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2020年2月26日、厚労省の薬事・食品衛生審議会は以下の各部会にて新薬・再生医療等製品の審議を行い、全て承認了承することを発表しました。
- 医薬品第二部会:審議品目7製品、報告品目4製品
- 再生医療等製品・生物由来技術部会:審議品目2製品
医薬品・再生医療等製品 (一般名) |
条件付き早期承認制度 | 先駆け審査指定制度 |
エンハーツ (トラスツズマブ デルクステカン) |
〇 | - |
ステボロニン (ボロファラン) |
- | 〇 |
テプミトコ (テポチニブ) |
- | 〇 |
ゾルゲンスマ (オナセムノゲン・アベパルボベク) |
- | 〇 |
各薬剤の概要についてご紹介していきます。
第二部会での審議品目:7製品
●オニバイド点滴静注43mg(一般名:イリノテカン塩酸塩水和物)
:「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な膵がん」を効能・効果とする新効能・新剤型医薬品。
-
オニバイド(イリノテカン リポソーム製剤)の作用機序【膵臓がん】
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有効成分は馴染み深いイリノテカン(製品名:カンプト、トポテシン)ですね。
●ベレキシブル錠80mg(一般名:チラブルチニブ塩酸塩)
:「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ベレキシブル(チラブルチニブ)の作用機序【悪性リンパ腫】
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新規のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬ですね。
●エンハーツ点滴静注用100mg(一般名:トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え))
:「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)の作用機序【乳/胃/肺がん】
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非常に期待されていて、抗体に抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれる薬剤です。
●ステボロニン点滴静注バッグ9000mg/300mL(一般名:ボロファラン(10B))
:「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ステボロニン(ボロファラン)の作用機序・BNCT【頭頸部がん】
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ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用に使用するホウ素薬剤です。
●テプミトコ錠250mg(一般名:テポチニブ塩酸塩水和物)
:「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
テプミトコ(テポチニブ)の作用機序【MET陽性肺がん】
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国内初の低分子MET阻害薬ですね。
●デュピクセント皮下注300mgシリンジ(一般名:デュピルマブ(遺伝子組換え))
:「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。
-
デュピクセント(デュピルマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎/気管支喘息/副鼻腔炎】
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既に気管支喘息やアトピー性皮膚炎に対して承認・販売されていますが、慢性副鼻腔炎にも適応が拡大される見込みです。
●ボンベンティ静注用1300(一般名:ボニコグ アルファ(遺伝子組換え))
:「フォン・ヴィレブランド(von Willebrand)病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
-
ボンベンティ(ボニコグ アルファ)の作用機序【VWD】
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第二部会での報告品目:4製品
●ヌーカラ皮下注用100mg(一般名:メポリズマブ(遺伝子組換え))
:「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」の効能・効果に6歳以上の小児適応を追加する新用量医薬品。
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ヌーカラ(メポリズマブ)の作用機序【気管支喘息/EGPA】
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喘息に使用する抗体製剤については以下の記事で比較一覧表を作成しています。
-
デュピクセント(デュピルマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎/気管支喘息/副鼻腔炎】
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●リサイオ点滴静注液100mg(一般名:チオテパ)
:「悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療」を追加する新効能・新用量医薬品。
●ニンラーロカプセル2.3mg、同3mg、同4mg(一般名:イキサゾミブクエン酸エステル)
:「多発性骨髄腫における自家造血幹細胞移植後の維持療法」を追加する新効能・新用量医薬品。
-
ニンラーロ(イキサゾミブ)の作用機序【多発性骨髄腫】
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●ブスルフェクス点滴静注用60mg(一般名:ブスルファン)
:「悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療」を追加する新効能・新用量医薬品。
ブスルフェクスは2019年10月31日の医薬品第二部会で公知申請妥当との事前評価が行われていました。
よって、それ以降は保険償還が可能であったそうですが、正式に承認される見込みとなりましたね。
再生医療等製品の審議品目:2製品
●ゾルゲンスマ点滴静注
:「脊髄性筋萎縮症(臨床所見は発現していないが、遺伝子検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予想されるものを含む)。ただし、抗AAV9抗体が陰性の患者に限る」を効能・効果とする再生医療等製品。
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ゾルゲンスマ(オナセムノゲンアベパルボベク)の作用機序・特徴【脊髄性筋委縮症】
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先駆け審査指定制度の指定品目であり、米国では1回の投与で2億円を超える薬価が付いたことで非常に話題になっていました。ただ、基本的には1回の投与で治療が完結しますので、画期的ではありますね。
●ネピック(一般名:ヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート)
:「スティーヴンス・ジョンソン症候群患者や眼類天疱瘡患者などを除く角膜上皮幹細胞疲弊症」を効能・効果とする再生医療等製品。
眼科領域の再生医療等製品は初だそうですね!
あとがき
今回の第二部会と再生医療等製品・生物由来技術部会では多くの新薬や再生医療等製品が承認了承されましたね。
特に条件付き早期承認制度や先駆け審査指定制度の対象品目である以下の薬剤については、作用機序もユニークで画期的ですので要チェックです。
- エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン):新規の抗体薬物複合体
- ステボロニン(ボロファラン):国内初のホウ素中性子捕捉療法
- テプミトコ(テポチニブ):国内初の低分子MET阻害薬
- ゾルゲンスマ:scAAV9を用いた遺伝子置換療法
順調に行けば、新薬や再生医療等製品は2020年3月下旬~4月上旬に正式承認、そして同年5月頃薬価収載の予定ですね。
以上、今回は2020年2月26日の第二部会等で承認了承された薬剤をご紹介しました!
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