疾患・作用機序まとめ 新薬承認・薬価収載

2014年・2015年・2016年に承認された新薬のランキング

本記事では2014年~2016年に承認された新薬のうち、注目の新薬をランキング形式としてご紹介します。

 

当サイトは2017年から始動していますが、前身は2014年頃からFacebookページ(新薬情報)で情報発信していました。

今回ご紹介する注目の新薬ランキングはFacebookの「いいね!」の数を集計していますので、皆様の注目度の高かった新薬が分かるかと思います☆

 

※今後の薬剤師国家試験のヤマ・新薬対策にもお役立て頂けると思います。

2018年に承認された新薬一覧のまとめとアクセス数ランキング

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2014年に承認された新薬の注目度ランキング

2014年に承認された新薬の注目度ランキングです!

ランキング 医薬品名
(一般名)
承認年月 効能・効果(略) 作用機序
1位 ジャディアンス
(エンパグリフロジン)
2014年12月 2型糖尿病 SGLT2阻害薬
2位 ベルソムラ
(スボレキサント)
2014年9月 不眠症 オレキシン
受容体拮抗薬
3位 ベピオゲル
(過酸化ベンゾイル)
2014年12月 尋常性ざ瘡 酸化剤
4位 アビガン
(ファビピラビル)
2014年3月 インフルエンザ
ウイルス感染症
RNA依存性
RNAポリメラーゼ阻害
5位 タケキャブ
(ボノプラザン)
2014年12月 胃潰瘍など カリウムイオン競合型
アシッドブロッカー
6位 タペンタ
(タペンタドール)
2014年3月 各種がんにおける
鎮痛
オピオイド鎮痛薬
7位 ジーラスタ
(ペグフィルグラスチム)
2014年9月 発熱性好中球減少症の
発症抑制
持続的
G-CSF製剤
8位 コムプレラ
(リルピビリン/エムトリシタビン/テノホビル)
2014年11月 HIV NNRTI+NRTI+NRTI
9位 クレナフィン
(エフィナコナゾール)
2014年7月 爪白癬 エルゴステロール
合成阻害
10位 エフィエント
(プラスグレル)
2014年3月 虚血性心疾患 ADP受容体阻害剤

 

上記の中で薬剤師国家試験に出題されたのは以下の5つですね。(漏れがあったらすみません)

  • ベルソムラ(スボレキサント)
  • タケキャブ(ボノプラザン)
  • コムプレラ(リルピビリン/エムトリシタビン/テノホビル)
  • エフィエント(プラスグレル)
  • アビガン(ファビピラビル)

 

  • ゾピクロン(商品名:アモバン)は、オレキシン受容体を選択的に遮断する。(101回・問155)

解答・解説

>>誤。ゾピクロンではなく、スボレキサント(商品名:ベルソムラ)の作用機序ですね!

ベルソムラ(スボレキサント)の作用機序と副作用【不眠症】

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  • ボノプラザン(商品名:タケキャブ)は、壁細胞のH,K+−ATPaseのSH基と酸性環境で共有結合を形成することで胃酸分泌を抑制する。(103回・問158)

解答・解説

>>誤。これは従来のプロトンポンプ阻害薬(~プラゾール)の作用機序ですね。

ボノプラザンは、H,K+−ATPaseのカリウムチャネル部分にのみ働く、胃酸分泌抑制剤でした。

タケキャブ(ボノプラザン)の作用機序と副作用【胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎】

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  • リルピビリンは、RNA ポリメラーゼを阻害する。(105回・問162)

解答・解説

>>誤。リルピビリンは、非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)ですね。

コムプレラ配合錠(リルピビリン/エムトリシタビン/テノホビル)の作用機序【HIV】

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  • クロピドグレルの治療抵抗性の原因の一つとして「クロピドグレルの代謝酵素の遺伝子多型」が考えられるが、代替薬としてプラスグレルが適切である。(102回・問304-305改変)

解答・解説

>>正。クロピドグレルはCYP2C19の影響を受けますが、プラスグレルは受けにくいといった特徴があります。

=============

  • プラスグレルから代謝物Aへの変換にはプロテアーゼの作用が必須である。(104回・問209)

解答・解説

>>誤。プラスグレルはプロドラッグであり、カルボキシエステラーゼによって活性代謝物に変換されます。

エフィエント(プラスグレル)の作用機序と副作用【虚血性心疾患】

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  • ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸化体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。(106回 問169)

解答・解説

>>正。記述通り。

アビガン(ファビピラビル)の作用機序【新型コロナウイルス(COVID-19)】

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2015年に承認された新薬の注目度ランキング

2015年に承認された新薬の注目度ランキングです!

ランキング 医薬品名
(一般名)
承認年月 効能・効果(略) 作用機序
1位 ハーボニー
(レジパスビル/ソホスブビル)
2015年7月 C型慢性肝炎/
C型代償性肝硬変
NS5A複製複合体阻害/
NS5Bポリメラーゼ阻害
2位 ソバルディ
(ソホスブビル)
2015年3月 C型慢性肝炎/
C型代償性肝硬変
NS5Bポリメラーゼ阻害
3位 エクメット
(ビルダグリプチン/メトホルミン)
2015年9月 2型糖尿病 DPP-4阻害薬/
ビグアナイド系薬
4位 オプジーボ
(ニボルマブ)
2015年12月 肺がん PD-1阻害薬
(免疫チェックポイント阻害薬)
5位 ピートルチュアブル
(スクロオキシ水酸化鉄)
2015年9月 高リン血症 リン吸着薬
6位 トルリシティ
(デュラグルチド)
2015年7日 2型糖尿病 GLP-1アナログ製剤
7位 イフェクサー
(ベンラファキシン)
2015年9月 うつ病 SNRI
8位 ザファテック
(トレラグリプチン)
2015年3月 2型糖尿病 DPP-4阻害薬
(初の週1回投与製剤)
9位 ムルプレタ
(ルストロンボパグ)
2015年9月 慢性肝疾患 トロンボポエチン受容体作動薬
10位 エリキュース
(アピキサバン)
2015年12月 静脈血栓塞栓症 Xa因子阻害薬
(DOAC)

 

上記の中で薬剤師国家試験に出題されたのは3つですね。(漏れがあったらすみません)

  • ソバルディ(ソホスブビル)
  • ハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビル)
  • オプジーボ(ニボルマブ)

 

  • ソホスブビル(商品名:ソバルディ)は薬剤性の肝障害で使用する。(103回・問333改)

解答・解説

>>誤。ソホスブビルは、C型肝炎の治療薬でしたね。

ソバルディ(ソホスブビル)の作用機序【C型肝炎】

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まだ出題はされていませんが、ハーボニー配合錠は2017年に起こった「偽薬流通事件」が有名ですよね。

もしかすると、国家試験で今後問われることがあるかもしれません。

 

木元 貴祥
しっかりと第104回でハーボニーも出題されました!予想的中!

 

  • レジパスビルは、キャップ依存型エンドヌクレアーゼを阻害する。(104回・問158)

解答・解説

>>誤。キャップ依存型エンドヌクレアーゼ阻害薬は、インフルエンザ治療薬のバロキサビル(商品名:ゾフルーザ)の作用機序ですね!

ゾフルーザ(バロキサビル)の作用機序・耐性:類薬との比較【インフルエンザ治療薬】

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レジパスビルはC型肝炎に使用するハーボニー配合錠の有効成分です。

ハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビル)の作用機序【C型肝炎】

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その他にも国家試験で問われそうな薬剤としては、2018年に京都大学特別教授の本庶佑(ほんじょたすく)氏のノーベル賞受賞に繋がった「免疫チェックポイント阻害薬」のオプジーボでしょうか。

 

木元 貴祥
こちらも予想通り、第104回に出題されています!ただ、難問でしたが・・・。
  • ニボルマブの作用機序から考えて、間接的に生じる副作用に低血糖がある。(104回・問258改)

解答・解説

>>正。直接的な副作用に間質性肺炎や甲状腺機能障害、1型糖尿病がある。これらの中でも特に甲状腺機能障害の影響(間接的)で、後々になって低血糖が現れることがある。

===================

  • ニボルマブはヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体製剤であり、CTLA-4免疫チェックポイント阻害薬であるイピリムマブとの併用で相乗効果が期待できる。(104回・問259改)

解答・解説

>>正。ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と、イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)は作用機序は異なるものの共に「免疫チェックポイント阻害薬」であり、T細胞によるがん細胞への攻撃を活性化する。

オプジーボとヤーボイ併用療法の作用機序【悪性黒色腫/腎/大腸/肺/食道がん】

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2016年に承認された新薬の注目度ランキング

2016年に承認された新薬の注目度ランキングです!

ランキング 医薬品名
(一般名)
承認年月 効能・効果(略) 作用機序
1位 レパーサ
(エボロクマブ)
2016年1月 高コレステロール血症 抗PCSK9抗体薬
2位 フィコンパ
(ペランパネル)
2016年3月 てんかん AMPA受容体遮断
3位 ビムパット
(ラコサミド)
2016年7月 てんかん Na+チャネル阻害
4位 ジカディア
(セリチニブ)
2016年3月 ALK陽性肺がん ALK阻害薬
5位 タグリッソ
(オシメルチニブ)
2016年3月 EGFR陽性肺がん EGFR阻害薬
6位 エピデュオ
(アダパレン/過酸化ベンゾイル)
2016年7月 尋常性ざ瘡 RARγ作用薬/
酸化剤
7位 カイプロリス
(カルフィルゾミブ)
2016年7月 多発性骨髄腫 プロテアソーム阻害剤
8位 リンゼス
(リナクロチド)
2016年12月 便秘型過敏性腸症候群 GC-C受容体作動薬
9位 プラルエント
(アリロクマブ)
2016年7月 高コレステロール血症 抗PCSK9抗体薬
10位 ルミセフ
(ブロダルマブ)
2016年7月 乾癬 IL-17受容体A阻害抗体

 

上記の中で薬剤師国家試験に出題されたのは以下の2つですね。(漏れがあったらすみません)

  • レパーサ(エボロクマブ)
  • リンゼス(リナクロチド)

 

まだ上記薬剤は薬剤師国家試験に出題されていませんが、注目すべきはこの年に2剤承認された「抗PCSK9抗体薬」でしょうか。

  • レパーサ(エボロクマブ)
  • プラルエント(アリロクマブ)

⇒ 第105回に出題されました!

 

  • エボロクマブはリソソームにおけるLDL受容体の分解を抑制し、LDL受容体の細胞膜へのリサイクリングを増加させる。(105回・問262-263改)

解答・解説

>>正。エボロクマブはPCSK9に対するモノクローナル抗体薬。PCSK9のLDL受容体への結合を阻害することでLDL受容体の細胞膜へのリサイクリングを増加させます。

レパーサ(エボロクマブ)の作用機序と副作用【高脂血症】

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ちなみに、プラルエント(アリロクマブ)は特許の関係で2020年に販売停止になっています。

プラルエント(アリロクマブ)の作用機序と副作用【高脂血症】

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また、便秘症に使用する新規作用機序のリンゼス(リナクロチド)も第105回に出題されました!

  • リナクロチドは、グアニル酸シクラーゼC受容体を活性化し、サイクリックGMP(cGMP)濃度を増加させることで、腸管分泌及び腸管運動を促進する。(105回・問158)

解答・解説

>>正。グアニル酸シクラーゼC受容体を活性化させます。

リンゼス(リナクロチド)の作用機序:類薬との使い分け/比較【便秘症】

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2016~2018年頃は便秘症に関する様々な新薬が承認・適応拡大されていました。以下の記事で一覧表を作成していますので、是非ご確認ください。

モビコール配合内用剤(マクロゴール)の作用機序:類薬との比較/違い【便秘症】

続きを見る

 

最後に

本記事では2014年~2016年に承認された注目の新薬をFacebookの「いいね数」順にランキングで紹介しました!

 

現場で働く医師・薬剤師の方々はもちろん、薬学生の国家試験対策として少しでも参考になれば本望です☆

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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