新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】7製品+8製品(2026年3月2日)

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2026年3月2日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて、新薬として7製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!

その他、報告のみで了承された8製品もあります。

 

ゾレア(オマリズマブ)の初のバイオ後続品(バイオシミラー)も登場予定です。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今回は承認了承された新薬等の概要について紹介しています。

 

審議品目:7製品

●ミムリット皮下注用(一般名:乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチン)
:「麻しん、おたふくかぜ及び風しんの予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。

 

これまでの2種混合ワクチン(MRワクチン)に、おたふくかぜワクチン株を配合した3種混合生ワクチン(NMRワクチン)です!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
接種回数が減ることで、負担軽減が期待されていますね。

 

過去(1989年頃)にはMMRワクチンが定期接種されていましたが、おたふくかぜワクチンによる無菌性髄膜炎の発生があったため、事実上の中止とされていました。

 

今回、ミムリットの臨床試験では無菌性髄膜炎の発生は認められず、海外でもおたふくかぜワクチンの使用実績があることからリスク・ベネフィットを勘案して今回承認了承の流れとなったようです。

 

●ゾコーバ錠125mg(一般名:エンシトレルビル フマル酸)
:「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新効能医薬品。

新型コロナウイルス感染症
ゾコーバ錠(エンシトレルビル)の作用機序【COVID-19】

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これまでは治療薬としてのみ承認されていましたが、今後は予防に対しても使用可能となります!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
恐らく、インフルエンザと同様、予防は原則として保険適用外(全額自己負担)になると予想します。

 

●イドビンソ配合錠(一般名:ドラビリン/イスラトラビル水和物)
:「HIV-1感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。

イドビンソ配合錠(ドラビリン/イスラトラビル)の作用機序【HIV】

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新規のヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(NRTTI)に、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)のピフェルトロ錠(ドラビリン)を配合した薬剤ですね。

 

既存のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)よりも、強力に逆転写酵素を阻害することから、耐性が生じにくいことが期待されていますよ。

 

●デュピクセント皮下注300mgシリンジ、同皮下注300mgペン(一般名:デュピルマブ(遺伝子組換え))
:「中等症から重症の水疱性類天疱瘡」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

デュピクセント(デュピルマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎/気管支喘息/副鼻腔炎】

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これまでは気管支喘息やアトピー性皮膚炎、COPDなどに使用されていましたが、今後は水疱性類天疱瘡にも使用可能となります!

 

●エンハーツ点滴静注用100mg(一般名:トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え))
:「HER2陽性の進行・再発の固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果とする新効能医薬品。

エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)の作用機序【乳/胃/肺がん】

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HER2陽性の固形がんに対する初の臓器横断的な承認です!!すごい!!!

 

胆道がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、膵臓がん等ではHER2陽性がしばしば認められるものの、国内で使用可能な抗HER2療法はありませんでしたので、新たな治療選択肢として期待できますね。

 

●ニュベクオ錠300mg(一般名:ダロルタミド)
:「アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ニュベクオ(ダロルタミド)の作用機序・類薬との違い【前立腺がん】

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これまで、アンドロゲン受容体陽性の唾液腺がんで承認されている薬剤はありませんでしたので、ニュベクオが初となります!

 

●ハイツエキシン錠10mg(一般名:リソバリシブメシル酸塩水和物)
:「がん化学療法後に増悪したPIK3CA遺伝子変異を有する卵巣明細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

卵巣明細胞がんは、卵巣がんの中でも抗がん剤が効きづらく予後不良とされています。

 

また、卵巣明細胞がんはPIK3CA遺伝子変異が高頻度であることが知られているため、ハイツエキシンはそこで活性化しているPI3Kαを選択的に阻害する薬剤です。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
PI3K阻害薬は国内初ですね。

 

報告品目:8製品

●①トシリズマブBS点滴静注80mg「MA」、②同BS点滴静注200mg「MA」、③同BS点滴静注400mg「MA」、④同BS皮下注162mgシリンジ「MA」、⑤同BS皮下注162mgオートインジェクター「MA」(一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続2])
:「①②③:▽既存治療で効果不十分な下記疾患:関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎、▽キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見(C反応性タンパク高値、フィブリノーゲン高値、赤血球沈降速度亢進、ヘモグロビン低値、アルブミン低値、全身倦怠感)の改善。ただし、リンパ節の摘除が適応とならない患者に限る。▽悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群、▽SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素投与を要する患者に限る)、④⑤:▽既存治療で効果不十分な下記疾患:関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とするバイオ後続品。

 

アクテムラ(トシリズマブ)のバイオ後続品ですね。

 

承認されれば、トシリズマブBS「CT」に続く2製品目のバイオ後続品となります。

 

●トロデルビ点滴静注用200mg(一般名:サシツズマブ ゴビテカン(遺伝子組換え))
:「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果とする新効能医薬品。

トロデルビ(サシツズマブ ゴビテカン)の作用機序【乳がん】

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これまではトリプルネガティブ乳がんに対して使用されていましたが、今後はるホルモン受容体陽性かつHER2陰性乳がんにも使用可能となりますね。

 

●①ターゼナカプセル0.25mg、②同カプセル0.1mg(一般名:タラゾパリブトシル酸塩)
:「遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする①新効能・新用量医薬品、②新効能医薬品。

ターゼナ(タラゾパリブ)の作用機序:リムパーザ、ゼジューラとの違い【乳/前立腺がん】

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現在、前立腺がんに関しては「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」の適応を有していますが、今後はBRCA遺伝子の変異に関わらず使用可能となります!

 

●オマリズマブBS皮下注75mgシリンジ「CT」、同BS皮下注150mgシリンジ「CT」、同 BS皮下注75mgペン「CT」、同BS皮下注150mgペン「CT」(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え)[オマリズマブ後続1])
:「▽気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)、▽季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)、▽特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を効能・効果とするバイオ後続品。

ゾレア(オマリズマブ)の作用機序【慢性蕁麻疹・アレルギー性鼻炎】

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木元 貴祥
木元 貴祥
ゾレアの初のバイオ後続品(バイオシミラー)ですね!!

 

効能・効果は先発品と同じとなる見込みです。

 

●パキロビッドパック300、同パック600(一般名:ニルマトレルビル)
:「SARS-CoV-2による感染症(小児用量の追加)」を効能・効果とする新用量医薬品。

パキロビッド(ニルマトレルビル/リトナビル)の作用機序・特徴【COVID-19】

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現在、小児適応については「12歳以上かつ体重40kg以上」ですが、今後は「6歳以上かつ体重20kg以上」に範囲が拡大されます!

 

●ルンスミオ皮下注5mg、同皮下注45mg(一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え))
:「▽以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、▽再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●ポライビー点滴静注用30mg、同点滴静注用140mg(一般名:ポラツズマブベドチン(遺伝子組換え))
:「▽以下の大細胞型B細胞リンパ腫:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、▽再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ルンスミオ(モスネツズマブ)の作用機序【悪性リンパ腫】

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ポライビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序・特徴【DLBCL】

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ルンスミオは抗CD20/CD3二重特異性抗体、ポライビーは微小管阻害薬結合抗CD79b抗体(ADC)に分類されていますが、上記の適応症に対して併用療法を可能とする適応拡大ですね。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
二重特異性抗体とADCの併用は初だと思います…!

 

●フィブリノゲンHT静注用1g「JB」(一般名:乾燥人フィブリノゲン)
:「心臓血管外科手術における出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

あとがき

今回の注目は、

などでしょうか。

 

以上、今回は2026年3月2日の薬事審議会・医薬品第二部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました!

 

 

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木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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