新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】6製品+3製品(2022年11月28日)

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2022年11月28日、厚労省の薬食審医薬品第二部会にて新薬として6製品を審議し、全て承認了承されました!

その他、既存品3製品の適応拡大等について報告され、こちらも承認了承されています(うち、イミフィンジは審議品目として重複)。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
新有効成分含有医薬品は4製品ですね。

 

今回は概要について紹介しています。

 

審議品目:6製品

●クレセンバカプセル100mg、同点滴静注用200mg(一般名:イサブコナゾニウム硫酸塩)
:「下記の真菌症の治療:▽アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)▽ムーコル症▽クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

クレセンバ(イサブコナゾニウム)の作用機序【真菌症】

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トリアゾール系の新規抗真菌薬ですね!

イサブコナゾニウムはイサブコナゾールのプロドラッグで、体内で速やかにイサブコナゾールに変換されます。

 

他のトリアゾール系と同様、真菌細胞膜の主構成成分のエルゴステロール生合成を阻害することで抗菌活性を示します。

参考
ノクサフィル(ポサコナゾール)の作用機序・特徴【真菌症】

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●アドトラーザ皮下注150mgシリンジ(一般名:トラロキヌマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

アドトラーザ皮下注(トラロキヌマブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】

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木元 貴祥
木元 貴祥
国内初の抗IL-13抗体薬ですね。

 

IL-13はアトピー性皮膚炎以外にも関与しているので、今後の適応拡大も期待したいところです。

 

●イジュド点滴静注25mg、同点滴静注300mg(一般名:トレメリムマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」および「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

イジュド(トレメリムマブ)の作用機序【肺がん/肝がん】

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新規の抗CTLA-4抗体ですね。類薬としてはヤーボイ(イピリムマブ)があります。

 

イジュドは肺がんと肝細胞がんの一次治療において、イミフィンジ(デュルバルマブ)と併用して使用します。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
免疫チェックポイント阻害薬でいきなり一次治療の適応は珍しいかもですね。

 

●リブタヨ点滴静注350mg(一般名:セミプリマブ(遺伝子組換え))
:「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

リブタヨ(セミプリマブ)の作用機序【子宮頸がん】

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オプジーボ(ニボルマブ)キイトルーダ(ペムブロリズマブ)に次ぐ、3製品目の抗PD-1抗体薬です!

 

プラチナ製剤既治療(アバスチンの有無を問わず)の子宮頸がんに対して、単剤で使用されます。

 

●イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)
:「治癒切除不能な胆道がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】

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木元 貴祥
木元 貴祥
胆道がんの一次治療として初の免疫チェックポイント阻害薬の登場です!!

 

現在、一次治療の標準治療は、ゲムシタビン+シスプラチン(GC)療法ですが、それにイミフィンジを上乗せした3剤併用療法として使用します。

 

●イムブルビカカプセル140mg(一般名:イブルチニブ)
:「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能医薬品。

血液
イムブルビカ(イブルチニブ)の作用機序と副作用【CLL】

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イムブルビカはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬ですね。

 

同様の作用機序を有するBTK阻害薬のベレキシブル(チラブルチニブ)は、既に上記の効能・効果を有していますので、今後の使い分けが気になるところです。

ベレキシブル(チラブルチニブ)の作用機序【悪性リンパ腫】

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報告品目:3製品

●カルケンスカプセル100mg(一般名:アカラブルチニブ)
:「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫も含む)」を効能・効果とする新効能医薬品。

カルケンス(アカラブルチニブ)の作用機序【CLL】

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●ガザイバ点滴静注1000mg(一般名:オビヌツズマブ(遺伝子組換え))
:「CD20 陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫も含む)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

ガザイバ(オビヌツズマブ)の作用機序と副作用【悪性リンパ腫】

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カルケンスはBTK阻害薬、ガザイバは抗CD20抗体薬で、今回は慢性リンパ性白血病の一次治療として両薬剤の併用療法が承認了承されました。

 

慢性リンパ性白血病は希少疾病のため、なかなか治療開発が進みませんでしたが、近年は開発が加速している印象を受けますね!

 

●イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)
:「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」および「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】

続きを見る

 

審議品目として挙がっていたイジュド(トレメリムマブ)と併用して使用するため、イミフィンジも適応拡大が了承されていますね。

イジュド(トレメリムマブ)の作用機序【肺がん/肝がん】

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あとがき

今回は新規の免疫チェックポイント阻害薬が2製品(イジュド、リブタヨ)登場しました!

 

特にイジュドはイミフィンジとの併用で、肺がん・肝細胞がんの一次治療として良好な治療成績が示されているため、期待したいと思います。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
もちろん、子宮頸がん初の免疫チェックポイント阻害薬のリブタヨも期待大です!
リブタヨ(セミプリマブ)の作用機序【子宮頸がん】

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以上、2022年11月28日の厚労省の薬食審医薬品第二部会で承認了承された医薬品の概要をご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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