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2025年8月14日、新薬8製品が薬価収載される予定です!
また、費用対効果評価を踏まえた薬価の引き下げも了承され、2025年11月1日より薬価がダウンする薬剤も4製品ありました・・・。
今回は薬価収載の新薬一覧とその算定根拠について紹介していきます!
2025年8月14日:薬価収載予定の8製品
2025年8月14日に薬価収載予定の新薬一覧は以下の通りです。
製品名 (一般名) |
規格 | 薬価 | 効能・効果 (簡略) |
ベルスピティ錠 (エトラシモド) |
2mg1錠 | 4,792.80円 | 潰瘍性大腸炎 |
リアルダ錠 (メサラジン) |
600mg1錠 | 96.10円 | 潰瘍性大腸炎 |
ウェリレグ錠 (ベルズチファン) |
40mg1錠 | 21,916.80円 | 腎細胞がん/VHL病関連腫瘍 |
アネレム静注用 (レミマゾラム) |
20mg1瓶 | 1,540円 | 消化器内視鏡診療時の鎮静 |
エアウィン皮下注用 (ソタテルセプト) |
45mg1瓶 60mg1瓶 |
1,082,630円 1,441,677円 |
肺動脈性高血圧症 |
ポムビリティ点滴静注用 (シパグルコシダーゼ) |
105mg1瓶 | 204,251円 | 遅発型ポンペ病 |
オプフォルダカプセル (ミグルスタット) |
65mg1カプセル | 6,038.20円 | 遅発型ポンペ病 |
タービー皮下注 (トアルクエタマブ) |
3mg1.5mL1瓶 40mg1mL1瓶 |
146,284円 1,879,962円 |
多発性骨髄腫 |
画像はこちらです。>>高画質で表示
薬価の算定方法
各薬剤の薬価算定方法は2025年8月6日の中医協総会の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。
ベルスピティ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ゼポジア)
ベルスピティは、同じく潰瘍性大腸炎に使用するS1P受容体調節薬のゼポジア(オザニモド)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
特に加算はなく、以下の薬価に決定しました。
- ゼポジアカプセル0.92mg:4,792.80円(1日薬価:4,792.80円)
- ベルスピティ錠2mg:4,792.80円(1日薬価:4,792.80円)
ピーク時の予測販売金額は143億円です(予測本剤投与患者数8.3千人)。
以下の記事で、作用機序などについて解説しています。
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ベルスピティ(エトラシモド)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
続きを見る
リアルダ錠600mg:規格間調整【加算あり】
これまでリアルダは1200mg規格のみでしたが、小児用量追加に伴い600mgの剤形が追加されました。
算定方式は規格間調整です。
ペンタサ錠500mg及び同錠250mgの規格間比=0.8222を使用し、さらに規格間調整のみの算定における特例(小児加算)(A=10%)が加算されて以下の薬価に決定しました。
- リアルダ錠1200mg:154.50円(1日薬価:309.00円)
- リアルダ錠600mg:96.10円(1日薬価:384.40円)
なお、加算の根拠は以下の通りです。

加算の根拠
- 小児加算:本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。小児適応を有する既収載品があるものの、国内臨床試験を実施していること等を踏まえると、加算率は10%が妥当である。
ピーク時の予測販売金額は1億円です(予測本剤投与患者数0.8千人)。
ウェリレグ:原価計算方式【加算あり】
ウェリレグは国内初の「フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍」の治療薬かつ新規の作用機序(HIF-2α阻害)を有する新薬です。そのため、新薬算定最類似薬はないと判断されました。
算定方式は原価計算方式です。
また、画期性加算(A=75%)、市場性加算(Ⅰ)(A=15%)の対象でしたが、原価の開示度が50%未満だったため、加算係数ゼロです…。

- ウェリレグ錠40mg:21,916.80円
なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序である点とフォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍の適応症で初めて承認された薬剤である点などが評価されていますね。
加算の根拠
- 画期性加算:本剤はHIF-2α阻害作用を有する新規作用機序医薬品であり、臨床試験成績から臨床上の有用性が示されていること、フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍の適応症で初めて承認された薬剤であり、初めて全身治療を提供するものであること等から、画期性加算(A=75%)を適用することが適当と判断した。
- 市場性加算:本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。患者数が極めて少なく開発が難しいと想定される中で、フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍の適応症で初めて承認された薬剤であること等を踏まえ、加算率15%が妥当である。
ピーク時の予測販売金額は404億円です(予測本剤投与患者数1.9千人)。
以下の記事で作用機序などについて解説しています。
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ウェリレグ(ベルズチファン)の作用機序【腎細胞がん】
続きを見る
アネレム静注用20mg:規格間調整
これまでアネレムは50mg製剤しかありませんでしたが、今回、20mg製剤が追加されました。
算定方式は規格間調整です。
特に加算はなく、以下の薬価に決定しました。
- アネレム静注用50mg:2,218円
- アネレム静注用20mg:1,540円
ピーク時の予測販売金額は44億円です(予測本剤投与患者数272万人)。
エアウィン:原価計算方式【加算あり】
エアウィンは新規作用機序かつ、既存薬と位置付けが異なることから、新薬算定最類似薬はないと判断されました。
算定方式は原価計算方式です。
有用性加算(Ⅰ)(A=45%)、市場性加算(Ⅰ)(A=15%)の対象でしたが、原価の開示度が50%未満だったため、加算係数ゼロです…。

結果、加算はなく以下の薬価に決定しました。
- エアウィン皮下注用45mg:1,082,630円
- エアウィン皮下注用60mg:1,441,677円
なお、加算の根拠は以下の通りです。10年ぶりに新規作用機序を有する薬剤かつ、既存治療で効果不十分な場合でも効果が期待される点が評価されています。
加算の根拠
- 有用性加算:本剤は、アクチビン受容体ⅡAのリガンドに結合することで肺血管リモデリングを抑制すると考えられる新規作用機序医薬品であること、本剤の対象疾患において約10年6か月間、新規の作用機序の新薬収載がないこと、既存の治療方法で効果が不十分な患者群に対し効果が認められたこと、国内ガイドライン等において従来の薬剤に追加して使用する標準療法として推奨されていることから、有用性加算(Ⅰ)(A=45%)を適用することが適当と判断した。
- 市場性加算:本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。国内第Ⅲ相試験の速やかな実施等により欧米に大きく遅れることなく本邦での承認に至ったことを踏まえ、加算率は15%が妥当である。
ピーク時の予測販売金額は544億円です(予測本剤投与患者数2.8千人)。
作用機序については、以下で解説しています。
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エアウィン(ソタテルセプト)の作用機序【肺動脈性高血圧症】
続きを見る
ポムビリティ/オプフォルダ:類似薬効比較方式(Ⅰ)
ポムビリティとオプフォルダは併用で使用するため、併用ありきの薬価算定となりました。
同じくポンペ病に使用するネクスビアザイム(アバルグルコシダーゼ)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
特に加算はなく、以下の薬価に決定しました。
- ネクスビアザイム点滴静注用100mg:196,940円(1日薬価:140,671円)
- ポムビリティ点滴静注用105mg:204,251円(1日薬価:138,946円)
- オプフォルダカプセル65mg:6,038.20円(1日薬価:1,725.20円)
ポムビリティとオプフォルダの合計1日薬価がネクスビアザイムの1日薬価と同様になるよう算定
ピーク時の予測販売金額は以下の通りです。
- ポムビリティ:16億円(予測本剤投与患者数30人)
- オプフォルダ:0.19億円(予測本剤投与患者数30人)
タービー:類似薬効比較方式(Ⅰ) (テクベイリ)【加算あり】
タービーは、同じく多発性骨髄腫に使用する二重特異性抗体のテクベイリ(テクリスタマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
作用機序は両薬剤で異なっています(タービーはGPRC5D、テクベイリはBCMA)が、類似薬と判断されたようですね。
また、有用性加算(Ⅰ)(A=35%)の対象のため、元の薬価を1.35倍し、さらに外国平均価格調整によって以下の薬価に決定しました。
- テクベイリ皮下注153mg:1,081,023円(1日薬価:136,746円)
- タービー皮下注3mg:146,284円
- タービー皮下注40mg:1,879,962円(1日薬価:134,283円)

なお、加算の根拠は以下の通りです。
加算の根拠
- 有用性加算:本剤はGPRC5D受容体を標的とする初めての二重特異性抗体であり、BCMAを標的とするCAR-T又は二重特異性抗体の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした臨床試験においても臨床的意義のある効果が認められていること等から、有用性加算(Ⅰ)(A=35%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は256億円です(予測本剤投与患者数886人)。
作用機序やエビデンスについては、以下の記事で解説しています。
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タービー(トアルクエタマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】
続きを見る
費用対効果評価:フォゼベル、レクビオ、ウゴービ、レケンビ
中医協総会では、費用対効果評価も行われ、以下の薬剤の薬価がダウンします。
- フォゼベル(テナパノル):高リン血症に使用するNHE3阻害薬
- レクビオ(インクリシラン):高コレステロール血症に使用するPCSK9をターゲットとしたsiRNA治療薬
- ウゴービ(セマグルチド):肥満症に使用するGLP-1アナログ製剤
- レケンビ(レカネマブ):アルツハイマー型認知症に使用する抗アミロイドβ抗体薬

いずれも適用日は2025年11月1日です。
あとがき
今回は8製品中、4製品が加算対象でした!

今回、画期性加算の対象であったウェリレグ(ベルズチファン)や、有用性加算の対象であったエアウィン(ソタテルセプト)は、いずれも原価の開示度が50%未満だったため、加算はゼロとなりました…。
その他、費用対効果評価によって、11月から薬価ダウンする薬剤もありますので、在庫管理等のチェックも大切だと思います。
以上、今回は2025年8月14日に薬価収載予定の新薬8製品についてご紹介しました!
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