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2026年3月2日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて「卵巣明細胞がん」を対象疾患とするハイツエキシン錠(リソバリシブ)の承認が了承されました!
海和製薬|申請のニュースリリース
基本情報
| 製品名 | ハイツエキシン錠10mg |
| 一般名 | リソバリシブメシル酸塩水和物 |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | 製造販売:海和製薬(株) 販売:大鵬薬品工業(株) |
| 効能・効果 | がん化学療法後に増悪したPIK3CA遺伝子変異を有する卵巣明細胞がん |
| 用法・用量 | |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
ハイツエキシンは、国内初のPI3Kα(Phosphoinositide 3-Kinase Alpha)阻害剤ですね!
今回は卵巣がんとハイツエキシン(リソバリシブ)の作用機序についてご紹介します。
卵巣がんと治療
卵巣がんは、卵巣に発生するがんです。
新たに診断される人数は、1年間に10万人あたり14.3人と言われています。
また、40歳代から増加を始め、50歳代前半から60歳代前半でピークを迎え、その後は次第に減少します。
卵巣がんの約10%は遺伝的要因によるものと考えられており、相同組換え修復異常(HRD:homologous recombination deficiency)の中でもBRCA遺伝子変異があると、発症する危険性を高めることがわかっています。
参考:BRCAは“ビーアールシーエーと読みます。
また、卵巣がんは以下の主な組織型に分類されますが、多くは漿液性がんです。1-2)
- 漿液性がん
- 明細胞がん
- 類内膜がん
- 粘液性がん
特に、明細胞がんは抗がん剤の感受性が低く、予後不良とされていて、PIK3CA遺伝子変異が高頻度に認められます。
PIK3CA遺伝子に変異があると、増殖因子がなくてもPI3Kα(Phosphoinositide 3-Kinase Alpha)などの増殖シグナル(PI3K-AKT-mTOR経路)が恒常的に活性化し、がん細胞の増殖が促進されてしまいます。

初期治療
卵巣がん治療の基本は手術です。1)
まずは手術によって、がんの拡がり具合を確認するとともに、がんを手術で取り除きます。
術後には白金(プラチナ)系薬剤のカルボプラチンと、タキサン系薬剤のパクリタキセルを併用した抗がん剤治療を4~5か月程行うのが一般的です。
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タキソールとタキソテールの作用機序と副作用【抗がん剤】
続きを見る
また、上記にアバスチン(ベバシズマブ)を併用することもあります。(以下は大腸がんの記事)
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アバスチン(ベバシズマブ)の作用機序とバイオシミラー【大腸がん】
続きを見る
BRCA遺伝子変異によっては、ゼジューラ(ニラパリブ)やリムパーザ(オラパリブ)といったPARP阻害薬を使用することもあります(変異陰性でも使用することもある)。
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ゼジューラ(ニラパリブ)の作用機序【卵巣がん】
続きを見る
再発時の治療
再発卵巣がんでは、初回の抗がん剤治療完了から6カ月以上経過している場合、もう一度、白金(プラチナ)系薬剤を含んだ抗がん剤治療が行われます。1-2)
例えば、
などの治療を4~6カ月程行います。
その後は、基本的には無治療で経過観察となりますが、経過観察中にがんが増悪してくることもしばしばありました。
そのため、最新のガイドラインでは抗がん剤治療後には以下の治療による維持療法が推奨されています。1)
- アバスチン(ベバシズマブ)による維持療法(推奨の強さ1)
- 抗がん剤で奏効した場合には、リムパーザもしくはゼジューラによる維持療法(推奨の強さ1)
前述の明細胞がんの場合、抗がん剤の効果が乏しいため、再発することが多く、その後の治療選択肢は限られています。また、明細胞がんではBRCA遺伝子変異の頻度が低いため、PARP阻害薬の効果も限定的です。
今回ご紹介するハイツエキシンは、PIK3CA遺伝子変異を有する再発の卵巣明細胞がんに対して効果が期待されています!
ハイツエキシン(リソバリシブ):PI3Kα阻害薬
ハイツエキシンは、PIK3CA遺伝子変異で活性化しているPI3Kαを選択的に阻害する薬剤です。
PI3Kαが阻害されることで、その下流のAKTやmTORの活性化も抑制され、結果的にがん細胞の増殖抑制につながると考えられています。

エビデンス紹介:CYH33-G201試験
根拠となった臨床試験は、単群の非盲検国際共同第Ⅱ相試験(CYH33-G201試験)です。
現時点では未公表のため、後日更新します。
用法・用量
正式承認後の更新予定です。
副作用
正式承認後の更新予定です。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
ハイツエキシンはこんな薬
- 国内初のPI3Kα阻害薬
- PIK3CA遺伝子変異を有する再発の卵巣明細胞がんに使用する
卵巣明細胞がんは抗がん剤の効果が乏しく、予後不良といわれていますので、新たな治療選択肢が求められていました。
以上、今回は卵巣がんとハイツエキシン(リソバリシブ)の作用機序についてご紹介しました。
引用文献・資料等
- 卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン 2025年版
- がん情報サービス|卵巣がん・卵管がん
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