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2025年8月29日、厚労省の薬事審議会・医薬品第一部会にて「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を対象疾患とするネクセトール錠(ベムペド酸)の承認が了承されました!
大塚製薬|申請のニュースリリース
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
製品名 | ネクセトール錠180mg |
一般名 | ベムペド酸 |
製品名の由来 | |
製造販売 | 大塚製薬(株) |
効能・効果 | 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症 |
用法・用量 | 180mgを1日1回経口投与? |
収載時の薬価 | |
発売日 |
ネクセトールは、国内初のATPクエン酸リアーゼ阻害剤です!

今回は脂質異常症(高コレステロール血症)とネクセトール(ベムペド酸)の作用機序・エビデンスについて紹介します。
脂質異常症について
厚生労働省の「令和5年(2023)患者調査の概況」によると、脂質異常症の患者さんの総数は458万7,000人と推計されており、年々増加傾向です。
やはり、その理由として食生活の欧米化、運動不足などが関与していると考えられます。
このような脂質異常症に関連する生体内の脂質には以下の3つの種類があります。
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)
- 中性脂肪(トリグリセライド)
脂質異常症は、これら脂質の基準値が異常となった場合に診断されます。1)
健康日本21アクション支援システム|脂質異常( コレステロールなど)
今回ご紹介するネクセトールは「高LDLコレステロール血症」に使用できる薬剤です。
治療
脂質異常症の治療の基本は、
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
です。
脂質異常症は多くの場合、食事や運動などの生活習慣が大きく関係しています。従って、治療の基本は食事療法と運動療法で、長期的に継続する必要があります。
食事療法と運動療法で脂質が改善しない場合、もしくは緊急を要する場合(心筋梗塞、脳梗塞)には薬物療法を行います。
高コレステロール血症の薬物療法では、HMG-CoA還元酵素阻害薬(例:クレストールやリピトールなどのスタチン系薬剤)が用いられます。最近では配合剤も色々登場してきました。
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リバゼブ配合錠(ピタバスタチン/エゼチミブ)の作用機序【高脂血症】
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ネクセトールの臨床試験では、スタチン系薬剤不応・不耐例に対して効果が期待されています。そのため、基本的にはスタチン系薬剤による効果が不十分な場合にネクセトールを使用します。
同様の治療ラインにおいては、以下の新規治療薬なども使用可能です。
- siRNA治療薬:レクビオ皮下注(インクリシラン)
- 抗PCSK9抗体薬:レパーサ皮下注(エボロクマブ)
ちなみに、高トリグリセライド血症の薬物療法では、エパデールEM(イコサペント酸エチル)などが用いられます。
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エパデールEM(イコサペント酸エチル)の作用機序|エパデールとの違い【高脂血症】
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コレステロール合成経路
コレステロールは肝臓で生合成されますが、その原料はクエン酸回路から共有される「クエン酸」です。
クエン酸は「ATPクエン酸リアーゼ」と呼ばれる酵素によってアセチルCoAに変換され、そこからHMG-CoAを介してコレステロールが合成されます。

ネクセトール(ベムペド酸)の作用機序:ATPクエン酸リアーゼ阻害剤
ネクセトールは、国内初のATPクエン酸リアーゼ阻害剤です!
コレステロール合成経路の上流のATPクエン酸リアーゼを阻害することで、アセチルCoAの生成が阻害され、結果的にコレステロールの生合成を抑制します。
上記の作用によって、血中LDLコレステロールの低下作用が得られると考えらえています。

エビデンス紹介:CLEAR Outcomes試験
根拠となった代表的な臨床試験(CLEAR Outcomes試験)をご紹介します。2)
本試験は、心血管イベントの既往があるか高リスク状態にあり副作用のためスタチンが投与できない高コレステロール血症患者さんを対象に、ネクセトールとプラセボを比較した第Ⅲ相臨床試験です。
いずれの群もエゼチミブ、フィブラート系薬剤、PCSK9阻害薬、副作用が発現しない範囲の少量のスタチンなどは併用が許可されていた
主要評価項目は、「主要有害心血管イベントの複合エンドポイント*」とされ、レクビオ群の結果は以下の通りでした。
ネクセトール群 | プラセボ群 | |
複合エンドポイントの発生割合 | 11.7% | 13.3% |
HR=0.87(95%CI:0.79-0.96) P=0.004 |
||
6か月後における LDL-Cのベースラインからの変化割合 |
-21.7% | -0.6% |
*心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術施行の4項目から成る主要有害心血管イベント

国内では、スタチン効果不十分、またはスタチン不耐の高LDLコレステロール血症患者さんを対象としたCLEAR-J試験においてネクセトールの有効性が確認されています。3)
副作用
正式承認後に更新予定です。
臨床試験では、特徴的な副作用として痛風や胆石症の発生などが報告されていました。
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
臨床試験では、180mgを1日1回経口投与とされていました。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
ネクセトールはこんな薬
- 国内初のATPクエン酸リアーゼ阻害剤
- コレステロール合成経路の上流に作用する
- スタチン系薬剤不応・不耐例に対して効果が期待されている
- 1日1回経口投与
これまで、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)で効果不十分または適さない場合、抗PCSK9抗体薬のレパーサ(エボロクマブ)やレクビオ(インクリシラン)が使用されていましたが、いずれも注射薬でした。
ネクセトールは経口で治療可能かつ新規の作用機序を有しているため、新たな治療選択肢として期待できるのではないでしょうか。

以上、今回は脂質異常症(高コレステロール血症)とネクセトール(ベムペド酸)の作用機序・エビデンスについて紹介しました。
引用文献・資料等
- 健康日本21アクション支援システム|脂質異常( コレステロールなど)
- CLEAR Outcomes試験:N Engl J Med 2023;388:1353-1364
- CLEAR-J試験:第89回日本循環器学会学術集会
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