PASSMED公式LINEの登録者特典|当サイトに掲載している図表の元データ&学習支援AI 薬科GPTをプレゼント♪
2025年9月19日、厚労省は新薬(新有効成分含有医薬品)として12製品を承認しました。
その他、既存薬の適応拡大など16製品が承認されていますね。
また、バイオシミラーも5製品登場します。
初のバイオシミラーとしては、以下の3製品ですが、いずれも先発品と適応症が異なるため、注意が必要です。
- デノスマブ(先発:ランマーク):多発性骨髄腫のみ
- トシリズマブ(先発:アクテムラ):関節リウマチなどの一部のみ
- ゴリムマブ(先発:シンポニー):関節リウマチのみ
本来であれば、このタイミングでリブロファズ配合皮下注(アミバンタマブ/ボルヒアルロニダーゼ)も承認される予定でしたが、見送りになっているようですね。
-
-
リブロファズ/ライブリバント(アミバンタマブ)の作用機序【肺がん】
続きを見る

新有効成分含有医薬品:12製品
●ネクセトール錠180mg(一般名:ベムペド酸)
:「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
ネクセトール(ベムペド酸)の作用機序【脂質異常症】
続きを見る
国内では初となるATPクエン酸リアーゼ阻害剤です!

●ナルティークOD錠75mg(一般名:リメゲパント硫酸塩水和物)
:「片頭痛発作の急性期治療及び発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
ナルティーク(リメゲパント)の作用機序:CGRP関連抗体薬との違い【片頭痛】
続きを見る
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に関連する薬剤として初の経口剤です!

- エムガルティ皮下注(ガルカネズマブ):抗CGRP抗体製剤(2021年1月承認)
- アジョビ皮下注(フレマネズマブ):抗CGRP抗体製剤(2021年6月23日承認)
- アイモビーグ皮下注(エレヌマブ):抗CGRP受容体抗体製剤(2021年6月23日承認)
また、上記のCGRP関連抗体薬は「予防」にしか使用できませんでしたが、ナルティークは「急性期治療」と「予防」の両方に使用可能です。
●ワイキャンス外用液0.71%(一般名:カンタリジン)
:「伝染性軟属腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
所謂「水いぼ」に対する治療薬です!塗布によって、原因となる伝染性軟属腫ウイルスの抑制効果が期待されていますね。
●ビルベイ顆粒200µg、同顆粒600µg(一般名:オデビキシバット水和物)
:「進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に伴うそう痒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
ビルベイ顆粒(オデビキシバット)の作用機序【家族性肝内胆汁うっ滞症】
続きを見る

類薬として、同適応症を有する同作用機序のリブマーリ(マラリキシバット)がありますね。
-
-
リブマーリ(マラリキシバット)の作用機序【アラジール症候群】
続きを見る
●アイマービー点滴静注300mg、同点滴静注1200mg(一般名:ニポカリマブ(遺伝子組換え))
:「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
アイマービー(ニポカリマブ)の作用機序【重症筋無力症】
続きを見る

類薬としては、既に以下の薬剤が承認・販売されています。
●アイザベイ硝子体内注射液20mg/mL(一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム)
:「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。条件付き承認。
-
-
アイザベイ(アバシンカプタド)の作用機序【加齢黄斑変性】
続きを見る

地図状萎縮の進行抑制効果は認められているものの、視力の明確な改善効果は認められていないことから、条件付き承認となりました。
●ボラニゴ錠10mg、同錠40mg(一般名:ボラシデニブクエン酸水和物)
:「IDH1又はIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
ボラニゴ(ボラシデニブ)の作用機序【神経膠腫】
続きを見る
新規の変異型イソクエン酸脱水素酵素(IDH)阻害薬です。
類薬としては、血液領域で使用されているティブソボ(イボシデニブ)がありますね。
-
-
ティブソボ(イボシデニブ)の作用機序【AML/胆道がん】
続きを見る
●ヘルネクシオス錠60mg(一般名:ゾンゲルチニブ)
:「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
ヘルネクシオス(ゾンゲルチニブ)の作用機序【HER2陽性肺がん】
続きを見る

二次治療以降の使用が見込まれているため、類薬のエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)との使い分けが気になるところです。
●イブトロジーカプセル200mg(一般名:タレトレクチニブアジピン酸塩)
:「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
イブトロジー(タレトレクチニブ)の作用機序【ROS1陽性の肺がん】
続きを見る
新規の経口ROS1阻害剤ですね。類薬としては、既に以下が承認されています。
●プルヴィクト静注(一般名:ルテチウムビピボチドテトラキセタン(177Lu))
:「PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●ロカメッツキット(一般名:ゴゼトチド)
:「PSMA標的療法の前立腺がん患者への適応判定の補助」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータ(塩化ガリウム(68Ga):「陽電子放出断層撮影(PET)イメージングのために承認された被標識用製剤のガリウム(68Ga)標識」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
-
プルヴィクト(177Lu-PSMA‐617)の作用機序・特徴【前立腺がん】
続きを見る
プルヴィクトは、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的とした放射性リガンド療法(radioligand therapeutic:RLT)と呼ばれる治療です。

ロカメッツキットとガリアファームはPSMAの標識に用いるため、同日承認されました。
適応拡大など:16製品
●フジケノン粒状錠125(一般名:ケノデオキシコール酸)
:「脳腱黄色腫症」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
●ドルミカムシロップ2mg/mL(一般名:ミダゾラム)
:「麻酔前投薬」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
小児に対する麻酔前投薬を想定して経口投与のシロップ剤が開発されたとのことですね!
●①コセルゴ顆粒5mg、②同顆粒7.5mg、③同カプセル10mg、④同カプセル25mg(一般名:セルメチニブ硫酸塩)
:「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」を効能・効果とする①②新用量・剤形追加に係る医薬品、③④新用量医薬品。
現在、空腹時に経口投与とされていますが、今回、「空腹時」が削除されました。顆粒剤は新剤形ですね。
●スピンラザ髄注28mg、同髄注50mg(一般名:ヌシネルセンナトリウム)
:「脊髄性筋萎縮症」を効能・効果とする新用量・剤形追加に係る医薬品。
-
-
スピンラザ(ヌシネルセン)の作用機序【脊髄性筋委縮症】
続きを見る

●セルセプトカプセル250mg、同懸濁用散31.8%
●ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「VTRS」(一般名:ミコフェノール酸モフェチル)
:「難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●ゾフルーザ顆粒2%分包(一般名:バロキサビル マルボキシル)
:「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
-
-
ゾフルーザ(バロキサビル)の作用機序・耐性:類薬との比較【インフルエンザ治療薬】
続きを見る
これまで12歳未満の小児の体重20kg未満に対する顆粒剤の用量が設定されていませんでしたが、今回、10kg以上20kg未満は「顆粒1包」、10kg未満は「顆粒50mg/kg」が追加されました!

●ネフィー点鼻液1mg、同点鼻液2mg(一般名:アドレナリン)
:「蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
-
-
ネフィー点鼻液(アドレナリン)の作用機序:エピペンとの違い【アナフィラキシー】
続きを見る
これまで、アナフィラキシーに対するアドレナリン製剤は、筋注のエピペンが中心でした。
ネフィーは点鼻で簡便な投与のため、新たな治療選択肢として期待されていますね!
●テセントリク点滴静注840mg、同点滴静注1200mg(一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、「PD-L1陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」、「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」、「進展型小細胞肺がん」を効能・効果とする新用量医薬品。
-
-
テセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/肝がん】
続きを見る

また、一部の適応症については、3週間隔投与のみでしたが、新たに4週間隔投与が追加されました。
●リブタヨ点滴静注350mg(一般名:セミプリマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新効能医薬品。
-
-
リブタヨ(セミプリマブ)の作用機序【子宮頸がん/肺がん】
続きを見る
リブタヨはこれまで子宮頸がんに使用されていましたが、今後は非小細胞肺がんにも使用可能となりますね!
●イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え))
:「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」、「膀胱がんにおける術前・術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
-
-
イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
続きを見る
●ジビイ静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用3000(一般名:ダモクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え))
:「血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
-
-
ジビイ(ダモクトコグ)の作用機序と副作用【血友病A】
続きを見る
これまでは12歳以上に限定されていましたが、今回、7歳以上12歳未満の用量が追加されました。
●ルマケラス錠120mg(一般名:ソトラシブ):「がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●ベクティビックス点滴静注100mg、同点滴静注400mg(一般名:パニツムマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
-
-
ルマケラス(ソトラシブ)の作用機序【KRAS変異陽性の肺がん/大腸がん】
続きを見る

基本的には併用して使用されますね。
●ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg(一般名:ピルトブルチニブ)
:「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新効能医薬品。
-
-
ジャイパーカ(ピルトブルチニブ)の作用機序【MCL/CLL】
続きを見る
これまではマントル細胞リンパ腫(MCL)のみでしたが、今後は慢性リンパ性白血病(CLL)にも使用可能となりました!
●ライアットMIBG-I 131静注(一般名:3-ヨードベンジルグアニジン(一般名:131I)):「MIBG集積陽性の神経芽腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。
バイオシミラー:5製品
●アフリベルセプトBS硝子体内注射液40mg/mL「NIT」、同BS硝子体内注射用キット40mg/mL「NIT」(一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え)[アフリベルセプト後続2])
●アフリベルセプトBS硝子体内注射液40mg/mL「SCD」、同BS硝子体内注射用キット40mg/mL「SCD」(一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え)[アフリベルセプト後続3]
:「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫」を効能・効果とするバイオ後続品。
現在、アフリベルセプトBSはグローバルレギュラトリーパートナーズ合同会社のもの(屋号は「GRP」)しかありませんが、2番手・3番手が登場です。
なお、「GRP」は「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」の適応症を有していませんでしたが、「NIT」と「SCD」は同適応症を有しています。
●デノスマブBS皮下注120mgRM「F」(一般名:デノスマブ(遺伝子組換え)[デノスマブ後続1])
:「多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変」を効能・効果とするバイオ後続品。
-
-
ランマーク(デノスマブ)の作用機序と副作用【がんの骨転移】
続きを見る
抗RANKL抗体であるランマークの初のバイオ後続品です!!

●①トシリズマブBS点滴静注80mg「CT」、②同点滴静注200mg「CT」、③同点滴静注400mg「CT」、④同皮下注162mgシリンジ「CT」、⑤同皮下注162mgオートインジェクター「CT」(一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続1])
:①②③→「既存治療で効果不十分な下記疾患、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎」、「キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見(C反応性タンパク高値、フィブリノーゲン高値、赤血球沈降速度亢進、ヘモグロビン低値、アルブミン低値、全身倦怠感)の改善。ただし、リンパ節の摘除が適応とならない患者に限る。」、「悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群」
④⑤→「既存治療で効果不十分な下記疾患、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」
を効能・効果とするバイオ後続品。

以下はアクテムラの解説記事ですが、BSは全ての適応を有しているわけではありませんので注意が必要です(例:新型コロナウイルス感染症の治療)
-
-
アクテムラ(トシリズマブ)の作用機序【関節リウマチ】
続きを見る
●ゴリムマブBS皮下注50mgシリンジ「F」(一般名:ゴリムマブ(遺伝子組換え)[ゴリムマブ後続1])
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とするバイオ後続品。
-
-
シンポニー(ゴリムマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
続きを見る

シンポニーは、潰瘍性大腸炎にも適応を有していますが、BSは関節リウマチのみですので、注意が必要です。
-
-
【関節リウマチ】生物学的製剤の作用機序・副作用・特徴のまとめ
続きを見る
潰瘍性大腸炎に使用する生物学的製剤(抗体薬)の一覧表はこちら↓↓
-
-
オンボー(ミリキズマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎/クローン病】
続きを見る
あとがき
今回の注目は、
- 高コレステロール血症に対する新規作用機序のネクセトール錠(ベムペド酸)
- 片頭痛に対する初の経口CGRP関連薬のナルティークOD錠(リメゲパント)
- アナフィラキシーショックに使用する初のアドレナリン点鼻薬であるネフィー点鼻液
- 放射性リガンド療法(radioligand therapeutic:RLT)のプルヴィクト静注
などでしょうか。

その他、眼科領域では萎縮型加齢黄斑変性に使用するアイザベイ(アバシンカプタド)も気になるところです。
-
-
アイザベイ(アバシンカプタド)の作用機序【加齢黄斑変性】
続きを見る
以上、今回は2025年9月19日に承認された新薬について概要をご紹介しました!
\ 新薬情報オンラインの運営者が執筆! /
薬剤師におススメの記事
失敗しない薬剤師の転職とは?
数多く存在する薬剤師専門の転職エージェントサイト。
どこに登録したらいいのか悩むことも少なくありません。そんな転職をご検討の薬剤師さんに是非見ていただきたい記事を公開しました。
- 新薬情報オンラインの薬剤師2名が実際に利用・取材!
- 各サイトの特徴等を一覧表で分かりやすく掲載!
- 絶対にハズレのない厳選の3サイトを解説!
上手に活用してあなたの希望・条件に沿った【失敗しない転職】を実現していただけると嬉しいです!
-
-
薬剤師の転職サイト3選|評判・求人特徴とエージェントの質を比較
続きを見る
日々の情報収集に最適
-
-
薬剤師の勉強・情報収集に役に立つ無料サイト・ブログ8選