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2025年11月12日、新薬16製品が薬価収載予定です!
承認からずっと見送られていたゾフルーザ(バロキサビル)の「顆粒2%分包」がようやく収載されます。
また、本来であればこのタイミングで収載予定であった神経膠腫に使用するボラニゴ(ボラシデニブ)は収載が見送られていました。
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ボラニゴ(ボラシデニブ)の作用機序【神経膠腫】
続きを見る
その他、費用対効果評価や市場拡大再算定品目を踏まえた薬価の引き下げも了承され、2026年2月1日より薬価がダウンする薬剤もいくつかありました・・・。
2025年11月12日:薬価収載予定の16製品
2025年11月12日に薬価収載予定の新薬一覧は以下の通りです。
| 製品名 (一般名) |
規格 | 薬価 | 効能・効果 (簡略) |
| ドルミカムシロップ (ミダゾラム) |
0.2%1mL | 1,117.80円 | 麻酔前投薬(小児用) |
| ナルティークOD錠 (リメゲパント) |
75mg1錠 | 2,923.20円 | 片頭痛 |
| ネクセトール錠 (ベムペド酸) |
180mg1錠 | 371.50円 | 高コレステロール血症 |
| ビルベイ顆粒 (オデビキシバット) |
200µg1個 600µg1個 |
29,705.10円 89,114.70円 |
家族性肝内胆汁うっ滞症 |
| フジケノン粒状錠 (ケノデオキシコール酸) |
125mg1包 | 22,043.00円 | 脳腱黄色腫症 |
| イブトロジーカプセル (タレトレクチニブ) |
200mg1カプセル | 9,711.20円 | ROS1陽性のNSCLC |
| ヘルネクシオス錠 (ゾンゲルチニブ) |
60mg1錠 | 13,881.90円 | HER2陽性のNSCLC |
| ゾフルーザ顆粒2%分包 (バロキサビル) |
2%500mg1包 | 1,666.20円 | インフルエンザウイルス感染症 |
| アイザベイ硝子体内注射液 (アバシンカプタド) |
2mg0.1mL1瓶 | 142,522円 | 加齢黄斑変性 |
| プルヴィクト静注 (ルテチウムビピボチドテトラキセタン(177Lu)) |
7.4GBq1瓶 | 3,389,878円 | PSMA陽性の前立腺がん |
| ロカメッツキット (ゴゼトチド) |
1回分 | 185,947円 | PSMA陽性の前立腺がん患者への 適応判定の補助 |
| ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータ (塩化ガリウム(68Ga) |
1患者当たり | 315,161円 | 被標識用製剤のガリウム(68Ga)標識 |
| ガリアファーム溶出用溶液 (ガリウム(68Ga)ジェネレータ専用溶出液) |
1mL | 152円 | |
| アイマービー点滴静注 (ニポカリマブ) |
300mg1.62mL1瓶 1200mg6.5mL1瓶 |
491,823円 1,967,291円 |
重症筋無力症 |
| ネフィー点鼻液 (アドレナリン) |
1mg0.1mL1瓶 2mg0.1mL1瓶 |
22,975.30円 24,672.10円 |
アナフィラキシー反応に対する補助治療 |
| ワイキャンス外用液 (カンタリジン) |
0.71%0.45mL1管 | 14,995.60円 | 伝染性軟属腫 |
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薬価の算定方法
各薬剤の薬価算定方法は2025年11月5日の中医協総会の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。
ドルミカムシロップ:原価計算方式【加算あり】
ドルミカムシロップと同様の効能・効果、薬理作用及び組成を有する既収載品としてミダゾラムの注射剤が存在しますが、薬価算定においては「承認を受けた日の前日から起算して過去10年間に薬価収載されたもの」を最類似薬とすることが基本であり、ミダゾラムの注射剤は昭和63年の薬価収載品目で、かつ、後発品が収載されていることから、新薬算定最類似薬はないと判断されました。
そのため、算定方式は原価計算方式です。
有用性加算(Ⅱ)(A=5%)、特定用途加算(A=10%)の対象で、原価の開示度が高かったことから加算係数は1.0でした。
よって、元の薬価(0.2%1mL:972.00円)を1.15倍した以下の薬価に決定しています。
- ドルミカムシロップ 0.2%1mL:1,117.80円
なお、加算の根拠は以下の通りです。
加算の根拠
- 有用性加算:国内診療ガイドラインでミダゾラムの経口投与の使用方法が記載されていること、承認審査において、本邦において小児に対する麻酔前投薬として本剤を経口投与することが標準的な方法となっていると評価されていること等から、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
- 特定用途加算:特定用途医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。ただし、本剤が承認されている国はないが、ミダゾラムを有効成分とする経口剤が欧米で承認されてから一定の期間が経過していること等を踏まえ、限定的な評価とし、10%とすることが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は2.4億円です(予測本剤投与患者数4.6万人)。
ナルティーク:類似薬効比較方式(Ⅰ)(アイモビーグ)【加算あり】
ナルティークOD錠は、同じく片頭痛の予防に使用するCGRP関連薬のアイモビーグ皮下注(エレヌマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
これまでのCGRP関連薬は全て抗体の注射剤(皮下注製剤)でした。
ナルティークは初の経口剤のため、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)の対象とされています!
そのため、元の薬価(1錠:2,784.00円)を1.05倍した以下の薬価に決定しました。
- アイモビーグ皮下注70mgペン:38,980円(1日薬価:1,392円)
- ナルティークOD錠75mg:2,923.20円(1日薬価:1,461.60円)
加算の根拠
- 有用性加算:本剤は発症抑制と急性期治療の両立が可能な経口剤であること、比較薬が注射剤であるのに対し本剤は内用剤であり、自宅での服用が容易であり、使用に際しての利便性が著しく高いものと考えられることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は218億円です(予測本剤投与患者数12万人)。
作用機序やトリプタン製剤との比較、CGRP関連抗体薬との比較については以下で解説しています。
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ナルティーク(リメゲパント)の作用機序:CGRP関連抗体薬との違い【片頭痛】
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ネクセトール:類似薬効比較方式(Ⅰ)(レパーサ)【加算あり】
ネクセトール錠は、作用機序は異なるものの同じく高コレステロール血症に使用する抗PCSK9抗体のレパーサ皮下注(エボロクマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)が加算されています。
結果、当初薬価(1錠:221.90円)から1.05倍され、さらに外国平均価格調整が行われた結果、以下の薬価に決定しました。
- レパーサ皮下注140mgペン:24,302円(1日薬価:1,736円)
- ネクセトール錠180mg:371.50円(1日薬価:371.50円)
なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序(ATPクエン酸リアーゼ阻害)である点が評価されましたね。
加算の根拠
- 有用性加算:本剤は、新規の作用機序を有し、国内第Ⅲ相試験でプラセボ群に対する優越性が示されていること等から、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は183億円です(予測本剤投与患者数19万人)。
作用機序やエビデンスについては以下で解説しています。
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ネクセトール(ベムペド酸)の作用機序【脂質異常症】
続きを見る
ビルベイ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(リブマーリ)【加算あり】
ビルベイは、同じく進行性家族性肝内胆汁うっ滞症に使用するリブマーリ(マラリキシバット)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
また、市場性加算(Ⅰ)(A=10%) が加算され、以下の薬価に決定しました。
- リブマーリ内用液10mg/mL:3,888,640.70円(1日薬価:324,053.40円)
- ビルベイ顆粒200µg:29,705.10円
- ビルベイ顆粒600µg:89,114.70円(1日薬価:356,458.80円)
なお、加算の根拠は以下の通りです。
加算の根拠
- 市場性加算:本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。ただし、本邦における承認が欧米の承認から一定の期間が経過していること等を踏まえ、限定的な評価とし、加算率は10%とすることが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は23億円です(予測本剤投与患者数33人)。
作用機序や特徴については以下の記事で解説しています。
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ビルベイ顆粒(オデビキシバット)の作用機序【家族性肝内胆汁うっ滞症】
続きを見る
また、以下の製剤特性があることから、例外的に「処方日数制限を14日間ではなく30日間として取り扱うこと」が了承されています。

フジケノン粒状錠:類似薬効比較方式(Ⅰ)(オファコル)【加算あり】
フジケノンの有効成分であるケノデオキシコール酸は、別疾患でチノカプセルとして承認・販売されていますが、今回は先天性胆汁酸代謝異常症で使用されているオファコル(コール酸)が最類似薬とされました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)が加算され、以下の薬価に決定しました。
- オファコルカプセル50mg:12,596.00円(1日薬価:125,960.00円)
- フジケノン粒状錠125mg1包:22,043.00円(1日薬価:132,258.00円)
加算の根拠
- 有用性加算:国内の診療ガイドラインにおいて、ケノデオキシコール酸の投与が標準療法として記載されていること、審査報告書において本剤は脳腱黄色腫症に対する治療の第一選択薬として医療現場に提供する意義はあると評価されていること等から、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は31億円です(予測本剤投与患者数92人)。
イブトロジー:類似薬効比較方式(Ⅰ)(オータイロ) 【加算あり】
イブトロジーは、同じくROS1陽性の非小細胞肺がんに使用する同作用機序のオータイロ(レポトレクチニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
また、迅速導入加算(A=5%)が加算され、以下の薬価に決定しました。
- オータイロカプセル40mg:3,468.30円(1日薬価:27,746.40円)
- イブトロジーカプセル200mg:9,711.20円(1日薬価:29,133.60円)
加算の根拠は以下の通りです。
加算の根拠
- 迅速導入加算:本剤は国際共同治験により開発され、優先審査の対象であり、かつ本邦における承認申請及び承認は欧米において最も早い承認申請及び承認から6か月以内であることから、加算の要件を満たす。
ピーク時の予測販売金額は21億円です(予測本剤投与患者数312人)。
作用機序・特徴については、以下で解説しています。
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イブトロジー(タレトレクチニブ)の作用機序【ROS1陽性の肺がん】
続きを見る
ヘルネクシオス:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ローブレナ)【加算あり】
ヘルネクシオスは、作用機序は異なるものの、同じく非小細胞肺がんに使用するALK阻害薬のローブレナ(ロルラチニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
また、迅速導入加算(A=5%)が加算され、以下の薬価に決定しました。
- ローブレナ錠100mg:26,441.80円(1日薬価:26,441.80円)
- ヘルネクシオス錠60mg:13,881.90円(1日薬価:27,763.80円)
なお、加算の根拠は以下の通りです。
加算の根拠
- 迅速導入加算:本剤は国際共同治験により開発され、優先審査の対象であり、かつ本邦における承認申請及び承認は欧米において最も早い承認申請及び承認から6か月以内であることから、加算の要件を満たす。
ピーク時の予測販売金額は30億円です(予測本剤投与患者数339人)。
作用機序と特徴は以下の記事で解説しています。
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ヘルネクシオス(ゾンゲルチニブ)の作用機序【HER2陽性肺がん】
続きを見る
ゾフルーザ顆粒:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ゾフルーザ錠)
ゾフルーザ顆粒は2018年9月に承認されていたものの、体重20kg未満の小児に対する適応がなかったことから、これまで薬価収載されていませんでした。
ゾフルーザ錠の1日薬価に合わせて算定されましたので、算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
剤形間比の調整が行われ、以下の薬価に決定しました。
- ゾフルーザ錠20mg:2,438.80円(4,877.60円)
- ゾフルーザ顆粒2%分包500mg1包:1,666.20円(1日薬価:6,664.80円)
ピーク時の予測販売金額は15億円です(予測本剤投与患者数49万人)。
作用機序は以下の記事で解説しています。
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ゾフルーザ(バロキサビル)の作用機序・耐性:類薬との比較【インフルエンザ治療薬】
続きを見る
アイザベイ:原価計算方式【加算あり】
アイザベイと同様の効能・効果を有する既収載品はないことから、薬価算定最類似薬はないと判断されました。
そのため、算定方式は原価計算方式です。
また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)の対象でしたが、原価の開示度が50%未満だったため、加算係数ゼロです…。
そのため、加算は付かずに以下の薬価に決定しています。
- アイザベイ硝子体内注射液20mg/mL 1瓶:142,522円
加算の根拠
- 有用性加算:本剤の投与対象である萎縮型加齢黄斑変性(AMD)の眼底病変に対する治療方法は確立されておらず、適応疾患である地図状萎縮を伴うAMDは既存の治療法がないことから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は153億円です(予測本剤投与患者数2.0万人)。
作用機序とエビデンスについては以下で解説しています。
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アイザベイ(アバシンカプタド)の作用機序【加齢黄斑変性】
続きを見る
プルヴィクト:原価計算方式【加算あり】
前立腺がんを効能・効果として有する既収載品のうち、薬理作用や用法等で塩化ラジウム(233Ra)が類似しているが、塩化ラジウム(233Ra)は「骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌」のみを効能・効果としており、プルヴィクトとは臨床的位置づけが異なるため、新薬算定最類似薬はないと判断されました。
フリュザクラは、同じく大腸がんの後方ラインで使用するマルチキナーゼ阻害薬のスチバーガ(レゴラフェニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。
そのため、算定方式は原価計算方式です。
また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)の対象でしたが、原価の開示度が50%未満だったため、加算係数ゼロです…。
そのため、加算は付かずに以下の薬価に決定しています。
- プルヴィクト静注7.4GBq1瓶:3,389,878円
加算の根拠
- 有用性加算:本剤は、新規の作用機序を有し、1剤以上のARSI及び1剤又は2剤のタキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴のあるPSMA陽性のmCRPC患者、及び1剤のARSIによる治療歴があり、タキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴のないPSMA陽性のmCRPC患者に対する有効性が示されていることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は421億円です(予測本剤投与患者数3.0千人)。
作用機序とエビデンスについては以下で解説しています。
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プルヴィクト(177Lu-PSMA‐617)の作用機序・特徴【前立腺がん】
続きを見る
ロカメッツキット:原価計算方式【加算あり】
ロカメッツキットは、前述のプルヴィクト静注を使用するにあたって、PSMA標的療法の適応となる前立腺がん患者を選択する放射性診断薬です。
本品と同様の効能・効果、薬理作用、組成及び化学構造等を有する既収載品はないことから、新薬算定最類似薬はないと判断されました。
そのため、算定方式は原価計算方式です。
また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)の対象でしたが、原価の開示度が50%未満だったため、加算係数ゼロです…。
そのため、加算は付かずに以下の薬価に決定しています。
- ロカメッツキット1回分:185,947円
なお、加算の根拠は以下の通りです。
加算の根拠
- 有用性加算:PSMAを標的とした既収載品はなく、プルヴィクト静注の投与判定の補助に用いる診断薬としての臨床上の有用性は示されていることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は6.4億円です(予測本剤投与患者数3.4千人)。
ガリアファーム:原価計算方式【加算あり】
ガリアファームは、前述のロカメッツキットをPETで標識するための被標識用製剤で、溶液にも薬価が算定されています。
算定方式は原価計算方式です。
プルヴィクトやロカメッツと同じく、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)の対象でしたが、原価の開示度が50%未満だったため、加算係数ゼロです…。
そのため、加算は付かずに以下の薬価に決定しています。
- ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータ(1患者当たり):315,161円
- ガリアファーム溶出用溶液0.1moL/L 塩酸溶液(1mL):152円
加算の根拠
- 有用性加算:既収載品と異なる放射性同位体のジェネレータ剤であり、プルヴィクト静注の投与判定の補助に用いる診断薬としての臨床上の有用性は示されていることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
アイマービー:類似薬効比較方式(Ⅰ)(リスティーゴ)【加算あり】
アイマービーは、同じく全身型重症筋無力症に使用する同作用機序(抗FcRn抗体)のリスティーゴ皮下注(ロザノリキシズマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
また、小児加算(A=10%)、迅速導入加算(A=5%)のため、加算前の薬価(1瓶:1,710,688円)を1.15倍した以下の薬価に決定しました。
- リスティーゴ皮下注280mg:356,392円(1日薬価:76,370円)
- アイマービー点滴静注300mg:491,823円
- アイマービー点滴静注1200mg:1,967,291円(1日薬価:87,825円)
加算の根拠
- 小児加算:本剤は、小児に係る用法・用量が明示された初めての抗FcRnモノクローナル抗体であること、比較薬のリスティーゴは市場性加算(Ⅰ)の適用を受けているが、小児の用法・用量は承認されていないことから、加算の要件に該当する。本剤の投与対象となる小児患者の年齢範囲が限定的であること等を踏まえ、加算率は10%が妥当である。
- 迅速導入加算:本剤は国際共同治験により開発され、優先審査の対象であり、かつ本邦における承認申請及び承認は欧米において最も早い承認申請及び承認から6か月以内であることから、加算の要件を満たす。
ピーク時の予測販売金額は208億円です(予測本剤投与患者数1.0千人)。
以下の記事で作用機序やエビデンスについて解説しています。
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アイマービー(ニポカリマブ)の作用機序【重症筋無力症】
続きを見る
ネフィー点鼻液:原価計算方式【加算あり】
ネフィーと同様の効能・効果を有するエピペン注射液は、薬価収載から10年以上を経過していること等から、新薬算定類似薬はないと判断されました。
よって、原価計算方式で算定されています。
また、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)、小児加算(A=10%)の対象で、原価の開示度が50%以上80%未満だったため、加算係数0.6とされました。
そのため、元の薬価を1.09倍し、さらに外国平均価格調整が行われて以下の薬価に決定しました。
- ネフィー点鼻液1mg:22,975.30円
- ネフィー点鼻液2mg:24,672.10円
加算の根拠
- 有用性加算:本剤は、投与時に煩雑な手技の習得を必要とせず、そのまま使用できる点鼻剤であり、投与時の利便性が向上することから、製剤工夫による医療上の有用性が認められるとして、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
- 小児加算:本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。本剤では、充実した臨床試験が実施されているとまでは言えない一方で、アナフィラキシー反応に関する補助治療剤の治験の実施は難しいところ、日本人患者を対象とした国内臨床試験が実施され、6歳から17歳のアレルギー患者15例が組み入れられていること等を踏まえると、加算率は10%が妥当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は33億円です(予測本剤投与患者数96千人)。
作用機序やエビデンス、エピペンとの違い・比較について以下の記事で解説しています。
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ネフィー点鼻液(アドレナリン)の作用機序:エピペンとの違い【アナフィラキシー】
続きを見る
ワイキャンス:原価計算方式【加算あり】
ワイキャンスの効能・効果である「伝染性軟属腫」の適応を有する既収載品はなく、同様の薬理作用、組成及び化学構造等を持つ既収載品もないことから、新薬算定最類似薬はないと判断されました。
よって、原価計算方式で算定されています。
また、小児加算(A=10%)の対象でしたが、原価の開示度が50%未満だったため、加算係数はゼロでした。よって以下の薬価に決定しています。
- ワイキャンス外用液0.71% 1管:14,995.60円
加算の根拠は以下の通りです。
加算の根拠
- 小児加算:本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。本剤は本邦において伝染性軟属腫に係る効能・効果で初めて承認された薬剤であり、低年齢の患者も含めて国内第Ⅲ相臨床試験が実施されていること等を踏まえ、加算率は10%が妥当である。
ピーク時の予測販売金額は37億円です(予測本剤投与患者数62千人)。
費用対効果評価:レブロジル、ビロイ
中医協総会では、費用対効果評価も行われ、以下の薬剤の薬価が2026年2月1日からダウンします。
- レブロジル皮下注用(ルスパテルセプト):骨髄異形成症候群に伴う貧血に使用するTGF‒β阻害薬
- ビロイ点滴静注用(ゾルベツキシマブ):CLDN18.2陽性胃がんに使用する抗CLDN18.2抗体薬
以下に一覧表としてまとめました。

市場拡大再算定:キイトルーダ
効能変更等が承認された既収載品及び2年度目以降の予想販売額が一定規模を超える市場拡大のあった場合、新薬収載の機会(年4回)を活用して、薬価を見直すこととされています。
キイトルーダ(ペムブロリズマブ)は順次適応拡大されていますので、年間販売額が1500億円超かつ、基準年間販売額の1.3倍以上という要件に該当該当すると判断されました。
以上より、以下の通り、薬価が2026年2月1日からダウンします。
- キイトルーダ点滴静注100mg4mL1 瓶:214,498 円 → 199,462 円(約7%のダウン)
あとがき
今回は16製品中、15製品が加算対象でした!めっちゃ多い!
加算対象外はゾフルーザ顆粒のみでした。
また、予測販売金額が100億円を超える新薬は以下の通りですね。
- プルヴィクト静注:421億円
- ナルティークOD錠:218億円
- アイマービー点滴静注:208億円
- ネクセトール錠:183億円
- アイザベイ硝子体内注射液:153億円
新規作用機序を有する薬剤や、利便性が向上している薬剤など、多くの新薬が登場しましたので期待できるのではないでしょうか。
以上、今回は2025年11月12日に薬価収載予定の新薬16製品についてご紹介しました!
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