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2024年2月29日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会にて7製品が審議され、全て承認が了承されました。
その他、報告のみで了承された1製品もあります。
今回、新有効成分含有医薬品は5製品でした。
審議品目:7製品
●ピアスカイ注340mg(一般名:クロバリマブ(遺伝子組換え)
:「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
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ピアスカイ(クロバリマブ)の作用機序【PNH】
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国内3製品目となる抗補体C5抗体薬ですが、既存薬と異なり、繰り返し補体C5に結合できるリサイクリング抗体薬です。
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エンスプリング(サトラリズマブ)の作用機序・リサイクリング抗体の特徴【NMOSD】
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●レズロック錠200mg(一般名:ベルモスジルメシル酸塩)
:「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
国内初となる選択的ROCK2阻害薬です。
慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)の標準治療はステロイドの全身投与ですが、しばしば治療抵抗性を示す場合があり、レズロックは新たな治療選択肢として期待されていますよ。
イムブルビカ(イブルチニブ)も、同効能・効果として使用されています。
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イムブルビカ(イブルチニブ)の作用機序と副作用【CLL】
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●フィンテプラ内用液2.2mg/mL(一般名:フェンフルラミン塩酸塩)
:「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox-Gastaut症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
フィンテプラは、2022年に「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないDravet 症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果として承認されたセロトニン5-HT1D/5-HT2A/5-HT2Cの受容体作動薬です。
今回、新たな適応拡大が承認される見込みですね。
●アセノベル除放錠500mg(一般名:アセノイラミン酸)
:「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
アセノイラミン酸はシアル酸の一種で、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーで不足するシアル酸を補充するための医薬品です。
臨床試験では、48週時点の上肢筋力の低下が有意に抑制できたと報告されています。
東北大学プレスリリース|縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(指定難病)を対象としたアセノイラミン酸の有効性確認試験結果
●シスタドロップス点眼液0.38%(一般名:システアミン塩酸塩)
:「シスチン症における角膜シスチン結晶の減少」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
シスチン症は非常に稀な先天代謝異常症です。
全身のライソゾーム内にシスチンが沈着することで様々な臓器障害を生じ、眼球ではしばしば失明等の重篤な症状を呈します。
●アジンマ静注用500(一般名:アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「先天性血栓性血小板減少性紫斑病」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
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アジンマ(アパダムターゼ/シナキサダムダーゼ)の作用機序【TTP】
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血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は先天性と後天性に大別され、いずれもADAMTS13酵素が欠損または欠乏することによって引き起こされます。
これまで先天性TTPの治療薬として承認された薬剤はなく、新鮮凍結血漿の投与しか選択肢がありませんでした。
なお、後天性TTPについては、カブリビ(カプラシズマブ)が第一選択薬として使用可能です。
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カブリビ(カプラシズマブ)の作用機序【TTP】
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●ウィフガート点滴静注400mg(一般名:エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え))
:「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
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ヒフデュラ/ウィフガート(エフガルチギモド)の作用機序【重症筋無力症】
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ウィフガートは抗FcRn抗体薬で、自己免疫疾患の原因となるIgGのリサイクルを阻害するといった作用機序を有しています。
報告品目:1製品
●バビースモ硝子体内注射液120mg/mL(ファリシマブ(遺伝子組換え))
:「網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
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バビースモ(ファリシマブ)の作用機序:類薬との違い・比較【加齢黄斑変性】
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バビースモはVEGF-A/Ang-2に対するバイスペシフィック抗体ですね。現在は以下の2つの適応症を有しています。
- 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
- 糖尿病黄斑浮腫
今後は網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対しても使用可能となる見込みです。
あとがき
今回は希少疾病用医薬品が多かったため、なかなか臨床現場で見る機会は少ないかもしれませんね。
以上、今回は2024年2月29日の厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で承認了承された薬剤の概要をご紹介しました。
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