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2026年3月23日、「卵巣明細胞がん」を対象疾患とするハイツエキシン錠(リソバリシブ)が承認されました!
海和製薬|ニュースリリース
基本情報
| 製品名 | ハイツエキシン錠10mg |
| 一般名 | リソバリシブメシル酸塩水和物 |
| 製品名の由来 | 特になし |
| 製造販売 | 製造販売:海和製薬(株) 販売:大鵬薬品工業(株) |
| 効能・効果 | がん化学療法後に増悪したPIK3CA遺伝子変異を有する卵巣明細胞がん |
| 用法・用量 | 通常、成人にはリソバリシブメシル酸塩として1回40mgを1日1回空腹時に経口投与する。 なお、患者の状態により適宜減量する。 |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
ハイツエキシンは、国内初のPI3Kα(Phosphoinositide 3-Kinase Alpha)阻害剤ですね!
今回は卵巣がんとハイツエキシン(リソバリシブ)の作用機序についてご紹介します。
卵巣がんと治療
卵巣がんは、卵巣に発生するがんです。
新たに診断される人数は、1年間に10万人あたり14.3人と言われています。
また、40歳代から増加を始め、50歳代前半から60歳代前半でピークを迎え、その後は次第に減少します。
卵巣がんの約10%は遺伝的要因によるものと考えられており、相同組換え修復異常(HRD:homologous recombination deficiency)の中でもBRCA遺伝子変異があると、発症する危険性を高めることがわかっています。
参考:BRCAは“ビーアールシーエーと読みます。
また、卵巣がんは以下の主な組織型に分類されますが、多くは漿液性がんです。1-2)
- 漿液性がん
- 明細胞がん
- 類内膜がん
- 粘液性がん
特に、明細胞がんは抗がん剤の感受性が低く、予後不良とされていて、PIK3CA遺伝子変異が高頻度に認められます。
PIK3CA遺伝子に変異があると、増殖因子がなくてもPI3Kα(Phosphoinositide 3-Kinase Alpha)などの増殖シグナル(PI3K-AKT-mTOR経路)が恒常的に活性化し、がん細胞の増殖が促進されてしまいます。

初期治療
卵巣がん治療の基本は手術です。1)
まずは手術によって、がんの拡がり具合を確認するとともに、がんを手術で取り除きます。
術後には白金(プラチナ)系薬剤のカルボプラチンと、タキサン系薬剤のパクリタキセルを併用した抗がん剤治療を4~5か月程行うのが一般的です。
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タキソールとタキソテールの作用機序と副作用【抗がん剤】
続きを見る
また、上記にアバスチン(ベバシズマブ)を併用することもあります。(以下は大腸がんの記事)
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アバスチン(ベバシズマブ)の作用機序とバイオシミラー【大腸がん】
続きを見る
BRCA遺伝子変異によっては、ゼジューラ(ニラパリブ)やリムパーザ(オラパリブ)といったPARP阻害薬を使用することもあります(変異陰性でも使用することもある)。
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ゼジューラ(ニラパリブ)の作用機序【卵巣がん】
続きを見る
再発時の治療
再発卵巣がんでは、初回の抗がん剤治療完了から6カ月以上経過している場合、もう一度、白金(プラチナ)系薬剤を含んだ抗がん剤治療が行われます。1-2)
例えば、
などの治療を4~6カ月程行います。
その後は、基本的には無治療で経過観察となりますが、経過観察中にがんが増悪してくることもしばしばありました。
そのため、最新のガイドラインでは抗がん剤治療後には以下の治療による維持療法が推奨されています。1)
- アバスチン(ベバシズマブ)による維持療法(推奨の強さ1)
- 抗がん剤で奏効した場合には、リムパーザもしくはゼジューラによる維持療法(推奨の強さ1)
前述の明細胞がんの場合、抗がん剤の効果が乏しいため、再発することが多く、その後の治療選択肢は限られています。また、明細胞がんではBRCA遺伝子変異の頻度が低いため、PARP阻害薬の効果も限定的です。
今回ご紹介するハイツエキシンは、PIK3CA遺伝子変異を有する再発の卵巣明細胞がんに対して効果が期待されています!
ハイツエキシン(リソバリシブ):PI3Kα阻害薬
ハイツエキシンは、PIK3CA遺伝子変異で活性化しているPI3Kαを選択的に阻害する薬剤です。
PI3Kαが阻害されることで、その下流のAKTやmTORの活性化も抑制され、結果的にがん細胞の増殖抑制につながると考えられています。

エビデンス紹介:CYH33-G201試験
根拠となった臨床試験は、単群の非盲検国際共同第Ⅱ相試験(CYH33-G201試験)です。
本試験は、化学療法歴のあるPIK3CA遺伝子変異陽性の卵巣明細胞癌患者93例(日本人患者52例を含む)を対象に、ハイツエキシン40mgを1日1回経口投与した際の有効性・安全性を検討する第Ⅱ相試験です。
主要評価項目である奏効率は「34.5%(95%CI:24.48-45.69」とのことでした。
用法・用量
通常、成人にはリソバリシブメシル酸塩として1回40mgを1日1回空腹時に経口投与します。
患者の状態により適宜減量
また、食後に本剤を投与した場合、本剤のCmax及びAUCが上昇するとの報告があるようです。
食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けることとされています。
副作用
20%以上に認められる副作用として、口内炎(68.8%)、悪心(52.7%)、下痢(36.6%)、嘔吐、食欲減退(38.7%)、疲労(41.9%)、体重減少(35.5%)、蛋白尿、発疹(72.0%)などが報告されています。
また、重大な副作用として、
- 間質性肺疾患(8.6%)
- 高血糖:高血糖(89.2%)、糖尿病性ケトアシドーシス(1.1%)
- 重度の皮膚障害:多形紅斑(2.2%)
- 血小板減少症(35.5%)
- 重度の下痢(6.5%)
- 体液貯留:末梢性浮腫(26.9%)、顔面浮腫(15.1%)、低アルブミン血症(5.4%)、腹水(1.1%)
- 感染症:ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(1.1%)
- QT間隔延長(2.2%)
などが挙げられています。
特に高血糖の頻度が高いので、投与開始前及び投与中は定期的に空腹時血糖値及びHbA1cの測定を行うことや、投与中は血糖値、HbA1cの測定に加えて、ケトン体の測定を実施することが望ましいとされています。
収載時の薬価
現時点では薬価未収載です。
まとめ・あとがき
ハイツエキシンはこんな薬
- 国内初のPI3Kα阻害薬
- PIK3CA遺伝子変異を有する再発の卵巣明細胞がんに使用する
- 高血糖などに注意が必要
卵巣明細胞がんは抗がん剤の効果が乏しく、予後不良といわれていますので、新たな治療選択肢が求められていました。
以上、今回は卵巣がんとハイツエキシン(リソバリシブ)の作用機序についてご紹介しました。
引用文献・資料等
- 卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン 2025年版
- がん情報サービス|卵巣がん・卵管がん
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