新薬承認・薬価収載

【新薬:薬価収載】12製品+再生医療等製品(2019年9月4日)

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2019年9月4日、新薬12製品と再生医療等製品のコラテジェンが薬価収載されました!

 

その他、タグリッソの市場拡大再算定による薬価引き下げが2019年11月1日に行われますのでその内容についても解説しています。

 

ちなみに前回、薬価収載が見送られていた鉄乏性貧血治療薬のフェインジェクト(カルボキシマルトース第二鉄)は今回も見送られているようです・・・。

フェインジェクト(カルボキシマルトース第二鉄)の作用機序・特徴【鉄乏性貧血】

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また、肺がん治療薬のポートラーザ(ネシツムマブ)も今回収載が見送られました。

ポートラーザ(ネシツムマブ)の作用機序と副作用【肺がん】

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今回は薬価収載の新薬一覧とその算定根拠についてご紹介します。

 

2019年9月4日:薬価収載の12製品

2019年9月4日に薬価収載された新薬一覧は以下の通りです。

製品名
(一般名)
規格 薬価 効能・効果
(簡略)
ミニリンメルト
(デスモプレシン酢酸塩)
25µg1錠
50µg1錠
59.50円
100.00円
夜間多尿
ヴァンフリタ
(キザルチニブ塩酸塩)
17.7mg1錠
26.5mg1錠
19,694.90円
26,582.10円
急性骨髄性白血病
ロズリートレク
(エヌトレクチニブ)
100mg1カプセル
200mg1カプセル
5,214.20円
9,889.90円
NTRK陽性の固形がん
オンパットロ
(パチシラン)
8.8mg4.4mL1瓶 986,097円 アミロイドポリニューロパチー
デファイテリオ
(デフィブロチド)
200mg2.5mL1瓶 53,108円 肝類洞閉塞症候群
ゾルトファイ配合注
(インスリン デグルデク/
リラグルチド)
1キット 5,293円 2型糖尿病
ユルトミリス
(ラブリズマブ)
300mg30mL1瓶 717,605円 発作性夜間ヘモグロビン尿症
ロナセンテープ
(ブロナンセリン)
20mg1枚
30mg1枚
40mg1枚
278.40円
401.30円
520.20円
統合失調症
アジマイシン点眼液 1%1mL 302.20円 結膜炎、眼瞼炎など
ビベスピエアロスフィア
(グリコピロニウム/
ホルモテロール )
28吸入 1キット 1,780.30円 COPD
ビレーズトリエアロスフィア
(ブデソニド/
グリコピロニウム/
ホルモテロール)
56吸入 1キット 4,074.80円 COPD
イナビル吸入懸濁用
(ラニナミビル)
160mg1瓶 4,164.40円 インフルエンザ感染症

 

薬価の算定方法

各薬剤の薬価算定方法は2019年8月28日の中医協の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。

 

ミニリンメルト:規格間調整

既存の60μg、120μg、240μg製剤と規格間調整が行われ、以下の薬価とされています。

 

  • ミニリンメルトOD錠25µg:59.50円
  • ミニリンメルトOD錠50µg:100.00円

 

なお、メーカーより、市場性加算(Ⅱ)の算式を準用する加算が希望されていましたが、以下の理由により却下されていますね。。

本剤は女性に対する効能がなく、また、本剤と同一の有効成分を60μg含有する製剤が薬価収載されているところ、50μgを通常の用量とした理由等が不明確であること等を踏まえると、加算に該当するほど高い医療上の有用性を有するとまでは言えない。

 

ピーク時の予測販売金額は20億円です。

 

ヴァンフリタ:類似薬効比較方式(Ⅰ) (ゾスパタ)

ヴァンフリタは同様の作用機序(FLT3阻害)を有するゾスパタ(ギルテリチニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ゾスパタ錠40mg 1錠:19,409.10円(1日薬価:58,227.30円)
  • ヴァンフリタ錠17.7mg:19,694.90円
  • ヴァンフリタ錠26.5mg:26,582.10円(1日薬価:53,164.20円) 

 

木元 貴祥
木元 貴祥
ヴァンフリタはゾスパタより少し適応の幅が狭いためか、若干1日薬価は安くなっていますね。

 

ピーク時の予測販売金額は5.7億円です。

 

ヴァンフリタとゾスパタの違い・比較については以下の記事で解説していますのでご確認ください。

ヴァンフリタ(キザルチニブ)の作用機序:ゾスパタとの違い・比較【AML】

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ロズリートレク:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ザーコリ)【加算あり】

ロズリートレクは国内初のTRK阻害剤に分類されていますが、同時にROS1阻害作用も有することから、同阻害作用を有するザーコリ(クリゾチニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)先駆け審査指定制度加算(A=10%)が加算されていますね!加算前の薬価は200mg 1カプセル8,241.60円でしたが加算(×1.2)され、9,889.90円とされています。

 

  • ザーコリカプセル250mg:12,362.40円(1日薬価:24,724.80円)
  • ロズリートレクカプセル100mg:5,214.20円
  • ロズリートレクカプセル200mg:9,889.90円(1日薬価:29,669.70円)

 

木元 貴祥
木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。新規の作用機序である点と世界に先駆けて承認された点ですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本剤はTRKを阻害する新規作用機序医薬品である。また、本剤は、標準的治療法が存在しない乳腺分泌がん等の患者のうち、NTRK融合遺伝子が陽性の患者で一定の奏効率が見られたことから、臨床上有用な新規作用機序を有する医薬品であり、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した。
  • 先駆け審査指定制度加算:本剤は、新規の作用機序を有し、世界に先駆けて日本で承認されたものである一方で、「日本における承認事項の基礎となった臨床試験」に該当する中核的な探索的試験において、安全性の解析対象とされた日本人患者は16例と限られていることから、限定的な評価とした。

 

ピーク時の予測販売金額は11.7億円です。

 

作用機序とエビデンス、今後適応拡大が期待されるROS1阻害作用についても解説しています。

ロズリートレク(エヌトレクチニブ)の作用機序【NTRK陽性の固形がん/ROS1陽性の肺がん】

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オンパットロ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ビンダケル)【加算あり】

オンパットロは、同じくトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーに使用されるビンダケル(タファミジスメグルミン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、有用性加算(Ⅰ)(A=40%)が加算されています!40%はすごい!

加算前は1瓶で704,355円でしたが、加算(×1.4)され、986,097円とされました。

 

  • ビンダケルカプセル20mg:57,171.70円(1日薬価:57,171.70円)
  • オンパットロ点滴静注2mg/mL(8.8mg 1瓶):986,097円(1日薬価:80,040円)

 

木元 貴祥
木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。国内初のsiRNA医薬品という点が大きいですね!他疾患にも期待大です!

 

有用性加算の根拠

  • 本邦で初めてのsiRNAの核酸医薬品であり、既存の薬剤とは全く異なる新規の薬理作用を有すると認められる。
  • 既存治療薬と異なり、遺伝子変異型や疾患の進行程度などに左右されることなく、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者への有効性が示されている。
  • 以上より、有用性加算(Ⅰ)A=40%が妥当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は89億円です。

 

siRNAやオンパットロの作用機序・エビデンスについては下記記事で解説しています。

オンパットロ(パチシラン)の作用機序・siRNAの特徴【TTR-FAP】

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デファイテリオ:原価計算方式【加算あり】

デファイテリオは同様の効能・効果や作用機序を有する類薬がないため、原価計算方式で算定されています。

また、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)市場性加算(A=10%)が加算されていますね!しかしながら、製造総原価の開示度が低かったためか、加算係数0.2を乗じて、最終的には20%×0.2=4%の加算とされています。

 

以上より、加算前の薬価は51,065円でしたが、4%上乗せ(×1.04)した53,108円とされています。

  • デファイテリオ静注200mg:53,108円

 

加算の根拠

  • 有用性加算:本邦においては肝類洞閉塞症候群の治療を効能・効果として承認されている薬剤はないこと、海外の診療ガイドラインにおいて本剤が標準的治療法として推奨されていることから治療方法の改善が示されていると判断し、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した。
  • 市場性加算:本剤は希少疾病用医薬品の指定を受けていることから加算の要件を満たす。ただし、症例数が限られて市場規模が小さいことは原価計算方式の計算の中で価格に反映されていることを踏まえて、限定的な評価とした。

 

ピーク時の予測販売金額は23.6億円です。

 

ゾルトファイ配合注:新医療用配合剤の特例(トレシーバ/ビクトーザ)

ゾルトファイ配合注は自社の既存製品であるトレシーバ(インスリン デグルデク)とビクトーザ(リラグルチド)の配合剤です。

そのため、原価計算方式新医療用配合剤の特例「自社品の薬価の合計の0.8倍」により算定されています。

 

キット特徴部分の原材料費を考慮し、最終的には以下の薬価ですね。

  • トレシーバ注フレックスタッチ:2,502円(1日薬価:667円)
  • ビクトーザ皮下注18mg:10,245円(1日薬価:512円)
  • ゾルトファイ配合注フレックスタッチ:5,293円(1日薬価:882円)

 

ピーク時の予測販売金額は62億円です。

 

作用機序やエビデンスについては以下の記事で解説しています。

ゾルトファイ配合注(インスリンデグルデク/リラグルチド)の作用機序【糖尿病】

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ユルトミリス:類似薬効比較方式(Ⅰ) (ソリリス)【加算あり】

ユルトミリスは同じく発作性夜間ヘモグロビン尿症に使用され、同様の作用機序(抗C5抗体)を有したソリリス(エクリズマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、元々の薬価は683,433円でしたが、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)が加算(×1.05)され、 717,605円とされました。

  • ソリリス点滴静注300mg 1瓶:593,721円(1日薬価:127,226円)
  • ユルトミリス点滴静注300mg 1瓶:717,605円(1日薬価:133,587円)

 

木元 貴祥
木元 貴祥
なお、有用性加算の根拠は以下とされています!投与頻度が大幅に低下したためですね。

 

有用性加算の根拠

  • ソリリスと比較して注射の頻度が4分の1となって患者負担の軽減につながる。(ユルトミリスは8週毎、ソリリスは2週毎)

 

ピーク時の予測販売金額は331億円です。

 

作用機序やエビデンス、ソリリスとの違いにについては下記記事をご参照ください。

ユルトミリス(ラブリズマブ)の作用機序:ソリリスとの違い【PNH】

続きを見る

 

ロナセンテープ:類似薬効比較方式(Ⅰ)

ロナセンテープは既に錠剤(ロナセン錠)がありますのでその1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ロナセンテープ20mg:278.40円
  • ロナセンテープ30mg:401.30円
  • ロナセンテープ40mg:520.20円

 

ピーク時の予測販売金額は66億円です。

 

アジマイシン点眼液:類似薬効比較方式(Ⅰ)(トブラシン)【加算あり】

アジマイシン点眼液は同じく点眼で使用し、同様の作用機序を有するトブラシン点眼液の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

小児加算が5%加算され、最終的な薬価は以下の通りです。

  • トブラシン点眼液0.3%:37.00円(1日薬価:18.50円)
  • アジマイシン点眼液1%:302.20円(1日薬価:19.40円)

 

小児加算の根拠

  • 本剤は、小児に係る用法・用量が明示的に含まれていること、比較薬は小児加算を受けていないことから、加算の要件に該当する。
  • 加算率については、国内臨床試験で7歳未満の小児が組み入れられておらず、これらの患者への投与は不適切と評価されていること等から、5%が妥当であると判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は15.7億円です。

 

ビベスピ:新医療用配合剤の特例(シーブリ/オーキシス)

ビベスピはシーブリ(グリコピロニウム)とオーキシス(ホルモテロール)の配合剤です。

そのため、原価計算方式新医療用配合剤の特例「自社品の薬価と最も高い他社品の薬価の合計の0.8倍」により算定されています。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
シーブリは他社(ノバルティスファーマ)、オーキシスは自社(アストラゼネカ)ですね。

 

  • シーブリ吸入用カプセル50μg:194.10円(1日薬価:194.10円)
  • オーキシス9μgタービュヘイラー60吸入:3,419.60円(1日薬価:114.00円)
  • ビベスピエアロスフィア28吸入1キット:1,780.30円(1日薬価:254.30円)

 

なお、120吸入は薬価未収載です。長期処方解禁後に収載されるとのこと。

 

ピーク時の予測販売金額は23億円です。

 

LAMA+LABAの配合剤としては4製品目ですので、各薬剤との比較表等について以下の記事で解説しています。

ビベスピ(LAMA/LABA)の作用機序:ウルティブロ、アノーロとの違い・比較【COPD】

続きを見る

 

ビレーズトリ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(テリルジー)

ビレーズトリは同じくCOPDに使用するICS+LABA+LAMAの3剤配合剤のテリルジー吸入用の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

特に加算はなく、キット特徴部分の原材料費を考慮して以下の薬価とされています。

  • テリルジー100エリプタ30吸入用:8,692.80円(1日薬価:289.80円)
  • ビレーズトリエアロスフィア56吸入:4,074.80円(1日薬価:291.10円)

 

なお、120吸入は薬価未収載です。長期処方解禁後に収載されるとのこと。

 

ピーク時の予測販売金額は189億円です。

 

作用機序やエビデンス、テリルジーとの違いについては下記記事をご参照ください。

ビレーズトリ(LAMA/LABA/ICS)の作用機序【COPD】

続きを見る

 

イナビル吸入懸濁用:類似薬効比較方式(Ⅰ) (イナビル吸入粉末剤)

イナビル吸入懸濁用はネブライザーを使用して自発呼吸で吸入できる製剤です。有効成分はイナビル吸入粉末剤と同じですので類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定されています。

 

  • イナビル吸入粉末剤20mg:2,139.90円(1日薬価:4,279.80円)
  • イナビル吸入懸濁用160mgセット:4,164.40円(1日薬価:4,164.40円)

 

ピーク時の予測販売金額は31億円です。

 

ノイラミニダーゼ阻害薬の作用機序や一覧表については以下の記事に掲載していますので是非ご確認ください。

【インフルエンザ】ノイラミニダーゼ阻害薬の作用機序と一覧表

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再生医療等製品の保険償還価格の算定:コラテジェン

2019年8月28日の中医協総会では再生医療等製品のコラテジェン筋注用(一般名:ベペルミノゲン ペルプラスミド)の保険償還価格の算定も行われていました。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
再生医療等製品の保険償還は「医薬品として」か「医療機器として」かは個別に判断されています。

 

○ 再生医療等製品の保険適用に関する当面の間の対応

  • 薬事法改正後に承認(条件・期限付承認を含む。)された再生医療等製品については、保険適用の希望のあった個別の製品の特性を踏まえ、医薬品の例により対応するか、医療機器の例により対応するかを、薬事承認の結果を踏まえて判断
  • 薬価算定組織又は保険医療材料専門組織で償還価格について検討
  • 上記検討の結果を踏まえ、中医協総会で薬価基準又は材料価格基準に収載するかを審議

【出典】中央社会保険医療協議会 総会(第285回) 議事次第  総-2-1

 

コラテジェンも同様に検討された結果、2019年3月27日の中央社会保険医療協議会 総会(第411回)にて医薬品として薬価収載されることが了承されています。

 

さて、コラテジェンは類薬がないため、原価計算方式で算定されました。特に加算もなく、製造総原価の開示度に応じた係数もなかったため、以下の薬価に決定しています。

 

  • コラテジェン筋注用(4mg1 瓶):600,360円

 

ピーク時の予測販売金額は12億円です。

 

ユニークな作用機序で、特徴・エビデンスについては以下の記事で解説していますので是非ご覧ください。

コラテジェン(ベペルミノゲン ペルプラスミド)の作用機序【重症虚血肢】

続きを見る

 

タグリッソの市場拡大再算定:2019年11月1日より

市場拡大再算定とは、

2年度目以降の予想販売額が一定額(原価計算方式で算定された品目では100億円以上、それ以外では15億円以上)を超える医薬品について、一定規模以上の市場拡大のあった場合、新薬収載の機会(年4回)を活用して、薬価を見直す制度

とされています。

 

今回タグリッソ錠は「年間販売額が 350 億円超かつ、基準年間販売額の2倍超という要件に該当」と判断され、市場拡大再算定の対象となったようです。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
元々は非小細胞肺がんの二次治療として承認・販売されましたが、その後、一次治療(初回治療)でも使用可能となったことから販売額が跳ね上がっているんですね。

 

その結果、2019年11月1日より、現在販売されているタグリッソ錠の薬価は以下に減額されます。

  • タグリッソ錠 40mg 1錠:12,713.70円 ⇒ 1錠:10,806.60円
  • タグリッソ錠 80mg 1錠:24,375.80円 ⇒ 1錠:20,719.40円

 

これは妥当な判断かと思います。タグリッソについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

タグリッソ(オシメルチニブ)の作用機序と副作用【肺がん】

続きを見る

 

あとがき

今回は加算ありの新薬は少ない印象ですが、その中でも新規作用機序を有する以下の薬剤には注目ですね!

 

また前回の中医協では見送りとされていたコラテジェン(ベペルミノゲン ペルプラスミド)がようやく薬価収載されます!

コラテジェン(ベペルミノゲン ペルプラスミド)の作用機序【重症虚血肢】

続きを見る

 

木元 貴祥
木元 貴祥
世界初の遺伝子治療用製品で非常にユニークな作用機序を有していますので、今後、他疾患への応用も期待できます。

 

なお、今回の中医協総会で見送られてたフェインジェクトとポートラーザは次回(2019年11月頃)でしょうか・・・?

 

フェインジェクトの紹介記事はこちら

フェインジェクト(カルボキシマルトース第二鉄)の作用機序・特徴【鉄乏性貧血】

続きを見る

 

ポートラーザの紹介記事はこちら

ポートラーザ(ネシツムマブ)の作用機序と副作用【肺がん】

続きを見る

 

以上、今回は2019年9月4日に薬価収載された新薬一覧、そして再生医療等製品のコラテジェンや、タグリッソの薬価引き下げ等についてご紹介しました!

 

 

 

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木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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