新薬承認・薬価収載

【新薬+効能効果追加】12製品+9製品(2022年3月28日)

2022年3月28日、厚労省は新薬として12製品を承認しました!

 

その他、既存製品の適応拡大9製品も承認されています。

 

木元 貴祥
今回は概要についてご紹介していきましょう。

 

新薬:12製品

●ミチーガ皮下注用60mgシリンジ(一般名:ネモリズマブ(遺伝子組換え))
:「アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ミチーガ皮下注(ネモリズマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】

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初の抗IL-31レセプターA(IL-31RA)モノクローナル抗体薬で、アトピー性皮膚炎のそう痒に対しては初の生物学的製剤ですね。

 

●ケレンディア錠10mg、同錠20mg(一般名:フィネレノン)
:「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ケレンディア(フィネレノン)の作用機序・特徴【糖尿病性腎臓病】

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ミネラルコルチコイド受容体遮断薬では初の慢性腎臓病(CKD)の適応となりました!

 

木元 貴祥
利尿作用に加えて、心・腎保護作用が期待されていますね。

 

●オンデキサ静注用200mg(一般名:アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え))
:「直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】

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DOACの中でもトロンビン阻害薬のプラザキサ(ダビガトラン)については、出血時に中和抗体薬であるプリズバインド(イダルシズマブ)が使用可能でした。

しかし、Xa因子阻害薬(抗Ⅹa薬)については中和薬が存在せず、止血処理に加えて、保険適応外でプロトロンビン複合体製剤や遺伝⼦組換え第Ⅶ因⼦製剤が投与されていました。

 

木元 貴祥
ようやくXa因子阻害薬にも中和薬が登場です!

 

●タクザイロ皮下注300mgシリンジ(一般名:ラナデルマブ(遺伝子組換え))
:「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

タクザイロ(ラナデルマブ)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】

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木元 貴祥
2週間もしくは4週間毎の皮下注で予防効果が期待されています!

 

●サムタス点滴静注用8mg、同点滴静注用16mg(一般名:トルバプタンリン酸エステルナトリウム)
:「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

サムタス(トルバプタンリン酸エステルNa)の作用機序【心不全】

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トルバプタンと言えば・・・そう、サムスカですよね!

 

サムスカをプロドラッグ化して点滴静注可能にした薬剤とのことです。

 

●アロカリス点滴静注235mg(一般名:ホスネツピタント塩化物塩酸塩)
:「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

アロカリス(ホスネツピタント)の作用機序・特徴【抗がん剤に伴う悪心・嘔吐】

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NK1受容体拮抗薬としてはイメンド(アプレピタント)/プロイメンド(ホスアプレピタント)に次ぐ新薬ですね。

 

アロカリスは副作用として注射部位反応(注射部位の痛みや紅斑など)が少ないといった特徴が期待されています。

 

●モノヴァー静注500mg、同静注1000mg(一般名:デルイソマルトース第二鉄)
:「鉄欠乏性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

モノヴァー(デルイソマルトース第二鉄)の作用機序・特徴【鉄乏性貧血】

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木元 貴祥
週1回の投与で治療ができる新規の静注鉄製剤ですね。

 

●ジスバルカプセル40mg(一般名:バルベナジントシル酸塩)
:「遅発性ジスキネジア」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

遅発性ジスキネジア
ジスバル(バルベナジン)の作用機序【遅発性ジスキネジア】

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木元 貴祥
遅発性ジスキネジアに対する初の治療薬です!

 

VMAT2阻害薬という初の作用機序ですね。

 

●カログラ錠120mg(一般名:カロテグラストメチル)
:「中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

カログラ(カロテグラスト)の作用機序【潰瘍性大腸炎】

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α4β1インテグリンとα4β7インテグリンを共に阻害するといった新規作用機序を有しています。

 

作用機序的には生物学的製剤のエンタイビオ(ベドリズマブ)に近いですね。

 

●バビースモ硝子体内注射液120mg/mL(一般名:ファリシマブ(遺伝子組換え))
:「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」、「糖尿病黄斑浮腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

バビースモ(ファリシマブ)の作用機序:類薬との違い・比較【加齢黄斑変性】

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新生血管に関与している「VEGF-A(血管内皮増殖因子A)」と「Ang-2(アンジオポエチン2)」を共に阻害することが可能なバイスペシフィック抗体薬です。

 

中外製薬は抗体の技術がすごいですねー。同じく中外製薬のバイスペシフィック抗体薬には血友病で使用されているヘムライブラ(エミシズマブ)もあります。

ヘムライブラ(エミシズマブ)の作用機序と二重特異性抗体【血友病A】

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●セムブリックス錠20mg、同40mg(一般名:アシミニブ塩酸塩)
:「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

セムブリックス(アシミニブ)の作用機序・特徴【CML】

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既存のチロシンキナーゼ阻害薬とは別の部位(ABLミリストイルポケット)を阻害する新薬です!

 

木元 貴祥
既存TKIに耐性が生じた場合でも効果が期待されていますね。

 

●ゼンフォザイム点滴静注用20mg(一般名:オリプダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症では酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)が欠損しているため、それの補充療法薬です。

 

致死的な疾患だったのですが、初の治療薬となります!!

 

適応拡大:9製品

●ジセレカ錠100mg、同錠200mg(一般名:フィルゴチニブマレイン酸塩)
:「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ジセレカ(フィルゴチニブ)の作用機序【関節リウマチ/潰瘍性大腸炎】

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経口JAK阻害薬の潰瘍性大腸炎適応は、ゼルヤンツ(トファシチニブ)に次いで2製品目ですね。

ゼルヤンツ(トファシチニブ)の作用機序【関節リウマチ/潰瘍性大腸炎】

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JAK阻害薬のまとめ記事もご参考ください♪

JAK阻害薬の一覧表(経口6製品・外用1製品)と作用機序のまとめ

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●タリージェ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg、同錠15mg(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)
:「神経障害性疼痛」を効能・効果とする新効能医薬品。

タリージェ(ミロガバリン)の作用機序:リリカ/サインバルタとの違い【神経障害性疼痛】

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これまでは“末梢性”の神経障害性疼痛にしか使用できませんでしたが、“中枢性”の神経障害性疼痛にも使用可能となります。

 

そのため、効能・効果は「神経障害性疼痛」にまとめられました♪

 

●ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g(一般名:タルク)
:「外科手術による治療が困難な続発性難治性気胸」を効能・効果とする新効能医薬品。

 

●リンパック透析剤TA5
:「慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液」を効能・効果とし、配合割合が異なる類似処方医療用配合剤。

 

●オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))
:「尿路上皮がんにおける術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

オプジーボ(ニボルマブ)の作用機序【胃/尿路上皮がん】

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免疫チェックポイント阻害薬では初の尿路上皮がん術後補助療法の適応です!

 

●パージェタ点滴静注420mg/14mL(一般名:ペルツズマブ(遺伝子組換え))
●ハーセプチン注射用60、同150(一般名:トラスツズマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

パージェタ(ペルツズマブ)の作用機序と副作用【乳がん/大腸がん】

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大腸がんもついに抗HER2療法が使用可能となりますね!頻度は2~3%程ですが、治療選択肢が増えるのは朗報です。

 

●スピンラザ髄注12mg(一般名:ヌシネルセンナトリウム、バイオジェン・ジャパン)
:「臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症」を効能・効果とする新効能医薬品。

スピンラザ(ヌシネルセン)の作用機序【脊髄性筋委縮症】

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脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬としては、スピンラザの他、ゾルゲンスマ点滴静注エブリスディドライシロップ(リスジプラム)が承認されています。ゾルゲンスマは臨床症状発現前でも使用できましたが、今回スピンラザも同適応として使用可能となりました。

 

木元 貴祥
エブリスディは臨床症状発現前の適応はありませんね。

 

●フィブリノゲンHT静注用1g「JB」(一般名:乾燥人フィブリノゲン)
:「産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

既に公知申請の事前評価済のため、保険償還可能となっていますね。

 

あとがき

個人的には、2型糖尿病性腎臓病(DKD)に使用できる初のミネラルコルチコイド受容体遮断薬であるケレンディア(フィネレノン)が一番注目です。

ケレンディア(フィネレノン)の作用機序・特徴【糖尿病性腎臓病】

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慢性腎臓病(CKD)だけでなく、心不全等への適応拡大も期待できるのではないでしょうか。

 

その他、アトピー性皮膚炎のそう痒に対する初の生物学的製剤のミチーガ皮下注(ネモリズマブ)も新規作用機序のため、興味深いと思います。近年ではアトピー性皮膚炎の開発が活発ですね。

ミチーガ皮下注(ネモリズマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】

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あとはXa因子阻害薬(抗Ⅹa薬)の中和薬のオンデキサ静注用はようやくの登場です!

オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】

続きを見る

 

木元 貴祥
臨床ではしばしば出血を伴うため、選択肢が増えることは朗報ではないでしょうか。

 

DOACについては以下の記事でまとめていますので、併せてご参考くださいね♪

DOAC(直接経口抗凝固薬)の一覧表と作用機序のまとめ【心原性脳塞栓症】

続きを見る

 

以上、今回は2022年3月28日に承認された新薬・適応拡大などの概要について紹介しました~。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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