薬価に決定しました。

  • カドサイラ点滴静注用100mg:235,820円(1日薬価:20,213円)
  • パドセブ点滴静注用30mg:99,609円(1日薬価:22,234円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。臨床試験で効果が認められていて、標準治療に位置付けられるためですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅱ):本剤は既存の治療方法では効果不十分な患者群において効果が認められており、対象疾病に対する標準的治療法として位置づけられることから、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は118億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています。

パドセブ(エンホルツマブベドチン)の作用機序【尿路上皮がん】

続きを見る

 

ライアット:原価計算方式【加算あり】

ライアットは類似の効能・効果、薬理作用、組成を有する既収載品はないことから、新薬算定最類似薬はないと判断されています。

従って、原価計算方式で算定されました。

 

加算としては、

  • 有用性加算(Ⅱ)(A=5%)
  • 市場性加算(Ⅰ)(A=10%)

の対象とされ、製造総原価の開示度が50%以上で加算係数は1とされました。結果、以下の薬価に決定されています。

 

  • ライアットMIBG-I131静注:1,072,505円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。ガイドラインで標準治療に位置付けられているからですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅱ):国内診療ガイドラインにおいて, 123I-MIBGの病変への集積陽性例に対しては、131I-MIBG内照射が標準的治療として位置付けられていることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
  • 市場性加算(Ⅰ):本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。

 

ピーク時の予測販売金額は2.1億円です。

 

再生医療等製品のアロフィセル:原価計算方式【加算あり】

活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療薬であるアロフィセル(ダルバドストロセル)は類薬がないため、原価計算方式で算定されてます。

 

加算としては、市場性加算(Ⅰ)(A=10%)の対象ですが、製造総原価の開示度が50%未満と低かった加算係数0.2で、最終的に2%の加算とされました。

  • アロフィセル注(4瓶1組):5,620,004円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。

 

加算の根拠

  • 市場性加算(Ⅰ):本剤は希少疾病用再生医療等製品に指定されていることから、加算の要件を満たす。

 

ピーク時の予測販売金額は52億円です。

 

費用対効果評価による薬価引き下げ(ノクサフィル):2022年2月1日より

2016年度より試行的に医薬品などの費用対効果評価が行われており、ノクサフィルはその対象とされていました。

 

その結果、2022年2月1日より、現在販売されているノクサフィルの薬価は以下に減額されます。約0.45%の減ですね。少なっ!

  • ノクサフィル錠100mg1錠:3,109.10 円 ⇒ 3,094.90 円
ノクサフィル(ポサコナゾール)の作用機序・特徴【真菌症】

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あとがき

今回は加算品目が約半数と多かった印象です。

既製品の規格・剤形追加であっても加算があるのはすごいですね(アジルバ顆粒1%コセンティクス皮下注75mg)。

 

新作用機序を有している

は期待大ですね♪

 

以上、今回は2021年11月25日に薬価収載された新薬12製品と再生医療等製品についてご紹介しました!

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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