新薬承認・薬価収載

【新薬:薬価収載】2製品(2025年4月16日)

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2025年4月16日、新薬2製品が薬価収載されました!

 

直近の2025年3月19日収載時点では議題に挙がっていなかった2製品が対象となりましたね。

【新薬:薬価収載】11製品(2025年3月19日)

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なお、前回見送りになっていたバルバーサ錠(エルダフィチニブ)は、今回も見送られているようです。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
次回以降に期待ですね。

 

今回は薬価収載の新薬一覧とその算定根拠について紹介していきます!

 

2025年4月16日:薬価収載された2製品

2025年4月16日に薬価収載された新薬一覧は以下の通りです。

製品名
(一般名)
規格 薬価 効能・効果
(簡略)
イムデトラ
(タルラタマブ)
1mg1瓶
10mg1瓶
137,100円
1,326,870円
小細胞肺がん
アナエブリ
(ガラダシマブ)
200mg1.2mL1キット 3,037,716円 遺伝性血管性浮腫

 

画像はこちらです。>>高画質で表示

2025年4月16日:薬価収載された2製品

薬価の算定方法

各薬剤の薬価算定方法は2025年4月9日の中医協総会の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。

 

イムデトラ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ライブリバント) 【加算あり】

イムデトラは、非小細胞肺がんに使用する二重特異性抗体薬のライブリバント(アミバンタマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
イムデトラは小細胞肺がんに使用するのですが、同じ二重特異性抗体薬ということで類似薬になったんですかね。

 

また、有用性加算(Ⅰ)(A=45%)、市場性加算(Ⅰ)(A=15%) の対象でしたので、元の薬価を1.6倍し、さらに外国平均価格調整が行われて以下の薬価に決定しました。

  • ライブリバント点滴静注350mg:160,014円(1日薬価:38,099円)
  • イムデトラ点滴静注用1mg:137,100円
  • イムデトラ点滴静注用10mg:1,326,870円(1日薬価:94,776円) 

 

なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序である点などが評価されていますね。

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤はDLL3及びCD3の両者に結合する新規作用機序医薬品であること、標準治療法が確立されていない小細胞肺癌の3次治療以降の患者において一定の有効性が示されたこと、国内ガイドラインにおいて3次治療以降での使用が推奨されていることから、有用性加算(Ⅰ)(A=45%)を適用することが適当と判断した。
  • 市場性加算:本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。3次治療以降の患者数は限られる中、海外に大きく遅れることなく開発されたこと、国際共同治験の日本人の組入れ数等を踏まえ、加算率は15%が妥当である。

 

ピーク時の予測販売金額は247億円です(予測本剤投与患者数1.8千人)。

 

作用機序や特徴については、以下で解説しています。

イムデトラ(タルラタマブ)の作用機序【肺がん】

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アナエブリ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(タクザイロ)【加算あり】

アナエブリは、同じく遺伝性血管性浮腫に使用するタクザイロ(ラナデルマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、 有用性加算(Ⅱ)(A=5%)、小児加算(A=5%)の対象でしたので、元の薬価を1.1倍して以下の薬価に決定しました。

  • タクザイロ皮下注300mgシリンジ:1,288,729円(1日薬価:92,052円)
  • アナエブリ皮下注200mgペン:3,037,716円(1日薬価:101,257円)

 

なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序である点や有用性などが評価されていますね。

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤は活性化血液凝固第Ⅻ因子阻害作用を有する新規作用機序医薬品であり、臨床上の有用性が一定程度評価されていると考えられることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
  • 小児加算:本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。国際共同第Ⅲ相試験(3001試験)を実施したが、日本人小児被験者が組み入れられなかったことを踏まえ、加算率は5%が妥当である。

 

ピーク時の予測販売金額は84億円です(予測本剤投与患者数266人)。

 

以下の記事で、作用機序などについて解説しています。

アナエブリ(ガラダシマブ)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】

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あとがき

今回は2製品とも加算対象でした!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
いずれも新たな作用機序を有する新薬ですので、新たな治療選択肢として期待できるのではないでしょうか。

 

以上、今回は2025年4月16日に薬価収載された新薬2製品についてご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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