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2024年12月27日、厚労省は新薬(新有効成分含有医薬品)として16製品を承認しました。
その他、既存薬の適応拡大・剤形追加等が9製品が承認されていますね。
既存薬9製品の中には、肥満症治療薬のゼップバウンド皮下注があり、2型糖尿病で使用されているマンジャロ皮下注と同一のチルゼパチドを有効成分としています。
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マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】
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新薬:16製品
●ブルキンザカプセル80mg(一般名:ザヌブルチニブ)
:「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)および原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ブルキンザ(ザヌブルチニブ)の作用機序【CLL/WM/LPL】
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新規のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬ですね。
慢性リンパ性白血病(CLL)、原発性マクログロブリン血症(WM)、リンパ形質細胞リンパ腫(LPL)に対して、いずれも初回治療から使用可能です!
- イムブルビカ(イブルチニブ):2016年承認。CLL初回治療として単剤で使用可能。
- カルケンス(アカラブルチニブ):2021年承認。CLL初回治療としてガザイバ(オビヌツズマブ)と併用。
- ベレキシブル(チラブルチニブ):2020年承認。WMとLPL初回治療として単剤で使用可能。
- ジャイパーカ(ピルトブルチニブ):2024年承認。マントル細胞リンパ腫に対して単剤で使用可能。
●バルバーサ錠3mg、同錠4mg、同錠5mg(一般名:エルダフィチニブ)
:「がん薬物療法後に増悪したFGFR3遺伝子変異又は融合遺伝子を有する根治切除不能な尿路上皮がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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バルバーサ(エルダフィチニブ)の作用機序【尿路上皮がん】
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新規の線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)チロシンキナーゼ阻害薬ですね。
既に胆道がんの領域では、以下のFGFR阻害薬が使用されていますが、尿路上皮がんの領域では初の登場となりました。
●カルケンス錠100mg(一般名:アカラブルチニブマレイン酸塩水和物)
:「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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カルケンス(アカラブルチニブ)の作用機序【CLL】
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現在承認されているカルケンスはカプセル剤で一般名は「アカラブルチニブ」でした。今回、追加されるのは一般名が「アカラブルチニブマレイン酸塩水和物」の錠剤です。
●リジュセアミニ点眼液0.025%(一般名:アトロピン硫酸塩水和物)
:「近視の進行抑制」を効能・効果とする新効能・新剤形医薬品。
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リジュセアミニ(アトロピン)の作用機序【近視の進行抑制】
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国内初の効能・効果を有する新薬ですね!
低用量のアトロピン製剤で、眼軸長の延長を抑制することで近視の進行を抑制すると考えられています。
なお、薬価がつかない自由診療での販売展開を予定しているとのことです。
●クアルソディ髄注100mg(一般名:トフェルセン)
:「SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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クアルソディ髄注(トフェルセン)の作用機序【ALS】
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クアルソディは、ALSの原因遺伝子(原因タンパク質)に対して作用する初のアンチセンス核酸医薬品ですね!
●ゼポジアカプセル0.92mg、同カプセルスターターパック(一般名:オザニモド塩酸塩)
:「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ゼポジア(オザニモド)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
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経口JAK阻害薬と同じ位置付けだと予想されます。
●タウヴィッド静注(一般名:フロルタウシピル(18F))
:「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者におけるドナネマブ(遺伝子組換え)の適切な投与の補助」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
アルツハイマー病に関連するタウタンパク質による神経原線維変化を可視化することで、ケサンラ(ドナネマブ)の投与可否の補助目的で使用されますね。
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ケサンラ(ドナネマブ)の作用機序:レケンビとの違い【アルツハイマー型認知症】
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●エフルエルダ筋注(一般名:インフルエンザウイルス(A型・B型)HA画分)
:「インフルエンザの予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
高用量のインフルエンザHAワクチンですね。
●ハイキュービア10%皮下注セット5g/50mL、同10g/100mL、同20g/200mL(一般名:pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注)/ボルヒアルロニダーゼアルファ(遺伝子組換え))
:「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
ボルヒアルロニダーゼを皮下投与した後、約10分以内に同じ部位へ人免疫グロブリンGを皮下投与することで、従来の皮下注製剤と比較して投与間隔が延長します(3~4週毎の投与)。
ボルヒアルロニダーゼは、既に以下の薬剤にも配合されていますね。最近大活躍!
●ヒムペブジ皮下注150mgペン(一般名:マルスタシマブ(遺伝子組換え))
:「血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ヒムペブジ皮下注(マルスタシマブ)の作用機序・特徴【血友病】
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既に同様の作用機序を有するアレモ皮下注(コンシズマブ)が血友病に対して使用されていますね。
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アレモ皮下注(コンシズマブ)の作用機序・特徴【血友病A/B】
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アレモは1日1回投与ですが、ヒムペブジは週1回の投与で治療が可能です!
●テポックスカプセル200mg(一般名:テコビリマト水和物)
:「痘そう、エムポックス、牛痘、痘そうワクチン接種後のワクチニアウイルスの増殖による合併症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●カビゲイル注射液300mg(一般名:シパビバルト(遺伝子組換え))
:「SARS-CoV-2による感染症の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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カビゲイル(シパビバルト)の作用機序【COVID-19感染・発症予防】
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既に同様の作用機序を有する抗体薬として、エバシェルド筋注セット(チキサゲビマブ/シルガビマブ)が承認されていますが、昨今の変異株には対応していませんでした。
ちなみに、カビゲイルは抗体薬であるものの、一般名は「~mab(~マブ)」ではなく「~bart(バルト)」です…!
●ダトロウェイ点滴静注用100mg(一般名:ダトポタマブデルクステカン(遺伝子組換え))
:「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ダトロウェイ(ダトポタマブ デルクステカン)の作用機序【乳がん】
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抗TROP2抗体を用いたADCとしては、2024年9月に承認されたトロデルビ(サシツズマブ ゴビテカン)がありますが、トロデルビはトリプルネガティブ乳がんが対象です。
●ルンスミオ点滴静注1mg、同30mg(一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ルンスミオ(モスネツズマブ)の作用機序【悪性リンパ腫】
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2レジメン以上の治療歴を有する再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)に使用します。
●イムデトラ点滴静注用1mg、同10mg(一般名:タルラタマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪した小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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イムデトラ(タルラタマブ)の作用機序【肺がん】
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国内初のデルタ様リガンド3(DLL3)とCD3を特異的に認識する二重特異性抗体薬ですね。
●テクベイリ皮下注153mg、同皮下注30mg(一般名:テクリスタマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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テクベイリ(テクリスタマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】
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BCMAとCD3を特異的に認識する二重特異性抗体薬です。
既に多発性骨髄腫においては同様の作用機序を有するエルレフィオ(エルラナタマブ)が承認されていますので、テクベイリは2製品目です。
適応拡大等:9製品
●ヒフデュラ配合皮下注(一般名:エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ヒフデュラ/ウィフガート(エフガルチギモド)の作用機序【重症筋無力症】
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●ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス、同皮下注5mgアテオス、同皮下注7.5mgアテオス、同皮下注10mgアテオス、同皮下注12.5mgアテオス、同皮下注15mgアテオス(一般名:チルゼパチド)
:「肥満症。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する・BMIが35kg/m2以上」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。
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ゼップバウンド(チルゼパチド)の作用機序:ウゴービとの違い【肥満症】
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GLP-1受容体作用を有する肥満症治療薬としては、2023年3月に承認されたウゴービ(セマグルチド)に次いで2製品目です!
ゼップバウンドの有効成分のチルゼパチドは、既に糖尿病に対して使用されているマンジャロ皮下注(チルゼパチド)と同じですね。
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マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】
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●①ウプトラビ錠0.2mg②同錠0.4mg③同錠小児用0.05mg(一般名:セレキシパグ)
:「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果とし、小児用量を追加する①②新用量・その他の医薬品、③新用量・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。
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ウプトラビ(セレキシパグ)の作用機序【肺動脈性高血圧症】
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「動脈性肺高血圧症」の2歳以上の小児の追加に関するものですね。それに伴い、「③小児用0.05mg」の剤形追加も承認されました。
●オルダミン注射用1g(一般名:モノエタノールアミンオレイン酸塩)
:「静脈奇形の硬化退縮」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
硬化療法に用いる硬化剤ですね。
●①ファセンラ皮下注30mgシリンジ、②同皮下注30mgペン(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を効能・効果とする①新効能・新用量医薬品、②新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
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ファセンラ(ベンラリズマブ)の作用機序と副作用【気管支喘息】
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これまでは気管支喘息のみでしたが、今後は「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)」が追加になりました!
生物学的製剤としては、類薬のヌーカラ(メポリズマブ)が上記適応を取得済です。
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ヌーカラ(メポリズマブ)の作用機序【気管支喘息/EGPA】
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●オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、同点滴静注120mg、同点滴静注240mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))
:「根治切除不能な尿路上皮がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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オプジーボ(ニボルマブ)の作用機序【胃/尿路上皮がん】
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これまでは尿路上皮がんの「術後補助療法」にしか使用できませんでしたが、今後は切除不能な尿路上皮がんの一次治療において、ゲムシタビン+シスプラチンと併用で使用可能となりました。
2024年に適応拡大されたパドセブ(エンホルツマブベドチン)+キイトルーダ(ペムブロリズマブ)併用療法と同じ治療ラインのため、使い分けが気になるところ。
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パドセブ(エンホルツマブベドチン)の作用機序【尿路上皮がん】
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●ランダ注10mg/20mL、同注25mg/50mL、同注50mg/100mL(一般名:シスプラチン)
:「尿路上皮がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
上記のオプジーボとの併用に合わせて適応拡大されました。
●ウステキヌマブBS皮下注45mgシリンジ「YD」(一般名:ウステキヌマブ(遺伝子組換え)[ウステキヌマブ後続2])
:「既存治療で効果不十分な下記疾患:尋常性乾癬、乾癬性関節炎」を効能・効果とするバイオ後続品。
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ステラーラ(ウステキヌマブ)の作用機序【クローン病/潰瘍性大腸炎】
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ステラーラ皮下注のバイオシミラー(BS)ですね。
2023年9月25日には富士製薬のBSが承認されているため、それに続く2製品目のBSです。
ただし、先発品のステラーラ皮下注は乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎に使用できますが、BSは乾癬のみの適応症のため注意が必要です。
●キイトルーダ点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「進行・再発の子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/悪性黒色腫/子宮体がん】
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これまで、子宮体がんについては二次治療以降にレンビマとの併用で承認されていました。
今後は、一次治療のおいてカルボプラチン+パクリタキセル(TC療法)と併用でも使用可能となりました!
最近では一次治療として、TC療法にイミフィンジ(デュルバルマブ)とリムパーザ(オラパリブ)の上乗せも可能になりましたので、使い分けが気になるところですね~。
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
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あとがき
今回の注目は以下でしょうか。新たな治療選択肢として期待できると思われます。
その他、目にする機会は少ないかもしれませんが、ALSの原因遺伝子に対する初の治療薬クアルソディ髄注(トフェルセン)も期待できると思います。
ALSの治療薬は、2024年9月に承認されたロゼバラミン筋注用(メコバラミン)もありますので、治療選択肢が増えるのは朗報ですね。
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ロゼバラミン筋注用(メコバラミン)の作用機序【ALS】
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以上、今回は2024年12月27日に承認された新薬について概要をご紹介しました!
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