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2020年1月23日、てんかんに使用するフィコンパ(ペランパネル)の
- 小児(4歳以上)への適応拡大
- 部分発作の単剤用法追加
- 細粒1%剤形の追加
に関して適応拡大が承認されました!その後、2024年1月18日には新剤形として「フィコンパ点滴静注用2mg」も承認されています。
効能・効果 | 錠/細粒 | 点滴静注用 |
てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む) | 〇 | 〇 (経口製剤の代替) |
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の 強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法 |
〇 | 〇 (経口製剤の代替) |
点滴静注製剤の効能・効果でが、「一時的に経口投与ができない患者における、ペランパネル経口製剤の代替療法」とされているため、フィコンパの錠剤・細粒が使用できない場合に限り使用可能です。
また、フィコンパは2016年に新規のてんかん治療薬として承認されていますが、他の抗てんかん薬との併用が基本でした。
今回はてんかんとフィコンパ(ペランパネル)の作用機序についてご紹介します。
てんかんとは
日本におけるてんかん患者は約100万人と報告されています。
通常、脳の神経は興奮と抑制がバランスよく働くことで正常な状態を保っています。
しかし、何らかの原因で興奮系の神経が強く働いたり、抑制系の神経の力が弱まることで、激しい電気的乱れ(過剰興奮)が生じます。
そうすると脳は適切に情報を受け取ることや、命令ができなくなり、体の動きをコントロールできなくなります。
これが、てんかんによる発作の発生機序です。
てんかんの種類
てんかんは、発作のタイプによって、
- 部分てんかん(約60%)
- 全般てんかん(約40%)
に大別されています。
部分てんかんは、脳の一部が興奮することで引き起こされ、全般てんかんは脳の全体もしくは大部分が興奮することで引き起こされます。
特に、全般てんかんの中でも重篤な発作型の一つでもある“強直間代発作”は、突然の転倒による重篤なけがの恐れがあるほか、その発作頻度は「てんかん患者の予期せぬ突然死」の最も重要な危険因子とされ、てんかんの中でも極めて重篤な発作型の一つです。
脳の興奮系と抑制系
脳の興奮系と抑制系のバランスは以下の神経によって調整されています。
- 興奮系神経:グルタミン神経
- 抑制系神経:GABA(γ-アミノ酪酸)神経
グルタミン神経から分泌されるグルタミン酸が「NMDA受容体」や「AMPA受容体」に結合することで脳が興奮します。
一方、GABA神経から分泌されるGABAが「GABA受容体」に結合することで脳の興奮が抑制されます。
通常、てんかん発作時には興奮系の神経(グルタミン神経)が強く働いているため、
- 興奮系神経を抑制する
- 抑制系神経の働きを亢進する
といった治療が必要になります。
フィコンパ(ペランパネル)の作用機序
フィコンパは、グルタミン酸の結合するAMPA受容体を選択的に抑制する薬剤です。
グルタミン酸の結合部位とは異なる部位に作用するため、グルタミン酸と非競合的にAMPA受容体の働きを抑制することができるといった特徴があります。
副作用
主な副作用として、めまいや傾眠が報告されています。
稀に易刺激性、攻撃性、不安、怒りなどの攻撃性の精神症状が現れることもありますので注意が必要です。
用法・用量の注意事項
フィコンパはCYP3Aで代謝されるため、同酵素を誘導するフェニトインなどと併用すると、効果が減弱します。
あとがき
フィコンパは既存のてんかん薬とは異なる作用機序を有している薬剤です。
てんかん治療薬は多く存在していますので、適切な治療薬の選択や、使い分け等が検討されれば興味深いと感じます。
今回は、てんかんとフィコンパ(ペランパネル)の作用機序についてご紹介しました。
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