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2022年5月26日、テセントリク点滴静注(アテゾリズマブ)の「非小細胞肺がんの術後補助療法」に関する適応拡大が承認されました。
中外製薬|ニュースリリース
基本情報
製品名 | テセントリク点滴静注1200mg/840mg |
一般名 | アテゾリズマブ(遺伝子組換え) |
製品名の由来 | Tcell(T細胞)に由来する。 |
製造販売 | 中外製薬(株) |
効能・効果 | <1200mg製剤> ○切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん ○進展型小細胞肺がん 〇切除不能な肝細がん 〇PD-L1 陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法 <840mg製剤> ○PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん |
用法・用量 | 記事内参照 |
収載時の薬価 | 1200mg:1瓶 625,567円 840mg:1瓶 448,853円 |
テセントリクは既に以下の効能・効果で承認・適応拡大されてきています。
これまで非小細胞肺がんの術後補助療法としては、切除不能局所進行(StageⅢ)の根治的化学放射線療法後の維持療法として免疫チェックポイント阻害薬のイミフィンジ(デュルバルマブ)が承認されています。
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
続きを見る
しかし、より早期の切除可能例に対する術後補助療法としての免疫チェックポイント阻害薬はありませんでした。
今回は非小細胞肺がん・小細胞肺がん・乳がん・肝細胞がんとテセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序、そして各エビデンスについてご紹介します☆
肺がんの分類について
肺がんは性質や薬の効き方によって“非小細胞肺がん”と“小細胞肺がん”に分類されています。
早期に発見できた場合、手術の適応になりますが、発見時に他の臓器に転移がある場合、化学療法(抗がん剤や分子標的薬)の治療が中心です。
この分類によって使用できる治療薬が異なりますので、順に各組織分類別に解説していきます。
非小細胞肺がんの治療(手術可能な早期の場合)
早期発見で手術可能な場合(StageⅠ・Ⅱ・Ⅲの一部)、手術によってがんを全て取り除くことが可能です。
しかしながら、進行度によっては目に見えないがん細胞が体内に残存している可能性があるため、術後に抗がん剤を用いた治療(術後補助療法)が行われることがあります。
主に使用される薬剤としては
- ティーエスワン(S-1)
- シスプラチン+抗がん剤併用療法
などです。
また、しばしばEGFR遺伝子変異が陽性の場合もありますが、現時点ではEGFRの変異有無を問わず、上記の術後補助療法が行われています。1)
今回ご紹介するテセントリクはPD-L1陽性のStageⅡ・ⅢAで根治手術後にシスプラチンを含む術後補助療法を行った後、単独投与することで再発までの期間を延長することが期待されていますよー!
ちなみに、EGFR変異陽性の場合の術後補助療法としてはタグリッソ(オシメルチニブ)が承認されていますね。
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タグリッソ(オシメルチニブ)の作用機序と副作用【肺がん】
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非小細胞肺がんの治療(切除不能・再発の場合)
非小細胞肺がんはその組織型によって以下の2種類に分類されています。
- 非扁平上皮がん
- 扁平上皮がん
非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)の初回化学療法(一次化学療法)は、がんの遺伝子状況(ドライバー遺伝子変異など)によって対応するチロシンキナーゼ阻害薬を使用します。1)
ドライバー遺伝子変異など | 初回化学療法例 |
EGFR遺伝子変異陽性 |
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ALK融合遺伝子陽性 | |
ROS1融合遺伝子陽性 | |
BRAF遺伝子変異陽性 | |
MET遺伝子変異陽性 | |
RET融合遺伝子陽性 | |
遺伝子変異/転座陰性 (または不明) |
|
上記の一次化学療法で効果が得られなくなった場合、二次治療以降でもテセントリク単剤で使用できます(一次化学療法で免疫チェックポイント阻害薬未使用の場合)。
非小細胞肺がんのうち、扁平上皮がんについては以下の記事をご確認ください。
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ポートラーザ(ネシツムマブ)の作用機序と副作用【肺がん】
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小細胞肺がんの治療(切除不能・再発の場合)
切除不能な小細胞肺がん(進展型小細胞肺がん)の場合、抗がん剤による化学療法が基本です。一次化学療法としては主に以下があります。1)
- シスプラチン+イリノテカン療法
- シスプラチン+エトポシド療法
- カルボプラチン+エトポシド療法
テセントリクは後述する臨床試験の結果より、カルボプラチン+エトポシド療法と併用して使用することが可能です!
また、2020年にはイミフィンジ(デュルバルマブ)も一次治療から抗がん剤と併用して使用可能となりました。
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
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乳がんの概要
2011年の女性乳がんの罹患数は、約72,500人と、女性のがんの中では最も多く、約20%を占めると言われています。
手術で取り切れるような早期の乳がんでは、5年生存率は80%を超えます(StageⅠ~Ⅱでは90%を超える)ので、治癒することが可能な比較的予後の良いがんとして知られています。
ただし、発見時に手術ができない(手術不能)の乳がんや、再発した乳がんでは5年生存率は30%と、治癒を見込むのは難しくなってしまいます(基本的には延命)。
従って、日頃の観察やがん検診(マンモグラフィや超音波検査)によって、できるだけ早期に発見することが非常に重要です!!!
また、乳がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られています。
早期の乳がんの治療
早期の乳がんは基本的には手術によって完全に取り除くことが可能です。
場合によっては、術後にホルモン療法や抗がん剤によって再発を抑える治療が行われることもあります。
代表的な術後の再発治療としては以下の記事をご覧ください。
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パージェタ(ペルツズマブ)の作用機序と副作用【乳がん/大腸がん】
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転移のある乳がんの治療(手術不能)
しかし、発見時に転移がある乳がんの場合、手術はできませんので、薬物療法(ホルモン療法、抗がん剤、分子標的薬)が基本となります。
乳がんは、がん細胞の性質によって、薬物療法が異なります。
- ホルモン(エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体)陽性の乳がん:ホルモン療法±CDK4/6阻害薬
- HER2陽性の乳がん:ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)±パージェタ(一般名:ペルツズマブ)±抗がん剤
- ホルモンもHER2も陰性の乳がん(トリプルネガティブ乳がん):抗がん剤
最も多いとされるのが、「①ホルモン陽性の乳がん」で、この場合はホルモン療法が基本です。
ホルモン陽性の乳がんに対しては
といったCDK4/6阻害薬が使用できます。
「②HER2陽性の乳がん」の場合にはパージェタやハーセプチンが使用できますので詳しくは以下をご覧ください。
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パージェタ(ペルツズマブ)の作用機序と副作用【乳がん/大腸がん】
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「③ホルモンもHER2も陰性の乳がん(トリプルネガティブ乳がん)」の場合、アントラサイクリン系やタキサン系の抗がん剤単剤が標準です。代表的なタキサン系抗がん剤については以下の記事で解説しています。
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タキソールとタキソテールの作用機序と副作用【抗がん剤】
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今回ご紹介するテセントリクはトリプルネガティブ乳がんでPD-L1陽性の場合、初回治療としてアブラキサン(nab-パクリタキセル)と併用することで治療効果が得られています。
なお、初回治療後にBRCA遺伝子に変異がある場合、リムパーザ(一般名:オラパリブ)が使用できますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。
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リムパーザ(オラパリブ)の作用機序【卵巣/乳/膵/前立腺がん】
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肝細胞がんの概要
肝細胞がんの最も重要な原因は「肝炎ウイルスの持続感染」です。
肝炎ウイルスにはA、B、C、D、Eなど色々な種類が存在していますが、肝細胞がんと関係があるのは、C型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスです。
肝細胞がんの約60%がC型肝炎ウイルス、約15%がB型肝炎ウイルスの持続感染に起因すると言われています。
C型肝炎ウイルスの治療薬については、近年、続々と新薬が登場しているため、治癒が期待できるようになってきました。
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マヴィレット(ピブレンタスビル/グレカプレビル)の作用機序【C型肝炎】
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転移のある肝細胞がんの治療
肝細胞がんの一次治療としては分子標的薬の単剤治療が基本です。
主に使用される分子標的薬としては、
- ネクサバール(一般名:ソラフェニブ)
- レンビマ(一般名:レンバチニブ)
などがあります。
-
レンビマ(レンバチニブ)の作用機序【肝細胞/甲状腺/子宮体/腎細胞がん】
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今回ご紹介するテセントリクは、アバスチン(ベバシズマブ)との併用において、ネクサバールよりも治療効果が高いことが示されています!
アバスチンについてはこちらの記事で解説しています。
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アバスチン(ベバシズマブ)の作用機序とバイオシミラー【大腸がん】
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従って、今後は一次治療での使用が広がっていくと予想されますね。
また、上記治療に抵抗・不耐の場合、二次治療が行われます。具体的な治療法としては、以下ですね。
-
カボメティクス(カボザンチニブ)の作用機序【腎細胞/肝細胞がん】
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がんと免疫チェックポイント
通常、がんができると生体内の免疫反応が活性化され、がん細胞を死に導こうとしますが、がん細胞はヒトの免疫機構から逃れる術をいくつか持っています。
その一つに、がん細胞ではヒトの免疫反応を抑制する「PD-L1(“ピーディーエルワン”と読みます)」を大量に発現し、免疫反応(T細胞からの攻撃)から逃れています。
PD-L1はT細胞のPD-1(ピーディーワン)と結合することで、T細胞の活性を抑制させる働きがある、いわば、ブレーキのような働きを担っています。
本来、PD-L1やPD-1はT細胞が自己を攻撃しない(自己免疫抑制作用)のために体内に存在していますが、がん細胞はそれを逆手に取っています。
これを“免疫チェックポイント”と呼んでいます。
テセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序
テセントリクはがん細胞の「PD-L1」を抑制することで、がん細胞のブレーキを解除させ、ヒト本来の免疫反応を活性化させます。
その結果、T細胞が、がん細胞を攻撃することでがん細胞を死に導く、といった作用機序を有しています☆
T細胞が活性化され、ヒト本来の免疫力によってがん細胞を攻撃しますので、従来の抗がん剤と比較して副作用が比較的少ないと言われています。
副作用
主な副作用として、疲労、悪心、食欲減退、無力症、発熱、下痢、発疹、そう痒症などが報告されています。
また、免疫活性化に伴い、自己免疫疾患(例:間質性肺炎、1型糖尿病、甲状腺機能異常、腸炎、膵炎)等の発現が認められていますので注意が必要となります。
エビデンス紹介①:肺がん
肺がん(非小細胞肺がん、小細胞肺がん)のエビデンスは豊富ですね~。簡単に解説していきたいと思います。
まずは早期の非小細胞肺がんの術後補助療法からです!
非小細胞肺がんの術後補助療法(IMpower010試験)
根拠となった臨床試験は非小細胞肺がんの術後補助療法として、テセントリクと支持療法を比較した国際共同第Ⅲ相試験のIMpower010試験です。2)
本試験はStageⅠBからⅢAで根治手術を受けてシスプラチンベース(+ペメトレキセド or ゲムシタビン or ドセタキセル or ビノレルビン)の術後補助療法を最長4サイクル施行された非小細胞肺がん患者さんを、テセントリク群(1,200mgを21日毎に最長16サイクル)と支持療法群に無作為に割り付けて比較しました。
主要評価項目は医師評価によるDFS*で、以下の通り階層的に検証されています。
- PD-L1陽性(1%以上)のStageⅡからⅢAにおけるDFS
- StageⅡからⅢAの全体におけるDFS
- StageⅠBからⅢAの全体におけるDFS
テセントリク群 | 支持療法群 | |
PD-L1陽性(1%以上)のStageⅡからⅢAにおける3年DFS率 | 60.0% | 48.2% |
HR=0.66(95%CI:0.50-0.88) p=0.004 |
||
StageⅡからⅢAの全体における3年DFS率 | 55.7% | 49.4% |
HR=0.79(95%CI:0.64-0.96) p=0.02 |
||
StageⅠBからⅢAの全体における3年DFS率 | 57.9% | 52.6% |
HR=0.81(95%CI:0.67-0.99) p=0.04(事前に設定された有効性の境界を超えず) |
*DFS(無病生存期間):再発・二次がん発生の無く生存している期間
StageⅡからⅢAでは全体的に有意なDFSの改善が認められていますね。その効果はPD-L1陽性例の方が顕著という結果でした。
StageⅠBの患者さんを含めると有意差が認められていませんので、最適使用推進ガイドラインでは「StageⅡ・ⅢA」に対して推奨されていますね。
非小細胞肺がんの二次治療以降(OAK試験)
根拠となった臨床試験は非小細胞肺がんの二次治療以降としてタキソテール(一般名:ドセタキセル)とテセントリクを直接比較する第Ⅲ相臨床試験(OAK試験)です。3)
主要評価項目の全生存期間中央値はタキソテール群で9.6か月、テセントリク群で13.8か月と、テセントリク群で有意に延長していました(HR=0.73, P=0.0003)。
非小細胞肺がんの一次治療(IMpower150試験)
一次治療の根拠となった臨床試験(IMpower150試験)をご紹介します。4)
本試験は小細胞肺がんの一次治療の対象患者さんに対して、以下の3群を比較する第Ⅲ相臨床試験です。
- ACP群:テセントリク+カルボプラチン+パクリタキセル
- BCP群:アバスチン(ベバシズマブ)+カルボプラチン+パクリタキセル
- ABCP群:テセントリク+BCP
論文ではまずBCP群とABCP群が比較され、ABCP群の有意性が示された後に、ACP群とBCP群を比較するとされています。今回はBCP群とABCP群の結果を示します。
なお、主要評価項目は3つありますが、今回はそのうち一つの「EGFRとALK野生型症例におけるPFS*」について下表に示します。
試験群 | BCP群 | ABCP群 |
EGFRとALK野生型症例の PFS中央値 |
6.8か月 | 8.3か月 |
HR=0.62[95%CI 0.52-0.74], p<0.001 | ||
EGFRとALK野生型症例の 生存期間中央値 |
14.7か月 | 19.2か月 |
HR=0.78[95%CI 0.64-0.96], p=0.02 |
*PFS(無増悪生存期間):がんが増悪するまでの期間
このように、EGFRとALKの遺伝子変異が無い患者さんでは化学療法にテセントリクを追加することで有意なPFSと生存期間の延長が示されています。
小細胞肺がんの一次治療(IMpower133試験)
小細胞肺がんの根拠となった臨床試験(IMpower133試験)を紹介します。5)
本試験は進展型の小細胞肺がん患者さんを対象に、一次化学療法として化学療法(カルボプラチン+エトポシド療法)群とそれにテセントリクを併用する群を比較検討した国際共同第Ⅲ相臨床試験です。
主要評価項目は「全生存期間」で結果は以下の通りでした。
試験群 | 化学療法群 | 化学療法+ テセントリク群 |
全生存期間中央値 | 10.3か月 | 12.3か月 |
HR=0.70[95%CI 0.54-0.91], p=0.007 | ||
PFS中央値 | 4.3 か月 | 5.2か月 |
HR=0.77[95%CI 0.62-0.96], p=0.02 |
エビデンス紹介②:トリプルネガティブ乳がん(IMpassion130試験)
乳がんの根拠となった臨床試験(IMpassion130試験)をご紹介します。6)
本試験は進行・再発のトリプルネガティブ乳がんの一次治療として、アブラキサン(一般名:nab-パクリタキセル)とテセントリク+アブラキサンを比較する第Ⅲ相臨床試験です。
主要評価項目は「PFS(全例およびPD-L1陽性例)」と「全生存期間(全例およびPD-L1陽性例)」とされ、結果は以下の通りでした。
試験群 | アブラキサン群 | アブラキサン+ テセントリク群 |
PFS中央値 (全例) |
5.5か月 | 7.2か月 |
HR=0.80[95%CI 0.69-0.92], p=0.002 | ||
PFS中央値 (PD-L1陽性例) |
5.0か月 | 7.5か月 |
HR=0.62[95%CI 0.49-0.78], p<0.001 | ||
全生存期間中央値 (全例) |
17.6か月 | 21.3か月 |
HR=0.84[95%CI 0.69-1.02], p=0.08 | ||
全生存期間中央値 (PD-L1陽性例) |
15.5か月 | 25.0か月 |
HR=0.62[95%CI 0.45-0.86] |
併用するアブラキサンの作用機序については、膵がんの記事ですが以下で解説しています。
-
アブラキサン(パクリタキセル)の作用機序と副作用【膵臓がん】
続きを見る
エビデンス紹介③:肝細胞がんの一次治療(IMbrave150試験)
肝細胞がんの根拠となった臨床試験(IMbrave150試験)を紹介します。7)
本試験は肝細胞がん患者さんを対象に、一次化学療法としてこれまで標準治療であったネクサバール群と、テセントリク+アバスチン群を比較検討した国際共同第Ⅲ相臨床試験です。
主要評価項目は「全生存期間」と「無増悪生存期間(PFS)」で結果は以下の通りでした。
試験群 | ネクサバール群 | テセントリク+ アバスチン群 |
12か月時点の 生存率 |
54.6% | 67.2% |
HR=0.58[95%CI 0.42ー0.79], P<0.001 | ||
PFS中央値 | 4.3 か月 | 6.8か月 |
HR=0.59[95%CI 0.47-0.76], P<0.001 |
用法・用量
効能・効果毎に投与量や併用薬が異なりますので、一覧表にしてみました。
効能・効果 | 投与量 | 併用薬 | |
非小細胞肺がん | 一次治療 | 1200mgを 60分間かけて 3週間隔 |
他の抗悪性腫瘍剤 (PD-L1陽性の場合、単剤も可能) |
二次治療 | - | ||
術後補助 | - (投与期間は12か月まで) | ||
小細胞肺がん | カルボプラチン、 エトポシド |
||
肝細胞がん | ベバシズマブ | ||
乳がん | 840mgを 60分かけて 2週間間隔 |
パクリタキセル (アルブミン懸濁型) |
いずれも 2回目以降の投与時間は30分間まで短縮可能
収載時の薬価
収載時の薬価は以下の通りです。
- 1200mg:1瓶 625,567円(2018年4月収載時)
- 840mg:1瓶 448,853円(2019年11月収載時)
まとめ・あとがき
テセントリクはこんな薬
- がん細胞のPD-L1を特異的に阻害する免疫チェックポイント阻害薬
- 非小細胞肺がんの二次治療には単剤で使用する
- 非小細胞肺がんの一次治療では抗がん剤と併用して使用する(PD-L1陽性の場合は単剤も可)
- 小細胞肺がん・乳がん・肝細胞がんで初の免疫チェックポイント阻害薬
今までのがん治療は、
- 手術
- 薬物治療(抗がん剤や分子標的薬)
- 放射線治療
が主な治療でしたが、近年はテセントリクのような免疫チェックポイント阻害薬もがん領域の新たな治療法の一つとして確立されてきています!
また、テセントリクの投与は1バイアル使い切りのため、残薬や廃棄の問題が少なくなると期待されます。
以上、今回は非小細胞肺がん・小細胞肺がん・乳がん・肝細胞がんと抗PD-L1抗体薬のテセントリクをご紹介しました。
引用文献・資料等
- 日本肺癌学会|肺癌診療ガイドライン2024年版
- IMpower010試験:Lancet. 2021 Oct 9;398(10308):1344-1357.
- OAK試験:Lancet. 2017 Jan 21;389(10066):255-265.
- IMpower150試験:N Engl J Med. 2018 Jun 14;378(24):2288-2301.
- IMpower133試験:N Engl J Med 2018; 379:2220-2229
- IMpassion130試験:N Engl J Med 2018; 379:2108-2121
- IMbrave150試験:N Engl J Med 2020; 382:1894-1905
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