新薬承認・薬価収載

【第一部会:期待の新薬】5製品+2製品(2025年7月31日)

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2025年7月31日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会にて、新薬として5製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
その他、報告品目として2製品の承認が了承されています。

 

概要について紹介していきます!

 

審議品目:5製品

●ドプテレット錠20mg(一般名:アバトロンボパグマレイン酸塩)
:「持続性及び慢性免疫性血小板減少症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

これまでの適応症は「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」でしたが、免疫性血小板減少症(ITP)にも使用できるように適応拡大されます!

 

慢性ITPに対しては、チロシンキナーゼ(Syk)選択的阻害薬のタバリス(ホスタマチニブ)なども使用されますね

タバリス(ホスタマチニブ)の作用機序【ITP】

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●ボルズィ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg(一般名:ボルノレキサント水和物)
:「不眠症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ボルズィ(ボルノレキサント)の作用機序:ベルソムラ/デエビゴ/クービビックとの違い【不眠症】

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木元 貴祥
木元 貴祥
国内4製品目のオレキシン受容体拮抗薬ですね。

 

既に類薬として以下の3製品が承認・販売されていますので、使い分けが気になるところです。

 

●セタネオ点眼液0.002%(一般名:セペタプロスト)
:「緑内障、高眼圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

セタネオ点眼液(セペタプロスト)の作用機序【緑内障】

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FP受容体作動作用に加え、EP3受容体作動作用を有する新規メカニズムのプロスタグランジン系治療薬ですね。

 

●①マグミット錠100mg、②同錠200mg、③同錠250mg、④同錠330mg、⑤同錠500mg、⑥同細粒83%(一般名:酸化マグネシウム)
:「便秘症」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤形追加に係る医薬品。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今回、小児用量の追加と共に、100mg錠の新剤形が追加されます!

 

●ヨビパス皮下注168 µgペン、同皮下注294 µgペン、同皮下注420µgペン(一般名:パロペグテリパラチド)
:「副甲状腺機能低下症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

 

副甲状腺ホルモン(PTH)の徐放性プロドラッグですね。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
1日1回の皮下投与で、24時間血中PTH濃度を維持できる国内初の薬剤です。

 

報告品目:2製品

●コセルゴカプセル10mg、同カプセル25mg(一般名:セルメチニブ硫酸塩)
:「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」を効能・効果とする新用量医薬品。

 

これまでは小児のみでしたが、今回、成人用量が追加されます!用量は小児と同一とのことです。

 

●ケサンラ点滴静注液350mg(ドナネマブ(遺伝子組換え))
:「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」を効能・効果とする新用量医薬品。

ケサンラ(ドナネマブ)の作用機序:レケンビとの違い【アルツハイマー型認知症】

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これまでの用法・用量(初回700mg×3 → 維持1400mg)では、副作用のアミロイド関連画像異常(ARIA)の発現が高頻度で認められていました。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今回、初期の用量について、漸増方法がより緩やかに変更されます!

 

今後は、初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、その後は1400mgに変更され、それによってARIAの発現リスクが低下するとのことです。

変更前 変更後
初回 700mg 350mg
2回目 700mg 700mg
3回目 700mg 1050mg
以降、維持用量 1400mg 1400mg

※いずれも週1回投与

 

あとがき

今回の注目は、国内4製品目のオレキシン受容体拮抗薬のボルズィ(ボルノレキサント)ですね。

ボルズィ(ボルノレキサント)の作用機序:ベルソムラ/デエビゴ/クービビックとの違い【不眠症】

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木元 貴祥
木元 貴祥
上記の記事で、既存薬と共に比較表を掲載していますので、ご確認くださいませ♪

 

その他、眼科領域では、初のFP受容体作動作用に加え、EP3受容体作動作用を有するセタネオ点眼液(セペタプロスト)も気になるところです。

セタネオ点眼液(セペタプロスト)の作用機序【緑内障】

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以上、今回は2025年7月31日の薬事審議会・医薬品第一部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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