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2020年10月30日、厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は新薬として9製品を審議し、全て承認了承しました。
また、報告のみで承認了承された6製品もあります。
審議品目:9製品
●ゾフルーザ錠20mg、同顆粒2%分包(一般名:バロキサビル マルボキシル)
:「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ゾフルーザ(バロキサビル)の作用機序・耐性:類薬との比較【インフルエンザ治療薬】
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世界初の新規作用機序(キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬)として2018年に承認・発売されたゾフルーザに予防の効能・効果が追加される予定です。
●ラスビック点滴静注キット150mg(一般名:ラスクフロキサシン塩酸塩)
:「肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変病変の二次感染」の呼吸器感染症を適応症とする新投与経路医薬品。
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ラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序・特徴【細菌感染】
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経口剤は2019年に承認されていますが、新たに点滴静注製剤が登場します。
●テリルジー100エリプタ14吸入用、同100エリプタ30吸入用、同200エリプタ14吸入用、同200エリプタ30吸入用(一般名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩)
:「気管支喘息(吸入ステロイド剤、長期間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合」を効能・効果に追加する。
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テリルジーはCOPD治療薬初の3剤配合剤として2019年に承認されていますが、気管支喘息にも適応拡大される予定です。
●ルミセフ皮下注210mgシリンジ(一般名:ブロダルマブ(遺伝子組換え)
:「強直性脊椎炎」と「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」を効能・効果とする新効能医薬品。
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ルミセフ(ブロダルマブ)の作用機序【乾癬・脊椎関節炎】
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●オラデオカプセル150mg(一般名:ベロトラルスタット塩酸塩)
:「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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オラデオ(ベロトラルスタット)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】
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遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性症状治療薬としてはこれまで注射剤のフィラジル(一般名:イカチバント)やベリナート静注用(一般名:ヒトC1-インアクチベーター)がありましたが、オラデオは発症抑制(予防)薬として使用できる初の薬剤です!
●ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.4mL、同80mgシリンジ0.8mL、同40mgペン0.4mL、同80mgペン0.8mL(一般名:アダリムマブ(遺伝子組換え))
:「壊疽性膿皮症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●カルケンスカプセル100mg(一般名:アカラブルチニブ)
:「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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カルケンス(アカラブルチニブ)の作用機序【CLL】
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新規のBTK阻害薬ですね。CLL治療薬としてはイムブルビカ(一般名:イブルチニブ)に次いで2製品目となります。
●ビラフトビカプセル50mg、同75mg(一般名:エンコラフェニブ)
●メクトビ錠15mg(一般名:ビニメチニブ)
:「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ビラフトビ/メクトビ併用療法の作用機序【悪性黒色腫/大腸/甲状腺がん】
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両剤は元々、2019年に悪性黒色腫治療薬として承認されましたが、今回大腸がんへ適応が拡大されます。
基本はアービタックス(一般名:セツキシマブ)と併用で使用します。
報告品目:6製品
●ゼローダ錠300(一般名:カペシタビン)
:「手術不能又は再発乳がん」と「結腸・直腸がん」で新用法を追加する新用量医薬品。
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ゼローダ(カペシタビン)の作用機序と副作用【抗がん剤】
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以下の用法・用量が追加される予定です。
- 乳がんでタイケルブ(一般名:ラパチニブ)と併用:C法
- 大腸がん補助化学療法でエルプラット(一般名:オキサリプラチン)と併用:C法
- 進行再発大腸がんで他剤との併用:E法
●サイラムザ点滴静注液100mg、同500mg(一般名:ラムシルマブ(遺伝子組換え))
:既承認の適応で新用量(2回目以降は30分まで短縮可能)を追加する新用量医薬品。
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サイラムザ(ラムシルマブ)の作用機序【胃/大腸/肝細胞/肺がん】
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これまで、サイラムザは60分かけて点滴静注する必要がありましたが、今回の新用量追加でによって2回目以降は30分投与に短縮することが可能となります。
また、非小細胞肺がんではこれまで二次治療以降でしか使用できませんでしたが、今回、初回治療としてイレッサ(一般名:ゲフィチニブ)やタルセバ(一般名:エルロチニブ)と併用して使用可能となります!
●オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同240mg、同120mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))
●ヤーボイ点滴静注液50mg(一般名:イピリムマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の一次治療として両剤の併用療法が可能となる。
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●ダラザレックス点滴静注100mg、同400mg(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え))
:「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新用量医薬品。
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ダラキューロ/ダラザレックス(ダラツムマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】
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通常、初回投与は16mg/kgを初日に投与しますが、投与時間が長くなってしまうため、分割投与(8mg/kgを1日目と2日目に投与)も可能となります。
●カボメティクス錠20mg、同60mg(一般名:カボザンチニブリンゴ酸塩)
:「がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新効能医薬品。
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カボメティクス(カボザンチニブ)の作用機序【腎細胞/肝細胞がん】
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あとがき
今回、新有効成分含有医薬品としては以下の2製品のみでした。
- オラデオ(一般名:ベロトラルスタット):HAEの発症予防
- カルケンス(一般名:アカラブルチニブ):CLL治療薬
オラデオはHAE初の発症予防として使用できるため、期待できるのではないでしょうか。
その他、ゾフルーザの予防適応追加も注目かもしれませんが、新型コロナウイルスの影響で今年のインフルエンザは減少?のため話題性が少ないかもですね・・・。
以上、今回は2020年10月30日の厚生労働省薬食審・医薬品第二部会で承認了承された薬剤を簡単にご紹介しました!
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