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2026年7月27日、薬事審議会・医薬品第二部会にて「気管支拡張症」を対象疾患とするブリヌスプリ錠(ブレンソカチブ)の承認が了承されました!
インスメッド|米国承認のニュースリリース
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
| 製品名 | ブリヌスプリ錠25mg |
| 一般名 | ブレンソカチブ水和物 |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | インスメッド |
| 効能・効果 | 非嚢胞性線維症性気管支拡張症 |
| 用法・用量 | 1日1回経口投与? |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
ブリヌスプリは国内初のジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)阻害薬です。
これまでは対症療法や少量のマクロライド系抗菌薬の長期投与などが中心でしたが、新規の作用機序を有する内服薬として期待されていますよ~。
今回はブリヌスプリ(ブレンソカチブ)の作用機序とエビデンスについて解説していきます。
気管支拡張症とは
気管支拡張症は、気管支が不可逆的かつ異常に拡張してしまう慢性かつ進行性の呼吸器疾患です。
嚢胞性線維症という遺伝性疾患が原因で起こることもありますが、日本を含むアジアではCFによるものは非常に稀であり、ほとんどが非嚢胞性線維症性に分類されます。
健康な気管支は、粘液と線毛の働きによって、吸い込んだ細菌やホコリを外へ排出する自浄作用を持っています。
しかし、感染・炎症・肺組織の損傷などが原因で、気管支の構造が破壊されて拡張してしまうと、この自浄作用がうまく働かなくなってしまいます。

MSDマニュアル|気管支拡張症
その結果、気管支内に細菌が定着・増殖しやすくなり、以下のような悪循環を引き起こします。
- 気道感染(細菌の定着と増殖)
- 気道炎症(好中球の過剰な集積と活性化)
- 組織障害(プロテアーゼ等による気管支壁の破壊)
- 構造変化(気管支の異常拡張とクリアランス低下)
症状・病態
主な症状としては、慢性の咳嗽、過剰な喀痰生産、息切れ、繰り返す呼吸器感染などです。重症化すると呼吸機能が低下し、QOLの著しい低下を伴うこともあります。
また、気管支拡張症の気道では、炎症によって好中球が過剰に集積しています。
好中球は「好中球セリンプロテアーゼ(NSP)」と総称される酵素群を産生し、通常は細菌などを攻撃する目的で放出されます。
しかし、気管支拡張症では好中球の過剰な活性化によってNSPが過剰に放出され、細菌だけでなく自分自身の気道組織まで破壊してしまい、気管支拡張症をさらに悪化させてしまうのです。
NSPは好中球が骨髄内で成熟する過程で、DPP1(ジペプチジルペプチダーゼ1)によって活性化されて、成熟好中球の顆粒内に蓄積されます。

治療
これまで気管支拡張症に特異的な適応を持つ薬剤はなく、以下のような対症療法や抗菌薬の投与が中心でした。
- 気道クリアランス療法(去痰薬の使用や、痰を出しやすくする理学療法など)
- マクロライド系抗菌薬の少量長期投与
- 増悪時の吸入抗菌薬
特にマクロライドの少量長期投与は、抗菌作用というより「抗炎症作用」を期待して行われていますが、耐性菌の出現リスクなどの課題もありました。
ブリヌスプリ(ブレンソカチブ)の作用機序:DPP1阻害
ブリヌスプリは、国内初の可逆的なDPP1阻害薬です。1)
骨髄で好中球が成熟していく過程において、DPP1が阻害されることでNSPの活性化が抑制されます。その結果、成熟好中球の顆粒内には活性型のNSP量が少なくなり、組織破壊や炎症作用が抑制されると考えられます。

エビデンス紹介:ASPEN試験
根拠となった臨床試験(ASPEN試験)をご紹介します。2)
本試験は、過去1年間に2回以上の抗菌薬治療を要する増悪歴がある気管支拡張症の患者さんを対象に、ブリヌスプリ(10mgまたは25mg)群またはプラセボ群の有用性を検証した第Ⅲ相臨床試験です。
本試験の主要評価項目は「52週時点における肺増悪の年間発生率」とされ、結果は以下の通りでした。
| 試験群 | ブリヌスプリ 10mg群 |
ブリヌスプリ 25mg群 |
プラセボ群 |
| 肺増悪の年間発生回数 | 1.02 | 1.04 | 1.29 |
| プラセボに対する発生率比 | 0.79(95%CI:0.68~0.92) P=0.004 |
0.81(95%CI:0.69~0.94) P=0.005 |
- |
ブリヌスプリ群は、いずれの用量においてもプラセボと比較して年間増悪率を有意に減少させることが示されました!
副作用
正式承認後に更新予定です。
臨床試験では、主な副作用として上気道感染、頭痛、発疹、皮膚乾燥、過角化、高血圧などが報告されていました。
なお、DPP1遺伝子欠損であるPapillon-Lefevre症候群では、皮膚・歯周症状がみられることから、ブリヌスプリの作用機序的に同様の副作用に注意が必要だと考えられます。
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
臨床試験では、10mgまたは25mgを1日1回経口投与とされていましたが、国内では25mg製剤のみです。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
ブリヌスプリはこんな薬
- 国内初のDPP1阻害薬
- 骨髄で好中球セリンプロテアーゼ(NSP)の活性化を抑制する
- 1日1回経口投与
- 皮膚・歯周症状に注意が必要
これまで、非嚢胞性線維症性の気管支拡張症に対して特異的に承認された薬剤はなく、対症療法や少量のマクロライド系抗菌薬の長期投与などが中心でした。
以上、今回はブリヌスプリ(ブレンソカチブ)の作用機序とエビデンスについて解説しました!
参考論文・資料など
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