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今回はゾメタ点滴静注4mg/5mL 同4mg/100mL(一般名:ゾレドロン酸)についてご紹介します。
ゾメタは以下の効能・効果を有している薬剤で、主に悪性腫瘍(がん)に対して使用されている薬剤です。
- 悪性腫瘍による高カルシウム血症
- 多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
今回は上記2.の「がんの骨転移」とゾメタ(ゾレドロン酸)の作用機序についてご紹介します。
骨の代謝(リモデリング)
骨には大きく以下の2つの役割があります。
- 体の骨格維持
- 電解質バランス(特にカルシウム)の維持
これらの役割を果たすために、骨は「リモデリング」と呼ばれる代謝を繰り返して、常に丈夫な骨が保たれています。
リモデリングに関わる細胞には、骨を壊す「破骨細胞」と骨を作る「骨芽細胞」が知られています。
破骨細胞が古くなった骨を壊し(“骨吸収”と呼びます)、壊された部分に骨芽細胞が新しい骨を作ります(“骨形成”と呼びます)。
このようなリモデリングがバランス良く行われることで、約2年で全身の骨が作り替えられと言われています。
破骨細胞とがんの骨転移メカニズム
正常な状態では骨のリモデリングに関わる骨吸収と骨形成がバランスよく存在しています。
しかし、がん細胞が骨転移を引き起こす場合、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が優勢になってしまっています。
がんは血液やリンパ液に乗って、全身の様々な臓器(肝臓、肺、脳、骨、など)に転移します。
骨に転移しやすいがんとして、肺がん、前立腺がん、乳がんが知られています。
通常、骨は固い骨膜で覆われていますので、がん細胞は侵入することができません。
そこでがん細胞は「破骨細胞」を活性化させ、骨吸収を促進させて骨を壊していきます。
壊れた部位はポッカリと穴が開いた状態になりますので、そこにがん細胞が移動して骨転移が完成します。
ゾメタ(ゾレドロン酸)の作用機序
ゾメタは破骨細胞に取り込まれて破骨細胞の働きを抑制する「ビスホスホネート製剤(BP製剤)」に分類されている薬剤です。
破骨細胞の働きが抑制されることで、がん細胞の骨転移を抑制するといった作用機序です。
ゾメタによって骨転移は抑制することができますが、全身に存在しているがん細胞は抑制することができません。
全身のがん細胞に対しては抗がん剤治療が基本ですので、ゾメタは通常の抗がん剤治療と併用して使用されます。
ゾメタの副作用
主な副作用として発熱、嘔気、倦怠感、頭痛、骨痛、関節痛などが報告されています。
稀に重大な副作用として顎骨壊死(がっこつえし)の報告もあります。
これは顎の骨が壊死していく副作用で、重篤な場合は手術する必要もあるため、早めの発見が重要です。
その他、腎排泄型の薬剤のため、腎機能の低下した患者さんに対しては減量基準があります。
あとがき
がんの骨転移に対してはランマーク(一般名:デノスマブ)も販売されています。
ランマークの方が骨転移に対する効果が高い印象です。
ただし、ランマークは低カルシウム血症による死亡例も報告されていますので、副作用にはゾメタ以上に注意する必要があると思います。
また、有効成分のゾレドロン酸は、骨粗鬆症治療薬としても使用されています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
以上、今回はがんの骨転移メカニズムとゾメタ(ゾレドロン酸)の作用機序についてご紹介しました。
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