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2022年8月25日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会にて11製品が審議され、承認が了承されました。
その他、報告のみで了承された12製品もあります。
今回は概要について紹介しています。
審議品目:11製品
●リンヴォック錠7.5mg、同15mg、同30mg、同錠45mg(一般名:ウパダシチニブ水和物)
:7.5mg~30mg錠 ⇒ 「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
:45mg錠 ⇒ 「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
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リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/乾癬/アトピー性皮膚炎】
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既に潰瘍性大腸炎に使用できるJAK阻害薬としては、
がありますね。
JAK阻害薬の効能・効果一覧については以下でまとめています。
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JAK阻害薬の一覧表(経口7製品)と作用機序のまとめ
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●スキリージ点滴静注600mg、同皮下注360mgオートドーザー(一般名:リサンキズマブ(遺伝子組換え))
:点滴静注製剤 ⇒ 「中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
:皮下注製剤 ⇒ 「中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
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スキリージ皮下注(リサンキズマブ)の作用機序と特徴【乾癬/クローン病】
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これまでは皮下注製剤のみでしたが、今回、新たに点滴静注製剤と皮下注オートドーザーが追加されましたね。
●マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、同5mgアテオス、同7.5mgアテオス、同10mgアテオス、同12.5mgアテオス、同15mgアテオス(一般名:チルゼパチド)
:「2型糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】
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GIPとGLP-1は、共にインクレチン関連ホルモンで、グルコース依存的にインスリン分泌を促進させるといった作用がありますね。
デバイスは「アテオス」なので、トルリシティ皮下注と同じでしょうか。当てて押す!
●アイリーア硝子体内注射液40mg/mL(一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え))
:「未熟児網膜症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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アイリーア(アフリベルセプト)の作用機序【加齢黄斑変性】
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●グラアルファ配合点眼液(一般名:リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩)
:「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症」を効能・効果とする新医療用配合剤。
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グラアルファ配合点眼液(ブリモニジン/リパスジル)の作用機序【緑内障】
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リパスジルはRhoキナーゼ阻害薬(ROCK阻害薬)、ブリモニジンはアドレナリンα2受容体作動薬に分類されていますね。
●コセルゴカプセル10mg、同25mg(一般名:セルメチニブ硫酸塩)
:「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
神経線維腫症1型は難病に指定されていますが、治療選択肢が限られていました。
コセルゴはMEK1/2を阻害することで、腫瘍の増殖を抑えると考えられています。
●アムヴトラ皮下注25mgシリンジ(一般名:ブトリシランナトリウム)
:「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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アムヴトラ皮下注(ブトリシラン)の作用機序【TTR-FAP】
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作用機序的には既に承認されているオンパットロ(パチシラン)と同じですね。
オンパットロは3週間毎の点滴静注が必要でしたが、アムヴトラはそれを改良し、3か月毎の皮下注で治療可能です。
●フィンテプラ内用液2.2mg/mL(一般名:フェンフルラミン塩酸塩)
:「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないDravet 症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。
セロトニン5-HT1D/5-HT2A/5-HT2Cの受容体作動薬です。また、シグマ-1受容体にも作用することで、てんかん発作を抑制すると考えられていますね。
●リバゼブ配合錠LD、同HD(一般名:ピタバスタチンカルシウム水和物/エゼチミブ)
:「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤。
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リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】
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HMG-CoA還元酵素阻害薬のリバロ錠(ピタバスタチン)と、ゼチーア錠(エゼチミブ)の配合錠ですね!
同様の配合剤には、以下があります。
●カブリビ注射用10mg(一般名:カプラシズマブ(遺伝子組換え))
:「後天性血栓性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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カブリビ(カプラシズマブ)の作用機序【TTP】
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後天性血栓性血小板減少性紫斑病では、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)を切断するADAMTS13の活性が低下しています。
そのため、血中には巨大なVWFが存在するようになり、血小板と相互作用することで血栓を生じます。
カブリビはVWFを標的とする抗VWFナノボディですね!
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ナノゾラ(オゾラリズマブ)の作用機序・特徴【関節リウマチ】
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●トビエース錠4mg、同8mg(一般名:フェソテロジンフマル酸塩)
:「神経因性膀胱における排尿管理」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量医薬品。
報告品目:12製品
●デュファストン錠5mg(一般名:ジドロゲステロン)
:「生殖補助医療における黄体補充」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●セトロタイド注射用0.25mg(一般名:セトロレリクス酢酸塩)
:「調節卵巣刺激下における早発排卵の防止」を効能・効果とする新用量医薬品。
●メトグルコ錠250mg②同錠500mg
●メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「DSEP」④同500mgMT「DSEP」
●メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「DSPB」⑥同500mgMT「DSPB」
:「多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発及び多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激(ただし、肥満、耐糖能異常、又はインスリン抵抗性のいずれかを呈する患者に限る。)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●フェマーラ錠2.5mg
●レトロゾール錠2.5mg「NK」
●レトロゾール錠2.5mg「F」
:「多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発及び原因不明不妊における排卵誘発」を効能・効果とする。
●フォリルモンP 注75、同P注150
●uFSH 注用75 単位「あすか」、同注用150単位「あすか」
:「生殖補助医療における調節卵巣刺激」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●クロミッド錠50mg(一般名:クロミフェンクエン酸塩)
:「生殖補助医療における調節卵巣刺激」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●カバサール錠0.25mg(一般名:カベルゴリン)
:「生殖補助医療に伴う卵巣過剰刺激症候群の発症抑制」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
あとがき
今回の第一部会では、新有効成分含有医薬品は5製品でした。
- マンジャロ(チルゼパチド):2型糖尿病
- コセルゴ(セルメチニブ):神経線維腫症1型
- アムヴトラ(ブトリシラン):TTR-FAP
- フィンテプラ(フェンフルラミン):Dravet 症候群
- カブリビ(カプラシズマブ):後天性血栓性血小板減少性紫斑病
報告品目は全て不妊治療関係でしたね。いずれも事前評価済公知申請のため、既に保険償還されていました。
以上、今回は2022年8月25日の厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で承認了承された薬剤の概要をご紹介しました。
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