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2023年8月21日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会にて6製品が審議され、全て承認が了承されました。
その他、報告のみで了承された6製品もあります。
注目はやはり、アルツハイマー病新薬のレケンビ(レカネマブ)でしょう。その他にも、脂質異常症で初のsiRNA治療薬となるレクビオ皮下注(インクリシラン)も要チェックです。
審議品目:6製品
●フォゼベル錠5mg、同10mg、同20mg、同30mg(一般名:テナパノル塩酸塩)
:「透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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フォゼベル(テナパノル)の作用機序【高リン血症】
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高リン血症に対しては、初のNHE3阻害剤ですね!腸管からのリン吸収を抑制することで、高リン血症を抑制すると考えられています。
●コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg、同25.0μg、同35.0μg(一般名:ジフェリケファリン酢酸塩)
:「血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
●ジルビスク皮下注16.6mgシリンジ、同23.0mgシリンジ、同32.4mgシリンジ(一般名:ジルコプランナトリウム)
:「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ジルビスク皮下注(ジルコプラン)の作用機序【重症筋無力症】
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新規の補体C5阻害薬ですね。
これまでC5阻害薬は抗体薬が中心でしたが、ジルビスクは15個のアミノ酸から構成される大環状ペプチド製剤です。
●リスティーゴ皮下注280mg(一般名:ロザノリキシズマブ(遺伝子組換え))
:「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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リスティーゴ皮下注(ロザノリキシズマブ)の作用機序【重症筋無力症】
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ヒト胎児性Fc受容体(FcRn)を阻害するモノクローナル抗体薬ですね。
リスティーゴは、当疾患の原因とされているIgG自己抗体のFcRnを介したリサイクル経路を阻害することで、進行を抑制すると考えられています。
●レクビオ皮下注300mgシリンジ(一般名:インクリシランナトリウム)
:「家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
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レクビオ(インクリシラン)の作用機序・特徴:レパーサとの違い【脂質異常症】
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PCSK9の発現量を低下させることで、肝臓におけるLDL-コレステロールの取り込みを促進させ、血中LDL-コレステロールの低下につながると考えられています。
●レケンビ点滴静注200mg、同500mg(一般名:レカネマブ(遺伝子組換え))
:「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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レケンビ(レカネマブ)の作用機序【アルツハイマー型認知症】
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国内では初となる抗アミロイドβ抗体薬ですね。
早期のアルツハイマー型認知症に対して症状進行を抑制することが期待されているものの、特徴的な副作用(ARIA:アミロイド関連画像異常)や、対象患者さんの絞り込み、薬価の問題等が懸念されます。
同日、「軽度認知障害の脳内アミロイドベータプラークの可視化」を目的とするビザミルやアミヴィッドの適応拡大が了承されていますが、現在は保険未適用のため、今後の動向が気になるところです。
報告品目:6製品
●ロミプレート皮下注250μg調製用(一般名:ロミプロスチム(遺伝子組換え))
:「再生不良性貧血」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
トロンボポエチン受容体作動薬で、現在の効能・効果の「既存治療で効果不十分な再生不良性貧血」から「既存治療で効果不十分な」が削除されます。
●ジアグノグリーン注射用25mg(一般名:インドシアニングリーン)
:「肝外胆管の描出」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
肝・循環機能検査用薬で、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が妥当とされ、医薬品部会で事前評価ののち公知申請されたものです。
そのため今回の効能・効果は既に保険適用されています。
●ソル・メドロール静注用40mg、同125mg、同500mg、同1000mg(一般名:メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム)
:「川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●ビザミル静注(一般名:フルテメタモル(18F))
●アミヴィッド静注(一般名:フロルベタピル(18F))
:「アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」を効能・効果とする新効能医薬品。
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ビザミル(フルテメタモル)の作用機序【アルツハイマー検査薬】
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現在の効能・効果は「アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」でしたが、今回のレケンビの承認に合わせて軽度認知障害から使用可能となります。
●エンタイビオ皮下注108mgペン、同108mgシリンジ(一般名:ベドリズマブ(遺伝子組換え))
:「中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とする新効能医薬品。
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エンタイビオ(ベドリズマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎/クローン病】
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現在、エンタイビオは点滴静注製剤と皮下注製剤があり、皮下注製剤は潰瘍性大腸炎の維持療法にしか使用できませんでした。
あとがき
今回は非常に話題となってるアルツハイマー病新薬のレケンビ(レカネマブ)が登場しました。今後、対象患者さんの絞り込みや薬価、検査方法等、多々検討事項がありそうですので、続報があればお知らせしていきます。
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レケンビ(レカネマブ)の作用機序【アルツハイマー型認知症】
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その他にも、脂質異常症で初のsiRNA治療薬となるレクビオ皮下注(インクリシラン)や、重症筋無力症に対する初の皮下注製剤であるジルビスク皮下注(ジルコプラン)やリスティーゴ皮下注(ロザノリキシズマブ)も要チェックです。
以上、今回は2023年8月21日の厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で承認了承された薬剤の概要をご紹介しました。
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