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厚労省は2016年7月4日、「再発または難治性の多発性骨髄腫」を効能効果とするカイプロリス点滴静注用10mg、同点滴静注用40mg(一般名:カルフィルゾミブ)を承認したと発表がありました!
本日は多発性骨髄腫とカイプロリス(カルフィルゾミブ)の作用機序についてご紹介します。
多発性骨髄腫とは
通常、人の体内では、異物(ウイルス・細菌など)が侵入した際、B細胞から免疫グロブリン(抗体)が作られることで体を異物から守って感染症等を抑えてくれています。
多発性骨髄腫では、この抗体を産生するB細胞が異常増殖(腫瘍化)することで引き起こされる疾患で、血液腫瘍に分類されています。
がん化したB細胞(“骨髄腫細胞”と呼ばれます)は、健康な血液の産生を妨げたり、骨をもろくするなどのさまざまな障害を引き起こします。
その結果、症状として、骨痛、腎機能障害、貧血、易感染性、出血傾向などがみられます。
多発性骨髄腫の治療薬
このような多発性骨髄腫に使える代表的な薬剤として、サレド(一般名:サリドマイド)やレブラミドがあります。
しかし、これら薬剤を使用していても、不応性または抵抗性を示すようになると、その後の治療選択肢は限定されてきます。
こうした患者に標準的治療法はなく、ほとんどが予後不良です。
今回紹介するカイプロリスは、このような難治性の多発性骨髄腫に使える薬剤です!^^
がんの増殖とプロテアソーム
それではここから、がん細胞増殖のメカニズムとカイプロリスの作用機序について簡単にご紹介します♪
がん細胞は細胞分裂のいくつかのプロセス(DNA複製期⇒分裂⇒休止期)を経てどんどん増殖していきます。
このプロセスの中には様々なタンパク質が関与していますが、細胞分裂が完了すると、それらのタンパク質は不要となりますので、“プロテアソーム”とよばれる酵素によって分解されます。
このように、プロテアソームが不要なタンパク質を除去することで、がん細胞の中には不要なタンパク質が蓄積しない仕組みになっています。
カイプロリス(一般名:カルフィルゾミブ)の作用機序
カイプロリスはこの“プロテアソーム”を阻害する「プロテアソーム阻害剤」と呼ばれる薬剤です。
がん細胞のプロテアソームを阻害することで、がん細胞は不要なタンパク質を除去することができず、がん細胞中には不要なタンパク質がどんどん蓄積します。
その結果、がん細胞は細胞分裂ができなくなり、細胞自死(アポトーシス)が引き起こされる、といった作用機序を有するのがカイプロリスです。
カイプロリス(一般名:カルフィルゾミブ)の薬価
収載時(2016年8月24日)の薬価は以下の通りです。
- 10mg1瓶:23,982円
- 40mg1瓶:86,255円
あとがき
既に、同様のプロテアソーム阻害剤として第一世代のベルケイド(一般名:ボルテゾミブ)が販売されていますが、カイプロリスは第二世代に該当します。
今後はこれらの使い分け等が検討されていくと思います。
以上、本日は多発性骨髄腫に対するカイプロリス点滴静注用をご紹介しました^^
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