新薬承認・薬価収載

【効能効果追加】11製品(2019年12月20日)

2019年12月20日、既に販売されている医薬品11製品の適応拡大等が承認されました!

 

木元 貴祥
今回は一覧としてご紹介します。

 

適応拡大:11製品

●バベンチオ点滴静注200mg(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))
:「根治切除不能又は転移性の腎細胞がん」を追加する新効能・新用量医薬品。

 

腎細胞がんの初回治療としてインライタ(一般名:アキシチニブ)と併用して用いますので、インライタも同日添付文書が更新されていました。

 

同日、キイトルーダも同じく適応拡大されていますので、以下の記事でまとめて解説しています。

バベンチオ/キイトルーダ+インライタの作用機序【腎細胞がん】

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●キイトルーダ点滴静注20mg、同点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「根治切除不能又は転移性の腎細胞がん」、「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」を追加する新効能・新用量医薬品。

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【消化器がん/MSI-High固形がん】

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木元 貴祥
頭頸部がんの初回治療として単剤もしくは化学療法と併用で使用できます!

 

●オフェブカプセル100mg、同カプセル150mg(一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩)
:「全身性強皮症に伴う間質性肺疾患」の効能・効果を追加する新効能医薬品。

オフェブ(ニンテダニブ)の作用機序【肺線維症/全身性強皮症】

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全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)は、今まで有効な薬剤がなかったため、期待できると思います。

 

●アドセトリス点滴静注用50mg(一般名:ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)):
「末梢性T細胞リンパ腫」の効能・効果を追加。

血液
アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の作用機序【リンパ腫】

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上記適応拡大に伴い、「再発又は難治性の未分化大細胞リンパ腫」が削除されています(T細胞リンパ腫に含まれるため)。

 

木元 貴祥
再発又は難治性では小児にも使えるようになっていますね。

 

●ダラザレックス点滴静注100mg、同点滴静注400mg(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え))
:効能・効果の「多発性骨髄腫」の用法・用量を変更する新用量医薬品。

ダラキューロ/ダラザレックス(ダラツムマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】

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木元 貴祥
初回治療としてLd療法と併用が可能になりました!

 

それに伴い、用法・用量がA法・B法に分類されています。

  • A法:1週間間隔、2週間間隔、4週間間隔の順で投与する。
  • B法:1週間間隔、3週間間隔、4週間間隔の順で投与する。

 

●オルケディア錠1mg、同錠2mg(一般名:エボカルセト)
:「副甲状腺がん並びに副甲状腺摘出手術または術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

これでレグパラ(一般名:シナカルセト)と適応が揃いましたね。以下の記事で一覧表を作成しています。

オルケディア(エボカルセト)の作用機序:レグパラ/パーサビブ/ウパシタとの違い【副甲状腺機能亢進症】

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●ザバクサ配合点滴静注用(一般名:セフトロザン硫酸塩/タゾバクタムナトリウム)
:適応菌種に「セラチア属とインフルエンザ菌」を、適応症に「敗血症と肺炎」を追加する新効能・新用量医薬品。

ザバクサ配合点滴静注(セフトロザン/タゾバクタム)の作用機序と副作用【細菌感染】

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●シムジア皮下注200mgシリンジ、同皮下注200mgオートクリックス(一般名:セルトリズマブペゴル(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。

 

木元 貴祥
以下の記事で乾癬に使用する生物学的製剤の一覧表を掲載しています。
【乾癬】生物学的製剤の一覧と作用機序/特徴のまとめ

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●ボトックス注用50単位、同注用100単位(一般名:A型ボツリヌス毒素)
:「既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁、既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない神経因性膀胱による尿失禁」を効能・効果とする新投与経路医薬品、および、「上肢痙縮」を効能・効果とする新用量医薬品。

ボトックス(A型ボツリヌス毒素)の作用機序と副作用【痙攣性発声障害】

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●献血ベニロン-I静注用500mg、同静注用1000mg、同静注用2500mg、同静注用5000mg(一般名:乾燥スルホ化人免疫グロブリン)
:「視神経炎の急性期(ステロイド剤が効果不十分な場合)」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。

急性期の視神経炎でステロイドパルス療法が効果不十分な場合に使用できますね。

 

●献血ヴェノグロブリンIH5%静注0.5g/10mL、同IH5%静注1g/20mL、同IH5%静注2.5g/50mL、同IH5%静注5g/100mL、同IH5%静注10g/200mL、同IH10%静注0.5g/5mL、同IH10%静注2.5g/25mL、同IH10%静注5g/50mL、同IH10%静注10g/100mL、同IH10%静注20g/200mL(一般名:ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン)
:「抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

あとがき

今回の注目は腎細胞がん初回治療として初のインライタと免疫チェックポイント阻害薬(バベンチオ、キイトルーダ)の適応拡大でしょうか。

バベンチオ/キイトルーダ+インライタの作用機序【腎細胞がん】

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現在の初回治療としてはオプジーボ+ヤーボイ併用療法も使用されていますが、今後の使い分け等の検討が進むことを期待したいと思います。

オプジーボとヤーボイ併用療法の作用機序【悪性黒色腫/腎/大腸/肺/食道がん】

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以上、今回は2019年12月20日に適応拡大された医薬品11製品をご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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