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厚労省は2016年12月19日「便秘型過敏性腸症候群」を効能・効果とするリンゼス錠0.25mg(一般名:リナクロチド)を承認したと発表がありました!
過敏性腸症候群は「IBS(irritable bowel syndrome)」と略されます。
本日は便秘型IBSとリンゼス(リナクロチド)の作用機序についてご紹介します☆
過敏性腸症候群(IBS)とは
皆さんは、受験前や大事なプレゼン前にお腹が痛くなったり、ゴロゴロしたりした経験はありませんか?
私は高校生の時、試験前や部活の試合前によく経験したことを覚えています。
この症状は“過敏性腸症候群”といって、お腹の痛みや不快感に下痢や便秘が伴う疾患です。
発症する原因は、はっきりとはわかっていませんが、何らかのストレスが加わると、ストレスホルモンが脳下垂体から放出され、その刺激で腸の動きがおかしくなり、過敏性腸症候群の症状が出るといわれています。
過敏性腸症候群は、
- 下痢型
- 便秘型
- 混合型(下痢と便秘が交互)
- 分類不能型
に分類されています。
男性では下痢型が、女性では便秘型になることが多いようです。
本日紹介するリンゼス錠は“便秘型”に使用できる薬剤です!
過敏性腸症候群(IBS)の治療
IBSの治療の基本は、生活習慣の改善(食事バランス、十分な睡眠・休息)です。
生活習慣を改善しても症状の改善が認められない場合、薬物治療が行われます。
代表的な治療薬には、
消化管機能調節薬のセレキノン、粘膜上皮機能変容薬のアミティーザ、乳酸菌製剤、大建中湯、等があります。
リンゼス錠(一般名:リナクロチド)の作用機序
一般的に、便秘になる時には腸管内の水分が不足してしまっています。
リンゼスは、グアニル酸シクラーゼC(GC- C)受容体刺激薬で、これまでの治療法とは異なる作用機序によって腸管内の水分量を増やし、便を柔らかくすることで便秘を改善する薬剤です。
リンゼスが腸粘膜上皮細胞に発現しているGC-C受容体を刺激すると、上皮細胞内の「cGMP」が増加します。
cGMP上昇によって、クロールイオン(Cl-)が細胞内から細胞外(腸管内)に移動します。
次に、腸管内の電化を合わせるためにナトリウムイオン(Na+)が腸管内に移動します。
Na+とCl-が合わさると、NaCl(塩化ナトリウム)になりますので、腸管内の浸透圧が亢進します。
そして浸透圧を等張にするために、上皮細胞内の水分が腸管内に移動します。
このような作用機序によって、腸管内に水分を分泌する働きをするのがリンゼスです!
これによって、腸管内の蠕動運動も高まり、便秘を改善すると考えられています。
また、リンゼスによってcGMPが増加すると、cGMPが求心性神経(痛みを感じる神経)を抑制することで、過敏性腸症候群による痛み(腹痛、腹部不快感など)を緩和する効果も示唆されています!
もちろんですが、下痢型、混合型にリンゼス錠を投与すると悪化する可能性がありますので、投与しないよう注意が必要です!!
用法用量
服用方法は、1日1回食前に1回0.5mg(症状により0.25mg)を投与します。
食前投与の理由ですが、食後に投与してしまうと食事による腸管への水分分泌も加わり作用が増強される結果、副作用として下痢の頻度が高くなるためです。
リンゼス錠(一般名:リナクロチド)の薬価
収載時(2017年2月6日)の薬価は以下の通りです。
- 0.25mg 1錠:92.40円
以上、本日は便秘型の過敏性腸症候群(IBS)に対する新しい作用機序のリンゼス錠をご紹介しました♪
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