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2021年9月27日、厚労省は新薬として審議品目11製品、および特例承認1製品、再生医療等製品1製品を承認しました!その他、適応拡大など11製品と新規バイオシミラー1製品も承認されています。
なお、本来であればこのタイミングで承認されていたオンデキサ静注用(一般名:アンデキサネット アルファ)については、事前に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会への報告が見送られたことから、今回は承認されていません。
臨床試験データが一部、取り扱いが不適切だったとのことですが、詳細は不明です。
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オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】
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今回は概要についてご紹介していきます。
特例承認:1製品
●ゼビュディ点滴静注液500mg(一般名:ソトロビマブ(遺伝子組み換え))
:「SARS-CoV-2による感染症」を効能・効果とする新規抗体薬。
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ゼビュディ点滴静注液(ソトロビマブ)の作用機序【COVID-19】
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新型コロナウイルスに対しては、ロナプリーブに次いで2製品目の抗体薬ですが、若干作用機序が異なりますね。期待したいと思います。
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ロナプリーブ注射液セット(カシリビマブ/イムデビマブ)の作用機序【COVID-19】
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新薬:11製品
●ビンマックカプセル61mg(一般名:タファミジス)
:「トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ビンマック(タファミジス)の作用機序:ビンダケルとの違い【ATTR-CM】
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既存薬のビンダケルカプセル(一般名:タファミジスメグルミン)は1日1回4カプセルの服用が必要でしたが、ビンマックは1カプセルでOKな製剤です。
●モイゼルト軟膏0.3%、同1%(一般名:ジファミラスト)
:「アトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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モイゼルト軟膏(ジファミラスト)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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ホスホジエステラーゼⅣ(PDE4)阻害薬で、同疾患では初の作用機序ですね!
●メグルダーゼ静注用1000(一般名:グルカルピダーゼ(遺伝子組み換え))
:「メトトレキサート・ロイコボリン救援療法によるメトトレキサート排泄遅延時の解毒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●ネクスビアザイム点滴静注用100mg(一般名:アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組み換え))
:「ポンペ病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
ポンペ病は酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の遺伝子の欠損または活性低下によって引き起こされると考えられていますので、その補充療法薬ですね!
●サフネロー点滴静注300mg(一般名:アニフロルマブ(遺伝子組み換え))
:「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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サフネロー(アニフロルマブ)の作用機序【エリテマトーデス】
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●タブネオスカプセル10mg(一般名:アバコパン)
:「顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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タブネオス(アバコパン)の作用機序【多発血管炎性肉芽腫症】
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●レットヴィモカプセル40mg、同80mg(一般名:セルペルカチニブ)
:「RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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レットヴィモ(セルペルカチニブ)の作用機序【RET陽性の肺がん/甲状腺がん】
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RETのみを選択的に阻害する薬剤は国内初ですね!RET融合遺伝子陽性のNSCLC患者は、約4,390人と推測されています。
●ライアットMIBG-I131静注(一般名:3-ヨードベンジルグアニジン(131I))
:「MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●パドセブ点滴静注30mg(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組み換え))
:「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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パドセブ(エンホルツマブベドチン)の作用機序【尿路上皮がん】
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ネクチン-4を選択的に阻害する抗体にモノメチルアウリスタチンE(MMAE)を結合させた新規のADCですね!
●サイバインコ錠50mg、同錠100mg、同錠200mg(一般名:アブロシチニブ)
:「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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サイバインコ(アブロシチニブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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新規のJAK1阻害薬ですね。アトピー性皮膚炎に対してはオルミエント(バリシチニブ)とリンヴォック(ウパダシチニブ)に次いで3製品目です。
JAK阻害薬の一覧表については以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
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JAK阻害薬の一覧表(経口7製品)と作用機序のまとめ
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●ステルイズ水性懸濁筋注60万単位シリンジ、同240万単位シリンジ(一般名:ベンジルペニシリンベンザチン水和物)
:「梅毒(神経梅毒を除く)」を効能・効果とする新投与経路医薬品。適応菌種は梅毒トレポネーマ。
再生医療等製品:1製品
●アロフィセル注(一般名:ダルバドストロセル)
:「非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療。ただし、少なくとも1つ以上の既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な場合に限る」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。
脂肪組織由来幹細胞(eASC)を用いた新規治療概念ですね。
適応拡大:11製品
●ミダフレッサ静注0.1%(一般名:ミダゾラム)
:「てんかん重積状態」を効能・効果とする新用量医薬品。
これまでは小児のてんかん重積状態のみでしたが、成人の用法・用量が追加されます。
製剤は異なりますが、同有効成分(ミダゾラム)を含有するブコラム口腔用液の記事で作用機序を解説しています。
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ブコラム口腔用液(ミダゾラム)の作用機序・特徴【てんかん】
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●エンレスト錠100mg、同錠200mg(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)
:「高血圧症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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エンレスト(サクビトリルバルサルタン)の作用機序【心不全】
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添付文書上の効能・効果には制限ありませんが、「原則として第一選択薬としない」ことが明記されています。基本は第二・第三選択として使用が見込まれますね。
●エフメノカプセル100mg(一般名:プロゲステロン)
:「更年期障害及び卵巣欠落症状に対する卵胞ホルモン剤投与時の子宮内膜増殖症の発症抑制」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
●アジルバ顆粒1%、同錠10mg、同錠20mg、同錠40mg(一般名:アジルサルタン)
:「高血圧症」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤形追加に係る医薬品。
小児用量の追加に伴い、顆粒剤の剤形が追加されました!ARBについては以下の記事をご参考ください。
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【高血圧】ARB(アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬)の作用機序と薬剤一覧の紹介
続きを見る
●リンヴォック錠7.5mg、同錠15mg、同錠30mg(一般名:ウパダシチニブ水和物)
:「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
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リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/乾癬/アトピー性皮膚炎】
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既に2021年8月25日にアトピー性皮膚炎の適応拡大は承認されていますが、今回は新たに30mg錠の剤形追加が承認されています。
経口JAK阻害薬の一覧はこちらにまとめています。
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JAK阻害薬の一覧表(経口7製品)と作用機序のまとめ
続きを見る
●コセンティクス皮下注150mgシリンジ、同150mgペン、同75mgシリンジ(一般名:セクキヌマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤形追加に係る医薬品。
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コセンティクス(セクキヌマブ)の作用機序【乾癬/強直性脊椎炎】
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小児用量追加に伴って、新しく75mg製剤が追加されました!
●ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.2mL、同皮下注40mgシリンジ0.4mL、同皮下注80mgシリンジ0.8mL、同皮下注40mgペン0.4mL、同皮下注80mgペン0.8mL(一般名:アダリムマブ(遺伝子組換え))
:「中等症又は重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とし、小児用量の追加を含む新効能・新用量医薬品。
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ヒュミラ(アダリムマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
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これまでは成人のみでしたが、今後は小児にも使用可能となりました。
●リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注500mg(一般名:リツキシマブ(遺伝子組み換え))
:「全身性強皮症」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。
●イムブルビカカプセル140mg(一般名:イブルチニブ)
:「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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イムブルビカ(イブルチニブ)の作用機序と副作用【CLL】
続きを見る
●ラパリムス錠1mg(一般名:シロリムス)
:「難治性リンパ管疾患(リンパ管腫(リンパ管奇形)、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ラパリムス錠(シロリムス)の作用機序と副作用【リンパ脈管筋腫症】
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●オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組み換え))
:「古典的ホジキンリンパ腫」の効能・効果に小児用量を追加する新用量医薬品。
これまでは成人のみでしたが、今後は小児にも使用可能となりました。
●ノクサフィル錠100mg、同点滴静注300mg(一般名:ポサコナゾール)
:「侵襲性アスペルギルス症」を効能・効果とする新効能医薬品。
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ノクサフィル(ポサコナゾール)の作用機序・特徴【真菌症】
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真菌症の適応菌種として「侵襲性アスペルギルス症」が追加されました。
バイオシミラー:1製品
●ラニビズマブBS硝子体内注射用キット10mg/mL「センジュ」(一般名:ラニビズマブ(遺伝子組換え)[ラニビズマブ後続1])
:「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」、「病的近視における脈絡膜新生血管」を効能・効果とするバイオ後続品。
ルセンティスの初のバイオシミラー(BS)ですね!ルセンティスは5つの効能・効果を有していますが、BSはまずは2つの効能・効果とのことです。ルセンティスについては以下の記事をご参考ください。
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ルセンティス(ラニビズマブ)の作用機序【加齢黄斑変性】
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あとがき
今回の注目は新規の新型コロナウイルス感染症治療薬のゼビュディ点滴静注液でしょうか。デルタ株などを含む変異株に対しても効果が期待されています。
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ゼビュディ点滴静注液(ソトロビマブ)の作用機序【COVID-19】
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アトピー性皮膚炎に対する新規治療薬や適応拡大も期待大ですね。新規外用薬のモイゼルト軟膏(ジファミラスト)も新たな作用機序のため、治療選択肢の幅が広がりました。近年では外用JAK阻害薬のコレクチム軟膏(デルゴシチニブ)もありますので、使い分け等が気になるところですが。
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コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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あとは、これまで治療選択肢の少なかった領域に対しては期待できるかと思います!
以上、今回は2021年9月27日に承認・特例承認された新薬や適応拡大について概略をご紹介しました~!
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