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2025年8月22日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて、新薬として10製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!
その他、報告のみで了承された11製品もあります。
今回、新規のバイオ後続品(BS:バイオシミラー)も3製品登場します。もうジェネリックが出てくる時期なんですね…シミジミ…。
ただ、いずれも適応症が先発品と異なりますので注意が必要です。
- ランマーク(デノスマブ):多発性骨髄腫のみ
- アクテムラ(トシリズマブ):関節リウマチなどの一部のみ
- シンポニー(ゴリムマブ):関節リウマチのみ

審議品目:10製品
●ゾフルーザ顆粒2%分包(一般名:バロキサビル マルボキシル)
:「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
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ゾフルーザ(バロキサビル)の作用機序・耐性:類薬との比較【インフルエンザ治療薬】
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これまで12歳未満の小児の体重20kg未満に対する顆粒剤の用量が設定されていませんでしたが、今回、10kg以上20kg未満は「顆粒1包」、10kg未満は「顆粒50mg/kg」が追加されました!

●ネフィー点鼻液1mg、同点鼻液2mg(一般名:アドレナリン)
:「蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
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ネフィー点鼻液(アドレナリン)の作用機序:エピペンとの違い【アナフィラキシー】
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これまで、アナフィラキシーに対するアドレナリン製剤は、筋注のエピペンが中心でした。
ネフィーは点鼻で簡便な投与のため、新たな治療選択肢として期待されていますね!
●リブロファズ配合皮下注(一般名:アミバンタマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんおよびEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新医療用配合剤。
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リブロファズ/ライブリバント(アミバンタマブ)の作用機序【肺がん】
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ライブリバント点滴静注の有効成分であるアミバンタマブと、ボルヒアルロニダーゼを配合して皮下注を可能にした新製剤です!

●テセントリク点滴静注840mg、同点滴静注1200mg(一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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テセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/肝がん】
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●ボラニゴ錠10mg、同錠40mg(一般名:ボラシデニブクエン酸水和物)
:「IDH1又はIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ボラニゴ(ボラシデニブ)の作用機序【神経膠腫】
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新規の変異型イソクエン酸脱水素酵素(IDH)阻害薬です。
類薬としては、血液領域で使用されているティブソボ(イボシデニブ)がありますね。
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ティブソボ(イボシデニブ)の作用機序【AML/胆道がん】
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●ヘルネクシオス錠60mg(一般名:ゾンゲルチニブ)
:「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ヘルネクシオス(ゾンゲルチニブ)の作用機序【HER2陽性肺がん】
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二次治療以降の使用が見込まれているため、類薬のエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)との使い分けが気になるところです。
●イブトロジーカプセル200mg(一般名:タレトレクチニブアジピン酸塩)
:「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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イブトロジー(タレトレクチニブ)の作用機序【ROS1陽性の肺がん】
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新規の経口ROS1阻害剤ですね。類薬としては、既に以下が承認されています。
●プルヴィクト静注(一般名:ルテチウムビピボチドテトラキセタン(177Lu))
:「PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●ロカメッツキット(一般名:ゴゼトチド)
:「PSMA標的療法の前立腺がん患者への適応判定の補助」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータ(塩化ガリウム(68Ga):「陽電子放出断層撮影(PET)イメージングのために承認された被標識用製剤のガリウム(68Ga)標識」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
プルヴィクトは、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的とした放射性リガンド療法(radioligand therapeutic:RLT)と呼ばれる治療です。

ロカメッツキットとガリアファームはPSMAの標識に用いるため、同日承認了承されています。
報告品目:11製品
●リブタヨ点滴静注350mg(一般名:セミプリマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新効能医薬品。
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リブタヨ(セミプリマブ)の作用機序【子宮頸がん/肺がん】
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リブタヨはこれまで子宮頸がんに使用されていましたが、今後は非小細胞肺がんにも使用可能となりますね!
●デノスマブBS皮下注120mgRM「F」(一般名:デノスマブ(遺伝子組換え)[デノスマブ後続1])
:「多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変」を効能・効果とするバイオ後続品。
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ランマーク(デノスマブ)の作用機序と副作用【がんの骨転移】
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抗RANKL抗体であるランマークの初のバイオ後続品です!!

●イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え))
:「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」、「膀胱がんにおける術前・術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】
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●①トシリズマブBS点滴静注80mg「CT」、②同点滴静注200mg「CT」、③同点滴静注400mg「CT」、④同皮下注162mgシリンジ「CT」、⑤同皮下注162mgオートインジェクター「CT」(一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続1])
:①②③→「既存治療で効果不十分な下記疾患、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎」、「キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見(C反応性タンパク高値、フィブリノーゲン高値、赤血球沈降速度亢進、ヘモグロビン低値、アルブミン低値、全身倦怠感)の改善。ただし、リンパ節の摘除が適応とならない患者に限る。」、「悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群」
④⑤→「既存治療で効果不十分な下記疾患、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」
を効能・効果とするバイオ後続品。

以下はアクテムラの解説記事ですが、BSは全ての適応を有しているわけではありませんので注意が必要です(例:新型コロナウイルス感染症の治療)
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アクテムラ(トシリズマブ)の作用機序【関節リウマチ】
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●ジビイ静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用3000(一般名:ダモクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え))
:「血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
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ジビイ(ダモクトコグ)の作用機序と副作用【血友病A】
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これまでは12歳以上に限定されていましたが、今回、7歳以上12歳未満の用量が追加されますね。
●テセントリク点滴静注840mg、同点滴静注1200mg(一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、「PD-L1陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」、「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」、「進展型小細胞肺がん」を効能・効果とする新用量医薬品。
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テセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/肝がん】
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これまで上記の適応症については、3週間隔投与のみでしたが、新たに4週間隔投与が追加されます。
●ルマケラス錠120mg(一般名:ソトラシブ):「がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●ベクティビックス点滴静注100mg、同点滴静注400mg(一般名:パニツムマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ルマケラス(ソトラシブ)の作用機序【KRAS変異陽性の肺がん/大腸がん】
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基本的には併用して使用されますね。
●ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg(一般名:ピルトブルチニブ)
:「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新効能医薬品。
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ジャイパーカ(ピルトブルチニブ)の作用機序【MCL/CLL】
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これまではマントル細胞リンパ腫(MCL)のみでしたが、今後は慢性リンパ性白血病(CLL)にも使用可能となります!
●ライアットMIBG-I 131静注(一般名:3-ヨードベンジルグアニジン(一般名:131I)):「MIBG集積陽性の神経芽腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。
●ゴリムマブBS皮下注50mgシリンジ「F」(一般名:ゴリムマブ(遺伝子組換え)[ゴリムマブ後続1])
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とするバイオ後続品。
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シンポニー(ゴリムマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
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シンポニーは、潰瘍性大腸炎にも適応を有していますが、BSは関節リウマチのみですので、注意が必要です。
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【関節リウマチ】生物学的製剤の作用機序・副作用・特徴のまとめ
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潰瘍性大腸炎に使用する生物学的製剤(抗体薬)の一覧表はこちら↓↓
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オンボー(ミリキズマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎/クローン病】
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あとがき
今回の注目は、アナフィラキシーショックに使用する初のアドレナリン点鼻薬であるネフィー点鼻液でしょうか。

以下の記事でネフィーとエピペンの比較について考察しています。
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ネフィー点鼻液(アドレナリン)の作用機序:エピペンとの違い【アナフィラキシー】
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その他、前立腺がん領域では初となる放射性リガンド療法(radioligand therapeutic:RLT)のプルヴィクト静注も注目です。
以上、今回は2025年8月22日の薬事審議会・医薬品第二部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました!
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