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2022年12月23日、厚労省は新薬として8製品を承認しました。その他、既存薬の適応拡大等が10製品承認されていますね。
この他、2022年12月20日には再生医療等製品のCAR-T細胞療法の2製品も適応拡大されているため、併せてご紹介していきます。
新薬:8製品
●ネキソブリッド外用ゲル5g(一般名:パイナップル茎搾汁精製物)
:「深達性II度又はIII度熱傷における壊死組織の除去」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
壊死組織の主要な構成成分であるタンパク質を分解することで、正常組織を傷害せずに壊死組織を選択的に除去することが可能となります。
入院が必要な重症熱傷に対して、塗布してから4時間後に除去するといった使い方です。
●アリドネパッチ27.5mg、同パッチ55mg(一般名:ドネペジル)
:「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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アリドネパッチ(ドネペジル)の作用機序【アルツハイマー型認知症】
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ドネペジルでは初の経皮吸収型製剤の登場です!
類薬のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬では、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ(リバスチグミン)の経皮吸収型製剤がありますので、使い分けが気になるところでしょうか。
●ヴィアレブ配合持続皮下注(一般名:ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物)
:「レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤。
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ヴィアレブ配合持続皮下注(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)の作用機序【パーキンソン病】
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手術を必要とすることなく、血中濃度を一定に保ち、効果を持続させることが可能になります。
●タバリス錠100mg、同150mg(一般名:ホスタマチニブナトリウム水和物)
:「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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タバリス(ホスタマチニブ)の作用機序【ITP】
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脾臓マクロファージのチロシンキナーゼ(Syk)を選択的に阻害するといった新規作用機序を有している薬剤ですね。
●クレセンバカプセル100mg、同点滴静注用200mg(一般名:イサブコナゾニウム硫酸塩)
:「下記の真菌症の治療:▽アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)▽ムーコル症▽クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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クレセンバ(イサブコナゾニウム)の作用機序【真菌症】
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トリアゾール系の新規抗真菌薬ですね!
イサブコナゾニウムはイサブコナゾールのプロドラッグで、体内で速やかにイサブコナゾールに変換されます。
他のトリアゾール系と同様、真菌細胞膜の主構成成分のエルゴステロール生合成を阻害することで抗菌活性を示します。
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ノクサフィル(ポサコナゾール)の作用機序・特徴【真菌症】
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●アドトラーザ皮下注150mgシリンジ(一般名:トラロキヌマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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アドトラーザ皮下注(トラロキヌマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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IL-13はアトピー性皮膚炎以外にも関与しているので、今後の適応拡大も期待したいところです。
●イジュド点滴静注25mg、同点滴静注300mg(一般名:トレメリムマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」および「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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イジュド(トレメリムマブ)の作用機序【肺がん/肝がん】
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新規の抗CTLA-4抗体ですね。類薬としてはヤーボイ(イピリムマブ)があります。
イジュドは肺がんと肝細胞がんの一次治療において、イミフィンジ(デュルバルマブ)と併用して使用します。
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
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●リブタヨ点滴静注350mg(一般名:セミプリマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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リブタヨ(セミプリマブ)の作用機序【子宮頸がん】
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オプジーボ(ニボルマブ)とキイトルーダ(ペムブロリズマブ)に次ぐ、3製品目の抗PD-1抗体薬です!
プラチナ製剤既治療(アバスチンの有無を問わず)の子宮頸がんに対して、単剤で使用されます。
適応拡大・剤形追加等:10製品
●ラジカット内用懸濁液2.1%(一般名:エダラボン)
:「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
これまで、ラジカットは点滴静注製剤しかありませんでしたので、来院して投与するか、在宅訪問による投与のみでした。
今回、初の経口薬の登場ですので、利便性や通院頻度の軽減が期待できるのではないでしょうか。
●ガラフォルドカプセル123mg(一般名:ミガーラスタット塩酸塩)
:「ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病」を効能・効果とする新用量医薬品。
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ガラフォルド(ミガーラスタット)の作用機序と副作用【ファブリー病】
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現在は16歳以上に使用できますが、今回、12歳以上から使用可能となりました~。
●トレプロスト吸入液1.74mg(一般名:トレプロスチニル)
:「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
プロスタグランジン(PG)I2製剤に分類されていますね。トレプロストは注射剤しかありませんでしたが、今回、ネプライザーを用いた吸入剤が追加されました。
PGI2製剤では類薬のベンテイビス吸入液(イロプロスト)が既に吸入剤として使用されています。
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ベンテイビス吸入液(イロプロスト)の作用機序【肺動脈性高血圧症】
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●マイトマイシン眼科外用液用2mg(一般名:マイトマイシンC)
:「緑内障観血的手術における補助」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
マイトマイシン自体は血液腫瘍や固形がんで使用されていますが、眼科領域では初の適応です。
緑内障手術部位における術後の瘢痕化には「線維芽細胞」が関与していますが、マイトマイシンが線維芽細胞の増殖を抑制することで、房水流出路の閉塞を低減し、術後の低眼圧を維持する効果を有することが期待されています。
ちなみに、既に承認されて抗がん剤として使用されているマイトマイシン注射用は原薬製造過程において無菌性の確保に影響しうる事実が判明したため、自主回収されて、現時点で供給再開の目途が立っていません。
そのため、抗がん剤のマイトマイシンおよび、今回の眼科用外用剤としてのマイトマイシンは、インドのIntas社から導入しているとのことです。
協和キリン|眼科用外用マイトマイシン C 製剤の国内製造販売承認申請について
協和キリン|抗悪性腫瘍剤用途のマイトマイシン C 製剤の国内一部変更承認申請について
●イーケプラ点滴静注500mg(一般名:レベチラセタム)
:「てんかん重積状態」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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イーケプラ(レベチラセタム)の作用機序と副作用【てんかん】
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てんかん診療ガイドラインには、てんかん重積状態の第2段階の治療選択肢として既にイーケプラ点滴静注が掲載(保険適応外として)されていましたが、今回、正式に承認されました!
●スキャンドネストカートリッジ3%(一般名:メピバカイン塩酸塩)
:「歯科・口腔外科領域における伝達麻酔」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
既に「歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔」を効能・効果として承認されていましたが、「伝達麻酔」にも使用可能となります。それに伴い、効能・効果は「歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔」とされます。
●イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)
:「治癒切除不能な胆道がん」、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
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現在、一次治療の標準治療は、ゲムシタビン+シスプラチン(GC)療法ですが、それにイミフィンジを上乗せした3剤併用療法として使用します。
また、非小細胞肺がん・肝細胞がんについては、同日承認されているイジュド(トレメリムマブ)と併用して使用するため、イミフィンジも適応拡大されました。
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イジュド(トレメリムマブ)の作用機序【肺がん/肝がん】
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●イムブルビカカプセル140mg(一般名:イブルチニブ)
:「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能医薬品。
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イムブルビカ(イブルチニブ)の作用機序と副作用【CLL】
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イムブルビカはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬ですね。
同様の作用機序を有するBTK阻害薬のベレキシブル(チラブルチニブ)は、既に上記の効能・効果を有していますので、今後の使い分けが気になるところです。
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ベレキシブル(チラブルチニブ)の作用機序【悪性リンパ腫】
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●カルケンスカプセル100mg(一般名:アカラブルチニブ)
:「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫も含む)」を効能・効果とする新効能医薬品。
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カルケンス(アカラブルチニブ)の作用機序【CLL】
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●ガザイバ点滴静注1000mg(一般名:オビヌツズマブ(遺伝子組換え))
:「CD20 陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫も含む)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ガザイバ(オビヌツズマブ)の作用機序と副作用【悪性リンパ腫】
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カルケンスはBTK阻害薬、ガザイバは抗CD20抗体薬で、今回は慢性リンパ性白血病の一次治療として両薬剤の併用療法が承認されました。
慢性リンパ性白血病は希少疾病のため、なかなか治療開発が進みませんでしたが、近年は開発が加速している印象を受けますね!
再生医療等製品の適応拡大:2製品(2022年12月20日)
2022年12月20日には以下の再生医療等製品の適応拡大も承認されていました。
いずれも悪性リンパ腫の二次治療から使用可能となります(今までは三次治療以降のみ)。
●ブレヤンジ静注(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル)
:「再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」および「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」の二次治療として使用可能とする適応拡大。
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ブレヤンジ(リソカブタゲン マラルユーセル)の作用機序【DLBCL】
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●イエスカルタ点滴静注(一般名:アキシカブタゲン シロルユーセル)
:「再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」の二次治療として使用可能とする適応拡大。
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イエスカルタ(アキシカブタジン シロルーセル)の作用機序・特徴【DLBCL】
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あとがき
今回の注目は、レボドパ/カルビドパの初の皮下注製剤のヴィアレブ配合持続皮下注でしょうか。投与にあたっては専用の投与システムを使用するとのことですが、どのようなシステムか気になるところです。
その他、新たな免疫チェックポイント阻害薬の2製品も注目です。
- イジュド点滴静注:肺がんと肝細胞がんの一次治療において、イミフィンジ(デュルバルマブ)と併用
- リブタヨ点滴静注:子宮頸がんでは初の免疫チェックポイント阻害薬
また、イミフィンジは胆道がんの適応拡大により、一次治療から使用可能となりました。胆道がんの新薬としてはジェムザール(ゲムシタビン)の承認(2006年)以来だと思います!!
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
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以上、今回は2022年12月23日に承認された新薬や適応拡大等について概要をご紹介しました!
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