疾患・作用機序まとめ 新薬承認・薬価収載

2019年に承認された新薬一覧のまとめとアクセス数ランキング

本記事では2019年(2019年1月1日~12月31日)に承認された新薬の

  • アクセス数ランキング
  • 一覧(新有効成分含有、新配合薬のみ)

をご紹介します。

 

ちなみに、適応拡大等も含めた全ての承認情報についてはPMDAのHPに載っているので、そちらもご参考にしてみてください。今回の記事では適応拡大については割愛していますので。

PMDA|新医薬品の承認品目一覧令和元年度承認品目一覧(新医薬品)

 

※2021年以降の薬剤師国家試験のヤマ・新薬対策にもお役立て頂けると思います。

薬剤師国家試験対策:ランキングから考える新薬のヤマ!

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新薬のアクセス数ランキング:2019年1月1日~12月31日

2019年1月1日から12月31日のアクセス数ランキングです。(2019年内に承認された新有効成分含有もしくは新配合薬のみ)

記事の公開時期(承認時期)によって、公開期間が異なりますので、アクセス数はご参考程度に留めていただければと思います^^;

 

ランキング アクセス数 医薬品名
(一般名)
承認年月 効能・効果(略) 作用機序
1位 27,900 タリージェ
(ミロガバリン)
2019年1月 神経障害性疼痛 α2δサブユニットへの結合
2位 11,100 コラテジェン
(ベペルミノゲン)
2019年3月 慢性動脈閉塞症 HGF遺伝子治療製品
(国内初)
3位 10,900 ミネブロ
(エサキセレノン)
2019年1月 高血圧症 MR受容体拮抗薬
4位 9,800 ビバンセ
(リスデキサンフェタミン)
2019年3月 ADHD トランスポーター阻害+
NA/D分泌促進
5位 9,400 トリンテリックス
(ボルチオキセチン)
2019年9月 うつ病 セロトニン再取り込み阻害等
6位 9,000 エベレンゾ
(ロキサデュスタット)
2019年9月 腎性貧血 HIF-PH阻害
(国内初)
7位 8,700 ビレーズトリ
(LAMA/LABA/ICS)
2019年6月 COPD LAMA/LABA/ICSの
3剤配合剤
8位 7,400 イベニティ
(ロモソズマブ)
2019年1月 骨粗鬆症 抗スクレロスチン抗体
(国内初)
9位 6,300 セリンクロ
(ナルメフェン)
2019年1月 アルコール依存症 μ/δ受容体遮断+
κ受容体部分作動
(国内初の減酒薬)
10位 6,200 テリルジー
(LAMA/LABA/ICS)
2019年3月 COPD LAMA/LABA/ICSの
3剤配合剤

 

木元 貴祥
2019年はタリージェのアクセス数が多かったですね。作用機序的にはリリカ(プレガバリン)と同じです。

 

また上記の中のエベレンゾ(ロキサデュスタット)に関与しているHIFヒフは2019年のノーベル医学生理学賞の受賞(「細胞の低酸素応答の仕組みの解明」が授賞理由)にも繋がっていますので注目大ですよ!

エベレンゾ(ロキサデュスタット)の作用機序:類薬との比較・違い【腎性貧血】

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国家試験では、2019年3月26日に承認されたビクタルビ配合錠(一般名:ビクテグラビルナトリウム/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸)のエムトリシタビンに関する出題がありました(上記の中にはランクインしていませんが・・・汗)。

  • エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。(106回 問169)

解答・解説

>>誤。エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、逆転写酵素(RNA依存性 DNAポリメラーゼ)を阻害します。

ビクタルビ配合錠(BIC/FTC/TAF)の作用機序:トリーメクとの違い・比較【HIV】

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その他、心不全治療薬のコララン錠(一般名:イバブラジン塩酸塩)の出題もありました。

  • イバブラジンは、心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体を刺激する心不全治療薬である。(108回 問32改)

解答・解説

>>誤。カルペリチドの記述です。イバブラジンは、心臓洞結節にある、環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネルを阻害することにより、心拍数を抑える心不全治療薬です。

コララン(イバブラジン)の作用機序・特徴【心不全】

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では、承認された順に薬剤一覧を紹介していきます☆

 

2019年1月8日承認:新薬11製品

●エプクルーサ配合錠(一般名:ソホスブビル/ベルパタスビル)
:「前治療歴を有するC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」および「C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。

エプクルーサ配合錠(ベルパタスビル/ソホスブビル)の作用機序と特徴【C型肝炎】

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これまでのDAA(直接作用型抗ウイルス剤)は代償性肝硬変にしか適応がありませんでしたが、エプクルーサは初の非代償性に使用可能なDAAですね。

 

●イベニティ皮下注105mgシリンジ(一般名:ロモソズマブ(遺伝子組換え))
:「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

イベニティ皮下注(ロモソズマブ)の作用機序と副作用【骨粗鬆症】

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イベニティは国内初の抗スクレロスチン抗体薬ですが、発売後3か月間で死亡例を含む重篤な心血管疾患が11例報告されています。

 

●セリンクロ錠10mg(一般名:ナルメフェン塩酸塩水和物)
:「アルコール依存症患者における飲酒量の低減」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

セリンクロ(ナルメフェン)の作用機序と副作用【アルコール依存症】

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木元 貴祥
セリンクロは国内初の「減酒薬」ですね!飲酒量の減少が期待されています。

 

●タリージェ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg、同錠15mg(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)
:「末梢性神経障害性疼痛」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

タリージェ(ミロガバリン)の作用機序:リリカ/サインバルタとの違い【神経障害性疼痛】

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木元 貴祥
2019年アクセス数No.1です!類薬との比較表も掲載していますよ。

 

●ミネブロ錠1.25mg、同錠2.5mg、同錠5mg(一般名:エサキセレノン)
:「高血圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ミネブロ(エサキセレノン)の作用機序・特徴:セララとの違い【高血圧】

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ミネラルコルチコイド(MR)受容体を選択的に遮断する作用機序ですので、類薬にはアルダクトンA(スピロノラクトン)やセララ(エプレレノン)があります。

 

木元 貴祥
ミネブロはその使いやすさから、有用性加算の対象にもなっていますので注目です!

 

●レルミナ錠40mg(一般名:レルゴリクス)
:「子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、加腹痛、腰痛、貧血)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

レルミナ(レルゴリクス)の作用機序・特徴【子宮筋腫】

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●ザバクサ配合点滴静注用(一般名:セフトロザン硫酸塩/タゾバクタムナトリウム)
:「膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍」を適応症とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合薬。

ザバクサ配合点滴静注(セフトロザン/タゾバクタム)の作用機序と副作用【細菌感染】

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●ビラフトビカプセル50mg(一般名:エンコラフェニブ)
●メクトビ錠15mg(一般名:ビニメチニブ)
:「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ビラフトビ/メクトビ併用療法の作用機序【悪性黒色腫・大腸がん】

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木元 貴祥
両薬剤は併用して用いますね!

 

●デムサーカプセル250mg(一般名:メチロシン)
:「褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

デムサー(メチロシン)の作用機序と副作用【褐色細胞腫】

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●ビジンプロ錠15mg、同錠45mg(一般名:ダコミチニブ水和物)
:「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ビジンプロ(ダコミチニブ)の作用機序と副作用【肺がん】

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2019年3月26日承認:新薬13製品+再生医療等製品2製品

●ビバンセカプセル20mg、同30mg(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)
:「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ビバンセ(リスデキサンフェタミン)の作用機序・特徴:類薬との違い/比較【ADHD】

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木元 貴祥
類薬との比較・一覧表も掲載しています。

 

●アーリーダ錠60mg(一般名:アパルタミド)
:「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

アーリーダ(アパルタミド)の作用機序と副作用【前立腺がん】

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●フェインジェクト静注500mg(一般名:カルボキシマルトース第二鉄)
:「鉄乏性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

フェインジェクト(カルボキシマルトース第二鉄)の作用機序・特徴【鉄乏性貧血】

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●アセレンド注100μg(一般名:亜セレン酸ナトリウム)
:「低セレン血症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ラビピュール筋注用(一般名:乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン)
:「狂犬病の予防及び発病阻止」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ピリヴィジェン10%点滴静注5g/50mL、同10g/100mL、同20g/200mL(一般名:pH4処理酸性人免疫グロブリン)
:「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善」「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ロスーゼット配合錠LD、同HD(一般名:エゼチミブ/ロスバスタチンカルシウム)
:「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤。

ロスーゼット配合錠(エゼチミブ/ロスバスタチン)の作用機序【高脂血症】

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同様の配合錠(エゼチミブ+HMG-CoA還元酵素阻害薬)としてはアトーゼット配合錠(エゼチミブ+アトルバスタチン)に次いで2製品目ですね。

 

●スキリージ皮下注75mgシリンジ0.83mL(一般名:リサンキズマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

スキリージ皮下注(リサンキズマブ)の作用機序と特徴【乾癬/クローン病】

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●テリルジー100エリプタ14吸入用、同30吸入用(一般名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩)
:「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)を効能・効果とする新医療用配合剤。

テリルジー吸入用の作用機序:ビレーズトリ・エナジアとの違い【COPD/気管支喘息】

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木元 貴祥
国内初のLABA/LAMA/ICSの配合剤ですね。

 

●スマイラフ錠50mg、同錠100mg(一般名:ペフィシチニブ臭化水素酸塩)
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

スマイラフ(ペフィシチニブ)の作用機序・類薬との違い【関節リウマチ】

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●レブコビ筋注2.4mg(一般名:エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え))
:「アデノシンデアミナーゼ欠損症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●リサイオ点滴静注液100mg(一般名:チオテパ)
:「小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ビクタルビ配合錠(一般名:ビクテグラビルナトリウム/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸)
:「HIV-1感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。

ビクタルビ配合錠(BIC/FTC/TAF)の作用機序:トリーメクとの違い・比較【HIV】

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同日、再生医療等製品も2製品承認されていて、国内初のCAR-T細胞療法および遺伝子治療用製品が登場しました!ここからは再生医療等製品です。

 

●キムリア点滴静注(一般名:チサゲンレクルユーセル)
:「再発または難治性CD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)」と「再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」を効能・効果とする。

参考国内初のCAR-T細胞療法です。

キムリア(チサゲンレクルユーセル)の作用機序・特徴と副作用【急性リンパ性白血病】

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木元 貴祥
国内最高薬価(約3,350万円)が付いて話題になっていましたね。

 

●コラテジェン筋注用4mg(一般名:ベペルミノゲン ペルプラスミド)
:「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善」を効能・効果とする。

参考国内初の遺伝子治療製品ですが、5年間の条件・期限付き承認です。

コラテジェン(ベペルミノゲン ペルプラスミド)の作用機序【重症虚血肢】

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2019年6月18日承認:新薬10製品

●ロズリートレクカプセル100mg、同200mg(一般名:エヌトレクチニブ)
:「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ロズリートレク(エヌトレクチニブ)の作用機序【NTRK陽性の固形がん/ROS1陽性の肺がん】

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がんの臓器横断的な承認ですので、MSI-Highのキイトルーダ(成人のみ)に次いで2製品目ですね。

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【消化器がん/MSI-High固形がん】

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木元 貴祥
ロズリートレクは小児がんにも使用できますので、小児がんの臓器横断としては初です。

 

●ポートラーザ点滴静注液800mg(一般名:ネシツムマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ポートラーザ(ネシツムマブ)の作用機序と副作用【肺がん】

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●ゾルトファイ配合注フレックスタッチ(一般名:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)
:「インスリン療法が適応となる2型糖尿病」を効能・効果とする新医療用配合剤。

ゾルトファイ配合注(インスリンデグルデク/リラグルチド)の作用機序【糖尿病】

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木元 貴祥
インスリン製剤とGLP-1アナログ製剤の初の配合剤です。

 

●ビレーズトリエアロスフィア56吸入、同120吸入一般名:(ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)
:「COPD」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤。

ビレーズトリ(LAMA/LABA/ICS)の作用機序【COPD】

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3剤配合剤としてはテリルジーに次いで2製品目ですね。アクセス数としてはビレーズトリの方が多かったですね(笑)

テリルジー吸入用の作用機序:ビレーズトリ・エナジアとの違い【COPD/気管支喘息】

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●ビベスピエアロスフィア28吸入、同120吸入(一般名:グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)
:「COPD」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤。

ビベスピ(LAMA/LABA)の作用機序:ウルティブロ、アノーロとの違い・比較【COPD】

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ビレーズトリからICSのブデソニドを除いた2剤配合剤です。上記記事では類薬のアノーロ、ウルティブロとの比較について考察しています。

 

●オンパットロ点滴静注2mg/mL(一般名:パチシランナトリウム)
:「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

オンパットロ(パチシラン)の作用機序・siRNAの特徴【TTR-FAP】

続きを見る

 

RNA干渉(RNAi)を利用した初のsiRNA製品で、ユニークな作用機序を有しています!他疾患への応用も期待されるところですね。

 

●ユルトミリス点滴静注300mg(一般名:ラブリズマブ(遺伝子組換え))
:「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

ユルトミリス(ラブリズマブ)の作用機序:ソリリスとの違い【PNH】

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木元 貴祥
ソリリスを改良し、長時間作用型とした製品です。ソリリスよりも長い投与間隔で治療が可能です。

 

●ヴァンフリタ錠17.7mg、同26.5mg(一般名:キザルチニブ塩酸塩)
:「再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ヴァンフリタ(キザルチニブ)の作用機序:ゾスパタとの違い・比較【AML】

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FLT3阻害薬に分類されていますので、ゾスパタに次いで2製品目の登場ですね。

木元 貴祥
上記の記事でゾスパタとの比較についても考察していますので是非ご覧ください。

 

●デファイテリオ静注200mg(一般名:デフィブロチドナトリウム)
:「肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●シムツーザ配合錠(一般名:ダルナビル エタノール付加物/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
:「HIV-1感染症」を効能・効果とする新医療用配合剤。

シムツーザ配合錠(DRV/COBI/FTC/TAF)の作用機序【HIV】

続きを見る

 

木元 貴祥
プレジコビックス配合錠とデシコビ配合錠を配合した4剤配合剤ですね。

 

2019年9月20日承認:新薬13製品

●ラスビック錠75mg(一般名:ラスクフロキサシン塩酸塩
:「咽頭・喉頭炎、急性気管支炎、肺炎などの感染症」を適応症とする新有効成分含有医薬品。

ラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序・特徴【細菌感染】

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10年以上ぶりの経口ニューキノロン系抗菌薬です。肺への移行性が高いといった特徴があるようですね。

 

●リティンパ耳科用250μgセット(一般名:トラフェルミン(遺伝子組換え)
:「鼓膜穿孔」を効能・効果とする新投与経路医薬品。

リティンパ耳科用(トラフェルミン)の作用機序【鼓膜穿孔】

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木元 貴祥
鼓膜穿孔はこれまで自然治癒か手術が一般的でしたが、初の治療薬です!

 

●フィアスプ注フレックスタッチ、同注ペンフィル、同注100単位/mL(一般名:インスリン アスパルト(遺伝子組換え))
:「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果とする新剤形医薬品。

 

ノボラピッドよりも立ち上がりが速い薬剤です!改良版といった感じですね。食直前や食事中に使用可能です。

 

●トリンテリックス錠10mg、同20mg(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)
:「うつ病、うつ状態」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

トリンテリックス(ボルチオキセチン)の作用機序【うつ病】

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●ハルロピテープ8mg、同16mg、同24mg、同32mg、同40mg(一般名:ロピニロール塩酸塩)
:「パーキンソン病」を効能・効果とする新投与経路医薬品。

ハルロピテープ(ロピニロール)の作用機序:ニュープロパッチとの違い【パーキンソン病】

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木元 貴祥
貼るタイプのパーキンソン病治療薬としてはニュープロパッチに次いで2製品目ですね。

 

●エベレンゾ錠20mg、同50㎎、同100mg(一般名:ロキサデュスタット)
:「透析施行中の腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

エベレンゾ(ロキサデュスタット)の作用機序:類薬との比較・違い【腎性貧血】

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低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬に分類される新規作用機序の薬剤です!

腎性貧血の治療は、これまで注射のエリスロポエチン製剤(ネスプ等)が主流でしたが、エベレンゾは初の経口投与可能な薬剤ですので、ポストネスプとも呼ばれています。

 

HIFは2019年のノーベル医学生理学賞に選ばれていますので注目度は高いですね。

 

●エクフィナ錠50mg(一般名:サフィナミドメシル酸塩)
:「レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるwearing off現象の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

エクフィナ(サフィナミド)の作用機序:アジレクト/エフピーとの違い【パーキンソン病】

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●イスパロクト静注用500、同1000、同1500、同2000、同3000(一般名:ツロクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え))
:「血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

イスパロクト静注用の作用機序・特徴:ノボエイトとの違い【血友病A】

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木元 貴祥
血友病Aの補充療法薬ですね。ノボエイトの半減期延長型製剤です。

 

●ベネクレクスタ錠10mg、同50mg、同100mg(一般名:ベネトクラクス)
:「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ベネクレクスタ(ベネトクラクス)の作用機序と副作用【CLL/AML】

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BCL-2を標的とする初の薬剤です。これまで慢性リンパ性白血病は治療選択肢が少なかったことから期待できるかと思います。

 

●アイベータ配合点眼液(一般名:ブリモニジン酒石酸塩/チモロールマレイン酸塩)
:「緑内障、高眼圧症(他の緑内障治療薬が効果不十分な場合)」を効能・効果とする新医療用配合剤。

アイベータ配合点眼液(ブリモニジン/チモロール)の作用機序【緑内障】

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α2作動薬のブリモニジンとβ遮断薬であるチモロールを配合した薬剤で、この組み合わせは国内初です。

 

●コララン錠2.5mg、同5mg、同7.5mg(一般名:イバブラジン塩酸塩)
:「洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全。ただし、β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

コララン(イバブラジン)の作用機序・特徴【心不全】

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HCNチャネルを阻害することで心拍数を減少させるといった新規作用機序を有しています。

 

●ブリニューラ脳室内注射液150mg(一般名:セルリポナーゼアルファ(遺伝子組換え)
:「セロイドリポフスチン症2型」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

セロイドリポフスチン症2型(CLN2)の初の治療薬です。

 

●クリースビータ皮下注10mg、同20mg、同30mg(一般名:ブロスマブ(遺伝子組換え))
:「FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

クリースビータ皮下注(ブロスマブ)の作用機序【くる病/骨軟化症】

続きを見る

 

木元 貴祥
くる病・骨軟化症に対する初の抗体薬ですね。

 

2019年の新薬について所感

ここまで2019年に承認された新薬を一覧としてご紹介しました。

 

個人的には再生医療等製品が2製品(キムリアコラテジェン)も承認・発売されたのがインパクト大だと思いますね。いずれも画期的な作用機序を有していますので。

2020年には再生医療等製品のゾルゲンスマの承認も見込まれていますので、期待できますよ。

ゾルゲンスマ(オナセムノゲンアベパルボベク)の作用機序・特徴【脊髄性筋委縮症】

続きを見る

 

新規性では

等は注目です!

 

木元 貴祥
特にHIF-PH阻害薬は今後も類薬の登場が見込まれていますので動向は要チェックだと思われます。

 

がん領域では、キイトルーダに次いで固形がんの臓器横断的な承認(NTRK融合遺伝子陽性)を取得したロズリートレク(エヌトレクチニブ)が今後期待できそうです。

 

以上、2019年に承認された新薬・新医療用配合剤などについて、アクセス数ランキングと共にご紹介しました!^^

 

 

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木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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