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厚労省は2014年、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がん」を効能効果とする「ジオトリフ錠(一般名:アファチニブ)」を承認しました。
ジオトリフは第二世代のEGFR阻害薬に分類されています。
今回は非小細胞肺がんとジオトリフ(アファチニブ)の作用機序についてご紹介します☆
非小細胞肺がんと治療について
肺がんは性質や薬の効き方によって“小細胞肺がん”と“非小細胞肺がん”に分類されています。
早期に発見できた場合、手術の適応になりますが、発見時に他の臓器に転移がある場合(StageⅣ)や再発してしまった場合、化学療法(抗がん剤や分子標的薬)の治療が中心となります。
非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)の初回化学療法(一次化学療法)は、がんの遺伝子状況(ドライバー遺伝子変異など)によって対応するチロシンキナーゼ阻害薬を使用します。
ドライバー遺伝子変異など | 初回化学療法例 |
EGFR遺伝子変異陽性 |
|
ALK融合遺伝子陽性 | |
ROS1融合遺伝子陽性 | |
BRAF遺伝子変異陽性 | |
MET遺伝子変異陽性 | |
RET融合遺伝子陽性 | |
遺伝子変異/転座陰性 (または不明) |
|
上記のうち、最も頻度が高いのがEGFR遺伝子変異陽性で、約半数を占めています。
EGFR遺伝子変異陽性の肺がんと治療薬
がん細胞が増殖するメカニズムは様々な仕組みが存在していますが、がん細胞はしばしば「EGFR」と呼ばれるタンパク質を発現していることあります。
因子であるEGFが、がん細胞のEGFRに結合すると、その刺激が細胞内を伝達(シグナル伝達)し、核内に刺激が届けられます。
核内まで刺激が伝達すると、増殖・活性化が促進され、がん細胞の増殖に繋がります。
ただし、因子であるEGFが存在しない場合、刺激が核に伝達しないため、がん細胞は増殖しません。
非小細胞肺がんの約半数の患者さんではEGFRの遺伝子に変異のあることが知られています。
これを「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん」と呼んでいます。
EGFR遺伝子変異陽性の場合、因子であるEGFが存在しないにも関わらず、恒常的にシグナル伝達が核へと伝達されています。
そのため、常にがん細胞は増殖が活性化されている状態です。
ジオトリフ(一般名:アファチニブ)の作用機序
ジオトリフは、EGFR遺伝子変異のあるEGFRを特異的に阻害する薬剤です!
EGFRを阻害することでシグナル伝達を阻害させ、がん細胞の増殖を抑制するといった作用機序を有しています。
EGFRはヒトの正常の細胞にも存在していますが、ジオトリフはがんの変異したEGFRを特異的に阻害するため、正常細胞には影響を及ぼしにくいといった特徴があります。
第一世代(イレッサ・タルセバ)のEGFR阻害薬との違い
ジオトリフは第二世代のEGFR阻害薬に分類されています。
第一世代(イレッサ・タルセバ)がEGFRを可逆的に阻害するのに対し、ジオトリフは非可逆的に阻害します。
イレッサとの直接比較試験において、治療効果はジオトリフで高い傾向にありましたので、EGFR阻害の強さはジオトリフの方が強いと考えられます。
しかしながら、副作用もジオトリフの方が高いと言われています。
ジオトリフの副作用
主な副作用は下痢、皮疹、爪囲炎、口内炎です。
イレッサやタルセバと比較しても上記の副作用の頻度が高いため、十分に注意する必要があります。
あとがき
EGFR阻害薬は現在の肺がん治療の中心的な薬剤です。
今後も様々な薬剤の開発や、新たな組み合わせ等が開発されていくと期待されています。
患者さんにとっては治療選択の幅が広がったのではないでしょうか。
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