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ソバルディ(ソホスブビル)の作用機序【C型肝炎】

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厚労省は2015年3月26日、「セログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とするソバルディ錠(一般名:ソホスブビル)を承認しました!

その後、2017年3月には、セログループ1と2以外に対しても承認を取得しています。

 

販売中止

  • 2023年3月31日をもって、薬価基準経過措置期間が終了し、薬価削除されます。

【参考】ギリアド・サイエンシズ|ソバルディ錠 400mg 販売中止のご案内 

 

C型肝炎とは

C型肝炎は「C型肝炎ウイルス(HCV)」に感染することで引き起こされます。

一度HCVに感染すると約70%の方はが持続感染者となり、そのまま自覚症状のないまま病気が進行していきます。

放っておくと、
慢性肝炎→肝硬変→肝がん、
と進行してしまうため、HCVに感染した場合、症状が無い状態から治療を開始することが望ましいです。

 

現在では国内に約100万人のHCV感染者の方がいると推定されています。

 

C型肝炎の症状

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、ちょっとやそっとの病気では症状が現れません。

HCV感染でも慢性肝炎の状態ではなかなか症状が現れにくく、肝硬変になってだんだんと症状が現れます。

 

肝硬変の主な症状は以下があります。

  • 手掌紅斑:手のひらが赤くなる
  • 黄疸
  • 浮腫(腹水貯留)
  • 出血傾向(鼻血など)

 

C型肝炎ウイルスの増殖

C型肝炎ウイルスは自分自身の力で増殖することはできません

そこで、ウイルスは宿主(ヒトの細胞)の力を借りて、増殖を行います。

 

ヒトの細胞にC型肝炎ウイルスが侵入(感染)すると、ウイルス由来の遺伝子(RNA)を放出します。

その後、ウイルス由来RNAは、ヒト細胞内のタンパク質や因子等を勝手に使用してRNAの複製を行います。

この複製過程では、まず「HCV複製複合体」と呼ばれる工場のようなものを形成します。

この工場(HCV複製複合体)の中でRNAの複製が行われますが、複製には「NS5Bポリメラーゼ」と呼ばれるタンパク質が関与しています。

 

ソバルディの作用機序

ソバルディはNS5Bポリメラーゼを阻害するといった作用機序を有しています!

RNA複製過程に関与する「NS5Bポリメラーゼ」を阻害することでウイルスのRNA複製を阻害し、増殖抑制効果を発揮すると考えられています。

 

ソバルディの用法・用量

  • セログループ2(ジェノタイプ2)の場合:
    リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして400mgを1日1回、12週間経口投与します。

 

  • セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しない場合:
    リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして400mgを1日1回、24週間経口投与します。

 

このように、ソバルディはリバビリンと併用して用いられます。

 

あとがき

ソバルディを含有した配合剤としては以下も登場してきました。

 

従って、2023年3月をもってソバルディは販売中止となります。

 

マヴィレット配合錠の登場もあり、小児から全てのジェノタイプに使用可能となったため、今後はC型肝炎の撲滅も期待できそうですね。

マヴィレット(ピブレンタスビル/グレカプレビル)の作用機序【C型肝炎】

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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