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2026年3月2日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて「HIV感染症」を効能・効果とするイドビンソ配合錠(ドラビリン/イスラトラビル)が承認了承されました!
MSD|申請のニュースリリース
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
| 製品名 | イドビンソ配合錠 |
| 一般名 | ●ドラビリン ●イスラトラビル水和物 |
| 製造販売元 | MSD(株) |
| 効能・効果 | HIV感染症 |
| 用法・用量 | 通常、成人には、1回1錠(ドラビリンとして100mg及びイスラトラビルとして0.25mgを含有)を 1日1回経口投与する。本剤は食事の有無にかかわらず投与できる。 |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
配合されているイスラトラビルは、新規のヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(NRTTI)です。
ドラビリンは既に承認・販売されている非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)のピフェルトロ錠です。
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ピフェルトロ(ドラビリン)の作用機序・特徴【HIV】
続きを見る
今回はHIV感染症とイドビンソ配合錠の作用機序などについてご紹介します。
AIDSとHIV
正式名称は「後天性免疫不全症候群(Acquired immune deficiency syndrome:AIDS)」と呼ばれ、体内の免疫細胞が破壊されて後天的に免疫不全を引き起こす疾患です。
AIDSを引き起こす原因とされているウイルスが「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」です。
HIVに感染して数年の潜伏期間(無症状)を経た後にAIDSが発症すると言われています。
AIDSを発症すると全身倦怠感、体重の急激な減少、咳、発熱、発疹、といった風邪のような症状を呈します。
その後、普通では感染しないような日和見感染症(例:ニューモシスチス肺炎、カポジ肉腫、サイトメガロウイルス感染症)を合併し、生命に危機を及ぼします。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染と増殖メカニズム
HIVの感染経路には以下の3つが知られています。
- 性的感染
- 血液感染
- 母子感染
HIVは一本鎖RNAを持つレトロウイルスで、単体では増殖できません。従って、ヒト等の動物の細胞内に感染して増殖を行います。
HIVの構造と吸着・膜融合・脱殻
HIVはエンベロープと呼ばれる外膜の中にカプシドがあり、その中にRNAが封入された構造を有しています。

HIVがヒト細胞に感染すると、
- 吸着
- 膜融合
- 脱殻
というプロセスを経てヒト細胞内にウイルスRNAが放出されます。

ウイルスRNAの逆転写
ヒトの細胞内に放出されたウイルスRNAは「逆転写酵素」と呼ばれるウイルス酵素によって二本鎖DNAが合成されます。
合成されたウイルス二本鎖DNAはヒト細胞の核内へと運ばれていきます。

ヒトDNAへの組み込み(インテグラーゼ)とタンパク質合成(プロテアーゼ)
核内に運ばれたウイルスDNAは、そのままでは複製や転写・翻訳ができません。
そのためウイルスDNAは「インテグラーゼ」と呼ばれるウイルス酵素によって、ヒトDNAの中にウイルスDNAを組み込みます。
ウイルスDNAがヒトDNAに組み込まれることで、HIVに感染したヒト細胞が増殖する際にはウイルスDNAも一緒に増殖していってしまいます。
そしてウイルスDNAの遺伝情報を元に、転写・翻訳が行われ、ウイルスに必要なタンパク質も勝手に合成されていってしまいます。

合成されたタンパク質は「プロテアーゼ」と呼ばれる酵素によって適切な大きさに切断され、HIVの増殖が完了します。
HIV感染症の治療
HIV感染症は早期に行うことで、AIDSの発症までの期間を延長することができます。
ただし、HIVを完治させることは現代医学では難しいとされています。
主に使用される薬剤には以下の種類があり、これらを適宜併用した多剤併用療法が基本です。1)
- ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)
- 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)
- プロテアーゼ阻害剤(PI)
- 膜融合阻害剤
- インテグラーゼ阻害剤(INSTI)
今回ご紹介するイドビンソ配合錠は、広義のNRTIのイスラトラビルと、NNRTIのドラビリンを配合した薬剤です。
なお、イスラトラビルは、既存のNRTIとは少し異なり、逆転写酵素のトランスロケーションも阻害するヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(NRTTI)に分類されているようです。
治療の組み合わせ方としては、HIV抑制効果が強い「キードラッグ」と、キードラッグを補足してHIV抑制効果を高める働きのある「バックボーン」を併用します。
従って、初回治療の組み合わせとしては、以下のいずれかが患者さんの適正(服用率を100%に近づけることを最優先)に併せて推奨されています。1)
- NRTI×2剤+INSTI×1剤
- NRTI×1剤+INSTI×1剤
- NRTI×2剤+PI×1剤+リトナビル(PI)
- NRTI×2剤+NNRTI×1剤
今回ご紹介するイドビンソ配合錠は、上記のいずれにも該当しませんが、既存の経口剤にてウイルス学的に抑制されている場合に切り替えて使用または、初回治療から使用可能となる見込みです。
治療ラインについては、正式承認後に更新します。
これらの多剤併用療法を原則、一生涯行うことでAIDSで死亡することはほとんど無くなったと言われています。
イドビンソ配合錠(ドラビリン/イスラトラビル)作用機序・特徴
逆転写酵素阻害剤には「核酸系(ヌクレオシド系)」と「非核酸系(非ヌクレオシド系)」があり、イドビンソ配合錠は両方を配合した薬剤です。
前述のウイルスの逆転写酵素を阻害することで、二本鎖DNAが合成できなくなり、その後の反応が全てストップします。

これまでのNRTIは、逆転写酵素が阻害されたとしても、逆転写酵素のトランスロケーション(鋳型RNAの上を1ステップ分だけ飛ばして移動)によって、耐性獲得が引き起こされると考えられていました。
イスラトラビルは、逆転写酵素のトランスロケーションも阻害することで、NRTIよりも低用量で作用が期待でき、かつ耐性が生じにくいことが期待されています!2)
エビデンス紹介:MK-8591A-052試験、MK-8591A-053試験
主な根拠とされた臨床試験には以下の第Ⅲ相試験があります。
- MK-8591A-052試験:ビクタルビ配合錠(BIC/FTC/TAF)でウイルス学的抑制が得られているHIV患者さんを対象に、ビクタルビ配合錠の継続または、イドビンソ配合錠の切り替えを比較3)
- MK-8591A-053試験:未治療のHIV患者さんを対象に、ビクタルビ配合錠とイドビンソ配合錠を比較4)
今回は代表として未治療のHIV患者さんを対象に、ビクタルビ配合錠に対するイドビンソ配合錠の非劣性を検証したMK-8591A-053試験の結果を示します。4)
本試験の主要評価項目は「投与48週時のHIV-1のRNA量が50コピー/mL未満の割合」とされ、非劣性マージンは-10%とされていました。
| 試験群 | ビクタルビ配合錠 | イドビンソ配合錠 |
| 投与48週時のHIV-1のRNA量が 50コピー/mL未満の割合 |
90.6% | 91.8% |
| 群間差:1.2%(95%CI:-3.7%~6.2%) 非劣性が証明 |
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副作用
後日更新予定です。
前述の臨床試験では、体重増加、頭痛、めまいなどが報告されていました。
用法・用量
通常、成人には、1回1錠(ドラビリンとして100mg及びイスラトラビルとして0.25mgを含有)を1日1回経口投与します。
なお、本剤は食事の有無にかかわらず投与可能です。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
イドビンソ配合錠はこんな薬
- ヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(NRTTI)のイスラトラビルを配合
- 既存のNRTIよりも耐性を生じにくいことが期待
- 1日1回の経口投与
HIV治療薬は現在多数の配合錠が承認・販売されています。
最近では、多剤耐性HIV-1感染症に対して半年の投与で治療可能なシュンレンカ皮下注/錠(レナカパビル)や、HIVで初の注射剤による治療薬のボカブリア水懸筋注/リカムビス水懸筋注などがあります。
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ボカブリア/リカムビス(カボテグラビル/リルピビリン)の作用機序【HIV】
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以上、今回はHIVとイドビンソ配合錠(ドラビリン/イスラトラビル)の作用機序についてご紹介しました。
引用文献・資料等
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