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エパデールEM(イコサペント酸エチル)の作用機序|エパデールとの違い【高脂血症】

2022年6月20日、「高脂血症」を対象疾患とするエパデールEMが承認されました!

持田製薬|ニュースリリース

基本情報

製品名エパデールEMカプセル2g
一般名イコサペント酸エチル
製品名の由来
製薬会社持田製薬(株)
効能・効果高脂血症
用法・用量イコサペント酸エチルとして、通常、成人には1回2gを1日1回、食直後に経口投与する。
ただし、トリグリセリド高値の程度により、1回4g、1日1回まで増量できる。
収載時の薬価
発売日

 

既に販売されているエパデール・エパデールSは1日2~3回の投与が必要でしたが、エパデールEMは乳化剤を含めて消化管で吸収されやすく工夫されているため、1日1回で使用することが可能です。

 

木元 貴祥
有効成分はエパデールと同一のため、新剤形医薬品とのこと。

 

今回は高脂血症とエパデールEMの作用機序についてご紹介いたします♪

 

高脂血症(脂質異常症)について

高脂血症は、現在では「脂質異常症」と呼ばれている疾患です。

 

厚生労働省の「平成26年(2014)患者調査の概況」によると、脂質異常症の患者さんの総数は206万2000人と推計されており、その数は年々増えているようです。

やはり、その理由として食生活の欧米化、運動不足などが関与していると考えられます。

 

このような脂質異常症に関連する生体内の脂質には以下の3つの種類があります。

  1. LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
  2. 中性脂肪(トリグリセライド)
  3. HDLコレステロール(善玉コレステロール)

 

脂質異常症とは、

  • LDLコレステロールもしくは中性脂肪が基準値以上に増えた場合、

または、

  • HDLコレステロールが基準値未満に減った場合、

に診断されます。

 

高脂血症(脂質異常症)の治療

高脂血症(脂質異常症)の治療は、

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

です。

 

高脂血症は多くの場合、食事や運動などの生活習慣が大きく関係しています。

従って、治療の基本は食事療法と運動療法で、長期的に継続する必要があります。

 

食事療法と運動療法で脂質が改善しない場合、もしくは緊急を要する場合(心筋梗塞脳梗塞)には薬物療法を行います。

 

木元 貴祥
今回ご紹介するエパデールEMは主に高トリグリセライド血症に使用する薬剤ですね。

 

ちなみに、高コレステロール血症の薬物療法では、HMG-CoA還元酵素阻害薬(例:クレストールやリピトールなどのスタチン系薬剤)、抗PCSK9抗体薬のレパーサ(エボロクマブ)などが用いられます。

レパーサ(エボロクマブ)の作用機序と副作用【高脂血症】

続きを見る

 

エパデールEM(イコサペント酸エチル)の作用機序

イコサペント酸エチル(EPA)は元々消化管からの吸収率が低いため、1日2~3回に分けて食直後に服用する必要がありました。

 

エパデールEMは乳化剤を含めて消化管で吸収されやすく工夫された自己乳化型新規高純度EPA製剤です!

元々、EPAは脂肪酸のため、吸収時に胆汁酸による乳化が必要ですが、それに依存することなく、自らが自己乳化することで吸収率を高めているとのこと。

 

木元 貴祥
添加物として含まれているレシチンやポリソルベート80がその役割をしているんですかねー?

 

1日1回食直後の服用で同様の治療効果を発揮すると考えられています。

 

主な作用機序としては、以下の通りです。

  • 肝臓におけるトリグリセライドの分解促進合成阻害
  • 血中におけるLPL(リポタンパク質リパーゼ)活性化によるトリグリセライドの分解促進

エパデールEM(イコサペント酸エチル)の作用機序

 

その他にも、PPARαの活性化や、抗血小板作用など、幅広い作用を有していると考えられています。

【高脂血症】フィブラート系薬剤の作用機序と薬剤一覧の紹介

続きを見る

 

木元 貴祥
以上の作用機序にって、特にトリグリセライド低下作用が強いとされていますね。

 

副作用

1~5%未満に認められる副作用として、下痢、腹部不快感が報告されています。

 

重大な副作用としては、

  • 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

が挙げられていますので、特に注意が必要です。

 

用法・用量

イコサペント酸エチルとして、通常、成人には1回2gを1日1回、食直後に経口投与します。

ただし、トリグリセリド高値の程度により、1回4g、1日1回まで増量可能とのこと。

 

木元 貴祥
吸収されやすく製剤開発されたとはいえ、食直後は変わらずですね。

 

食直後には胆汁酸の分泌量が増えるため、吸収されやすくなります!

 

通常のエパデールとの違い・比較

後日更新予定です。ざっとはこんな感じですかね。

エパデール
カプセル
エパデールSエパデールEM
カプセル
規格300mg300/600/900mg2g
外形横18mm×縦7mm直径約4mmの球形
(スティック包装)
直径約6mmの球形
(スティック包装)
効能・効果〇閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善
〇高脂血症
高脂血症
用法・用量
(高脂血症)
1回900mgを1日2回又は1回600mgを1日3回、
食直後に経口投与
1日1回1又は2カプセルを
食直後に経口投与

 

収載時の薬価

現時点では薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

エパデールEMはこんな薬

  • エパデールに乳化剤を含めて消化管で吸収されやすく工夫した新剤形医薬品
  • 肝臓におけるトリグリセライドの分解促進と合成阻害
  • 血中におけるLPL活性化によるトリグリセライドの分解促進
  • 1日1回食直後に経口投与

 

エパデールEMは新医薬品として申請されていましたが、新剤形医薬品として承認されました。

 

既存のエパデールと比較して服用回数が減ることから、アドヒアランスの向上が期待される一方で、効能・効果はエパデールと同一ではないことに注意が必要です。

 

以上、今回は高脂血症とエパデールEMの作用機序についてご紹介しました♪

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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