新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】4製品+2製品(2021年4月21日)

2021年4月21日、厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は新薬として4製品の審議を行い、いずれも承認了承しました。

その他、報告のみで承認了承された2製品もあります。

 

今回の注目は新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2)治療薬として、ベクルリー(レムデシビル)と併用可能となるオルミエント(バリシチニブ)でしょうか。

 

木元 貴祥
JAK阻害薬で初のSARS-CoV-2治療薬となります!

 

今回は承認了承された新薬の概要を紹介していきます。

 

審議品目:4製品

●リンヴォック錠7.5mg、同15mg(一般名:ウパダシチニブ水和物)
:「既存治療で効果不十分な関節症性乾癬」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/乾癬/アトピー性皮膚炎】

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JAK阻害薬として初の乾癬適応ですね。

 

●オルミエント錠2mg、同錠4mg(一般名:バリシチニブ、日本イーライリリー)
:「SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

オルミエント(バリシチニブ)の作用機序【リウマチ/アトピー/COVID-19/円形脱毛症】

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こちらはJAK阻害薬初の新型コロナウイルス感染症治療薬です!

 

中等度~重症の患者さんに対して、ベクルリー(レムデシビル)と併用して使用が見込まれています。

新型コロナウイルス感染症とベクルリーについては以下の記事をご確認ください。

ベクルリー(レムデシビル)の作用機序・副作用【COVID-19】

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●レカルブリオ配合点滴静注用(一般名:レレバクタム水和物/イミペネム水和物/シラスタチンナトリウム)
:「各種感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。

レカルブリオ(レレバクタム/イミペネム/シラスタチン)の作用機序【MDRP】

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イミペネムとシラスタチンの配合剤は既にチエナム点滴静注用として承認・販売されていますが、これに新有効成分のレレバクタム(β-ラクタマーゼ阻害薬)を配合したものですね。

 

適応菌種は以下の通りです。

  • 本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、緑膿菌、アシネトバクター属
    ※ただし、カルバペネム系抗菌薬に耐性を示す菌株に限る

 

●ヤーボイ点滴静注液50mg(一般名:イピリムマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

オプジーボとヤーボイ併用療法の作用機序【悪性黒色腫/腎/大腸/肺/食道がん】

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木元 貴祥
悪性胸膜中皮腫の一次治療としてオプジーボと併用します。

 

報告品目:2製品

●オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

オプジーボとヤーボイ併用療法の作用機序【悪性黒色腫/腎/大腸/肺/食道がん】

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オプジーボはこれまで悪性胸膜中脾腫の二次治療以降に使用されていましたが、今回、ヤーボイとの併用で一次治療から使用可能となります。

 

●ニンラーロカプセル2.3mg、同3mg、同4mg(一般名:イキサゾミブクエン酸塩エステル)
:「多発性骨髄腫における維持療法」を効能・効果とする新効能医薬品。

血液
ニンラーロ(イキサゾミブ)の作用機序【多発性骨髄腫】

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あとがき

今回の新有効成分含有はレカルブリオ配合点滴静注用のみでした。

しかし、既存薬の適応拡大がいくつもあり、興味深いですね。特に新型コロナウイルス感染症治療薬としてベクルリーとオルミエントの併用は期待したいと思います。

 

以下の記事で併用の根拠となった臨床試験について簡単に解説していますので併せてご参考ください。特に重症例に対して効果が期待できるのではないでしょうか。

ベクルリー(レムデシビル)の作用機序・副作用【COVID-19】

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以上、今回は2021年4月21日の厚労省薬食審医薬品第二部会で承認了承された新薬についてご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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