新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】5製品+5製品(2024年8月2日)

PASSMED公式LINEの登録者特典|当サイトに掲載している図表の元データ&学習支援AI 薬科GPTをプレゼント♪

2024年8月2日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて、新薬として5製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!

その他、報告のみで了承された5製品もあります。

 

今回は承認了承された新薬等の概要について紹介しています。

 

審議品目:5製品

●ヌーカラ皮下注100mgシリンジ、同皮下注100mgペン(一般名:メポリズマブ(遺伝子組換え))
:「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ヌーカラ(メポリズマブ)の作用機序【気管支喘息/EGPA】

続きを見る

 

これまで、ヌーカラは気管支喘息と好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対して適応を有していましたが、今後は鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎にも使用可能となります。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
類薬のデュピクセント(デュピルマブ)が既に同様の効能・効果を有しているため、使い分けが気になるところですね。
デュピクセント(デュピルマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎/気管支喘息/副鼻腔炎】

続きを見る

 

●フリュザクラカプセル1mg、同カプセル5mg(一般名:フルキンチニブ)
:「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

フリュザクラ(フルキンチニブ)の作用機序【大腸がん】

続きを見る

 

VEGFR-1/2/3を選択的に阻害する経口薬です!

 

基本的には4次~5次治療以降に使用される見込みですね。

 

●アレセンサカプセル150 mg(一般名:アレクチニブ塩酸塩)
:「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。

アレセンサ(アレクチニブ)の作用機序【ALK陽性の肺がん・ALCL】

続きを見る

 

木元 貴祥
木元 貴祥
ALK阻害薬では初の術後補助療法の適用ですね!

 

進行・再発の場合と用法・用量、投与期間が異なりますので注意が必要です(術後補助療法の場合、1回600mgを1日2回で24か月まで)。

 

●タスフィゴ錠35mg(一般名:タスルグラチニブコハク酸塩)
:「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

タスフィゴ(タスルグラチニブ)の作用機序【胆道がん】

続きを見る

 

FGFR阻害薬としては、ペマジール(ペミガチニブ)リトゴビ(フチバチニブ)に次いで3製品目です。

 

●ミールビックII皮下注用(一般名:弱毒生麻しんウイルス田辺株及び弱毒生風しんウイルス松浦/J16株)
:「麻しん及び風しんの予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。

 

既存品である乾燥弱毒生麻しん・風しん混合ワクチン「ミールビック」の改良品とのことです。

 

報告品目:5製品

●キイトルーダ点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/悪性黒色腫】

続きを見る

 

既に、類薬のオプジーボ(ニボルマブ)は非小細胞肺がんにおける術前補助療法に対して適応を有していますが、キイトルーダは術前・術後に使用できるようになります。

なお、化学療法(ゲムシタビン+シスプラチンまたは、ペメトレキセド+シスプラチン)と併用します。

 

●アリムタ注射用100mg、同注射用500mg(一般名:ペメトレキセドナトリウム水和物)
●ペメトレキセド点滴静注用100mg「NK」、同点滴静注用500mg「NK」、同点滴静注用800mg「NK」、同点滴静注液100mg「NK」、同点滴静注液500mg「NK」、同点滴静注液800mg「NK」(一般名:ペメトレキセドナトリウムヘミペンタ水和物)
:「扁平上皮がんを除く非小細胞肺がんにおける術前補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
いずれも非小細胞肺がん術前補助療法でのキイトルーダとの併用に関するものですね。

 

●ツルバダ配合錠(一般名:エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)
:「HIV-1感染症の曝露前予防」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

既に、2024年2月の医薬品第二部会で事前評価済のものですね。なお、予防に関しては保険適用はされません

 

●プレベナー20水性懸濁注(一般名:肺炎球菌莢膜ポリサッカライド-CRM197結合体)
:「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者における肺炎球菌による感染症の予防」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

2024年3月に小児に対して承認されていますが、高齢者等に適応の範囲が広がります

 

あとがき

今回、新有効成分含有医薬品は少なかったのですが、その中でも、大腸がんでは久しぶりの新薬となるフリュザクラ(フルキンチニブ)が注目です。

フリュザクラ(フルキンチニブ)の作用機序【大腸がん】

続きを見る

 

その他、ALK阻害薬では初の術後補助療法の適応となるアレセンサ(アレクチニブ)や、術前・術後の適応となるキイトルーダ(ペムブロリズマブ)も期待できるのではないでしょうか。

 

以上、今回は2024年8月2日の薬事審議会・医薬品第二部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました!

 

 

\ 新薬情報オンラインの運営者が執筆! /

失敗しない薬剤師の転職とは?

数多く存在する薬剤師専門の転職エージェントサイト

どこに登録したらいいのか悩むことも少なくありません。そんな転職をご検討の薬剤師さんに是非見ていただきたい記事を公開しました。

  • 新薬情報オンラインの薬剤師2名が実際に利用・取材!
  • 各サイトの特徴等を一覧表で分かりやすく掲載!
  • 絶対にハズレのない厳選の3サイトを解説!

上手に活用してあなたの希望・条件に沿った【失敗しない転職】を実現していただけると嬉しいです!

薬剤師の転職サイト3選|評判・求人特徴とエージェントの質を比較

続きを見る

 

日々の情報収集に最適

薬剤師の勉強・情報収集に役に立つ無料サイト・ブログ8選
  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

プロフィール・運営者詳細
お問い合わせ・仕事の依頼
私の勉強法紹介

-新薬承認・薬価収載
-