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2024年12月6日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて、新薬として10製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!
その他、報告のみで了承された4製品もあります。
今回は承認了承された新薬等の概要について紹介しています。
審議品目:10製品
●エフルエルダ筋注(一般名:インフルエンザウイルス(A型・B型)HA画分)
:「インフルエンザの予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
高用量のインフルエンザHAワクチンですね。
●ハイキュービア10%皮下注セット5g/50mL、同10g/100mL、同20g/200mL(一般名:pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注)/ボルヒアルロニダーゼアルファ(遺伝子組換え))
:「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
ボルヒアルロニダーゼを皮下投与した後、約10分以内に同じ部位へ人免疫グロブリンGを皮下投与することで、従来の皮下注製剤と比較して投与間隔が延長します(3~4週毎の投与)。
ボルヒアルロニダーゼは、既に以下の薬剤にも配合されていますね。最近大活躍!
●ヒムペブジ皮下注150mgペン(一般名:マルスタシマブ(遺伝子組換え))
:「血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ヒムペブジ皮下注(マルスタシマブ)の作用機序・特徴【血友病】
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既に同様の作用機序を有するアレモ皮下注(コンシズマブ)が血友病に対して使用されていますね。
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アレモ皮下注(コンシズマブ)の作用機序・特徴【血友病A/B】
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アレモは1日1回投与ですが、ヒムペブジは週1回の投与で治療が可能です!
●①ファセンラ皮下注30mgシリンジ、②同皮下注30mgペン(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を効能・効果とする①新効能・新用量医薬品、②新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
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ファセンラ(ベンラリズマブ)の作用機序と副作用【気管支喘息】
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これまでは気管支喘息のみでしたが、今後は「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)」が追加になります!
生物学的製剤としては、類薬のヌーカラ(メポリズマブ)が上記適応を取得済です。
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ヌーカラ(メポリズマブ)の作用機序【気管支喘息/EGPA】
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●テポックスカプセル200mg(一般名:テコビリマト水和物)
:「痘そう、エムポックス、牛痘、痘そうワクチン接種後のワクチニアウイルスの増殖による合併症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●カビゲイル注射液300mg(一般名:シパビバルト(遺伝子組換え))
:「SARS-CoV-2による感染症の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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カビゲイル(シパビバルト)の作用機序【COVID-19感染・発症予防】
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既に同様の作用機序を有する抗体薬として、エバシェルド筋注セット(チキサゲビマブ/シルガビマブ)が承認されていますが、昨今の変異株には対応していませんでした。
ちなみに、カビゲイルは抗体薬であるものの、一般名は「~mab(~マブ)」ではなく「~bart(バルト)」です…!
●ダトロウェイ点滴静注用100mg(一般名:ダトポタマブデルクステカン(遺伝子組換え))
:「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ダトロウェイ(ダトポタマブ デルクステカン)の作用機序【乳がん】
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抗TROP2抗体を用いたADCとしては、2024年9月に承認されたトロデルビ(サシツズマブ ゴビテカン)がありますが、トロデルビはトリプルネガティブ乳がんが対象です。
●ルンスミオ点滴静注1mg、同30mg(一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ルンスミオ(モスネツズマブ)の作用機序【悪性リンパ腫】
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2レジメン以上の治療歴を有する再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)に使用します。
●イムデトラ点滴静注用1mg、同10mg(一般名:タルラタマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪した小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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イムデトラ(タルラタマブ)の作用機序【肺がん】
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国内初のデルタ様リガンド3(DLL3)とCD3を特異的に認識する二重特異性抗体薬ですね。
●テクベイリ皮下注153mg、同皮下注30mg(一般名:テクリスタマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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テクベイリ(テクリスタマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】
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BCMAとCD3を特異的に認識する二重特異性抗体薬です。
既に多発性骨髄腫においては同様の作用機序を有するエルレフィオ(エルラナタマブ)が承認されていますので、テクベイリは2製品目です。
報告品目:4製品
●オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、同点滴静注120mg、同点滴静注240mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))
:「根治切除不能な尿路上皮がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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オプジーボ(ニボルマブ)の作用機序【胃/尿路上皮がん】
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これまでは尿路上皮がんの「術後補助療法」にしか使用できませんでしたが、今後は切除不能な尿路上皮がんの一次治療において、ゲムシタビン+シスプラチンと併用で使用可能となります。
2024年に適応拡大されたパドセブ(エンホルツマブベドチン)+キイトルーダ(ペムブロリズマブ)併用療法と同じ治療ラインのため、使い分けが気になるところ。
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パドセブ(エンホルツマブベドチン)の作用機序【尿路上皮がん】
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●ランダ注10mg/20mL、同注25mg/50mL、同注50mg/100mL(一般名:シスプラチン)
:「尿路上皮がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
上記のオプジーボとの併用に合わせて適応拡大されました。
●ウステキヌマブBS皮下注45mgシリンジ「YD」(一般名:ウステキヌマブ(遺伝子組換え)[ウステキヌマブ後続2])
:「既存治療で効果不十分な下記疾患:尋常性乾癬、乾癬性関節炎」を効能・効果とするバイオ後続品。
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ステラーラ(ウステキヌマブ)の作用機序【クローン病/潰瘍性大腸炎】
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ステラーラ皮下注のバイオシミラー(BS)ですね。
2023年9月25日には富士製薬のBSが承認されているため、それに続く2製品目のBSです。
ただし、先発品のステラーラ皮下注は乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎に使用できますが、BSは乾癬のみの適応症のため注意が必要です。
●キイトルーダ点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「進行・再発の子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/悪性黒色腫/子宮体がん】
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これまで、子宮体がんについては二次治療以降にレンビマとの併用で承認されていました。
今後は、一次治療のおいてカルボプラチン+パクリタキセル(TC療法)と併用でも使用可能となります!
最近では一次治療として、TC療法にイミフィンジ(デュルバルマブ)とリムパーザ(オラパリブ)の上乗せも可能になりましたので、使い分けが気になるところですね~。
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
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あとがき
今回はADCや二重特異性抗体が多数登場しましたね~!
ADCのダトロウェイ(ダトポタマブデルクステカン)は、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がんへの使用が想定されるものの、臨床試験の結果の解釈が気になるところです。
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ダトロウェイ(ダトポタマブ デルクステカン)の作用機序【乳がん】
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国内初のデルタ様リガンド3(DLL3)とCD3を特異的に認識するイムデトラ(タルラタマブ)は、小細胞肺がん領域では初の二重特異性抗体のため期待できるのではないでしょうか。
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イムデトラ(タルラタマブ)の作用機序【肺がん】
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以上、今回は2024年12月6日の薬事審議会・医薬品第二部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました!
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