新薬承認・薬価収載

【第一部会:期待の新薬】7製品+1製品(2024年12月2日)

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2024年12月2日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会にて、新薬として7製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!

その他、報告のみで了承された1製品もあります。

 

注目は、国内初の近視抑制薬のリジュセアミニ点眼液0.025%(アトロピン)と、肥満症治療薬のゼップバウンド(チルゼパチド)です。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
概要について紹介していきます!

 

審議品目:7製品

●リジュセアミニ点眼液0.025%(一般名:アトロピン硫酸塩水和物)
:「近視の進行抑制」を効能・効果とする新効能・新剤形医薬品。

リジュセアミニ(アトロピン)の作用機序【近視の進行抑制】

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国内初の効能・効果を有する新薬ですね!

 

低用量のアトロピン製剤で、眼軸長の延長を抑制することで近視の進行を抑制すると考えられています。

 

●ヒフデュラ配合皮下注(一般名:エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ヒフデュラ/ウィフガート(エフガルチギモド)の作用機序【重症筋無力症】

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木元 貴祥
木元 貴祥
当疾患に対しては、グロブリン製剤以来、25年ぶりの新薬とのことです!

 

●クアルソディ髄注100mg(一般名:トフェルセン)
:「SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

クアルソディ髄注(トフェルセン)の作用機序【ALS】

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クアルソディは、ALSの原因遺伝子(原因タンパク質)に対して作用する初のアンチセンス核酸医薬品ですね!

 

●ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス、同皮下注5mgアテオス、同皮下注7.5mgアテオス、同皮下注10mgアテオス、同皮下注12.5mgアテオス、同皮下注15mgアテオス(一般名:チルゼパチド)
:「肥満症。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する・BMIが35kg/m2以上」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。

ゼップバウンド(チルゼパチド)の作用機序:ウゴービとの違い【肥満症】

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GLP-1受容体作用を有する肥満症治療薬としては、2023年3月に承認されたウゴービ(セマグルチド)に次いで2製品目です!

 

ゼップバウンドの有効成分のチルゼパチドは、既に糖尿病に対して使用されているマンジャロ皮下注(チルゼパチド)と同じですね。

マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序、GLP-1受容体作動薬との比較・違い【糖尿病】

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●ゼポジアカプセル0.92mg、同カプセルスターターパック(一般名:オザニモド塩酸塩)
:「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ゼポジア(オザニモド)の作用機序【潰瘍性大腸炎】

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木元 貴祥
木元 貴祥
潰瘍性大腸炎に対する初のS1P受容体調節薬ですね。

 

経口JAK阻害薬と同じ位置付けだと予想されます。

 

●タウヴィッド静注(一般名:フロルタウシピル(18F))
:「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者におけるドナネマブ(遺伝子組換え)の適切な投与の補助」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

アルツハイマー病に関連するタウタンパク質による神経原線維変化を可視化することで、ケサンラ(ドナネマブ)の投与可否の補助目的で使用されますね。

ケサンラ(ドナネマブ)の作用機序:レケンビとの違い【アルツハイマー型認知症】

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●①ウプトラビ錠0.2mg②同錠0.4mg③同錠小児用0.05mg(一般名:セレキシパグ)
:「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果とし、小児用量を追加する①②新用量・その他の医薬品、③新用量・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。

ウプトラビ(セレキシパグ)の作用機序【肺動脈性高血圧症】

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「動脈性肺高血圧症」の2歳以上の小児の追加に関するものですね。それに伴い、「③小児用0.05mg」の剤形追加も了承されました。

 

報告品目:1製品

●オルダミン注射用1g(一般名:モノエタノールアミンオレイン酸塩)
:「静脈奇形の硬化退縮」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

硬化療法に用いる硬化剤ですね。

現在の適応は「食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮」と「胃静脈瘤の退縮」ですが、承認されると3つ目の適応症となる予定です。

 

あとがき

今回の注目は、国内初の近視抑制薬のリジュセアミニ点眼液0.025%(アトロピン)と、肥満症治療薬のゼップバウンド(チルゼパチド)ですね!

リジュセアミニ(アトロピン)の作用機序【近視の進行抑制】

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その他、目にする機会は少ないかもしれませんが、ALSの原因遺伝子に対する初の治療薬クアルソディ髄注(トフェルセン)も期待できると思います。

ALSの治療薬は、2024年9月に承認されたロゼバラミン筋注用(メコバラミン)もありますので、治療選択肢が増えるのは朗報ですね。

ロゼバラミン筋注用(メコバラミン)の作用機序【ALS】

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以上、今回は2024年12月3日の薬事審議会・医薬品第一部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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