新薬承認・薬価収載

【効能効果追加】7製品(2025年11月20日)

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2025年11月20日、厚労省は既存薬の適応拡大など7製品を承認しました!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今回は概要を紹介します。

 

適応拡大等:7製品

●ユプリズナ点滴静注100mg(一般名:イネビリズマブ(遺伝子組換え))
:「IgG4関連疾患の再燃抑制」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。

ユプリズナ(イネビリズマブ)の作用機序【NMOSD】

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これまでは「視神経脊髄炎スペクトラム障害」に対する適応を有していましたが、今回、IgG4関連疾患に関する適応拡大が承認されました。

 

●ベオビュ硝子体内注射用キット120mg/mL(一般名:ブロルシズマブ(遺伝子組換え))
:「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」、「増殖糖尿病網膜症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ベオビュ(ブロルシズマブ)の作用機序・特徴【加齢黄斑変性】

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これまで、加齢黄斑変性に対しては初回導入期は「4週毎」とされていました。今回、導入期に「6週毎」の用法・用量が追加されました。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
また、新たに増殖糖尿病網膜症の適応症が追加されましたね。

 

●ビラフトビカプセル50mg、同カプセル75mg(一般名:エンコラフェニブ)
:「BRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ビラフトビ/メクトビ併用療法の作用機序【悪性黒色腫/大腸/甲状腺がん】

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現在は二次治療以降で使用されていますが、今後は一次治療からFOLFOX+ビラフトビ+アービタックス(セツキシマブ)の併用療法として使用可能となりました!

 

●オータイロカプセル40mg、同カプセル160mg(一般名:レポトレクチニブ)
:「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

オータイロ(レポトレクチニブ)の作用機序【ROS1陽性の肺がん】

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木元 貴祥
木元 貴祥
これまでは非小細胞肺がんにのみ使用可能でしたが、今後は臓器横断的な使用が可能です。

 

なお、同適応症については、4歳以上の小児から使用可能です。

 

既に類薬のロズリートレク(エヌトレクチニブ)ヴァイトラックビ(ラロトレクチニブ)も臓器横断的な使用が可能ですので、今後の使い分けが気になるところですね。

 

●ベネクレクスタ錠10mg、同錠50mg、同錠100mg(一般名:ベネトクラクス)
:「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ベネクレクスタ(ベネトクラクス)の作用機序と副作用【CLL/AML】

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これまでは「再発・難治性」の慢性リンパ性白血病に使用されていましたが、今後は一次治療(初回治療)から使用可能となりました!

 

一次治療では、イムブルビカ(イブルチニブ)またはガザイバ(オビヌツズマブ)と併用します。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
同日、イムブルビカとガザイバの添付文書も更新されていました。

 

●ダラキューロ配合皮下注(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))
:「高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ダラキューロ/ダラザレックス(ダラツムマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】

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くすぶり型多発性骨髄腫は、多発性骨髄腫の前駆状態です。

現在は経過観察が一般的でしたが、高リスクの場合にダラキューロを早期から投与することで多発性骨髄腫による増悪を遅らせることが可能とのことです。

 

●アネメトロ点滴静注液500mg(一般名:メトロニダゾール)
:「○嫌気性菌感染症<適応菌種>本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属、<適応症>敗血症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、肺炎/肺膿瘍/膿胸、骨盤内炎症性疾患、腹膜炎/腹腔内膿瘍、胆嚢炎/肝膿瘍、化膿性髄膜炎、脳膿瘍、○感染性腸炎<適応菌種>本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル、<適応症>感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)、○アメーバ赤痢(小児用量の追加)」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今回、小児用量が追加されましたね!

 

まとめ・あとがき

今回はいずれも既存薬の適応拡大等でした。

 

個人的な注目は、BRAF変異陽性の大腸がん一次治療におけるFOLFOX+ビラフトビ+アービタックス(セツキシマブ)の併用療法でしょうか。

ビラフトビ/メクトビ併用療法の作用機序【悪性黒色腫/大腸/甲状腺がん】

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木元 貴祥
木元 貴祥
既存の治療と比較して、生存期間の有意な延長も認められていますので、治療成績の向上にも寄与できるのではないでしょうか。

 

併用するFOLFOX療法については、エルプラット(オキサリプラチン)を使用するレジメンのため、以下の記事をご参照ください。

エルプラット(オキサリプラチン)の作用機序【各癌腫とレジメン】

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以上、今回は2025年11月20日に適応拡大された新薬などをご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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