3.呼吸器系

リフヌア(ゲーファピキサント)の作用機序【慢性咳嗽】

2021年12月2日、厚労省の薬食審医薬品第二部会にて「慢性咳嗽」を対象疾患とするリフヌア錠(ゲーファピキサント)の承認が了承されました!

MSD|申請のニュースリリース

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名リフヌア錠45mg
一般名ゲーファピキサントクエン酸塩
製品名の由来
製薬会社製造販売:MSD(株)
販売:杏林製薬(株)
効能・効果難治性の慢性咳嗽
用法・用量通常、成人にはゲーファピキサントとして
1回45mgを1日2回経口投与する。
収載時の薬価
発売日

 

リフヌアは国内では初のP2X3受容体拮抗薬に分類されています!

 

木元 貴祥
慢性咳嗽は治療選択肢がほぼ無く、新たな治療選択肢が望まれていました。

 

今回はリフヌア(ゲーファピキサント)の作用機序とエビデンスについて解説していきます。

 

慢性咳嗽とは

咳嗽がいそうとは、いわゆる「咳」のことです。

気道内に異物があったり、アレルギーによる炎症、ウイルス感染等によって引き起こされます。1)

 

大きな分類としては以下の2つです。

  • 乾性咳嗽:痰がからまないコンコンといった咳(乾いた咳)
  • 湿性咳嗽:痰のからんだ咳、ゴボゴボといった咳(湿った咳)

 

乾性咳嗽は気管支喘息、間質性肺炎、肺結核、がん、喫煙等が原因で起こりやすく、湿性咳嗽は風邪、インフルエンザ、気管支炎、副鼻腔炎等が原因で起こりやすいと言われています。

 

治療は咳を抑える鎮咳剤や去痰剤、気管支拡張剤、抗アレルギー剤を使用し、原因となる疾患の治療も同時に行っていきます。2)

 

木元 貴祥
例えば、気管支喘息による咳嗽ならステロイド吸入やLAMA/LABA等ですね。
テリルジー吸入用の作用機序:ビレーズトリ・エナジアとの違い【COPD/気管支喘息】

続きを見る

 

しかしながら、治療を行ったとしても治らない咳嗽や、そもそも発症原因が特定できない咳嗽もあり、8週間以上継続する咳嗽のことを「慢性咳嗽」と呼んでいます。

 

今回ご紹介するリフヌアは慢性咳嗽に使用できる薬剤です!ここから、リフヌアの作用機序に関連するP2X3受容体について解説していきましょう。

 

咳嗽とP2X3受容体

気道の迷走神経のC繊維と呼ばれる部位に「P2X3受容体」が発現していることが知られています。

様々な刺激やアレルギー、細胞障害などによって気道粘膜細胞から放出されるATPがP2X3受容体に結合すると、そのシグナルが中枢に到達し、咳嗽が惹起されると考えられています。3)

P2X3受容体は咳嗽の発症原因となる受容体で、ATPをリガンドとする。

 

木元 貴祥
咳嗽の原因となる受容体がP2X3受容体というわけですね!

 

リフヌア(ゲーファピキサント)の作用機序:P2X3受容体拮抗

リフヌアは選択的P2X3受容体拮抗薬に分類されています。

P2X3受容体が遮断されることで迷走神経の活性化が抑制され、結果として咳嗽が抑えられると考えられています。3)

リフヌア(ゲーファピキサント)の作用機序:P2X3受容体を阻害して咳嗽を抑制する

 

ちなみに味覚に関与している味神経にはP2X3受容体が発現4)していますので、副作用として味覚障害には注意が必要かもしれません。

 

エビデンス紹介:COUGH-1およびCOUGH-2試験

根拠となった臨床試験をご紹介します。

COUGH-1およびCOUGH-2試験は原因疾患を適切に治療しても咳嗽が持続する難治性慢性咳嗽や、詳細な検査にも関わらず原因が特定できない原因不明の慢性咳嗽の患者さんを対象に、プラセボとリフヌア(15mgまたは45mg)を比較する第Ⅲ相臨床試験です。5)

論文未公表のため、学会発表を抜粋しています。

 

主要評価項目は「24時間の咳嗽頻度」とされ、COUGH-1試験では12週時点、COUGH-2試験では24週時点で評価されました。いずれもリフヌア15mg群ではプラセボと比較して有意な差が得られなかったため、45mgの結果を抜粋しています。

試験名COUGH-1試験
(12週時点)
COUGH-2試験
(24週時点)
試験群プラセボリフヌア
45mg
プラセボリフヌア
45mg
24時間の咳嗽頻度10.33回/hr7.05回/hr8.34回/hr6.83回/hr
p=0.041p=0.031
味覚関連の有害事象3%58%8%69%

 

木元 貴祥
リフヌア45mg投与によって、12週・24週いずれの時点においても咳嗽の頻度が有意に低下していました!

 

一方で、味覚関連の有害事象の発現頻度はリフヌアで高いため、注意が必要かもしれません。

 

副作用

後日更新予定です。

前述の臨床試験では特徴的な副作用として味覚障害が報告されていました。

 

用法・用量

通常、成人にはゲーファピキサントとして1回45mgを1日2回経口投与します。

 

収載時の薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

リフヌアはこんな薬

  • 選択的P2X3受容体拮抗薬
  • P2X3受容体の刺激が抑制されることで咳嗽を抑える
  • 1日2回経口投与
  • 味覚障害には注意が必要

 

これまで慢性咳嗽は治療選択肢がほぼ無かったため、リフヌアは新たな治療選択肢として期待できるのではないでしょうか。

 

木元 貴祥
味覚障害には注意が必要ですね。

 

以上、今回はリフヌア(ゲーファピキサント)の作用機序とエビデンスについて解説しました!

 

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木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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