新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】2製品+4製品(2025年1月30日)

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2025年1月30日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて、新薬として2製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!

その他、報告のみで了承された4製品もあります。

 

なお、2025年から新有効成分含有医薬品の承認は7程度に増えました(これまでは年4回)。それに伴い、薬価収載も7になる予定です!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
これまでの薬価収載は年4回(2月、5月、8月、11月)でしたが、年7回に増えることによって、より迅速な薬価収載が期待できそうです。

 

今回は承認了承された新薬等の概要について紹介しています。

 

審議品目:2製品

●アナエブリ皮下注200mgペン(一般名:ガラダシマブ(遺伝子組換え))
:「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

アナエブリ(ガラダシマブ)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】

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木元 貴祥
木元 貴祥
国内初の抗FⅫa抗体薬ですね。

 

HAEの原因となるカスケードの上流を阻害することで、炎症反応を抑制します。

 

●テセントリク点滴静注1200mg、同点滴静注840mg(一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な胞巣状軟部肉腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

テセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/肝がん】

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胞巣状軟部肉腫は、AYA世代(15~35歳)での発症が多く、標準的な薬物療法が確立されていないため、治療薬の開発が急務でした。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
テセントリクは、当該疾患初の免疫チェックポイント阻害薬です!

 

報告品目:4製品

●エプキンリ皮下注4mg、同皮下注48mg(一般名:エプコリタマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(Grade1~3A)」を効能・効果とする新用量医薬品。

エプキンリ(エプコリタマブ)の作用機序【DLBCL】

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現在は、「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」のGrade 3Bに限られていましたが、今後はより早期のGrade1~3Aに対しても使用可能となります!

 

ただし、Grade 3の時の投与法(2ステップ漸増:0.16mg→0.8mg→48mg)と異なり、Grade1~3Aでは3ステップ漸増(0.16mg→0.8mg→3mg→48mg)にて投与します。

 

●サークリサ点滴静注100mg、同点滴静注500mg(一般名:イサツキシマブ(遺伝子組換え))
:「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

サークリサ(イサツキシマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】

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これまでは再発・難治性の多発性骨髄腫にのみ使用可能でしたが、今後はVRd療法(ボルテゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾン)との併用で初回治療から使用可能となります。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
類薬のダラキューロ/ダラザレックス(ダラツムマブ)も初回治療から使用可能なため、使い分けが気になるところですね。

 

●レブラミドカプセル2.5mg、同カプセル5mg(一般名:レナリドミド水和物)
:「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新用量医薬品。

 

多発性骨髄腫に対する初回治療でサークリサと併用するため、その用量追加に関するものですね。

 

●ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.4mL、同皮下注40mgペン0.4mL(一般名:アダリムマブ(遺伝子組換え))
:「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

 

2024年8月の第二部会で公知申請に係る事前評価が終了し、すでに保険適用されていますね。

 

今回、正式に体軸性脊椎関節炎の適応拡大が承認される見込みです。

 

あとがき

今回の新有効成分含有医薬品はアナエブリ皮下注(一般名:ガラダシマブ)のみですが、こちらは国内初の作用機序を有しているため、期待できるのではないでしょうか。

 

その他、

はいずれも治療ラインがより早期から使用可能になりますので、治療選択肢が増えたことは朗報です。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
2025年より、新薬の承認・薬価収載のタイミングが年7回に増えましたので、より早期に患者さんに届けられるようになると思います。

 

以上、今回は2025年1月30日の薬事審議会・医薬品第二部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました!

 

 

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木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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